« 早くも2017年春夏コレクション発表始まる! | トップページ | 「VRが拓く未来への扉」セミナーで驚愕のVR体験 »

2016年8月29日 (月)

「これからのファッション教育を考えるシンポジウム」

 今月7日、「ここのがっこう」主催の「これからのファッション教育を考えるシンポジウム」が、上野の東京芸術大学で行われました。
 「ここのがっこう」は、ファッションデザイナーで「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」を手がける山縣良和氏が設立した学校です。今夏は日本の学校として初めて、ロンドンの名門校、セントラル・セント・マーチンズ美術大学のファッション学科とコラボレーションし、サマーコースを実施したことで話題を集めました。
 山縣氏は、このシンポジウム開催の主旨を次のように述べています。「日本にはアカデミック機関でファッションを学べる環境がほとんどない。英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アートにファッション学科があるように、日本においても国立大学でファッションを学ぶことができるよう、そのきっかけになればと思う」と。
 会場が芸大キャンパスであったことも、驚きでした。同大学の学生が大勢つめかけていて、満席状態。私の隣席もデザイン学科の学生で、ファッションに大変興味があると話してくれました。この夏、東京メトロ銀座駅構内で目に留めたファッションの展示(このブログ2016.7.25付け)も、同大学卒展からのものでした。このファインアートの殿堂のような大学でファッションへの関心が広がっていることが、素直にうれしかったですね。

 シンポジウムは、「世界の学校の教育環境がどのようなものなのか」を主題に進められ、最初にコルクルーム主宰 安達市三氏が登壇。「日本のファッション教育の始まり」について、ご自身の体験を基に講演され、皆真剣そうに聴き入っていました。
Img_79121  次に座談会があり、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉研究員の栗野宏文氏とセントラル・セント・マーチンズ美術大学講師の西尾マリア氏、ここのがっこう 代表の山縣良和氏が、「世界のファッション教育」をテーマにディスカッションしました。
 とくに興味深かったのは、様々な事例を挙げて、ファッションがいかに社会潮流と関連しているか、社会を見る目の大切さや本当に良いデザインとは何か、といったことが語られたことです。セント・マーチンズも新しくサスティナブル学科を創設したといいます。
 また同校では先生はガイドかサポート役で、すべては学生自身が考えて行動しないといけないという教育方法も、日本は見習わなければ、と思うところでした。
 最後に「日本におけるファッションデザイン教育」と題して、山縣良和氏がファッションデザイナーの坂部三樹郎氏と認知言語学者の宇野良子氏のお二人と議論。「ここのがっこう」が目指す方向を、日本の風土性から論じられていたのが印象的でした。

 「ここのがっこう」は、その出身者が欧州のファッションコンテストで数々の賞に輝くなど、今やファッションクリエーションで注目の学校です。かつて長沢 節が開いた「セツモードセミナー」のように、日本を代表するデザイナーやクリエイターらが輩出する学校になるのも夢ではないでしょう。
 東京芸大にもファッション学科ができて、「芸大か、ここのがっこうか」と言われるようになる日も近いのかもしれません。そんなことを考えながら、会場を後にしたことでした。

|

« 早くも2017年春夏コレクション発表始まる! | トップページ | 「VRが拓く未来への扉」セミナーで驚愕のVR体験 »

ファッションビジネス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/588192/64123500

この記事へのトラックバック一覧です: 「これからのファッション教育を考えるシンポジウム」:

« 早くも2017年春夏コレクション発表始まる! | トップページ | 「VRが拓く未来への扉」セミナーで驚愕のVR体験 »