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2016年11月

2016年11月30日 (水)

2017/18秋冬イタリアヤーン 情緒溢れるダイナミズム

 「ワークショップ・フィラティ東京」は、ピッティ・イマジン・フィラーティのような催しを日本で実現するために企画されたイタリアヤーンの展示商談会です。2007年から年2回実施されていて、先般東京・渋谷で、2017/18秋冬展が開催されました。 

Img_22481jpg  出展したのは、イタリアのファンシーヤーンメーカー23社です。会場では文化服装学院など学生コンテスト「Feel The Yarn」作品(右)も展示され、来場者を出迎えていました。

 恒例となったオルネッラ・ビニャーミさんによるトレンドセミナーでは、2017/18秋冬は不明確としながらも、情緒に溢れたダイナミックなシーズンになる分析。

 カラーでは新しい価値と可能性を生み出す新色を加えて、ブラウンやレッドにナチュラルやニュートラル、パステルの組み合わせ、また温かみのあるブルーを含むブルーの広がりが指摘されました。

 素材では大きく次の4つのテーマを挙げ、ピッティ・イマジン・フィラーティで評価の高かったものをヴィジュアルで紹介。
 下記はその概略です。

⑴ エレメンタル Elemental
  自然界に着想したテーマ。秋の森や木の葉、また太古の昔を思わせるカラーで、手触り感や表情への関心が高まるとともに、ボリューム感や不揃い感、メランジ調が人気に。
⑵ ノスタルジック Nostalgic
  高級感のあるヴィンテージ調へのノスタルジア。職人的技術と現代感覚の融合がテーマ。ニューラルやパステルにリッチなアクセントカラー使い。ウールやカシミアでソフトなイメージ。
⑶ パフォーミング Performing
  ポジティブでグラフィカル。民族衣装に見られるような鮮やかな表現力のあるカラーで、プリミティブな陽気さを表現。編み込み、はめ込みでコントラストをつけるなど。
⑷ ノクターナル Nocturnal
  ドラマティックで、誇張されてはいるが計算されたスタイル。カーボンブラックなどダークに光沢や玉虫、ルーレックス、ラミネート、メタリックなど光の効果がポイント。

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2016年11月29日 (火)

「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダヴィンチ、チームラボ」

20160806_2156428  六本木ヒルズの森美術館で開催されている「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダヴィンチ、チームラボ」に行ってきました。

 宇宙は古来より永遠の謎です。だから人々は空想をふくらませ、世界各地でたくさんの物語をつくってきたのですね。
 本展にはチベットの曼荼羅から日本の平安時代の竹取物語絵巻、江戸時代につくられた望遠鏡で観察した月の図面などから、現代の名工の作品やモダンアートまで、宇宙と芸術の深く深い繋がりを感じさせる作品が勢揃い。見応えのある展覧会でした。

 写真撮影が可だった現代アートから気になった作品をご紹介します。

Img_77331  パトリシア・ピッチニーニの「ザ・ルーキー」。
 ピッチニーニは、遺伝子工学によってつくり出されたこの不可解な生命体を彫刻作品として表現するアーティストだそうです。
 これはかわいらしい赤ちゃんのようでもあり、芋虫のようでもあります。近くで見ると質感がリアルで、ちょっとぞっとします。人間は宇宙での環境に適応するために、こんな風に遺伝子操作で改良されていくのでしょうか。何か怖い~~!

Img_76971  ビョーン・ダーレムの「ブラックホール」。
 巨大なブラックホールが中心にある銀河系と最新の宇宙の在り方を再解釈し、宇宙の概念を表現したといいます。

 他にも宇宙を題材にした作品は多数。

Img_77491  そして最後のハイライトが、チームラボの新作「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく ? Light in Space」。
 これは宇宙船か何かに乗って、太陽の巨大なエネルギーを体感するようなインスタレーションです。バーチャルなのに浮遊する感覚がある、何とも不思議な体験をしました。

 なお開催は来年の1月9日までです。

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2016年11月28日 (月)

「レ・パルファム・ジャポネ―香りの意匠100年の歩み」展

 東京・銀座の資生堂ギャラリーで12月25日まで、「Les Parfums Japonais(レ・パルファム・ジャポネ) ―香りの意匠、100年の歩み―」展が開催されています。今月初めの4日、この内覧会が行われました。
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 トークセッションで、本展の概要がプレゼンされました。

 1910年代後半、資生堂の初代社長の福原信三氏は、日本的美意識に細部までこだわった日本発の香水を生み出します。このきっかけとなったのが、1913年に初めて渡ったパリで、当時の潮流、アールヌーボーの優美な香水瓶を街角の店頭で目にしたことだったそうです。このパリでの体験が後に「芸術の商品化」という言葉となり、同社の化粧品製造の精神として現在に受け継がれているといいます。
 展示品を見ると、資生堂が香水そのものもさることながら、それを入れる器のデザインにも注力してきたことがよくわかります。

 また本展では展示法もユニークです。小さな香水瓶にドーム型のフードを被せていて、このフードは葉に着いた水滴をイメージしているそうです。香水瓶をのせた台も葉の形をしていたりします。

 各コーナー別にご紹介しましょう。

 最初のコーナーが、「パリの芸術文化への憧れ」です。
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Img_23971  アールヌーボーを代表する香水瓶が展示されています。
 右はガレの蝉を配した意匠の香水瓶です。時折、蝉が羽ばたく映像が映し出されます。その動きのある楽しい趣向に目がテンになりました。

 このパリの息吹が資生堂に豊かなデザインをもたらすヒントになったのですね。

Img_23931  次は「香水制作の始まり」コーナーです。
 パリから帰国した福原氏は、とりわけ香水の制作にこだわったそうです。人間の嗅覚のための芸術をつくり出そうと、香水を芸術として意識したとか。
 右上は1917年に発売した初の香水「花椿」です。
 初期の香水瓶は、同時代の西欧の本格的クオリティを目指してつくられたといいます。

Img_23921  続いて「商品の芸術化とオリジナリティ」コーナーでは、1930年代頃からの日本人の感性を加えたオリジナリティを重視した香水が並びます。
 注目されたのは右の「WOO-ME」。「梅」を連想させるネーミングで、「私を好きになって」という意味だそう。

 さらに「日本の香水―戦後から現代へ」のコーナーに出ているのは、コマーシャルなどでもおなじみの「禅」とか「琴」、「舞」など。

 最後のコーナーが「ウイットと恋のかけひき」です。ここでは9個の香水瓶との驚きのインターラクティブなインスタレーションが楽しめます。

Img_23821 香水の前に立って手を振ると、センサーが恋のかけひきを表す詩の一節を描き出すのです。

 恋の始まりは「軽はずみ」です。

Img_23871  次に「あなたのもとへ」-----と続き、恋の終焉は「さよならは言わない」。

 資生堂らしい何ともウイットに富んだ粋な仕掛けと思いました。

 
 これは資生堂香水瓶の100年間の歩みの集大成となる展覧会です。銀座にお越しの際、ちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょう。

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2016年11月27日 (日)

2017春夏PRO1展 洗練された高級感のあるカジュアル

  2017春夏「PR01. TRADE SHOW TOKYO」合同展(アッシュ・ペー・フランス主催)が、昨日のこのブログで紹介したアンビアンス(Ambiance)」展と同時期の10月18~20日、東京・EBiS303で開催されました。これはアジアをつなぐプラットフォームとして、東京をはじめ世界中から厳選したブランドを集め、国内のみならず海外へと発信していくプロジェクトといいます。約30ブランドが出展し、全体に洗練された高級感のあるカジュアルなコレクションを見せていました。

シガ(SHIGA)
Img_15461 ブランドを手がけるのは志賀亮太デザイナー。
今シーズンはオフタイムも洗練されたエレガント感を忘れない女性に向けて、仕事の疲れをいやしてくれるような雰囲気のあるコレクションを提案したといいます。
ナチュラル感とモダンさを併せ持つ、シンプルな感覚のアイテムを揃え、着姿のシルエットの美しさが目を惹きます。
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   素材は自ら開発したオリジナルだそう。クリーンなカットジャカードやモアレ柄が目新しく、ペンシルストライプもさりげない感覚です。

クリーン (Clean 2)
Img_15541  スリー・ハート・クリエーションが展開するレディースブランドで、2008年秋冬から本格始動したといいます。
 今シーズンは、「ロマンティック+スポーツ」感覚で、コットンやデニムを中心に、どこか女性らしい優しさ、可愛らしさが見え隠れする大人のデイリーカジュアルを展開しています。

タウ アイ ディール(TAU ai DEAL)
Img_15591  「何度も着たくなる服作り」をコンセプトに、2年前にブランドを立ち上げ、今回初めてPRO1合同展に参加したといいます。
 今シーズンのテーマは「流れ」で、流れによって出来る線や面、造形美に着目。着やすく着心地のよい日常着を提案しています。

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2016年11月26日 (土)

2017春夏アンビアンス展 厳選された有力ブランドが集結

 2017春夏コレクションを発表する「アンビアンス(Ambiance)」展が、アマゾンファッションウィーク東京(AFWT)の最中の10月18~20日、東京・渋谷の文化ファッションインキュベーションで開催されました。
 今シーズンは国内外の厳選された有力ブランド、23社が集結し、各社個性的なエッジの効いたデザインを見せていました。私がとくに注目したのは、素材のクオリティやディテールテクニックの高さです。

コハクション(ko Haction) 
Img_15931  小池俊介さんがデザインする「コハクション」は、実験的な服づくりで、いつも新鮮な驚きのあるブランドです。 今季は「クリスプ・ムーヴメント」をテーマに、新しく開発した「デニちり」のコレクションを披露しています。
 これは丹後ちりめんで有名な京丹後産地と共同開発したオリジナルデニムです。ちりめん特有の強撚糸とシルクの洗い加工である精錬を応用してつくったといい、その独特のシボ構造で、光が乱反射し、色に深みが増しているようです。しなやかでソフト、自然のストレッチ感も心地よさそう。
 シルエットは素材感を活かしたシンプルなデザインで、伝統のちりめんがモダンに生まれ変わっていました。

ヴェントリロクィスト(Ventriloquist)
 デザイナー根本貴史さんと伊藤里恵子さんが手がけるブランドで、着々と販売網を拡げている様子です。
 今季のテーマは「ポートレート・オブ・ワーカーズ(Portrait of the workers)」。
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 新しい色使いの迷彩柄やジャカード、インディゴ素材、ニットなど、布を巻いたり、結んだり、ねじったり、捩ったり----、アフリカンなイメージを感じさせます。デコンストラクトなデザインに洗練されたセンスのよさを垣間見るコレクションです。

ヘメラ(HEMERA)
  アンビアンス展に初出展したブランドで、代表は太田宏大さん。2014年に東京にカスタムオーダーを立ち上げ、プレタポルテを手がけるのは今季からだそう。
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 ブースでは高級素材に着目。スイスコットンで名高いアルモ社の超繊細なボイル地が使われています。仕立てのクオリティも高く、手巻きのふち縫いなど、職人の美しい手仕事の技が印象的です。
 洗練された大人のエレガンスあふれるコレクションです。

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2016年11月25日 (金)

2017春夏プリスティン 「愛」をテーマに

 オーガニックコットンのアバンティの製品ブランド「プリスティン(PRISTINE)」の2017春夏展示商談会が先月半ば、同社本社で開催されました。
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 テーマは「愛」で、大切に思う心を形にしたといいます。

Img_13431  今回とくに目新しく思ったのがアクセサリーです。右は「シンデレラパール×オーガニックコットンリボンネックレス」。パールは愛媛県宇和海でとれた不揃いのアコヤ貝のパールなので、「シンデレラパール」と名付け、オーガニックコットン生地を一針ひと針縫い留めたビーズとを組み合わせてネックレスにしたものです。リボンがアクセントになっています。
 これは遠く離れたカンボジアの障がい者が手仕事で丹念につくったといいます。

Img_13511  また夏に重宝しそうなラフィアの帽子やバッグにも目が行きました。
 これはマダガスカル産のラフィアで、マダガスカル人の手でつくられたものだそうです。プリスティンでは、これらを日本に広めることでマダガスカルの人々に安定した雇用と収入をもたらすことを目指しているといいます。

 さらに今シーズン、初めてお披露目されたのがメンズのアンダーウェアのブランド「ジェンツ(gents)」です。ブリスティンもいよいよメンズに乗り出したのですね。
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 縫い目のない立体編みのシャツやUネックインナー、ショーツ、トランクス、アンダーパンツなど、とことんオーガニックコットンにこだわってつくったというアイテムは、男性たちの心をきっと虜にすることでしょう。

 トピックスとして、アバンティの渡邊智恵子社長が、今年1月から1年間、RNB南海放送のラジオ対談、「22世紀に残すもの」でパーソナリティを務めていることもお伝えします。「今の行動が7世代後に影響する。22世紀のための選択をしたい」という言葉は重いですね。本当に渡邊社長ってすばらしい社会起業家ですね。
 放送は、渡邊智恵子フィシャルサイトでご覧になれます。

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2016年11月24日 (木)

日本綿業振興会賞にアルビノの人々を表現した作品

 第54回全国ファッションデザインコンテスト(一般財団法人ドレスメーカー服飾教育振興会・学校法人杉野学園主催)が、先月15日に開催され、日本綿業振興会賞が山本朱莉(あかり)さんのアルビノの人々を表現した作品に贈られました。

Img_14131  今回は1,681点の応募があり、その内、ファッションショー形式による審査会に臨んだのは、入選作品38点です。
 写真左中央が「アルビニズム」と題した山本さんのスタイル画です。

 この中から、文部科学大臣賞を始めとする各賞が授与されました。日本綿業振興会賞は企業賞の一つで、私も審査員の一人として参加しています。

Jfdc161015_03131  日本綿業振興会賞を受賞した山本朱莉さんは現在、愛知文化服装専門学校2年生です。
 ごく身近にウエディングドレスのアトリエを開いている方がいて、服飾の世界に憧れるようになったそうです。高校もファッション文化科のある名古屋市立桜台高等学校に入学し、その頃から女性が美しく見えるのは白いドレスと気づくようになったと話します。 
 アルビノは遺伝子の突然変異で先天的にメラニン色素が薄いため白色になることです。でもなぜアルビノをテーマにしたのでしょう。そのことをお伺いしましたら、動物が好きで、動物たちにも、また人間にもアルビノがいて、彼らは美しいのに逆境にいることを知ったからだそう。この人たちのためにドレスを創りたいと思うようになったといいます。

Jfdc161015_03151  ポイントは、肩と円形の装飾で、肩はたくましく見えるようにボリュームをつけ、円形のフリルのような飾りをあしらって、全体にやわらかい雰囲気に仕上げています。この飾りは大きく開いた白い花のようにも見えます。
 素材はコットン/カシミア混のニット生地で、ベースにコットンを使用しているとのこと。
 また先端の丸い花びらのようなパーツは、山本さんのオリジナルで緩衝材を加工したもの。材料は果物の出荷などによく使われる繭のようなエアーキャップで、それを水の中でつぶして乾燥させ、丸い平らな小石状にしたものに、トップコートをのせて光沢をつけたといいます。山本さんの家はブドウ農家で、このような緩衝吸収材がたくさんあるのだそうです。

 デザイナーを目指して修行中の山本さん、今回の受賞を機に、大いに羽ばたいていかれることでしょう。
 なお、受賞作品の写真は、杉野学園よりお送りいただきました。

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2016年11月23日 (水)

コーシェ×ファセッタズム デザイナートーク・セッション

 先月のカラート71プロジェクトで、「コーシェ×ファセッタズム デザイナートーク・セッション」が開催されました。
Img_15281  ファセッタズム(FACETASM)」の落合宏理デザイナーと、「コーシェ(KOCHE)」のクリステル・コーシェ デザイナーによる対談で、二人とも2016年度LVMHプライズでファイナリストに選ばれた、実力派若手デザイナーです。「ナビゲーターを務めたのはファッションディレクターの萩原輝美さんです。
 このお二人が東京とパリでのクリエーションを語り合いました。

 まず「コーシェ」ですが、先月のAFWT東京コレクションに初参加し、原宿で路上ショーを行って話題を集めました。
 ブランドを手がけるクリステル・コーシェさんは、クロエなどビッグメゾンで経験を積み、2014年に自身のブランドを創設。現在もシャネル傘下のオートクチュール工房「ルマリエ」でアーティスティックディレクターを務めているそうです。
 量産には程遠い、手技のラグジュアリーブランドですが、コレクション発表の場がアーケード街などストリートというのがユニークです。
 その理由を問われて、「ファッションはリアルで皆のものだから。チケットなしで一般の人に見てもらえること、そこに自分が伝えたいメッセージがある」といいます。モデルも様々な職業や年齢の人をミックスしてやっているとのこと。そこにはTシャツのような普段着もあり、それらをバランスよく組み合わせてコレクションを構成しているといいます。コンセプトを「COUTURE TO WEAR」としていることも印象的です。
 次に「ファセッタズム」です。デザイナーの落合宏理さんとこのクリステル・コーシェさんは同年齢。ちょっとしたライバルですね。但し「ファセッタズム」は3分の2がメンズで、今シーズン、ブランドとして初めてパリコレクションに参加しました。落合さんは「日本のストリート感を伝えることができ、よい結果を出せた」といいます。
 東京からパリへ発表の場を移した落合さんに対し、クリステルさんが「日本のファッションは好きだし、東京には何かを変えるパワーがあると思っている。この東京の可能性をどう捉えているか」と質問すると、落合さんは「独特の進化を遂げているが、ビジネスに繋げることが見えてこない。不明な部分が大きい」と答えていました。「パリには多くの出会いがあって、刺激的。パリの方が自分のブランドが光ることがわかった。今後、東京でやることはもうないと思う」とも。
 最後に、この場に出席していた大勢のデザイナー志望の学生に向けて、次の言葉が贈られました。「自分を信じ、個性を大切にして、クリエーションへの強い意志を持つこと」。新しいものを創ることをミッションと考えているお二人らしい発言でした。

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2016年11月22日 (火)

2017/18秋冬 尾州ヤーンフェア 注目のコットンヤーン

  尾州マテリアル展では、今回初めて糸の展示会「尾州ヤーンフェア(BISHU YARN FAIR)」が同時開催されました。
 中でも注目は、新しく開発されたコットンヤーンです。その技術力やモノづくり力が高く評価されている2社をご紹介します。

浅野撚糸
Img_13261  世界初の撚糸工法で、高級タオル「エアーかおる」をヒットさせている浅野撚糸。今回は特殊撚糸の「スーパーゼロ(SZ)」を大きく打ち出していました。(右はその製品展示)

 SZは紡績糸が持つ元々の撚りと逆方向に撚りをかけることで繊維の間にすき間を作り、従来品の倍近い膨らみを持たせたもの。同じ重さでも普通のタオルの倍ほどの厚みがあり、吸水性も高く毛羽落ちも無撚糸タオルの4分の1程度といいます。

Img_13241_2  とくに「SZ425」は、撚った後に水溶性糸を溶かした糸で、のりでコーティングした上で、逆方向に2倍撚った糸。圧倒的な吸水力となめらかな肌触り、柔らかさを誇ります。
 ブースでは「SZ425」と普通糸を秤にかけ、SZ425はボリュームがあっても軽いことをアピールしていました。

豊島
Img_13341  「オーガビッツ」をはじめ、様々な素材を提案していますが、とくにコットンで訴求していたのが、綿100%の「スプレンダーツイスト」です。特殊技術で撚り合せたコンパクトな精紡交撚糸で、毛羽が少なく、光沢感があります。

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2016年11月21日 (月)

2017/18 秋冬尾州マテリアル展 コンセプトは「衝突」

 2017/18年秋冬の尾州産地の素材を発表する尾州マテリアル展 <主催:一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)> が、10月12-14日、東京・北青山のテピアで開かれました。参加したのは、尾州産地のテキスタイルメーカー、16社で、来場者は2,000名を超え、会場は終始盛況だったとのことです。

 新作生地は約1,530点で、全体にウールとしてはより薄く軽い、秋らしい感覚の素材が多かったようです。その内の194点は、FDCが提携しているネリーロディ社のトレンド情報を基に製作したといい、この新開発素材は、トレンドを示す大きな3つのグループに分類され、展示されました。
 ネリーロディ社が今シーズン、トレンドコンセプトとして提案したのは「衝突」です。考え方や価値観の対立が深まる世界情勢を反映するような内容ですね。ファッションは今、装飾的で力強いシルエットの服が目立っていますが、これもモード界のリーダーたちがテイストやシルエットの画一化に反抗し、自由な表現を求めている現れと思われます。

 その3つのテーマをご紹介しましょう。
Img_13161  スカルプチュアル・ビューティ
 (彫刻的な美)

 明暗コントラストの色調で、彫刻的な凹凸感のある素材が多くなっています。

Img_13101  グラマー・エレガンス
 (魅惑的なエレガンス)

 鮮やかでセクシーな色調で、過去10年間の魅力的なスタイルを再解釈したような素材がたくさん見られます。

Img_13001  ミスティ・ダンディ
 (霞んだダンディ)

 ニュアンスに富む色調で、無地ライクやグラデーションが主調。ラインをぼかし不鮮明感を演出する素材を中心に。

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2016年11月20日 (日)

国際福祉機器展⑶ ソニックキルトの「ハッピーおがわ」

床ずれ防止マットレスなどのユニバーサルデザイン製品で知られる「ハッピーおがわ」が、今年も第43回国際福祉機器展2016に出展していました。
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Img_13961_2  とくにソニックキルトの高反発クッションを大々的に発信していたのが印象的です。
 ソニックキルトとは、いわゆるキルティングではないノンキルトで、超音波をあてて柄を出すキルトです。まったく縫っていないので、針孔がなくダニの侵入を防止する、空気漏れが少なく保温性が高い、加工中に高温処理するので微生物を除去し衛生的といった利点があるといいます。

Img_14071_2  中でもその人気商品が「楽パッドロール」だそう。二つ折りにしたり三つ折りにしたり、目的に応じて自由に使える、汎用性の高い変形クッションで、携帯用クッションとして、また座布団やまくらに、車いす用にと、重宝されているといいます。

 このソニックキルトも年々進化、素材のバリエーションが拡がっているようです。今後ますます様々な商品に活用されていくことでしょう。

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2016年11月19日 (土)

国際福祉機器展⑵ 素敵にアクティブ!「ケアファッション」

 先般の第43回国際福祉機器展2016では、ユニバーサルファッションでいつも注目している「ケアファッション」のブースを訪れました。
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Img_13611 ご担当のキアレッタのデザイナー、前野いずみさんにお話を伺うと、今季は新しく「素敵にアクティブ!」と旅をテーマに発信するなど、バリエーションを拡大したとか。そこにはいくつになってもファッションを楽しめるアイテムがたくさん揃っていました。

Img_13631  たとえば肩や腕をぐっと上げなくても楽に着られるゆったり設計や、大き目のボタンやマグネットボタン、取っ手がつかみやすいファスナーなどのやさしい設計、また腰をすっぽりと包み込むようなCラインカーブのパンツ、裾ファスナーの足湯パンツ、さらに背中部分にタックやゆとりを入れてシルエットのブレや着崩れを防ぐ設計のトップスなど。

 ちょっとした体の変化から生じる不満や不便を解決する工夫やアイディアがいっぱい。おしゃれな着こなしの提案もみられ、印象的でした。

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2016年11月18日 (金)

国際福祉機器展 ⑴ 日本初の「穿くロボット」

 先般開催された第43回国際福祉機器展2016で、日本初の「穿くロボット」、ロボティックウェア「クララ curara🄬」の新パンツタイプが発表されました。
Img_13751 「クララ curara🄬」は、このブログ2015年4月19日付けですでにご紹介しています。
 開発したのは、信州大学繊維学部橋本・塚原研究室で、毎年同展で新型「クララ」のプレゼンテーションを行っています。
 今年はパンツタイプ仕様のものを、2015年から新たに東京都立産業技術センターと共同開発したといいます。限りなく装着しやすくした衣服一体モデルで、会場ではデモンストレーションも行われていました。

 一人で着用可能で、装着時間は何と3分!
Img_13771  パンツをはき、ベルトを締め、コントローラーを背負い、モーターを取り付け、ケーブルとモーターを接続すればOKです。

Img_13791  あらかじめパンツに腰や膝関節の位置が固定されているので、位置ズレが減り、同時に装着時間も従来型と比べ大幅に短縮されたといいます。軽量化も進み、昨年発表した3号機と呼ばれる上肢下肢一体化モデルは、総重量10kgを実現したとのこと。装着したときの違和感もずっと少なくなったといいます。

 今後は5年後の実用化を目指し、検証実験を重ねていくそうです。また歩行アシスト、サイボーグプロジェクトも始動。カーボンやファイバー技術により究極まで小型軽量化するとともに、骨髄内釘を応用して体内に埋め込むことを計画しているとか。

 歩行に障がいのある方をアシストするロボティックウェアに、乞うご期待!です。

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2016年11月17日 (木)

「ダリ展」 シュルレアリスムの奇才

1e0b57  今、東京の国立新美術館で「ダリ展」が開催されています。シュルレアリスムの奇才、サルバトール・ダリはファッション界とも関係が深い芸術家です。3年前にパリでその回顧展が行われましたが、混み過ぎでチケットが買えませんでした。それを思い出し、今回は何としても見たいと思って行ってきました。平日の午後で、待ち時間はありませんでしたが、中はNHKの日曜美術館で取り上げられたこともあったのか、かなり混んでいました。

 見どころはやはりダリが1929年にシュルレアリスムに目覚めた時代以降の作品です。「シュルレアリスムの時代」と題した展示コーナーでは、「子ども、女への壮大な記念碑」(1929)、「姿の見えない眠る人、馬、獅子」(1930)が興味深い。一つの形が2つにも3つにも見えます。「謎めいた要素のある風景」はダリが傾倒していたという17世紀のフェルメールの絵画に着想を得たといいます。奇妙な謎めいた絵です。

 「引き出しのあるミロのヴィーナス」(1936)もありました。白塗りのブロンズ像で白テンの毛皮の房をついています。これは1930年代のパリモードをけん引したエルザ・スキャパレリがたくさんのポケットを引き出しのようにデザインした「デスクスーツ」の基になったものです。
 スキャパレリはダリと契約し、そのモチーフを様々なクリエーションに生かしています。ダリの「ロブスター電話」にインパイアされた「ロブスター・ドレス」という作品はあまりにも有名です。
 またダリが理想とした女性、ハリウッド女優のメイ・ウエストの体型から、「ショッキング」と名付けた香水瓶もつくっています。後にジャン・ポール=ゴルチエもこのボトルを模倣しているのですね。

 最後に「メイ・ウエストの部屋」があり、ここだけ撮影が可能でした。
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Img_25091  唇型のソファもシュールですが、前に立って見ると、部屋全体がメイ・ウエストの顔のように見える不思議な体験をしました。

 ファッションやインテリアデザインともつながりの深いダリです。それだからでしょうか。若い人の姿が目立ちました。さすがの人気アーティストと思います。

 なお会期は12月12日までです。

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2016年11月16日 (水)

「禅―心をかたちに―」展 チームラボ新作「円相 無限相」

 東京国立博物館平成館で開催されている特別展「禅―心をかたちに―」の後期展示が8日から始まり、これに合わせてチームラボの新作発表「円相 無限相」が行われました。今月下旬にシンガポールで公開予定の新作で、先行公開されることになったものです。

 この内覧会に招待され、行ってきました。
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 同館学芸研究部列品管理課長の救仁郷秀明氏による展示概要や臨済宗龍雲寺住職の細川晋輔氏のご挨拶の後、チームラボ代表の猪子寿之氏が作品を前に語られました。
Img_24701 「書は紙ができる以前は石に彫られていた。だから立体で再構築しようと、空間に円を描きました。空中に描かれた円は延々と描かれ続け、二度と同じ形はありません」と。円は表側がいつのまにか裏側になり、永遠に連続し、メビウスの輪のように見えます。決してスタート地点に戻ることはないのです。円相は禅の悟りの境地であるといいます。その無限大や宇宙、真実-----の奥義を表すCG表現は、なかなか圧巻です。

Img_24781  
Img_24831  本展では入口に有名な白隠禅師の最晩年の作と伝えられる達磨像がかかっています。
 その先に、水墨画の巨匠、雪舟の「慧可断臂図」があります。いずれもかなり大きくて、私はその大きさにも圧倒されました。

 白隠コーナーには、白隠による慧可断臂図もあり、達磨大師が円相の中に描かれていて、より高い精神性を感じさせます。
 同じ画題なのに表現が違うので、比較して見るのもおもしろいですね。

Img_25501_3  伊藤若冲の晩年の作「鷲図」と「旭日雄鶏図」も出品されています。

 若冲も30代半ばから禅に帰依し、剃髪して肉食妻帯を避けたのだそうです。

Img_25321  後期展示には、禅寺各派の所蔵品や、織田信長や豊臣秀吉といった戦国武将の肖像画など、禅に関わる名作がたくさん揃っています。
 右は江戸時代の羅漢像です。

 何しろ臨済宗の開祖、臨済義玄禅師の死後1150年と、日本の臨済宗中興の祖、白隠慧鶴禅師の死後250年を記念する、50年に一度の展覧会ですからね。一見の価値ありと思います。
 開催は27日まで。

 (なお撮影は美術館より特別に許可をいただきました。)

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2016年11月15日 (火)

特別企画展「西洋服装史Ⅱ ―スタイルとディテイル― 」

Kikaku16_f_05_01_300x423_2  東京家政大学博物館で開催中の特別企画展「西洋服装史Ⅱ ―スタイルとディテイル― 」に行ってきました。会期は17日までです。あと残り数日というタイミングで、滑り込みセーフでした。

 会場には奥様風の来場者が思いがけなく多く詰めかけていて、関心の高さをうかがわせました。

 場内では18世紀後期から20世紀初期のヨーロッパにおける女性服や資料が紹介されています。作品は同大学の所蔵品が主で、ロココ・スタイル(1730-1790年頃)からエンパイア・スタイル(1790-1820年頃)、ロマンティック・スタイル(1820-1840年頃)、クリノリン・スタイル(1840-1870年頃)、ウエディングドレス、バスル・スタイル(1870-1890年頃)、下着、アール・ヌーヴォー・スタイル(1890-1910年頃)、アール・デコ・スタイル(1910-1930年頃)、子ども服までが年代順に展示されています。
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 但し他展と大きく異なっているのは、単にスタイルの変化だけではなく、ディテイル(細部)にまで目が向けられていることです。
 私が注目したのはレプリカ・コーナーで、ロマンティック・スタイルとバスル・スタイルの各2点が出品されていました。制作されたのは同大学服飾美術学科研究室 (能澤慧子教授や倉みゆき准教授を中心とするグループ)です。
 手縫いが一般的だった時代のウエストラインでのスカート付けの手法や、肩の接合線が現代のように肩の上ではなく後方にズレ落ち、袖付けが後方に偏っていることなどを、改めて発見しました。
 能澤先生がおっしゃるように、当時の女性たちは肩先を後ろに反らして、胸を突き出す、不自然なまでに良い姿勢をとっていたようです。それにしてもこのようなバストとウエストのサイズに差がある小柄のボディをよく見つけたと思いました。
 昔の美女たちはきっとこんな風にお人形のような華奢な体型だったのでしょうね。

 先生方のご研究の成果に目を見張った、すてきな展覧会でした。

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2016年11月14日 (月)

AFWT2017春夏 ミュージアム バイ エイチ フラクタル

 今シーズンの東京コレクションAFWTでは、インスタレーション形式でのプレゼンテーションも多くなっています。その一つが「ミュージアム バイ エイチ フラクタル(MUSEUM by H>FRACTAL)」が展開する3つのブランド、PARADOX/ THE TEST /MUZE の合同展でした。
 ブランド毎に異なる演出のもと、同社屋の各フロアーで、2017春夏の最新コレクションが発表されました。いずれも今どきのミュージックやアートの世界との深いつながりを感じさせるようなエッジの効いたデザインです。

Img_21041  PARADOX を手がけるのは鉄羽淳平デザイナー。ストリートカルチャーを軸にしたユニセックスなブランドです。
 今シーズンは、軽やかな透けるドレスにオーバーサイズなブルゾンの組み合わせなどを提案しています。

Img_21171  THE TESTも、ユニセックスなブランドで、担当は佐藤立志デザイナー。コンセプトは「ハイデザインをリアルストリートへ」。
 グラフィカルなプリントやカモフラージュ柄のウェアなど、今を感じるデザインです。

Img_21231  柴原寛/石田正敏の二人のデザイナーがプロデュースするMUZEは、時代のミューズとなる男性像を追求するブランド。
 「リラックス、フューチャー、アーバン」キーワードに、今季は「AWAKENING」をテーマに展開。

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2016年11月13日 (日)

AFWT2017春夏プラスチックトーキョー コードを再構築

 デザイナーの今崎契助が手がけるユニセックスなブランド「プラスチックトーキョー(PLASTICTOKYO)」が、AFWTヒカリエホールで、2017年春Img_21591夏コレクションを発表しました。

 テーマは「イミグレーション」で、入国審査などの規定に着目し、それを皮肉るようなファッションを提案しています。

 スーツなどクラシックなアイテム(右はシャネルスーツ)は、すっかり解体され、新しいバランスのレイヤードを見せていました。

 既成のドレスコードを打ち破り、再構築する、このブランドらしいノールールなコレクションでした。

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2016年11月12日 (土)

AFWT2017春夏ケイスケ ヨシダ 「リボーン」テーマに女性服

 「ケイスケ ヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」は、新感覚の若手ブランド集団、東京ニューエイジの吉田圭佑デザイナーが手がけるブランドです。
 同グループの青木明子のショーに続いて、同ブランドも同じ会場内で2017春夏コレクションを発表しました。
 
Img_21341 今シーズンのテーマは、「リボーン(Reborn)」です。
 生まれ変わりたい心境を込めて、これまでとは異なり、女性服にしぼった新しい展開を見せていました。

 素材はメンズ感覚なシャツ地やスーツ地が多く、それにフリルやラッフル、プリーツといったディテールを多用して、カジュアルなモード感を表現しています。

 若者たちの不安定さをさりげなく表現しているようなコレクションでした。
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2016年11月11日 (金)

AFWT2017春夏 アキコ アオキ ボリュームのコントラスト

 東京ニューエイジの新進若手デザイナー、青木明子が手がける「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」が、AFWT最終日、東京・渋谷の宮下公園会場で、2017春夏コレクションを発表しました。
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 ポイントはボリュームのコントラストで、肩や腰をふくらませる人工的なシルエットです。
 ウエストにコルセットをのせたデザインやパフスリーブなど、ロココ風な表現も多く見られました。
 それはまさに「創られる身体」といってもいいファッションでした。

 現代女性たちの間には、このようなファンタジーへの願望が潜んでいるということでしょう。
 それを目の当たりにしたようなコレクションでした。
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2016年11月10日 (木)

AFWT2017春夏ハオリ ドゥ ティティ 大人のフォークロア

 「ハオリ ドゥ ティティ (haori de TiTi)」は、八巻多鶴子デザイナーが2014年に立ち上げたブランドです。その名の通り、羽織のように身体になじみ、着る人それぞれの新しいフォルムを生み出せるのが特徴といいます。
 今季もAFWTに参加し、2017春夏コレクションを青山の直営店を舞台にインスタレーション形式で発表しました。
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1  テーマは「ミューズ ― ルネ・ラリックの女神たち」です。店内奥には、ラリックのガラスアートの代表作「女神」や「水の精ニンフ」も展示されていました。

 新作は、こうしたラリック作品に見る美しい女性像にインスパイアされた「エレガントな大人のフォークロア」スタイルです。スラブ風のモチーフやレース、フリンジなどのディテールがフォークロアを想起させます。
 またボタンの付け外しで表情が変わるドレスやストールに変化するケープなど、様々なシーンに合わせていくつもの着こなしが楽しめるデザインも豊富。

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 カラーはモノトーンが基調で、素材は上質なシルクやレースなど天然素材が中心です。
 久しぶりに洗練されたエレガントなリアルファッションに接し、魅せられたひとときを過ごしました。

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2016年11月 9日 (水)

2017春夏リトゥンアフターワーズ 花をモチーフに楽しむ女性

 先月中旬、東京・表参道のギャラリーで開催された「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」の2017春夏もの展示会に行ってきました。
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Img_14671  ブランドを手がける山縣良和デザイナーは、今季、花をモチーフに提案。激動の時代に花でファッションを楽しむ女性をイメージしたといいます。

 オーガンジーの花のプリントや刺繍、アップリケのロングドレスやフレアーするワイドパンツ、また白や黒のファンシーなコットンのカットジャカードのものなど。
 ロマンティックな優しさの中に、しなやかにたくましく生きる女性らしさが垣間見える、このブランドらしいファンタジックなコレクションでした。
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AFWT2017春夏 ユイマナカザト 近未来のオートクチュール

 今回のAFWT2017春夏では特別イベントとして、中里唯馬デザイナーによる「ユイマナカザト」オートクチュールコレクションが、表参道ヒルズのスペースオーで、インスタレーション形式で披露されました。
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 中里さんについてはこのブログ2016.8.8付けで紹介していますのでご覧ください。テーマは「近未来のオートクチュール」で、会場ではライトアップされたモデルたちが、その宇宙的で神秘的な姿を余すところなく見せてくれました。
Img_20001 Img_20171   着想源となったというアイスランドの原風景も映像で流れていましたね。地球ではない別の惑星には、このような外見の生物がいるのかもしれない、と思うようなコレクションでした。

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2016年11月 8日 (火)

AFWT 2017春夏ユマ コシノ グラフィック効果に魅せられて

 デザイナーの小篠ゆまが手がける「ユマ コシノ(YUMA KOSHINO)」が、2017春夏コレクションをAFWT渋谷ヒカリエで発表しました。

 テーマは「オプティカル・イリュージョン」で、グラフィックな視覚効果に目を奪われる、美しいコーディネイトが次々に登場しました。
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 素材は、フランスのマリア・ケント社のものをふんだんに使用されていたようです。同社はファンシーな糸使いの大胆で個性的なジャカードを得意とするテキスタイルメーカーで、今回のコレクションテーマにぴったり。
 カラーコントラストを効かせた斬新な組み合わせに、豊かな才能を感じます。
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 ラストは、流れるようなカッティングのプリーツドレスで締めくくりました。

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2016年11月 7日 (月)

AFWT2017春夏 ジン カトウ 20~30年代に「永劫回帰」して

  いつもクラシックで女らしいエレガントなファッションを展開する「ジン カトウ(ZIN KATO)」。その2017春夏コレクションのテーマは、「Eternal Return(永劫回帰)」です。
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 同ブランドを手がける加藤 徹デザイナーによると、トレンドは一巡りして基に返り、新たなサイクルに突入したといいます。
 そこで今季はブランドを立ち上げた1970年代初頭に立ち返ってみたとのこと。
 コレクションでは、当時影響下にあった1920年代~30年代に思いを馳せます。中でもインスパイアされたのが映画「グレート・ギャッビー」のゴージャスな世界です。舞台にはそのエッセンスを採り入れたようなドレッシーなドレスが続々登場しました。

 シフォンやレース、ブロケード、スパンコール刺繍など、クチュール感たっぷりの装いにすっかり魅惑されたひとときでした。
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2016年11月 6日 (日)

AFWT2017春夏 ミューラル「メランコリック ガーデン」

ミューラル(MURRAL)」が今シーズン、AFWT渋谷ヒカリエで2017春夏コレクションを発表しました。先シーズンに続く2度目のファッションショーで、デザイナーは杉野学園ドレスメーカー学院出身の村松祐輔と関口愛弓の2人です。
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 まず最初は、テーマの「メランコリック ガーデン」のように、陰鬱な黒っぽいドレスでスタートしました。

 それが次第に明るさを増し、光を帯びてきらめき始め、フリルをたなびかせるカワイイ女の子となって、フィナーレを迎えます。

 刺繍や繊細なレース、メッシュ、立体的なジャカード織など素材も斬新で、色使いも美しい。心に残るすてきなコレクションでした。

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2016年11月 5日 (土)

AFWT2017春夏ビューティフルピープル東京最後のショー

 「ビューティフルピープル(beautiful people)」がAFWTの主会場の渋谷ヒカリエで、2017春夏コレクションを発表しました。これが東京での最後のショーだそうで、来年はパリコレに挑まれるとのことです。

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 ブランドを手がけるのは熊切秀典デザイナーで、ご自身の苗字から発想した「熊」のイメージがあちらこちらに登場。着ぐるみが現れたり、モデルが愛らしいテディベアを手にしていたり、熊のような毛足の長いドレスが見られたり-----。

 テーマは「Do it Ourselves=自分達でやってみよう」。実際、ウェアは、誰もが自在に着こなしを楽しめそうなリラックスしたアイテムが中心です。そのさりげないカジュアル感はパリでもうけそうです。
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Img_18861_2  フィナーレの後、何と同デザインチームによるライブがあり、「SEE YOU , PARIS」で締めくくりました。

 

 

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2016年11月 4日 (金)

企画展「モードとインテリアの20世紀展」

26a31a3f05da78771552ba7c8c80acce  今、パナソニック 汐留ミュージアムで「モードとインテリアの20世紀展―ポワレからシャネル、サンローランまで―」が、11月23日まで開催されています。

 先日、同企画展の担当学芸員、宮内真理子氏による「パナソニック汐留ミュージアムのファッション展と生活文化展」と題する講演会があり、企業ミュージアムならではの興味深いお話を伺いました。

 本展は20世紀における西欧のモード史をインテリアと関連付けて俯瞰しています。服飾だけではなく、生活空間も交えた展示になっているところがユニークです。これにはパナソニック側からの強い要望があったといいます。
 展示作品は130点。ほぼ全てが島根県立石見美術館の収蔵品で、宮内氏は以前から同美術館に強い思い入れを抱いていたそうです。実際、同館は、このブログ(2016.8.19付け)でも紹介しましたが、超といえる一級品の服飾コレクションを所蔵しています。
 それら衣装を展示するインテリア空間には、相当にこだわられた様子です。椅子など実物の家具は置かず、背景として写真ではなくモノトーンのイラストを採用。照明も白熱灯の明かりに見せる最新LED演色効果のある器具を導入、作品保護のために最大照度も80ルクスに設定しているそうです。

 20世紀、ファッションはめまぐるしく変化しました。その流れを4章仕立てで構成し、同時代の主要なインテリアと共に概観する宮内氏の試みは、大成功だったのではないでしょうか。

 第1章は、1900-1919年代。アンピール様式とアールヌーボー様式の両輪で展開されたこの時代、モードを彩ったのは、ポール・ポワレやフォルチュニーらの衣装や、ポショワールと呼ばれるファッションプレートです。
 第2章は、1929-1939年代。シャネルやヴィオネ、スキャパレリらの作品がズラリと陳列された広い空間です。ロシア・アヴァンギャルドの原画やソニア・ドローネーの作品など、ファッションとアートの関わりを示すコーナーも設けられています。アールデコ様式のインテリアから30年代に入るとモダニズムの影響がより色濃くなっていくのがわかります。
 第3章は、1940-50年代。黒一色のランウェーで、来場者から「ここが一番好き」といわれているコーナーだそうです。ディオールやバレンシアガらの作品が並ぶ中、とくに人気は魚の絵柄のエルメスの水着とか。赤いジャンプスーツのスキーウェアにも注目です。
 インテリアは、ミッドセンチュリースタイルで、アーウィン・ミラー邸をバックにチューリップチェアなどが紹介されています。
1  第4章は、1960年代。まず目に飛び込んでくるのがハナエ・モリの美しい着物風ドレスです。石見美術館といえば、森英恵の存在抜きには語れないと、この作品を象徴的に扱ったそうです。
 当時を代表するクレージュやパコ・ラバンヌのアルミのメタリックドレス、それに近未来的な建築作品、さらにポストモダンの足音が聞こえるような作品も見られました。

 来場者は圧倒的に女性とか。当初想定していた以上の来場があり、通常と異なり若年層が多いのも、今回の特徴といいます。グッズの売れ行きも好調で、図録やポストカードがよく売れているそうです。

 ファッションとインテリアを立体的に見ることができる稀有な展覧会。ファッションを志す方にはとくにお勧めします。お見逃しのないように。

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2016年11月 3日 (木)

AFWT2017春夏 ベッドサイドドラマ 「夢を、見た。」テーマに

 「ベッドサイドドラマ(bedsidedrama)」は、ブランド創設から今年で10年だそうです。これを記念して今シーズンのAFWTに参加、2017年春夏コレクションを発表しました。

Img_18371  ブランドを手がけるデザイナーは「ストフ(STOF)」の谷田浩と西本絵美の二人で、テーマは「夢を、見た。DAYDREAM BELIEVER」です。
 リリースによると、夢について、様々な夢の断片をコレクションに落とし込んだそうです。

 ブランコなどが置かれた舞台には、ふんわりともやがかかり、なかなか幻想的です。そこに優しいソフトな雰囲気のモデルたちが登場しました。

 シンプルでリラックスしたシルエットが中心。ジャカードなどオリジナルなテキスタイル表現が注目されます。
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2016年11月 2日 (水)

AFWT 2017春夏 ヒロコ コシノ 「“あたりまえ”への挑戦」

 小篠弘子さんといえば、ファッションとアートの融合で知られるデザイナーです。この小篠さんが手がける「ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)」が、AFWT の期間中、2017春夏コレクションを恵比寿ガーデンホールで発表しました。

Img_17691  テーマは「“あたりまえ”への挑戦」です。
 よくある当たり前のアイテムが小篠さんの手にかかって、完全にエレガントなクチュール作品へ変貌しています。

 スポーティな日常着に曲線のラインやジオメトリックなカットが採り入れられて、一点一点が一幅のアートとなる、美の世界を現出させていました。

 モデルのメイクとシンクロするキュービズムを想起させるテキスタイルデザインにも注目です。
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Img_18131  フィナーレは静謐な白と黒で締めくくられました。

 今シーズンもランウェーショーをたくさん見てきましたが、これはもう「最高にすばらしい」と思った圧巻のコレクションでした。

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2016年11月 1日 (火)

「拝啓 ルノワール先生― 梅原龍三郎に息づく師の教え」展

 ルノワールといえば日本で絶大な人気を誇る画家です。でもこのルノワールの画業のすばらしさを日本人に初めて印象付けたのは、あの洋画家の梅原龍三郎だったのです。

201610221202149bc  この夏、国立新美術館でルノワール回顧展があり、その記憶も新しいところに、またルノワールに関する展覧会が開かれています。それが、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「拝啓 ルノワール先生― 梅原龍三郎に息づく師の教え」展です。
 先日、内覧会があり、梅原龍三郎とルノワールの出会いのエピソードなどを伺いました。出会ったのは、梅原21歳のときで、ルノワールは68歳、すでにリウマチを患い、杖をついていたとか。
 梅原は5年後に帰国し、「ルノアルの追憶」(1944年)を出版しています。師への思い入れの強さがわかる気がします。

 展示作品は全80点です。中でも私がもっとも興味深いと思った作品はルノワールの「パリスの審判」です。これを90歳になった梅原龍三郎が模写しています。
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 上はルノワールの作品です。

Img_17531_2  右は梅原龍三郎による「パリスの審判」です。

 梅原はルノワールの弟子とみられることに時として不自由さを感じていたといいます。マティスやルオー、ピカソといった有力画家たちとの親交もあったのですから、きっとそうだったのでしょうね。

Img_17351  とはいえ右の「真珠の首飾り」や、桜島とか浅間山など火山を描いた作品など、やはりどこかルノワールを想起させます。
 ルノワールは明るい幸せな場面しか描かなかったそうですが、梅原龍三郎の絵画も前向きです。その太い筆致や鮮明な色彩は、独特なインパクトで忘れられません。

 本展は梅原龍三郎が昭和の洋画壇の重鎮となった、その原点をたどる展覧会。開催は来年1月19日までです。 
 なお撮影についてはすべて主催者から特別な許可をいただきました。

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