服飾文化学会大会「衣服におけるバリアフリー」作品展示
ユニバーサルファッションのデザイン研究で注目される大妻女子大学家政学部被服学科の大網美代子先生が、服飾文化学会大会で今回も作品を発表されました。
大網先生はこの3月にファッションショーを開催され、その模様をこのブログ20164.22付けにも掲載していますのでご参照ください。
展示作品の一部をご紹介します。
上の写真3体は、身体の障がいに合わせて、必要な機能を考慮してデザイン設計された衣服です。
その一番左は、10代の女性に向けて、体の半身に麻痺があるため、簡単な動作で着脱しやすい服を設計したものだそう。
トップスは、バストポイントを通る切り替えを入れて姿勢をカバーし、左脇にオープンファスナーを付けて着脱しやすくしてあります。
ボトムはスリムなジーンズです。腰のあたりまで両サイド開きで、開き部分のボタンが装飾になっています。
履きやすさと体形カバーの機能に、デザイン性を採り入れたスポーティなデザインです。
真ん中と右は、30歳代の女性で右片麻痺の方のためにデザインしたといいます。
カジュアルなトップスは、腕の可動域が小さくても着脱しやすいように、着脱のための開きを大きくとって、ファスナーを使用しています。
一番右はワンピースです。一見ブラウスとスカートに見えますが、実は一つながりになっています。両脇にファスナーが用いられ、開口部を大きく確保できるデザインです。
他にも車椅子を使われている方のための衣服など、様々に工夫したデザインが提案されていました。
大網先生は、こうした衣服の工業用パターンの開発にも取り組まれています。アパレルとの橋渡し役ができるようにしたいと、意欲をのぞかせていました。
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