SS 2017ヤストシ エズミ 「レスタウロ」をテーマに
「ヤストシ エズミ(Yasutoshi Ezumi)」の2017年春夏コレクションが、8月30日、東京・青山のCostume National LABで、フロアショー形式で行われました。今季も海外出展に合わせて、時期を前倒しての発表でした。
テーマは「レスタウロ」です。イタリア語で「創造的な改修、再生」という意味で、職人的、工芸的な建築家として知られるカルロ・スカルパが、自身の建築のコンセプトをこう呼んでいたそうです。彼の作品はその大半が既存の建物の改修で、単に古い建物を修復するのではなく創造的な改修だったのです。
ブランドを手がけるファッションデザイナーの江角泰俊さんは、彼の建築作品に着想し、クリエーションテーマをこのように名付けたといいます。
カルロ・スカルパが歴史的なものの中に使い直せる要素を見出し、新しい価値を持つ改修を行ったように、江角さんも既存の服を材料の一部として、新しいものを加え創造的に改修したコレクションを披露しました。
登場したのは、左右非対称なのにバランスのとれた完成度の高い服たちです。いずれも基本はベーシックなアイテムなのですが、そのフォルムがモダンに変形されて、旬の服に生まれ変わっています。シャツのボタン位置をずらしたり、ジャケットのジッパーを斜めに置いたり、パネルを片身だけに加えたり、スカートのサイドスリットからプリーツを覗かせたりカーディガンの肩をはずして大きく落としてみたり----。
カジュアルなデニムも、巧みな裁断さばきで、エレガントなモードに変身し、フィナーレを飾りました。
全体にこれまでのクリーンでシャープなラインに、やわらかな布の動きが盛り込まれて、「レスタウロ」を強く印象づけられたショーでした。
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