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2016年7月29日 (金)

Recouture0704 2016 ⑵サスティナブル・ライフへ実践発表

 Recouture0704 2016シンポジウムで基調講演の後、実践発表が行われました。そのいくつかをお伝えしましょう。

 最初に、坂口 真生氏(アッシュ・ペー・フランス)が、「エシカルと消費の最前線」をテーマに発表。同社が手がけるファッションとデザインの合同展示会「rooms (ルームス)」展で、2013年にスタートさせた「エシカルエリア」についてプレゼンテーションされました。「エシカル(ethical 倫理的、道徳的」とは、社会や環境に対し配慮ある選択をする行為全般を言う価値観のことです。これは、そうした精神でモノづくりするブランドをバイヤーやメディアとつなげるために立ち上げたエリアで、ここ数年、ファッションに限らずフードなど、様々な分野で広がりを見せていると、事例も紹介。
 個人の意識が変われば社会も変わります。エシカルという「気づきの連鎖」をつくることが大切と述べて、締めくくりました。

 次に登場したのが、村田 大輔氏(ステイト・オブ・マインド 取締役運営統括)です。
Img_72571jpg  「縫製職人さんが活躍できる新たなプラットフォーム」と題して、同社の「NUTTE (ヌッテ=縫って)」について発表されました。
 NUTTEとは「あなただけの縫製工房」で、理想の1点に出会えるサイトといいます。登録すれば、全国のプロの縫製職人、約800人に、縫製の仕事が簡単に発注できるのです。
 職人はほぼ30年の実務経験があってパターン、縫製ができ、中には皮革職人や和裁士もいるとのことです。

 同社の社長自身が元縫製職人で、服を作る職人が稼げるような社会をつくっていきたいと、服を作りたい人と、服を作れる職人がインターネット上で繋がるこのサービスを立ち上げたといいます。プラットフォームは昨年スタートしたばかりです。でももう、早くも月収が10倍になった職人もいるそうです。
 職人が稼げる社会になれば、縫製業界に入りたいという若い人も増えるはず。まさに日本の縫製業界の希望の星!ですね。
 これでアパレル業界の構造も変わるかもしれません。

  さらにもう一つ、興味深かったのが、高安 淳一氏(大麻博物館 館長)による「日本古来の麻 機能性自然素材への回帰」のお話です。
 大麻といえば、麻薬になる危険な植物と思っていた私です。認識不足なこと、はなはだしく恥ずかしい! 栃木県那須町に大麻博物館があることも初めて知りました。
 何と大麻は古来より日本人におなじみの植物で、「おおぬさ」とも呼ばれ、神社のしめ縄に加工されるなど、奉納には欠かせないものだったのです。かやぶき屋根にも大麻草の茎が使われたそうです。それが戦後、大麻取締法により許可なしでは栽培できなくなり、悪いイメージがつきまとうようになったとか。

Img_72781 いずれにしても大麻は麻薬のそれとは別物。しかもこれは夏の暑さや冬の寒さを防ぐように日本で独自に進化した機能性自然素材であることも解説していただきました。糸は「紡ぐ」のではなく「績(う)む」方法でつくられ、この糸績みにより、水戻りしない性質となり、涼しい、また乾くのも早いといいます。そしてこのことがヘンプや他の麻と違うところだそうです。

Img_72751  会場には、大麻のキモノや布が展示されていました。

 触れたときのさらっとした清涼感はもちろんですが、意外なほどしなやかな風合いも驚きでした。

 同氏は大麻の文化を今一度見直してほしいと訴えます。業界からのアプローチが期待されます。

 

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