ポール・スミス展 HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH
今、東京・上野の森美術館で開催中の「ポール・スミス展 HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH」に行ってきました。
受付でピンクのイヤホンを渡されてビックリしましたが、ピンクは本展のイメージカラーになっているようです。ピンクとは男性にファッションの楽しさを発見させた、ポール・スミスらしい色と思いました。
このイヤホンを使って、スマホや携帯で会場内に設置されているQR コードを読み取ると、本展スペシャルアンバサダーの俳優・松田翔太さんによる音声ガイドを、無料で聞くことができます。
写真撮影もOKです。
最初に入る細長い部屋が、絵画や写真のコレクションコーナーです。壁にずらりと展示されたコレクションは、まさに壮観!
これはポール・スミスが10代の頃から集めていたというもので、彼のデザインの大きな着想源になっているのですね。
アンディ・ウォーホルやデビッド・ホックニー、バンクシーらの有名アーティストの作品から友人や家族、ファンからのものなど幅広く揃っています。
次にポール・スミスが、1970年に初めて英国ノッティンガムの裏通りにオープンしたショップの再現コーナーに出ます。広さは3メートル四方しかありません。ブランドはここからスタートし、パリコレに出展します。
それから40数年後、現在、店舗は世界73か国に拡がり、日本にも多数の店を構えています。いずれもその土地柄に合わせて、一つひとつが異なる仕様になっているというのも個性を重んじるポール・スミスらしいです。
右上は各地にあるショップの写真と模型を集めたコーナーからのものです。
その先を進むと、ロンドンのコベントガーデンにあるデザインスタジオをそのまま復元したような空間が現れます。
様々なアイディアはここから生み出されているのですね。
デザインチームが、映画や写真、アーティスト、日々の日常の観察などいろいろなものを参考にしていることがわかります。
ポール・スミスがとくに重視しているのは色だそうです。
とくにシャツ柄のモチーフでもある明るいキャンディストライプは、ポール・スミス・ストライプとして知られるもの。
右は、彼が本展のためにデザインしたポール・スミス・ストライプで飾った限定「ミニ」。ミニは彼の愛車でもあり、初期からコラボレーションしてきたといいます。
2階にはそんな彼が手がけた数多くのコラボレーション商品が展示されています。 カメラやオートバイ、自転車、スノーボードなど様々。コラボレーションは彼にとって刺激的でチャレンジングな試みといいます。
最後にアーカイブの中から厳選されたコレクションが紹介されています。
ここでは伝統を基に、現代性も表現する「ひねりを効かせたクラシック」なワードローブが勢揃いしていました。例えば地味なグレーのスーツに派手な色目の裏地を仕込んだり、ボタンホールに色を付けてみたり。
英国風なのに、遊び心のある味付けのデザインは、さすが時代の空気をファッションに変換する天才!
ポール・スミスの創造の秘密がぎっしり詰まった展覧会でした。今月23日までの開催で、9月11日から愛知・松坂屋美術館に巡回するそうです。ファッション関係者は必見でしょう。
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