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2016年9月

2016年9月30日 (金)

2017/18秋冬PVパリ⒀ 注目の島精機 テイラーマシーン

 秋冬物を発表する9月展にのみ出展している島精機が、今期もPVファブリック「ニットソリューション」でひときわ大きな注目を集めていました。というのもブース前面に同社最新の横編み機を設置し、実演を行っていたからです。これは4枚のニードルベッドのホールガーメント専用機「MACH2×4」で、複雑な編み地も無理なく高速で編めるという、無縫製編み機の進化版です。
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 これまでは会場内に大きな機械は置けないとされていたのですが、今回初めて許可されたそうです。絶え間なく動く編み機に足を止める来場者が多く、とくに学生が目立っていました。

Img_06551  また今シーズンの新提案、「テイラーマシーン」と呼ばれる製品にも目をみはりました。とくにメンズジャケットに焦点を当てたカシミヤのニットアイテムは、布帛に負けないコンパクトさでしなやか。もちろんレディスのものもあります。
 MIT + NASAの技術を採用したという「Ministry of Supply」ブランドのジャケットの展示にもびっくり!しました。機能的なパフォーマンス性で知られるメンズウェアですが、これも実は島精機の編み機でつくられていたのです。

 世界一の編み機メーカーが日本にある、これは本当に誇らしいことと改めて思います。

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2016年9月29日 (木)

2017/18秋冬PVパリ⑿ 三星とスマート・クリエーション

 今期プルミエールヴィジョン(PV)に出展した三星テキスタイルグループ・三星毛糸で、エシカルなヤクの高級服地が初お披露目されました。

Img_08641  同社はPV出展5年目の岐阜の老舗テキスタイルメーカーです。以前よりコンタクトのあったヤクに特化したエシカルなブランド「SHOKAY (ショーケイ)」とコラボレーションし、上質な高級服地の誕生に一役かいました。

 ショーケイは、中国の青海省でチベット族の人々が育てたヤクの毛を購入して製品化し、その利益をチベットのコミュニティに還元しているというエシカルブランドです。

 一方でPVパリは今シーズン、「スマート・クリエーション」 (このブログ2015.10.6参照)、つまり社会的責任を持ち、エシカルでエコ、しかも他にないモノづくりを推進するプロジェクトを本格始動させました。
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Img_06971jpg  ホール5の一角に「スマート・クリエーション・スクエア」というフォーラムを新設し、エコやエシカルな素材の展示とともに、エネルギーや水、環境汚染といったグローバルな問題に関する討論会が行われたのです。
 ショーケイもこのプログラムに参加し、人道支援への取り組みを訴求されていました。

 流行のファッションとは異なるもう一つの流れを、テキスタイルも真剣に考えていかなくてはならないときが来ているようです。

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2016年9月28日 (水)

2017/18秋冬PVパリ⑾ ディスコ出現にびっくり!

 PVファブリックを巡っていましたら、あるブースから突然ミュージックが鳴り出し、ライトが光り始めました。 何かと思って行ってみましたら、そこはマルゾットグループのREDAELLI VELLUTI(レダエリ・ベルーティ)社でした。ネオンが輝き、ミラーボールが回っています。突然のディスコの出現に、びっくり! まるで80年代にタイムスリップしたかのようでした。
 
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Img_08721_2  同社は最高級の豪奢なベルベットやベロアで世界的に有名なメーカーです。その毛羽や光沢をともなった深みのある美しい色使いは、フォーマルウェア向けが中心と思われていますが、ここではヤングファッション、それも“アスレジャー”を思わせるスポーティなウェアにシフトして、提案されていました。

 今シーズン、人気素材となっているベルベット系。このような楽しい演出もあり、ラグジュアリーからカジュアルまで、さらなる拡大が期待されます。 

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2016年9月27日 (火)

2017/18秋冬PVパリ⑽ シリコーンのレース ついに登場!

 PVファブリックで、私が毎シーズン注目しているメーカーが、JAKOB SCHLAEPFER(ヤコブ・シュレイファー)社です。
 100年を超えるスイスの老舗で、オートクチュール向けにつくられる手の込んだ繊細な刺繍やレース、プリントなどのテキスタイルは、まさに工芸美の極致。その美しいコレクションにいつも魅せられています。

 この新作がシリコーン使用のレース。今季ついに登場!の3Dプリンターによるファブリックです。
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 人工的な外見で冷たい光を放っていますが、触れてみると意外にしなやかな感触でした。

1  シリコーン樹脂を加工したレースのような付け襟も見せていただきました。

 テキスタイルの世界に、このような織物でも編物でもない、デジタルファブリックが普通に使われるようになる日も、もうすぐなのかもしれません。

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2016年9月26日 (月)

2017/18秋冬PVパリ⑼ シーズントレンドは大胆で野心的

 2017/18秋冬に向けて、PVファブリックが提案したシーズントレンドは、野心的で大胆不敵な方向性です。これには大きく次の二つの対照的なアプローチがみられます。一つは静穏さへの追求、もう一つは自由奔放への欲求で、どちらを選んでも中途半端な立場はとらないというものです。
 この二つのベクトルは、両極にあってお互いに補完的な姿勢で、来るべきシーズンのトレンドを構成していくとみられています。すなわち穏やかであると同時に血気盛んとか、夢見がちでありながら熱狂しているというように、異なる気風が折り重なった状態で表現されるシーズンと予想されているのです。

 カラーレンジには次の二つのテーマがあり、一つは繊細で簡素、軽やかな色調です。Imagescouleurこれで足元を固めておいて、その上にもう一つの規範を無視したような大胆なマルチカラーをいただく構図になっています。
 異なるカラーを併存させ補完関係で用いるという、PVのカラー提案の意図がわかる演出です。

 素材も、「野心的で簡素 AMBITIOUSLY LOW-KEY」と「勇猛果敢な精神 FEARLESSLY STRONG-MINDED」の二つの傾向で紹介。(写真はPVのHPトレンドフォーラムから)
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 「野心的で簡素」では、見た目はシンプルでも感性に訴える素材や機能的素材が多く打ち出されています。

 

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 「勇猛果敢な精神」では、停滞を打ち破る独創的で大胆なバイタリティがあり、しかも伝統の片鱗をうかがわせる素材に注目、新しいシーズンを盛り上げていました。

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2016年9月25日 (日)

2017/18秋冬PVパリ⑻ 小松精錬がPVレザーに初出展

 小松精錬は今シーズン、PVファブリックに出展するとともにPVレザーにも初出展しました。バッグや財布、シューズといったアクセサリー市場への本格参入がいよいよスタートした、といったところです。

Img_06871   出品されたのは「KOMATSUレザー」で、その中心は「コンブ-エヌ  KONBU-N」。合繊のフェイクレザーです。コンブと命名されているように、昆布のようなドライ感・締まり感があって、同社でもっとも硬い素材だそう。自立して立つのに、しなやかです。昨年のメゾン・エ・オブジェ展や前回のPVファブリックでも展示され、これについてはこのブログ2016.3.12付けでご紹介しています。

 色彩は左上の写真のように鮮明で目の覚める鮮やかさです。でも落ち着いたベジタブルダイの「オニベジ」染めのものもあり、どんな色にも染められるのが特徴。立体的な表面効果をつけるのも自由自在。しかも本革と比べて4割も軽く、また本革鞣しの工程でよく使われるクロムなどの劇薬も使用しないので環境にもよいとアピール。

 起毛技術を応用して開発した「コンブ スエード」や、高機能複合薄膜ファブリック「DIMA 」も好評で、同社担当者はPVレザーへの初めての参加に、大きな手ごたえを感じている様子でした。

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2016年9月24日 (土)

2017/18秋冬PVパリ ⑺ ショーワがパリ名門校とコラボ展

 ショーワ(岡山県倉敷市)は、PV常連でアワードも受賞したことのあるデニムカジュアル生地メーカーです。今期はPVファブリックの「PVアパー・ジーンズウェア」エリアに出展。同エリアで、パリのファッション名門校、エコール・デュペール(Ecole Duperre)とコラボ展を開催し、大きな注目を浴びました。
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Thumbs_rb1_0892 これは同校ファッションテキスタイルデザイン科の学生たちによる試作コレクションで、素材はすべてショーワのウール/綿混。
 学生たちは同社得意のジャパンブルーにはまったかのように、ウォッシュアウトや型押し、プリント加工などで変身させ、メタリックのアクセサリーや別布をはめ込むなどして、モダンなデザインに仕上げて見せました。服作りに手仕事の技が必須ということを改めて印象づけられた展示でした。Thumbs_df1_5633

 ショーワではこれを見たバイヤーが連日詰めかけ、対応に追われてランチする暇もなかったという。定番デニムやウール混に加え、新たにラインナップしたシルク混など、いずれも飛ぶような売れ行きで、大盛況の様子でした。
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 繊維ニュース9月21日付けで記事が掲載されました。

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2016年9月23日 (金)

2017/18秋冬PVパリ ⑹  閉幕記事

Scan0506  PVパリが16日閉幕し、執筆した「繊維ニュース」920日付けで、記事が掲載されました。(クリックで拡大)

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2016年9月22日 (木)

2017/18秋冬PVパリ ⑸ PVファブリック出展の日本企業

2_3    PVパリのPVファブリックに出展した日本企業のレポート記事が、「繊維ニュース」9月16日付けで、掲載されました。(クリックで拡大)


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2016年9月21日 (水)

2017/18秋冬PVパリ ⑷ 開幕記事「人工的な黄がポイント」

    繊維専門日刊紙「繊維ニュース」に寄稿したPVパリの開幕記事が、9月16日付けで、掲載されました。(クリックで拡大)Scan0500_2

 カラーは、人工的な黄がポイントになっていました。たとえばエレクトリック・イエローやシンセティック・イエローなど、デジタル時代の現代に似合う黄です。

 PVのモード担当のサビーヌ・ルシャトリエさんに伺うと、黄色は「光」の色であり、「生命」の色であるといいます。

  このイエローはシーズンビジュアルをはじめ、ネームホールダー・ストラップなど会場の随所に用いられて、グレームードに明るさをもたらしていました。Thumbs_df2_8915

  上の写真は、イエローの打ち出しが目立ったトレンドの「ル・フォーラム」の展示風景です。

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2016年9月20日 (火)

2017/18秋冬PVパリ⑶ PVイエールグランプリ「冨永 航」展

 今期プルミエールヴィジョン(PV)パリで、日本人デザイナー、冨永 航(とみなが・わたる)氏のコレクション展が行われました。冨永氏は、この春に開催された南仏のイエール国際モード・写真フェスティバルで、PV審査員グランプリを受賞したのです。これについては、既にこのブログ(2016.4.28付け)に掲載しています。詳細をご覧ください。
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Thumbs_df1_5103  コレクションは、アフリカンか東洋風な印象です。それも写真のように底抜けに明るいイメージで構成されています。うきうきと踊り出したくなるような陽気さに満ち溢れているのです。カラーやグラフィックの大胆さ、モダンさ、ポップで強烈なインパクトに、誰もが驚嘆させられるのではないでしょうか。
 冨永氏は「いろいろな要素を混ぜ合わせるのが好き」で、「男性的なものと女性的なものなど、何でも組み合わせて、男女の枠を超えたワードローブをつくりたかった」といいます。
 審査員たちは、このこれまで見たことがないような独創的な表現を高く評価したのだと思いました。富永氏の今後に拍手!です。

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2016年9月19日 (月)

2017/18秋冬PVパリ⑵ PVレザーのハンドル賞に坂本商店

 今期プルミエール・ヴィジョン(PV)パリの最大のハイライトとなった、第8回PVアワード授賞式が、会場内トレンドフォーラムで開催されました。

Img_04471jpg 右はPVファブリックとPVレザーで各3賞の受賞者たちです。

 業界のプロが注目する中、最初に発表されたのが、レザーのハンドル賞で、栄えある栄冠に輝いたのは、日本の坂本商店の「姫路黒桟革」でした。

Img_04751  元々剣道着に用いられていたという革で、黒毛和牛のなめし革を使用し、本藍染め、漆塗りの職人芸によるものといいます。
 小さな粒々が漆独特の光を放つ美しいレザーで、代表の坂本 弘氏は「日本伝統の皮革技術が世界最高峰の舞台で認められたことが嬉しい」と喜びを語りました。
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 上は鎧武者像が目印の坂本商店のブースです。

Img_04591jpg  またPVファブリックで、グランプリを受賞したのは、インドのヴェンチャー(Ventures)社のパールビーズを敷き詰めたエンブロイダリー。すべてが手仕事で、パールは手描きで色付けけしたといいます。

Img_04611_2  この他、ファブリック部門でイマジネーション賞は、英国のヘンリー・ポルチェ/ベネット・シルク(Henri Portier / Bennett Silks)社の特殊プリントを施したシルクサテン(左)に、Img_04531jpg またハンドル賞は、イタリアのラクシャリー・ジャージー(Luxury Jersey)社の布帛感覚のダブルニット(右)に贈られました。

Img_04681jpg_2  レザー部門では、グランプリにイタリアのディレザー(Dileather)社(左)の特殊フォイルのボンディング・レザー、イマジネーション賞にトルコのアニル・タナリー(Anil Tannery)社のレザーが、それぞれ受賞しました。

 今回のアワードでは、坂本商店やインドのヴェンチャー社のようなクラフトワーク感覚な素材に高い評価が与えられたことが特筆されます。これには審査委員長のパリ装飾芸術美術館ディレクターのオリビエ・ガベ氏の方の好みもあってのことと思われます。

 なおPVファブリックでは64社がノミネートされ、その内日本のメーカーが7社入っていました。今年もファブリック部門では受賞がかなわず、残念でした。来年に期待しています。

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2016年9月18日 (日)

2017/18秋冬PVパリ ⑴ 明るい活気が戻る 

 2017/18秋冬のテキスタイルを発表するプルミエール・ヴィジョン・パリ(PVパリ)が、13日、パリのパリ・ノール ヴィルパント見本市会場で開幕しました。
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 テロ後の緊迫した社会情勢が懸念されていましたが、パリ在住の方のお話しによると、9月に入って全般に明るい活気が戻ってきたといいます。来場者の出足も思いのほか好調に見えました----。

Img_04231jpg  初日に記者会見したPVマネージング・ディレクターのジル・ラスボルド氏によると、2016年の経済はわずかだが上向きが見込めるといいます。2015年の経済バロメーターは、販売量で前年比、PVファブリック出展社は2.1%増、PVレザー出展社は3.9%増とのこと。今年も同程度の成長を予測していると語りました。
 出展社数は6つの見本市全体で1,898社となり、前年同期比1.3%微減しています。とはいえ各社のブース面積は拡充していて、このことはとりもなおさず出展企業の意欲の高さの証とみられています。主軸のPVファブリックには789社が出展、その内日本企業の参加は41社です。

 さらに会見後の質疑応答で、興味深いやりとりがありました。それは来年の9月展の会期について、ミラノウニカのように早期開催を検討しているかどうかということです。ラスボルド氏は、PVパリがクリエイション重視の見本市であることから、「それはない」ときっぱり。
 なお来年のPVパリの日程は、2月展が2月7~9日に、9月展もすでに9月19~21日と発表されています。プレ展のPVブロッサムは今年12月13~14日に、そして来年7月に開催されるといい、当面このローテイションで進行するものとみられます。

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2016年9月17日 (土)

2017/18秋冬テックスワールド 「エリート」エリア新設

 パリで9月12日、ル・ブルジェ見本市会場で開幕したテックスワールド(TEX WORLD 略してTW)に行ってきました。

Img_03831jpg  今回、注目されたのが「エリート」エリアの新設です。
 ここではハイエンド向けに差別化された素材メーカー、22社が集結し、日本からは帝人フロンティアがファンクショナル・ファブリックグループとして出展していました。
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Img_03771jpg  創業50周年を迎える京都の老舗レースメーカー、リリーレースも継続的に出展しています。同社はこの春、これまでの社名である西村レースをリリーレースに改名しました。

 ミラノウニカの日本パビリオンにも出展するなど、海外販路開拓に意欲的です。
 オリジナルのメタリック・コーティングやモヘアレースなど新作コレクションを発表して、人気を集めていました。

Img_03721  アメリカの国際綿花評議会(COTTON COUNCIL INTERNATIONAL 略称CCI)も例年通り参加し、いつものように各国ライセンシーへのサービス活動を行っていました。

 今シーズン、TW出展社総数は27カ国997社。その内中国が605社と相変わらずの存在感を見せ、次いでトルコが96社、韓国80社、インド67社、台湾37社、パキスタン25社、香港19社と続きます。タイはタイ政府の下に開設されたタイ・パビリオンに15社、インドネシアも11社が出展していました。バングラデシュも3社あり、全体にアジア勢が増えている印象でした。

 会場はとにかく広大です。でもきちんとオーガナイズされていて、わかりやすいレイアウトはさすがで、世界の見本市を取り仕切るメッセ・フランクフルトと思います。

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2016年9月16日 (金)

ミラノウニカ ⑻ 好調なスタート 来秋冬展は7月開催か?

 ミラノウニカが8日、閉幕し、プレス・コミュニケが発表されました。これによると「新生ミラノウニカは好調なスタートを切った」といいます。
 来場者は会社数にして約6,000社で、昨年並みの数字といい、海外からの主要来場国は、米国、中国、英国、日本、ロシア、韓国だったとのことです。
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 また会期問題にも触れています。これはエルコレ・ポット・ポアーラ会長の記者会見でも述べられたことですが、来年の秋冬物展は、会期が9月から7月に変更される可能性があるといいます。このところのコレクション前倒しの動きや、この7月のプレ・イベント「プリマMU」の成功もあり、こうした流れが浮上しているようです。MUには高級紳士服地メーカーの「イデアビエラ ideabiella」も参加しています。メンズものの企画はレディスよりも早いので、この変更はやむを得ないことかもしれません。「メイドイン・イタリー」の推進や、またプルミエールヴィジョン・パリとの差別化に向けて、本展をプレ展と合同する案に賛同する声が一部で聞かれました。
 結論は今月末に出るそうですが、もし変更となった場合、出展する日本企業にとって大きな影響がありそうです。
 
 なお2018年春夏展は、今回と同じローの会場で2月1~3日に開催されます。

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2016年9月15日 (木)

ミラノウニカ⑺ 訪問者減で厳しい様子の日本パビリオン

 今回もミラノウニカに日本パビリオンが出展し、39社の日本企業が参加しました。
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 いくつかの出展社にインタビューしたところ、訪問者の入りが減少したといいます。中には前回の2月展に比べ3割減というところもありました。その理由はひとえに新会場の位置取りにあったようです。広くなった会場でしたが、日本パビリオンは入口がわかりにくく、訪問者が入りにくかったのです。また袋小路のようなレイアウトにも不満がありました。
 新規にイタリア人バイヤーをつかもうとした出展社はやや期待はずれに終わったようです。全体に厳しい様子ではありましたが、来場したバイヤーの質は高く、各社なりにビジネスはできた模様です。

 ニット生地を並べた東光商事では、ツィード調ジャージーやレースの起毛レースが人気だったといいます。カラフルなドット入りのものや3Dメッシュタイプのものも。

Img_92821jpg  福田織物(写真右)では、コール天の「デコ」シリーズや、80双強撚糸使いなど高級糸使いの綿織物が好評だったとのこと。シワになりにくいナチュラルな風合いが好まれたようです。

 古橋織布では、高密度でワッシャー仕上げのシャツ地が引き続き順調で、またしっかりとした丈夫な馬布クロスに関心が集まったといいます。

 オーガニックコットンシリーズの前田源商店では、今回はシルクも提案。
 とくに引き合いが多かったのはひざ掛け用に開発したという温かそうな起毛の変わり織やダブルガーゼだったとのこと。

Img_92921  初出展したデザインハウス風(写真右)では、美しいプリントを展示。日本的な柄に目が集まったといいます。

 宇仁繊維では、トリアセテートのベルベットや光沢加工のもの、レースのボンディングを人気素材に挙げていました。

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2016年9月14日 (水)

ミラノウニカ⑹ 2017/18秋冬はアーティスティックに

 2017/18秋冬素材を発表するミラノウニカのトレンドエリアは、実にアーティスティックな構成でした。
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 トレンドエリアは、大きく三つのストーリーから成っています。BURRI vs PIANO、FONTANA vs HOKUSAI、ALBINI vs PORTALUPPIで、いずれのストーリーにも、アーティストの名前が付けられています。そのアーティストの多くは、イタリアの画家や建築家ですが、ここに葛飾北斎も入っていて、日本が意識されていることがわかります。

 それぞれのストーリーには舞台で見るような赤いビロードの幕が張られていて、それを囲むようにインスピレーション源となるアイディアを乗せたボディが林立していました。

 ミラノウニカのアートディレクター、ステーファノ・ファッダ氏によると、2017/18秋冬は、永遠のエレガンスに焦点を当て、ストーリーを代表するアーティストのイメージで表現したといいます。

093_area_trend_ph_erdna1jpg  BURRI vs PIANOの柱は、マテリアルそのもので、全体にラフな感覚でありながら、非常にリッチです。
 ボロ風に穴を開けるなど、わざとプアに見せているのも特徴で、メタリックなど光るものも多く取り入れられています。
  カラーはブラウンやゴールド系に注目。

071_area_trend_ph_erdna  FONTANA vs HOKUSAIは、フォルムやシェイプへのこだわりが中心になっているといいます。
 特筆されるのは白/黒で、これはシーズンのキーカラーと目されています。
 素材の重ねや異柄組み合わせなど、多様なレイヤーがポイントです。

030_area_trend_ph_erdna1  ALBINI vs PORTALUPPIは、スタイルがイメージされるストーリーです。とくに60年代から70年代風のインテリアや家具をヒントにした素材、たとえばカシミアのレーザーカットなどが見られたりします。
 カラーはソフトなフォギー調。

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2016年9月13日 (火)

ミラノウニカ ⑸ オリジン・パッション&ビリーフス

 新生ミラノウニカに初参加したのが、「オリジン・パッション&ビリーフス ORIGIN PASSION & BELIEFS」展です。これはMarzotto(マルゾット)社が主催する展示会で、マルゾットといえば、イタリアのヴェネト州ビチェンツァ地区に位置するイタリア最大のコングロマリットです。

 本展は2014年からすでに2度、行われたといい、狙いは伝統のクラフトの技やスキルを守り育てることにあるといいます。

 ミラノウニカ会場では、「テキスタイル」と「テクノロジー」の二つのグループに分かれて、世界中の関連マニュファクチャーやデザイナーら約100社が一堂に会して、ブース展示が行われました。

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 「テキスタイル」では手織り機なども置かれて、すばらしい手仕事の技を見ることができました。

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 また「テクノロジー」では高機能素材やデジタルプリントなど、最新テクノロジーをそろえていたのが印象的です。



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 世界には高い技術を持つマニュファクチャーやデザイナーが、このようにたくさんいて、最高級のファッションを支えていることを実感した展示会でした。

 

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2016年9月12日 (月)

ミラノウニカ ⑷ ミッテルモーダのアワード発表会

 今回の新生ミラノウニカは初めてのことづくしでした。いつもより学生が多い気がしていましたが、本展で初の「ミッテルモーダ Mittelmoda」の第23回「インターナショナル・ラボ ファッションアワード」発表会が開催されたこともその一つです。これはイタリアが誇る国際的なファッションコンテスト で、世界55カ国の一流スクールから選抜された、もっとも才能ある若者たち24名が、ファッションショー形式で、コレクションを披露しました。

Img_91201   最高賞のエリオ・フィオルッチ賞に輝いたのは、ESMOD BERLIN(ドイツ)Hocheol MOON氏です。このコンテストのオーガナイザー、マルゾット社代表マテオ・マルゾット氏から賞が手渡されました。

 下の写真はMOON氏のコレクションです。
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 他にクリエイティブコレクション賞など、いくつものすばらしい賞が授与されましたが、日本人でエントリーしていた2人(文化服装学院生ら)の受賞は、残念ながら成りませんでした。

 ともあれミラノウニカがこのような有志ある若者支援のプログラムを後押ししていることに、改めて感銘したことでした。

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2016年9月11日 (日)

ミラノウニカ ⑶ 「オン・ボード 創造力の起源」展

 新生ミラノウニカではファッションが大きくローズアップされました。このことを象徴していたのが「オン・ボード ON BOARD 創造力の起源」展です。
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 これはイタリアのデザイナーたちのムードボードを、そこからインスパイアされたコレクションとともに展示するもので、イタリアのファッション誌「D」のディレクター、シモーネ・マルケッティ氏の監修といいます。

 参加したのはプラダやバレンチーノ、ベルサーチェ、エトロ、アントニオ・マラス、フェンディ、マルニ、プッチ、フェラガモなど、19のビッグブランドです。Img_84251ブランド別に木製ボックスが設けられ、今季を代表するルックとその着想源が披露されました。

右はプラダ。

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 その一つ一つがまるでスペクタクルの舞台のような構成で、デザイナーの創造力の核心に迫ってきます。

 左はMSGM。

 それにしてもこれだけのビッグネームが軒を連ねた合同展というのは珍しくて、なかなか壮観でした。

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2016年9月10日 (土)

ミラノウニカ ⑵ 新生を祝うイベント「オン・エアー」

 初日の夕べ、ミラノウニカの「ニュー・ビギニング(新しい始まり)」を祝うイベントが会場をつなぐ広場で催されました。イベントは題して「オン・エアー ON AIR」。澄み切った大気の中で行われた、それはまさにイタリアらしいお祭り! イタリア半島南東部のプッリャ州から私たちへの温かなおもてなしでした。
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  関係者をはじめ出展者、来場者らが集い、美味しい食事やワイン、それに音楽やフォークダンスのパフォーマンスが饗されました。宴たけなわの頃には、誰もが踊り出し、プレス担当のスージーさんも一緒にダンスするなど、本当に楽しそうでした。

041_mu_event_ph_erdna11jpg_2 ちなみにプッリャ州は、イタリア半島南東部にあって、首都はバーリです。ここはアルベロベロベッロ観光の拠点で、アルベロベロベッロはとんがり屋根の家々が立ち並ぶ世界遺産の町。私も以前から行ってみたいと思っている土地です。

 イタリアはこのように地方色豊かな国。テキスタイルの産地もコモやプラート、ヴィエラなど様々あって、それぞれが独特な文化を持っています。
 ミラノウニカは、これらの産地の集合体です。一つひとつの個性を大切にしながら、全体をまとめ上げ、大きな塊になって「メイド・イン・イタリー」を世界に打ち出しているのです。
 国際化とは、プッリャ州のような地方に根付く伝統の上に築かれるもの、ということを改めて思うイベントでした。

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2016年9月 9日 (金)

ミラノウニカ開幕⑴ 「新しい始まり」はハイエンド強化から

 この4日に日本を出発し、ミラノに来ました。欧州テキスタイル見本市を視察し、テキスタイル動向を取材する出張旅行です。ミラノの後、ロンドンとパリを巡ります。

 ミラノではイタリアのテキスタイル見本市、第23回ミラノウニカを取材しました。
  今回は、会場が変わり、初めてのフィエラミラノ・ローのホールでの開催です。ここは昨年ミラノ万博が開かれた場所で、ガラス張りが美しい超モダンな建物です。市内中心部からはずれてはいますが、地下鉄で行けて便利です。
 またこれまでよりも1.5倍広くなり、ゆったりとしていて、階段のないバリアフリー、なかなか快適な環境でした。

 009_cerimonia_dsc03972_ph_erdna1初日恒例のオープニング・セレモニーが行われ、会長のエルコレ・ポット・ポアーラ氏がハイエンドの強化を図ると挨拶。ファッションを主役に、世界的な超一流イベントを開催すると力強く宣言されました。
 出展企業はハイレベルなテキスタイルメーカー382社で、そのうち79社がヨーロッパ諸国からの参加です。これに「ジャパン・オブザーヴァトリー」の日本企業39社と「コリア・オブザーヴァトリー」の韓国企業21社が加わり、出展社の総計は442社。これに「オリジン・パッション&ビリーフス」が初参加しています。
 また2016年のイタリアのテキスタイル産業は、前年度に比べ、良好な動きとの報告もありました。毛織物、麻織物は堅調で、綿織物の減少に歯止めがかかった一方、ニット生地とピュアシルク(シルキー織物は増加)については、ここ数年間の成長トレンドが逆転し、減少となったといいます。
 輸出相手国では、ドイツがやや減少したものの依然として全体の10.3%を占め、首位の座を守っていると発表されました。
 好不調はあるものの、2015年の同じ時期と比べると全体として好調な推移で幕を開けた新生ミラノウニカ。「ニュー・ビギニング(新しい始まり)」に大きな期待が寄せられています。

 

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2016年9月 8日 (木)

17/18秋冬小野莫大小工業「エポックメイキング」素材展

 小野莫大小工業が、2017/18年秋冬もの素材展を東京・南青山で開催しました。同社は、世界的に知られる総合生地メーカーで、「コズモラマ」と呼ばれる超極細でまとわりつかない綿ジャージーなど画期的な素材を開発しています。

 今シーズンも「エポックメイキング」をテーマに、新時代を切り拓く素材がグループ別に発表されました。質感の異なる、そのいくつかをご紹介します。

 なお見せ方にもこだわっていて、生地をケープのように洋服用ハンガーにかけて展示していたのも、印象的でした。

 「CONFORTABLE WARM」は、心地よく温かい素材で、カシミヤニットを大きく打ち出しています。
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Img_82651  カシミヤ糸はイタリアの紡績メーカー、カリアッジ社のものを使用、意匠糸と組み合わせたインレイなど最高級のものです。
 左は、カシミヤ×綿で、綿を裏地にしたダブルフェース。カシミヤ56/綿29/ウール15

Img_82771  「SUPER WOOL」は、スーパー140のウール使いや裏毛、ワッフルニットなど、布帛感覚のものもたくさん提案されています。
 カジュアルな高級感のあるものが勢揃いしているコーナーです。

Img_82751  「NEW VINTAGE」には古着を思わせるレトロな風合いの素材が見られます。
 表面に毛玉のように見えるのは、ネップ糸です。

 

 「COSMORAMA」は、同社独自の強撚糸を用いた超長繊維綿100%ジャージーで、ファスニングフリーの特許を取得している素材です。
 天竺やテレコなど、100番手糸や80番手単糸使いの繊細なシャリ感に驚かされます。
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 コズモラマに京都でプリントした生地も展示されていました。
 他に「TECHNORAMA」やカシミア風な風合いの「DIORAMA」も。

 「PAPER TOUCH」では、紙のようにパリッとした硬いタッチの、しっかりした布帛感覚のジャージーが並びます。
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 折り紙のようなプリーツの表現にも注目です。

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2016年9月 7日 (水)

「コダワリノヌノ2016」展示商談会 シルクにコダワリ

 今シーズンも10府県12社が匠の技を披露するテキスタイル商談展示会「コダワリノヌノ2016」が、9月1、2日、東京・南青山で開かれました。
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 今回は、シルクをコダワリノヌノにしたといいます。各社得意の素材にシルクをプラスした独自提案が、来場者の関心を引いていました。

 いつも取材している高橋織物(滋賀県)と島田製織(兵庫県)にお話しを伺いました。

Img_82401  高橋織物では、人気は高級綿の綿100%のものといいます。たとえば100番手コンパクト糸のローンや120番手楊柳などです。タッチがさらさらと柔らかくて気持ちいい肌触りです。
 とくにシルクがテーマということで、経糸は綿で、緯糸に絹紡糸を打ち込んだものと生糸のものを提案されていました。ともになめらかさと光沢感、ドレープ性抜群の風合いがすばらしかったです。

Img_82361  島田製織は、高級綿の超細番手糸使いの先染めシャツ地がお得意です。
 今季はシャツ地だけでなく、厚地のアウターやパンツ地のバリエーションを充実させていました。とくにカラーミックス効果に注目です。
 5年前に立ち上げたファクトリーブランド「ハツトキ(hatsutoki)」も好調とのことで、ジャケットやパンツとのセットアップなど、デザインの幅がますます広がったようです。

 下記は今季のテーマ、シルクにコダワリ、開発したという新素材です。
 左はファンシーなカットジャカードで、綿48/シルク50/ウール2
 右はマスキュリンタッチの先染めで、綿55/ウール36/シルク9
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2016年9月 6日 (火)

登呂遺跡以上に素晴らしかった芹沢銈介美術館

 芹沢銈介は型絵染の人間国宝です。このブログでも2014.10.13付けで、生誕120年記念で開催された「芹沢銈介の世界展」をレポートしていて、一度訪れたいと思っていました。

Img_6009j1pg  この芹沢銈介の美術館へ、先般といっても少し前のことですが、行ってきました。静岡市内にある弥生時代の集落遺跡、登呂遺跡を見たついでという形で立ち寄ったのですが、登呂遺跡以上に素晴らしくて、感銘しました。

 建物は木立の奥に佇んでいて、控えめな感じです。入口はさほど広くはないのですが、館内はゆったりとしていました。木の香りがする展示室は、落ち着いた和の雰囲気に満ちています。Imgp87721池を巡るように配されているのも印象的で、登呂公園の遺跡と自然に溶け込み合っているようでした。
 ちょうど企画展「布と模様のハーモニー -芹沢銈介の着物とアンデスの染織-」が行われていて、芹沢銈介の代表作、「貝文着物」「沖縄風物文着物」など独創的な着物と、芹沢が収集した古代アンデスの染織コレクションが展示されていました。
 そのユニークな模様表現をたっぷり堪能したひとときでした。

 東京からそれほど遠くはありませんし、デザインを学ぶ方には、ぜひおすすめしたい美術館です。

Img_60041jpg  なお芹沢圭介の家も一般公開されていました。
 宮城県北部にあった家を東京に移築し、自ら改装したという板倉造りです。
 ここは写真撮影可で、居間が再現されていました

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2016年9月 5日 (月)

宮原夢画写真展「Renaissance」

 六本木のタカ・イシイギャラリーで17日まで、宮原夢画の写真展が開かれています。
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1_3  写真といっても無造作に破ったスナップをコラージュしたヴィジュアルで、テーマは「Renaissance」。

 自分自身を模索するような目の表現に、ドキッとさせられました。

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2016年9月 4日 (日)

SS 2017ヤストシ エズミ  「レスタウロ」をテーマに

 「ヤストシ エズミ(Yasutoshi Ezumi)」の2017年春夏コレクションが、8月30日、東京・青山のCostume National LABで、フロアショー形式で行われました。今季も海外出展に合わせて、時期を前倒しての発表でした。

 テーマは「レスタウロ」です。イタリア語で「創造的な改修、再生」という意味で、職人的、工芸的な建築家として知られるカルロ・スカルパが、自身の建築のコンセプトをこう呼んでいたそうです。彼の作品はその大半が既存の建物の改修で、単に古い建物を修復するのではなく創造的な改修だったのです。

Img_82221  ブランドを手がけるファッションデザイナーの江角泰俊さんは、彼の建築作品に着想し、クリエーションテーマをこのように名付けたといいます。
 カルロ・スカルパが歴史的なものの中に使い直せる要素を見出し、新しい価値を持つ改修を行ったように、江角さんも既存の服を材料の一部として、新しいものを加え創造的に改修したコレクションを披露しました。
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 登場したのは、左右非対称なのにバランスのとれた完成度の高い服たちです。いずれも基本はベーシックなアイテムなのですが、そのフォルムがモダンに変形されて、旬の服に生まれ変わっています。シャツのボタン位置をずらしたり、ジャケットのジッパーを斜めに置いたり、パネルを片身だけに加えたり、スカートのサイドスリットからプリーツを覗かせたりカーディガンの肩をはずして大きく落としてみたり----。

Img_82281  カジュアルなデニムも、巧みな裁断さばきで、エレガントなモードに変身し、フィナーレを飾りました。

 全体にこれまでのクリーンでシャープなラインに、やわらかな布の動きが盛り込まれて、「レスタウロ」を強く印象づけられたショーでした。

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2016年9月 3日 (土)

旅の思い出 青森周遊の旅 ⑺ 恐山から下北半島を一周

 和辻哲郎の名著「風土」を読み、日本でもっとも日本らしい風土の一つに下北半島の恐山が挙げられていました。「死霊が集まるとされる恐山」の記述もあり、名前からしておどろおどろしい感じです。
 でも一度訪れてみたいと、好奇心をそそられていました。

Imgp86491jpg  むつ市から車を走らせ、山中をしばらく行くと、湖が見えてきて、硫黄の匂いがしてきます。「三途の川」と書かれた朱塗りの太鼓橋を渡ると霊界ということのようです。
 ちょっと身が引き締まります。

 さらに進むと広大な駐車場があり、その前に広がるのが恐山です。

 そこは曹洞宗の巨大な寺院でした。今からおよそ1200年前に慈覚大師円仁により開基された霊場です。
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 特別な催事もないようで、静かでした。朝の光に包まれて明るく、以前テレビで見た幻想的な感じもしません。普通のお寺のように見えました。
 でもふと左手の小屋を見ると、何人かの人が集まっていて、そこでイタコの口寄せらしいものが行われていたように思われましたが---。
 また参道の両側に何と温泉があったのも印象的です。

 正面左側には小高い岩山があって、頂上には仏の像が立っています。順路の石ころ道は地獄巡りをするようにつくられていて、地獄谷などの標識があったり、火山ガスが噴き出しているようなところがあったり、また小さなお堂があったりします。
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 そこを下ると、入口で見た宇曽利湖です。荒れた岩地を歩いてきただけに、少し安堵といったところです。水辺にはお地蔵さんと「希望の鐘」があり、穏やかな浄土が意識されているようでした。

 そんな霊場の恐山からマグロで有名な大間を経て、下北半島の景勝地、仏ヶ浦にも行ってきました。
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20160501133730imgp90201  仏像のように削られた岩々がそそり立っています。海底火山の噴火でつくられたとのことで、岩肌は淡い緑色をしています。

 恐山といい、ここ仏ヶ浦といい、下北半島は不可思議なところでした。

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2016年9月 2日 (金)

旅の思い出 青森周遊の旅 ⑹ 大自然を満喫

20160430135202imgp86411  青森県の山といえば八甲田山。映画「八甲田山」でもおなじみです。この八甲田山中の酸ヶ湯に宿泊しました。
 朝は前の晩から降っていた雪が止み、次第に晴れて絶好のドライブ日和となりました。
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 八甲田ロープウェイの山頂駅では、絶景の雪景色が広がり、大自然を満喫しました。

 スキー客もちらほら。今回はスキーをする予定はなく、横目で眺めただけ。外国人がかなり多く、バックカントリーツアーを楽しまれているようでした。
 この日の夜、そのうちの一人が行方不明になったというニュースが流れ、ちょっとビックリ。スキー場では、コースの外を滑降する外国人スキーヤーを、何度も目撃しています。怖いもの知らずのようで、遭難しないかと、他人事ながら心配します。

Imgp84931  十和田湖方面へも車を走らせました。奥入瀬渓流はまだ早春といった感じで、新緑の間から流れる水がきれい! 滝もたくさんあります。
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Imgp85061_2  十和田湖の乙女の像のあたりを散策しました。学生時代に来たことがあったのですが、当時の記憶はすっかり薄れて、改めてその美しさに感動しました。

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旅の思い出 青森周遊の旅 ⑸ 弘前城は枝垂れ桜が満開

Imgp70431  今回の青森への旅は、ゴールデンウィーク前半で、桜の開花時期でもありました。ですから弘前のソメイヨシノには期待していたのです。
 弘前公園で日本一と称賛されるソメイヨシノが見られると思っていたのに----、その多くは、早くも葉桜になりかかっていました。

 でも弘前城周辺の枝垂れ桜は満開で本当に見事でした。たくさんの美しい桜花に囲まれて、幸せ気分に浸ってきました。
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Imgp70581jpg  天守閣に上りましたら、狭間(天守の窓)から岩木山が望めました。
 山頂は雲でおおわれていましたが、それでもうっすらと見えて感激でした。

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2016年9月 1日 (木)

旅の思い出 青森周遊の旅 ⑷ 太宰治記念館「斜陽館」

 太宰治は小説「斜陽」など、よく読んだものでした。この小説の名前を冠した太宰治の生家「斜陽館」にも行ってきました。
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 明治期の貴重な木造建築物として、国の重要文化財建造物に指定されている、さすがの豪邸でした。こんなにも裕福な生まれだったからこそ、生きる理由を突き詰め過ぎて、自死してしまったのでしょうか。

20160429095350imgp82581  和洋折衷の重厚な建物内の一角に、太宰治誕生の部屋がありました。
 写真右がそれで、明治42年6月19日、この小間で生まれ、「ひどく安産だった」そうです。大地主の家に生まれた太宰は、生まれながらにして罪が深いと感じていたようで、「生まれて、すみません」と書き残しています。人を思いやる気持ちが人一倍強かった作家の言葉が紹介されていて、ここが太宰文学の出発点だったと改めて感じ入りました。
 すっきりと落ち着いた感じが印象的でした。

Img_57971  右写真の襖絵の間は、母の居室だったそうです。襖の漢詩に「斜陽」の文字があるところから、「斜陽の間」と言われて親しまれたと紹介されていました。

 蔵は資料室になっていて、太宰の足跡が偲べます。

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 この後、「斜陽館」前の津軽三味線会館で、津軽三味線の演奏を楽しみました。「津軽じょんがら節」など、息の合ったお二人のライブはさすがに切れ味鋭く、思い出されます。

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