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2016年7月27日 (水)

フロンティアを目指す、サイエンスとアート 「美とアート」

 先般、日本学術会議で開催された公開シンポジウム「フロンティアを目指す、サイエンスとアート」で、「美とアート」のセッションに参加しました。
Img_71762 ファッションとアートは、今や不可分ですし、またサイエンスとも密接に結びついています。アートの世界はサイエンスの原則を用いてつくられているといっても過言ではありません。私にとってこの議論は大変興味深いものでした。

 パネラーは、CG アーティストの木本圭子氏、シンデレラテクノロジー研究者の久保友香氏、デザイン・クリエイターの松居エリ氏で、モデレーターは読売新聞論説委員の井川陽次郎氏です。

 まず井川氏が「美とは、自然界で基本的に安定した状態、たとえば黄金比についてどう考えているか?」と投げかけます。

 木本氏は、数理的手法で動的表現を探る造形アーティストです。この立場から「万物は流転する。そういうものの一部でも現実化したい」。
 久保氏は、「自然美に対して人工美がある。日本では人工美が重視されてきた」と述べ、ご自身が研究されているシンデレラテクノロジーについて紹介されました。美人画を見ると、どの年代も同じような顔で描かれ、しかもデフォルメされている。現代のカワイイ現象もこれに通じることに着目。プリクラのように、女性が元の姿を加工して理想的なアイデンティティーを作り、新しいメディアで公開する技術を、こう名付けたといいます。
 松居氏は、JAXAで宇宙ウェア開発も手掛けたことのあるデザイナーです。数理的にデザインしたウエディングドレスをプレゼンし、「ふわっと美しい、幸せなものが美」と語られました。

 次に「科学技術で美はどう変わるか」と問いかけます。
 木本氏は、「科学技術により自然のあるがままの姿が見られるようになった。そこに美がある。美とは感覚的なもの」といいます。
 久保氏は、「人工美は常に変化している。それを目指してサイエンスも進化する」。
 松居氏は、「なりたい自分になれるように模索が続く」。

 さらに「美は学問や社会をどう変えるか」。
 木本氏は、「美の感覚は民族によっても異なる。流動的な発想へ動く」。
 久保氏は、「絶対的基準への反逆心から新しい美のイメージが生まれ、学問や社会が変わっていく」。
 松居氏は、「美は多様。サイエンスと美の感覚が行き来し合うのが理想」。

 この他、お話しは様々に飛び交いました。3人のパネラーたちは難しい問いに戸惑いながらも見事に応えられ、さすがと思いました。

 ダヴィンチの言葉に「芸術の科学と、科学の芸術を研究せよ」というのがあります。これを実践されているクリエイターたち、今後ますます目が離せません。

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