石内都展「Frida is」フリーダの“痛み” が伝わる遺品たち
東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催されている石内都展「Frida is」に行ってきました。
これは写真家の石内都氏がメキシコの女性画家フリーダ・カーロ(1907-1954)の遺品を撮影した写真展です。
メキシコシティには「青い家」と呼ばれるフリーダの生家があり、ここは今、フリーダ・カーロ博物館になっているのですね。彼女の死後50年となる2004年に遺品の封印が解かれ、博物館の依頼を受けた同氏が自然光の中で撮影した31点が展示されています。
昨年はドキュメンタリー映画「フリーダ・カーロの遺品 ― 石内都、織るように」も話題となりました。そのファッションは色や光にあふれていて、手づくりの温もりを感じさせる優しさに満ちています。
自画像など絵の印象からとても強い女性と思われてきましたが、実際は障がいを抱えて生きた人物でした。幼少でポリオにかかり、右足に障がいが残り、晩年に足を切断したといいます。
本展では冒頭に、その義足の写真があってハッとさせられます。
また矯正用のコルセットや右足と左足でかかとの高さが違う靴など、フリーダの肌身の“痛み” が伝わる遺品たちがいっぱい。
ドレスを自分の体に合わせてお直しし、下着にも美しい刺繍などの装飾を施すなど、常に美を意識し続けて生き抜いたフリーダ・カーロ。
石内都氏は彼女の遺品を通して、苦しい境遇の中でも、希望を失わずに、波乱の生涯を送った天才画家の心を伝えてくれます。
展覧会は8月21日までです。
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