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2016年8月10日 (水)

WEFシンポジウム「新たな視点でビジネスを立ち上げる」

  ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(略称WEF)主催のシンポジウムが、先般東京で開催されました。会長の尾原蓉子氏は今回、新テクノロジーの活用事例や展望に焦点を当てたといいます。
Img_76501 恒例のパネルディスカッションでは、WWDジャパン編集長の向 千鶴氏をモデレーターに、アーバンリサーチ社執行役員の乾 展彰氏とカラフル・ボード社の渡辺祐樹社長が登壇。いずれも業界の最先端の動きをとらえておられる方々です。「新たな視点でビジネスを立ち上げる―イノベーションをリードする現場力」をテーマに議論が交わされました。

 まずはセレクトショップ、アーバンリサーチ社の革新的リーダー、乾氏から。「すごいをシェアする」の企業理念のもと、2016年1月期は売上高545億円という高い実績をあげることができたといいます。その内EC の売上は20.7%で、残り80.3%はリアル店舗であるそうです。その上で消費者は「オンラインで見て、リアルで購入する」と分析。あふれる情報の中、消費者に選択されるためにはどうすればいいか、それには消費者の購買行動の変化を探ることが大切で、マスからコアへ、コアなコンテンツの開発こそ重要といいます。そして同社が展開する「フリーマンズ スポーティング クラブ(FREEMANS SPORTING CLUB)」を例に、コニュニティ ビジネスの重要性を指摘しました。
 また2014年に自社開発した「ウェアラブルクロージング(服の自動販売機)」にも言及。これはECサイトに連動し、3D技術を使った試着ができるバーチャル試着機です。ショッピングや試着が楽しめると、人気を集めています。この無人店舗の売上もリアル店舗に計上されているといいます。

 渡辺氏は、会社を創業して5年、ファッション人工知能アプリ「センシ― SENSY」を発表し、メディアで話題の人物です。そのヴィジョンは、「すべての人々に人生が変わる出会い」だそう。インターネットで何でも手に入る世の中になりましたが、便利になればなるほど逆に「出会えない」ジレンマがあることに気づいたことが開発のきっかけだったとか。
 センシ―は人間内部の情報である感性やセンスをデータ化するファッションのリコメンド・アプリです。これを活用することにより、人工知能がユーザーのスタイリストのように、世界中のECサイトから、ユーザーの感性に沿ったアイテムやコーディネートを提案してくれるといいます。今夏は、「あなただけのコーデをつくろう」と、"センシ―・クローゼット sensy closet"というサイトもスタートさせています。
 アパレルの在庫問題の解消や、DMのパーソナライズ化、需要予測のためのMDの最適化など、今や様々な分野で30件もの案件が進行中といいます。

 この後、向氏が「これからはAIが接客するようになり、販売員は要らなくなる?」と尋ねると、乾氏は「コストパフォーマンスもあり難しい問題。でも接客は人間だからできるものと思う」。渡辺氏は「人の役割が変わるだけで、雇用はなくならない。案内など代替される仕事はあるが、人はロボットから買おうとは思わないのではないか」とズバリ。
 また「コミュニティが果たす役割」について、乾氏は「キーワードはパーソナライズ化」。渡辺氏は「コミュニティは体験という出会い。店舗でもSNSでもどこでもいい、体験を提供できることが重要」などと語られました。

 今後ますます普及が見込まれるデジタルテクノロジー、これをどう生かせばチャンスを生かすことができるのか、有意義なお話しに聞き入ったシンポジウムでした。

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