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2016年6月

2016年6月30日 (木)

インテリア ライフスタイル展 アワード発表 ⑵

 昨日のブログの続きです。
Img_67411  第26回インテリア ライフスタイル展の会期初日、2つの賞が発表され、授賞式が行われました。

 一つは「Best Buyer’s Choice2016」賞です。出展者822社の中から選出されたのは、初出展の平安伸銅工業の「DRAW A LINE 一本の線から始まる新しい暮らし」でした。
 同社は大阪で「突っ張り棒」市場でトップシェアの老舗メーカーといいます。これまで単に便利グッズとして扱われがちだった突っ張り棒を、暮らしを豊かにする「一本の線」として再定義し、ライトをプラスしたり、シェルフやマグネットをつけたり、テーブルにしたり。
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 突っ張り棒も、こんな風に発想を転換し少し工夫すると、インテリアをよくするものになるのですね。

 もう一つは「Young Designer Award」賞で、若手デザイナーを支援する特別ゾーン「TALENTS」から、studio yumakano 狩野佑真氏が受賞しました。
 同氏はデザイナーでアートディレクター、神奈川県川崎市内の造船所内に事務所を構え、造船所という環境を活かしながらプロダクトデザインを中心にインテリアや建築、アート、インスタレーションなど様々なプロジェクトを行っているといいます。

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 受賞作品の「電球の一輪挿し」は、使用済みの白熱電球に穴を開けて、電球を一輪挿しとして蘇らせたものです。花を支える役割を担っているのは、電球のフィラメントです。
 日本では最近LED電球の普及で白熱電球の存在が消えつつあります。環境を守るために「消えゆくデザインを何か違うカタチで残せないか」という思いでつくられたというこの作品に、審査員も優しい情緒を感じたのでしょう。そのサスティナブルな考え方が、今回の受賞につながったようです。

Img_67461jpg  ブースでは自転車の置台も出品されていました。

 自転車置き場にこんな自転車型の置台があったらステキと、ちょっとワクワクしました。

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 来年 2017 年のドイツ・アンビエンテに招待出展されることになっているとのことで、今後の活躍が期待されます。

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2016年6月29日 (水)

インテリア ライフスタイル展 「伝えたくなるデザイン」 ⑴

 この6月1日~3日、東京ビッグサイトで第26回「インテリア ライフスタイル展」が開催されました。
 33カ国・地域から 822 社(国内:627 社 海外:195 社)が出展し、30,168 名が来場して盛況のうちに閉幕したとのことです。
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 アトリウム(写真上)では、「伝えたくなるデザイン」をテーマに出展社がゾーン別に配置され、各ゾーンにはドーナツ型の「コ ミュニケーションテーブル」が置かれてワークショップやプレゼン―ションが実施されました。

 ここで注目したのが、印染の新ブランド「印染杉下」(スギシタ有限会社)です。
 とくにカワイイ動物の顔を表現した包みに目が行きました。「笑い包み」と名付けられて、布は木綿のハンカチです。本当にカワイイ!
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 印染めは目印となるように、のぼりや風呂敷に家紋などをくっきりと染める技術で、室町時代から伝わるハレの日の染めものだそうです。
 風呂敷やハンカチの赤や紺の鮮やかな発色が印象的でした。

 またもう一つ「ミズカラー」(和信化学工業)は、オーガニック水性塗料で、簡単に使えて便利そう。
Img_66971_2 ワークショップで私も試しにピンクのものを塗ってみました。
 塗り重ねても木目の自然な感覚が表現できます。
 90%以上が天然素材でできていて、ほんのりクルミの香りを感じました。

Img_66941  カラーは30色そろっています。
 最近は木の家具が人気ですし、DIY好きにおすすめです。

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2016年6月28日 (火)

「ファッションメディアの将来を考える」セミナーから

 先月、カラート71プロジェクトで「ファッションメディアの将来を考える」と題したセミナーが行われました。登壇されたのは、ハースト婦人画報社 代表取締役社長&CEOのイヴ・ブゴン氏です。

Img_64671  同社は、米国のメディアコングロマリット、ハーストコーポレーションが、アシェット婦人画報社を買収して5年前に誕生したハーストコーポレーションの子会社です。
 婦人画報といえば現存する日本最古の女性誌で、私もおなじみの雑誌です。この雑誌社がもう何年も前から外国資本の傘下になっていたのです。

 日本の書籍・雑誌市場は総じて縮小の一途をたどっています。しかしそれにも関わらず同社は事業を拡大、昨年度の広告売上は過去最高を記録したといいます。
 雑誌も発行するデジタル企業で、デジタルコンテンツに取り組むファッション出版業界のパイオニアでもある同社。その総帥のお話しは大変興味深く、印象に残りました。

 メディア環境は今やスマホを中心にデジタルに変化しています。おっしゃるように、紙媒体の存在感が低下するのは当たり前でしょう。
 2010年以降、デジタルメディア戦略に注力されている同氏です。ファッションメディアの将来はデジタルコミュニケーションの強化にあると言い切ります。
 現在、デジタル事業の売上げは全体の23%だそうです。その伸び率を見ると、プリント広告が6~7%なのに対し、デジタルは毎年2ケタで伸びています。エルショップなどのEコマースも大きく成長していると数字を上げて説明されました。今後はインターネットがTVを追い抜き、広告媒体で首位になるともいいます。
 それではプリント媒体に可能性はないのかというと、そうでもない様子です。日本では25ansやリシェスなどラグジュアリー系の女性ファッション誌は依然として強く、紙媒体は口コミや店舗、イベントなどを通じて残るといいます。今後はこのプリントとデジタルとのバランスを大切にしながら、これまでとは違う形で紙媒体を残していくと語りました。

 最後にコンテンツの重要性に触れ、クリエイティビティのあるものをつくれるかどうかが最大の鍵と語って締めくくりました。
 “クリエーション”、どの業界でもいえるキーポイントですね。

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2016年6月27日 (月)

「場と間 クリスマス」展 広場は光のページェント

 「場と間 クリスマス」展が、先般5月25-28日、東京タワー近くのスターライズタワーで開催されました。もうクリスマス商戦とは気が早いですが、この時期に展示会を行なわないと、輸入品が多いクリスマス商材は発注が間に合わなくなるそうです。
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 会場を進むと、暗闇の中から光のページェントのような空間が現れました。ヨーロッパの小さな町のクリスマスにでも来たかのようです。ほんものの樅の木や切り株もあちらこちらに置かれていました。
 その周りを囲むのが、クリスマス・オーナメントやパーティグッズ、プレゼントなど楽しいアイテムを出品した出展者、51社です。なお来場者は4,500人だったといいます。

 とくに注目したブースをご紹介します。

〇Ouef (フランス語の卵という意味)
 優しくてカワイイぬいぐるみがいっぱい。
 フランス系アメリカ人のカップルが創る楽しいデザインです。とくに猫のロングマフラーが可愛かったです。ボリビアの職人の手で編まれたベビーアルパカやペルーのナチュラルなコットンを用いているのがこだわりとか。
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〇ma.macaron (マ・マカロン)
Img_66401jpg  お皿にのった芋虫にびっくり。虫や花、果物などをモチーフにした刺繍のアクセサリー・オブジェは、ほんものそっくりです。
 すべて横振りミシンで制作し、立体的に表現したといいます。

〇GRAFICA
Img_66471  世界各国のデッドストックとなった壁紙をモチーフに、ブックカバー、ポーチ、パスケースを提案しています。

 日本にはないような木目や樹皮を思わせる質感が印象的でした。

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2016年6月26日 (日)

日本磁器誕生・有田焼創業400年「有田の魅力展」内覧会

 今、東武百貨店池袋店で、日本磁器誕生・有田焼創業400年記念を記念する「有田の魅力展」が開催されています。先日、この特別内覧会に行ってきました。

Img_70641jpg 現代を代表する陶芸家で重要無形文化財(人間国宝)の井上萬二氏や14代今泉今右衛門氏、15代酒井田柿右衛門氏をはじめとする有田の名匠28名の作品が一堂に展示された会場は、まさに壮観です。
 私は2012年の夏に、有田の町を訪れたことがあります。深川製磁や香蘭社などのお店を見て回り、今右衛門窯を見学したこと(このブログ2012.8.11参照)が思い出されました。
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 オープニングセレモニーでは、人間国宝をはじめとする錚々たる顔ぶれの登壇者がずらり。Img_70821jpg その中でひときわ目立つ人物が日本文学研究者でコロンビア大学名誉教授のドナルド・キーン氏でした。現在94歳で、あの東日本大震災後に日本国籍を取得されたといいます。
 焼き物愛好家のキーン氏は、日頃から有田焼を愛用していて、「マンションが狭いので、有田焼はもう買わないと決めていたのに、ついまた買ってしまいます」とユーモアを交えて、日本語で祝辞されました。その飾らない御姿や訥々とした口調が忘れられません。
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 テープカットの後、ミニレクチャーが3つあり、有田焼を学び直しました。

 まず井上萬二氏のお話です。
Img_70971  華やかな絵付けが中心の有田焼の中で、白磁に徹し、その究極の形を追求されている人間国宝です。名匠コーナーで同氏の作品を前に、「白一色は化粧をしないのと同じでごまかしがきかない」、「白で最高の美人を創るには、伝統の技と創造するセンスが必要」と語られました。60代で柿渋染め、70代で黄色、80代で紫系の少し色づいた白磁を極めようと、87歳になられた現在も精進されているといいます。何事も「目的をもって精進することが重要」との言葉が印象に残りました。

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 次に歴史コーナーに移動し、佐賀県立九州陶磁文化館館長の鈴田由紀夫氏が、有田焼400年の歴史を講義されました。

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 私は同館にも行ったことがあります。そのときご案内していただいたこの鈴田氏に、このような場面でまたお目にかかれて、大変うれしかったです。(このブログ2012.8.11参照)

 展示を拝見しながら、日本で最初の磁器とされる初期伊万里様式から柿右衛門様式(写真左)が生まれ、それが海を渡ってヨーロッパで愛好され、華麗なマイセン焼(写真右)が誕生したことなどを解説していただきました。
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 江戸時代に将軍家に献上するためにつくられた美しい鍋島焼(写真左)も出品されています。





 Img_71141最後にフードスタイリストの遠藤文香氏による「食卓を彩る豆皿コーディネイト」の実演がありました。
 小さなお皿の高さを変えてみたり、赤と緑のような対照的な色使いにしたり、料理を引き立てるちょっとしたコツを教えていただきました。

 開催は28日までです。ご関心のある方、どうぞお急ぎください。

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2016年6月25日 (土)

2017春夏PTJ展 得意の技で付加価値素材 ⑷

 昨日のブログの続きです。
 先般のPTJでは、各社得意の独自技術を駆使した付加価値素材が提案されました。ここではジャカードを中心に、新しい表現のカットソーなど、ファッションを彩る光沢や透け感、凹凸感のある素材や、ナチュラル感を大切にしたモノづくりを紹介します。

<ジャカード&ファンシードビー>
ピアチェーレ
Img_65981  得意というからみ織りやジャカードは、洗練されたクチュール感覚あふれる綿複合素材です。ラメ入りやさざ波のような表面感、リボンヤーンを織り込んだカットジャカードの装飾性など、感性豊かな表現で完成度が高く、その技とセンスのよさに感動しました。
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クロスジャパン  
 今季はプリントやジャカード、刺繍などの装飾要素を重ねた素材が注目されています。
 Img_65411_2意匠企画を得意とする同社では、今シーズンもバイヤーの差別化への動きに応えるファンシーなテキスタイルをたくさん打ち出していました。
 中でも人気があったのは、大きな花をモチーフにしたカットジャカードといいます。

丸増
Img_65211  洗練されたファッション性の高いテキスタイルが並ぶ中、売れ筋はジャカードといいます。

Img_65161jpg  プリントがストライプの間から見え隠れする、透け感のあるT/Cストライプ・オーガンジーも目につきました。

森菊
 三河産地の原点に返る多重織ガーゼを提案。
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Img_65721  生地を五重、六重に織り上げたものなど、ふんわりとやわらかい風合いが特徴です。

 またジャカードの新作も発表していました。

福田織物
 昨年導入したという24枚ドビー機で織ったワッフル織やハニカム織が人気といいます。
Img_65631  ドビーの限界に挑戦した織物ということで「ワンダー・リミ」と名付けています。糸は、綿100%で少し強撚をかけたものだそう。実は偶然に誕生した織物であるとか。
 そのふくらみのある風合いはストレッチ性もあり、ニットのようです。

<カットソー>
沼尻テキスタイル研究所
Img_66061  変化に富んだ匠の技で、注目のジャージーメーカーです。
 今シーズンはインディゴジャージーを充実させていました。
 右は綿100のカムフラージュ起毛と名付けられたもの。

 また左下はナイロンカールテリー、右下はタックジャカードです。
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シマダテキスタイル
Img_66091_2  先染コンピューターニットで、無限の可能性を追求しているというニット生地メーカーです。

 高級感のあるインディゴジャージーやデニム風ニットの打ち出しが印象的でした。

フジサキグループ
 同社は繊維専門商社です。今シーズンはコットンのカットソーを大きく展開していました。
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 クラボウの抗菌・抗ウイルス機能加工クレンゼの提案も見られました。

<ナチュラル感>
益久染織研究所
 木綿の本来の風合いを大切に、手仕事で手間暇かけて布づくりをしているメーカーです。
Img_65531jpg_2  
Img_65561  綿花栽培も手掛けているそうで、ブースではオーガニックコットンの手紡ぎや手織り風の和紡布、天然染料で染色したテキスタイルを提案していました。
 また製品も見られ、やさしい感触のソックス“あしごろも”に触れて、改めて手紡ぎ木綿の魅力に魅せられました。

オーミケンシ
Img_66151jpg  オーガニックコットン使いのグレー杢ジャージーを出品。
 この杢は、備長炭の超微粒子をレーヨンに練りこんだ「メランジェ」で、備長炭の中でも最高峰と言われる紀州産のものといいます。

 炭の持つ色合いがナチュラルな雰囲気を醸し出しています。

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2016年6月24日 (金)

2017春夏PTJ展 さりげないデニムや清新な先染め ⑶

 昨日のブログの続きです。
 2017春夏に向けて各社得意の技とセンスで開発された素材の中から、ここではさりげない表情のデニムや清新な先染めをご紹介します。

<デニム>
ダックテキスタイル
 デニムも意匠性で勝負します。糸使いを変えたり、ジャカード組織にしたり、コーティングを施したり。千鳥格子やボーダー柄も好評の様子です。
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Img_64991  またドロー刺繍も種類が増え、様々な柄のものが打ち出されていました。
 これは特殊針を使用し、生地目を上下左右に引き広げて穴と刺繍糸で、模様やロゴをデザインする刺繍だそうです。

カイハラ
 本格的なデニムも70年代の風に乗って、復調傾向にあるようです。
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 ブースでは、緯糸に超極細ポリエステル使いの“パウダーデニム”やチノ風の“シェルノ”など、軽量でストレッチ性があり、肌さわりの優しいデニムを提案。次世代スタンダートとして打ち出していたのが印象的です。

内外織物
Img_64711  同社のような先染め織物が中心のメーカーも、デニムライクなテキスタイルをたくさん見せています。

 左は、高級感のあるデニム調素材でメンズジャケット向けのものです。

<先染め>
オザワ繊維
 清涼感のある先染めシャツ地を展示。ここでもシャンブレーやサッカー風、またデニム調などが目につきました。
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 とくに東洋紡STCのトライクール/綿混を打ち出していたのが印象的です。
Img_65131 トライクールはファインセラミックスを練りこんだ日差しバリア加工の高機能ポリエステルで、日傘やかりゆしシャツなどに採用されているといいます。
 その遮熱性やUVカットの他、防透け性にも目を向けて、透過比較デモも行われていました。

浅記
 新潟県見附産のスペック染を大きく打ち出していました。
Img_65671jpg これは通常の先染めにはできない独特なムラ感を出す特殊なむら糸染めです。
 この糸で織るとインディゴのような風合いを醸し出すことができるのですね。

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 これまでは経糸だけだったスペック染を、今シーズンは経糸緯糸ともに用いて、多様なチェック柄を表現しています。

桑村繊維
 テキスタイル5部1課とテキスタイル2部6課が出展しています。
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 上は5部1課です。マス見本のような先染めも見られるなど、「糸・染・加工」を工夫した様々な先染めが展示されました。
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 2部6課(写真右)では、綿100を中心に綿/リネンなど素材へのこだわりを感じさせる展示で、今回はとくにペル―ピマのシャツ地が目につきました。

カゲヤマ
 様々なシャツ地を中心とする先染めが見られる中、今季の人気はとくにインディゴ染めのサッカーといいます。
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杉岡織布
 緯糸8色が可能になったというエアジェット織機を導入し、先染め織物を充実させているといいます。
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 カラーボーダーのクレープ楊柳を豊富に展開していて、その優美な表情に魅せられました。

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2016年6月23日 (木)

2017春夏PTJ展 各社こだわりの差別化素材 ⑵

 先般開催された2017春夏「プレミアム・テキスタイル・ジャパンPremium Textile Japan 略してPTJ」では、有力テキスタイルメーカー96社が出展しました。そのうち10社が韓国や中国、タイなど外国企業で、日本市場への関心の高まりを感じさせます。

 参加各社の提案は、いずれも付加価値にこだわった差別化素材です。まとめるのはなかなか難しい作業ですが、それでも2017春夏素材を概観しますと、大まかな方向が見えてきます。

 主役は春夏とあって、やはりナチュラル感のある綿がらみの天然素材です。中でも注目されるのは、引き続き麻や麻混、紙繊維使い。合繊との複合も多く見られます。
 清涼感のあるタッチで、ドレープ性のある強撚ものや、パリッとした風合い、ペーパーライクな仕上げへの関心も高いようです。
 組織では先染めやドビー、ジャカード、とくにカットジャカードなど、見た目に変化のあるものが目立ちます。またプリントも復活傾向で、大胆なものが目を引きます。
 カラーは全体にブルー系が人気で、インディゴブルーやデニム、デニム調への興味も尽きません。

 そのポイントを絞り、各社ごとにご紹介していきましょう。

<ブルー&プリント>
久山染工
 ブースに観葉植物を配し、トロピカルな雰囲気です。
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Img_65261_2  オパール加工の和紙プリントや立体的な表面変化のある興味深い素材に加えて、今シーズンは堰(せき)出し染を見せていました。
 これは友禅染めの技法で、蝋や特殊な糊を下地にプリントし、その隙間から染料を浸み込ませるという匠の技。ブルーの少し滲んだ染上がりが独特なナチュラル感を表現しています。

北高
Img_65591_2  パリのプルミエールヴィジョン(PV)に出展し、プリントデザインで感性に響くマーケットを掘り起こしているメーカーです。
 今季は、このPVでも人気を集めたフロッキープリントを前面に打ち出していました。
 細コールに見えますが、実はプリント表現です。

イマダ
Img_64841jpg_2 プリントテキスタイルで定評のあるメーカーです。
 ブースでは大胆な花模様の大柄コットンプリントが目につきました。白地の二色使いなど、色数を絞った洗練されたデザインです。

近江織物
 ロマンティックでエレガントな高級感のあるコットンの花柄プリントを展開しています。
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 綿100%ボイル               綿100%サテン

デザインハウス風
 大きな柄のパネルで、インパクトのあるプリントを訴求していました。
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 Tシャツとのコーディネイト提案も注目です。

コッカ
11  様々なプリントがある中で、今シーズンはデニム調の打ち出しでした。

 正面にデイスプレーされていたのは、デニム&マリーンテーマのもの。一見、デニムや先染めに見えますが、実はインディゴ染めのプリントです。

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2016年6月22日 (水)

2017春夏PTJ展 活気あふれる商談会 ⑴

 2017春夏向け「プレミアム・テキスタイル・ジャパンPremium Textile Japan 略してPTJ」が先月24-25日、東京国際フォーラムで開催されました。主催した日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)の結果報告によると、11回目となる今回は、会場面積を前シーズンの1.5倍の3,000㎡に拡大し、過去最大規模の96件/123小間が出展したとのことです。とはいえ消費低迷や遅い会期なども影響したのでしょう。来場者数は6,005名で前年比7%減と発表されています。というと少し暗い雰囲気のようですが、実際にはそんなことは全くなくて、むしろ活気あふれる商談会と思いました。取材した各社とも、手ごたえを感じている様子が伺えました。

 2017春夏のトレンド&インデックス・コーナーも、久々に展示ホール内に設置され、新素材を探すバイヤーでにぎわっていました。
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 トレンド提案は、ミラノウニカ2月展の日本パビリオンで打ち出されたテーマと同様の構成で、「妄想ミステリアスな巡礼」、「女たちに捧げるロマンチック物語」、「音楽と美術のモードな交差点」、「充実した贅沢な一日の休日」です。694点の素材がそれぞれテーマ別に分類展示されました。
 また全般傾向に、岡倉天心の「茶の本」にある「声なきものに耳を傾け、姿なきものを見る」が用いられていたのも印象的でした。芸術鑑賞の奥義を伝える言葉ですね。日本人のものづくりの精神を表しているようでもあり、心していきたいものと思いました。

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2016年6月21日 (火)

不安な時代のファッション表現

 パリでは、昨年11月に出された非常事態宣言がまだ続いているそうです。
 今秋冬コレクションには、そんな不穏な空気を反映するデザイナーたちのクリエ―ションが目立ちました。
 そこでこの春発行の(一財)日本綿業振興会「COTTON PROMOTION コットンプロモーション」(2016.spring号)に、「不安な時代のファッション表現」題するコラムを執筆しました。
 その掲載記事をご紹介します。(画像:クリックで拡大します。)
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ツバメの巣をウオッチング

 いつも利用している湘南モノレールの駅舎に、ツバメが巣をつくっています。高いところですけれど、人通りの多い通路です。こんなところによくつくったと思います。
 親ツバメがひっきりなしに餌を運んできます。小さな顔をのぞかせていた雛たちは、親が来ると口を大きく開けて待ちます。その様子をカメラにパチリ。何ともかわいい!
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 羽をバタつかせているのもいて、巣立ちはもう間近いようです。
 思いがけないツバメの巣をウオッチングしに、駅へ行くのが楽しみな毎日です。

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2016年6月20日 (月)

FB学会講演会 オムニチャネル時代のファッションビジネス

 先月ファッションビジネス(FB)学会で特別講演会が開催され、同学会副会長で一般社団法人ウー マンズ・ヱンパワメント・イン・ファッション(略称WEF)会長の尾原蓉子氏が登壇されました。
Img_62311_2  テーマは「オムニチャネル時代のファッションビジネス~2016全米小売業大会より~」です。同氏はこの30年間、全米小売業大会に欠かさず出席され、ファッションビジネスの変化を如実に見つめてこられました。そのレポートは今年も繊研新聞紙上で発表され、多くの業界関係者の指針となっています。

 講演は、この2016全米小売業大会での概要報告をもとに、日本の業界に覚醒を促すものでした。
 冒頭「日本の業界は今、非常に大きな変革のターニングポイントに入っている」と語ります。①グローバル化、②ITデジタル化、③消費者価値観の転換という大波が押し寄せる中、従来の概念を変えるべきときが来ている。それなのに日本はユデガエル状態のままで、危機感が薄い。大手アパレルは存続の危機にあると言い切ります。 
 これを乗り切るためには、米国で起こっている巨大な変化に目を向け、それを採り入れることが必要と強調。そのキーワードは“デジタル”と“ディスラプション(創造的破壊)”であるといいます。
 その事例として、配車システムのC to CシェアリングサービスのUberやその対抗馬のLyft、メガネの垂直型コストミニマイズオムニチャネルのWarby Parker、ファッション衣料のレンタルビジネス Rent the Runway、会員制ディスカウントネットストア Jet.com、パーソナルナルなスタイリスト&コンシェルジュTrunk Clubなどを挙げて解説。スマホが登場し、産業革命以来の大変革、小売り革命が到来していることを喚起されました。
 次に米国ファッション小売業の動向について。上記ディスラプションの結果、ネット販売が急伸し店舗の閉鎖・縮小が起き、ビーコン端末の採用などモバイルへのさらなるシフトが進んでいる。レベッカ・ミンコフのブティックでは鏡がタッチパネルになっていたり、ノードストロムの靴売り場には足の測定器がおかれていたり---、店舗でのテクノロジー活用が進展。とくに“Macy’s One Bellow ”にみるようにミレニアル世代といわれる新しい消費者像への対応が急務となっていることなどをヴィジュアルで紹介。
 こうしてスマホの威力と利便性を体験してしまった顧客に対して、これからの小売業は、オムニチャネルの拡大以外に選択肢はないと断言します。そしてその本質を、企業ではなく顧客の論理で捉えることといい、店舗を感動体験の場とし、ファンをつくって、顧客との深い関係を築くことが求められていると力説。顧客を「個客」とし、「個客セントリック」の考え方で、「個客」へのパーソナル対応に注力していくことが重要と語りかけます。
 このために不可欠なのはコラボレーション(協業・協働)であると語気を込め、SNSやPinterestからの発信など、様々なICT業界との取り組みの重要性を説かれました。何とAIのワトソンの提案力にも言及され、印象的でした。
 最後に日本のファッションビシネスの課題として、何よりもEコマース化とデジタル化が喫緊事と意見し、日本はまだ緒についたばかりといいます。情報を一元化・共有化・可視化し、カスタム生産・カスタムオーダーやパーソナル・スタイリング・サービスなどといったパーソナル化が今後のキーポイントになると指摘されました。

 米国における最新ファッションビジネスの動向を脳裏に刻み、日本の方向性をはっきりと示していただいた、すばらしい講演会でした。

 なお、尾原蓉子氏の著作「ファッションビジネスの変容」(繊研新聞社)が出版されるとのことです。副題は仮とのことですが、「ファッションビジネスの未来は今、あなたがつくる」になるとか。楽しみに待っています。

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2016年6月19日 (日)

JAFIC プラットフォームで合同ショー

 日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)が、この16日、総会後に行なった懇親会に今年も参加してきました。
 会場は今回、渋谷ヒカリエホールに移っての開催で、広いホールには多くのアパレル関係者が集い、大盛会でした。

 とくに注目は「JAFIC プラットフォーム」(写真下)の展示です。
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Img_70101  これはアパレル企業とのビジネスマッチングを図るプロジェクトで、このプラットフォームに登録したデザイナーと日本のテキスタイル産地企業とのコラボ作品が披露されました。作品は合繊の石川、綿の播州、ウールの尾州、ニットの新潟というように、大きく4つの産地別に分類展示されたのも印象的です。

 懇親会ではまず、JAFIC理事長の廣内 武氏が「消費増税は再延期されたが、厳しい経済状況に変わりはない。今後も業界活性化のため努力していく」と挨拶。
 次いで合同のファッションショーがあり、東京コレクションなどで活躍するファッションデザイナー、30人が、今秋冬の一押しモデルを発表しました。

 左は(ヤストシエズミYASUTOSHI EZUMI)                                  中央はシガ(SHIGA)  右はヒスイ(HISUI)

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 パーティでは産地ならではのグルメやお酒がふるまわれ、明るい気分を盛り上げていました。
 これで消費者の財布の紐がゆるむといいですね。

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2016年6月18日 (土)

「片岡鶴太郎×コシノヒロコ×荻野綱久―森羅万象―」展

 「片岡鶴太郎×コシノヒロコ×荻野綱久―森羅万象―」展のオープニング・レセプションが昨夕、東京・銀座のKHギャラリー銀座で催されました。
Img_70621_2 
 片岡鶴太郎といえば、俳優で画家でもある多彩なアーティスト、朝ドラ「とと姉ちゃん」でもおなじみの顔です。その人が息子の荻野綱久さんとともに現れて、画業について語られました。
 音楽をやっていた息子に、あるとき絵の才能を見出し、絵を描くことを薦めて、今回初めての作品発表となったそうです。ご自身はモチーフを実際に見て描くのに対して、息子は空想から生まれたイメージを絵にしているといいます。
 実際、父子の作品はスタイルがまったく違っていて驚かされました。

 Img_70542片岡鶴太郎作品は、これまで未発表だったというもので、抽象画風(写真左)です。
 手前は「彩雲」という題がつけられていました。自然を題材にした日本画風のものを披露したコシノヒロコ作品に合わせての出品だったようです。

Img_70571  荻野綱久さんの作品は、まさにイマジネーションの世界でした。
 黒をバックに豊かな色彩が躍動する「かぶく」美意識が印象的です。
 右中央は「鳳凰」と名付けられた作品です。
 1年と少しくらいしか経っていないといいますが、すばらしい表現力と思いました。

 なお本展の開催は7月18日までです。

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2016年6月17日 (金)

「ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝」のお知らせ

 ミケランジェロといえば、誰もが知るイタリア・ルネサンスの巨匠です。私もフィレンツェの美術館で見たダヴィデ像やローマのヴァチカン宮殿のピエタ像、システィーナ礼拝堂の天井画に驚嘆したことを思い出します。その人体表現はまさに超人技としか思えませんでした。

1  このミケランジェロの作品を展観する「ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝」が、パナソニック 汐留ミュージアムで開催されます。会期は6月25日(土)より8月28日(日)まで。
 ミケランジェロの子孫の所蔵品を中心に、本人による真筆の素描および書簡を含む作品、およそ70点に加えて、ミケランジェロの建築にも光を当てる展覧会です。詳細は公式サイト http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/16/160625/をチェックしてください。

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2016年6月16日 (木)

「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」 衣装初公開

 映画衣装というとディズニー映画のファンタジックな衣装が楽しいですね。
Img_70011jpg_2  今、銀座三越で映画「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」公開(7月1日から)を記念する、人気キャラクターの衣装展が催されています。

 この映画はティム・バートン監督作品「アリス・イン・ワンダーランド」の続編で、豪華キャストたちが再共演しているといいます。衣装デザインを担当したのは、本作も前作同様、コリーン・アトウッドで、前作では第83回アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞しました。
 その装飾美あふれる個性的な衣装は、映画の芸術性をより一層高めているようです。
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Img_69921  アリス役は前作からさらに成長したミア・ワシコウスカで、衣装は華麗な中国風ドレスです。

 解説によると、中国文化を表現するために、テキスタイル部門のスタッフが手作業でシルク地に刺繍を施したとか。ビンテージ調の見事な仕上がりが印象的です。


Img_70001  ジョニー・デップ演じるマッドハンターの衣装は、やはり帽子がポイントのようです。
 ヴィクトリアン調の帽子でサイズをより大きくして、キャラクター性をより強調したといいます。
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 赤の女王も前作と一緒でヘレナ・ボナム=カーター、衣装も同じ天然の赤ぶどうで染めたものとか。

 ちょっとの間でしたけれど、タイムトリップした気分を味わってきました。

 開催は28日までで、22日からは伊勢丹新宿店と名古屋のイセタンハウスでも開催されるそうです。

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2016年6月15日 (水)

先端素材シンポジウムでウェアラブル技術に注目

 昨日のブログの続きです。今回の先端素材シンポジウムでは、化合繊メーカー10社と関係団体が出展して、展示商談会が行われました。

 とくに注目されたのが人体密着型のウェアラブル技術です。生体センサーでセンシングして生体計測し、身体に最適な体温とされる36.9℃に体温調節する素材が出品されるなど、居住空間のエアコンに相当する衣服空間の「ウェアコン」への取り組みが進んでいることを改めて感じさせられました。

 その一押しが東洋紡の「COCOMI(心美)」です。

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Img_68111_2  これは着る人の生体情報を取得するために必要な、センサー用電極・配線材に用いるフィルム状の機能性素材で、触ってみると、しなやかで薄く、伸縮性があって、着心地もよさそうです。電気をよく通し、熱圧着で生地に簡単に貼り付けられるといった特長もあります。

Img_68051  東レでは「ヒトエ hitoe」のウェアを展示していました。ヒトエは私たちが無意識に体から発している生体信号を収集し、その情報を長時間さまざまな場面で計測できる高機能素材です。肌にフィットし通気性も兼ね備えていて、スポーツなどで大量の汗をかいても、高感度にセンシングするといいます。

Img_68131jpg  帝人のブースでは、世界初という超極細ポリエステルのナノファイバーが紹介されていました。
 「ナノフロント Nanofront」の手袋は、ぴったりフィットして滑りにくく、ずれにくいといいます。

Img_68141jpg  面ファスナー「ファスナーノ」のソフトな感触にもびっくりです。面ファスナーといえばザラザラしたものと思っていましたが、「こんなにやわらかいのもあったのね」と驚嘆しました。

 この他、様々。未来を展望する新開発素材が一堂に会し、短い時間でしたが盛会でした。

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2016年6月14日 (火)

未来を創る先端繊維シンポジウム「IoTが切り拓く社会」

 未来を創る先端繊維「第3回先端素材シンポジウム」(日本化学繊維協会主催)が先日、東京・大手町で開かれました。最初に東京大学先端科学技術研究センター教授の森川博之氏による基調講演があり、次いで先端素材の活用が期待されるモビリティ、スマートハウス、ロボット、医療・ヘルスケア、機能性衣料の各分野の専門家が、2030 年のスマート社会の実現に向けたお話しをされました。

Img_68001jpg_3  基調講演に登壇された森川教授は、「IoTが切り拓く社会」をテーマに、IoTがもたらすビジネス発展の可能性を語られ、この方面に疎い私も、ほんの少し開眼できたかも、と思ったことでした。
  IoT=モノのインターネットとは、要するにアナログのプロセスをデジタル化することだそうです。
 これまでカンとか感覚に頼ってやってきたことが、センサーの発達でいよいよデジタルデータ化できるようになってきたというわけです。
 その事例として、スペインのお笑い劇場での取り組みを紹介されました。これは客が笑った回数で料金を課金する仕組みで、これにより売り上げがアップしたそうです。スポーツ業界ではアメフト選手の動きなどを観客にデータで伝えることで、新しい価値が生み出されているといいます。日本では川越市のイーグルバスを挙げ、バスの運行管理システムに採用されて、乗客の不便解消に役立っているとか。さらに古紙回収などゴミ箱もネットにつなぐことで経費削減が期待できるなど----。IoTはあらゆる産業のパフォーマンスを上げるポテンシャルを秘めているようです。

 日本は米国に比べ生産性が低いといわれています。しかしIoTを活用すればそれを向上させられるし、日本企業にとって大きなチャンスになる、と強調します。そしてその方向性を、物理的資産のデジタル化、汎用技術、海兵隊とCTB、エコシステムを軸に解説されました。デジタル用語が多数飛び出し、なかなか難解でした。
 最後にデザイン思考の重要性について、考えて試すだけではなく、今後は気づき伝えることが大切になってくる、そのためのストーリーが大事と断言。アナログの隠れたニーズを常に考え、そのストーリーに気づくことがこれまで以上に求められると述べて、締めくくられました。
 まさに目からウロコの講演会でした。

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2016年6月13日 (月)

服飾文化学会大会「衣服におけるバリアフリー」作品展示

 ユニバーサルファッションのデザイン研究で注目される大妻女子大学家政学部被服学科の大網美代子先生が、服飾文化学会大会で今回も作品を発表されました。
 大網先生はこの3月にファッションショーを開催され、その模様をこのブログ20164.22付けにも掲載していますのでご参照ください。

 展示作品の一部をご紹介します。
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 上の写真3体は、身体の障がいに合わせて、必要な機能を考慮してデザイン設計された衣服です。
 その一番左は、10代の女性に向けて、体の半身に麻痺があるため、簡単な動作で着脱しやすい服を設計したものだそう。
 トップスは、バストポイントを通る切り替えを入れて姿勢をカバーし、左脇にオープンファスナーを付けて着脱しやすくしてあります。
Img_60721_2  ボトムはスリムなジーンズです。腰のあたりまで両サイド開きで、開き部分のボタンが装飾になっています。
 履きやすさと体形カバーの機能に、デザイン性を採り入れたスポーティなデザインです。

 真ん中と右は、30歳代の女性で右片麻痺の方のためにデザインしたといいます。
Img_60711_2  カジュアルなトップスは、腕の可動域が小さくても着脱しやすいように、着脱のための開きを大きくとって、ファスナーを使用しています。
 一番右はワンピースです。一見ブラウスとスカートに見えますが、実は一つながりになっています。両脇にファスナーが用いられ、開口部を大きく確保できるデザインです。

 他にも車椅子を使われている方のための衣服など、様々に工夫したデザインが提案されていました。

 大網先生は、こうした衣服の工業用パターンの開発にも取り組まれています。アパレルとの橋渡し役ができるようにしたいと、意欲をのぞかせていました。

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2016年6月12日 (日)

日本の化粧文化― 赤白黒の伝統美から色彩の現代美へ―

 先般、文化学園大学で服飾文化学会大会が開催され、特別講演が行われました。
Img_60931jpg  登壇したのは、元ポーラ文化研究所主任学芸員で文化学園大学、愛知県立芸大非常勤講師の津田紀代氏です。「色彩からみる日本の化粧文化― 赤白黒の伝統美から色彩の現代美へ」をテーマに、日本の化粧文化から、その独特の洗練された美意識の変遷を、色彩を切り口に語られました。

 まず赤化粧です。赤さびなど赤い顔料を顔などに塗る風習は、埴輪や魏志倭人伝の記述などにみるように非常に古くから行なわれていたことがわかっています。実は私は、縄文遺跡で有名な三内丸山遺跡を訪れ、そこで発見された漆塗りの櫛を見たことがあります。縄文人もうるし赤で自分を表現していたのではないかと、思われているのです。
 江戸時代になると紅花から抽出した紅が彩りを添える色として普及します。とはいえ紅は高価で、紅一匁が金一匁で取引されたとか。文化文政期には、玉虫色に発色する緑色の笹色紅が流行ったそうで、これを下唇に施し、その上に赤い紅を差しました。庶民は笹色紅の代わりに墨をつけて気取ったようです。浮世絵によく描かれているのを見ますが、面白い流行ですね。
 白化粧は、「色の白きは七難隠す」といわれ、素肌を見せるのははしたないという美意識の広まりもあって、白粉化粧が日本髪と着物の調和美を完成させるためになくてならないものになったといいます。とくに念入りに行われたのが額や襟足の生え際の形を整える際化粧で、顔から襟足、首、背中、胸にも塗ったそうです。襟足や首を濃い目に塗ると、顔が美しく見えると、顔の方は意外にも薄化粧だったともいいます。
 驚かされたのが黒化粧です。それは今はもう時代劇でも女優が嫌がってしないというお歯黒の習慣です。既婚女性は貞淑の印として歯を黒く染めたのですね。子どもが生まれると眉も剃ったといいます。遊女は子がないので眉は剃らなかったのですが、客への貞節を示すためにお歯黒はしたそうです。上流女性は置き眉といって、実際の眉の位置よりも上に眉を描く眉化粧をしていたといいます。
 眉はもっとも感情が表に出る部分です。眉無しは、自分自身を出せない状況になったことを意味するという津田氏の言葉に、江戸時代の女性が置かれた立場を何ともやるせなく思ったことでした。

 明治維新後は、この身分を表す黒化粧は廃れ、白化粧では鉛毒のない無鉛白粉が開発され、白から肌色が登場します。女性たちは自分の肌の色を自覚するようになり、現代の自然美へと移っていくのです。
 おちょぼ口ではなく大きな口になったり、真っ赤な口紅やピンクメイクが流行ったり、眉も和風の三日月眉から洋風の太眉に変化したり、1960年代にはツイッギーブームでアイメイクがもてはやされるようになるなど----。肌の色も小麦色の肌が賛美された1970年代から、80年代になると紫外線の害が叫ばれ一転、美白志向となって、いつの間にか肌色という色名が差別用語とみなされてか消滅してしまいました。ネイルアートもこれほど盛んになるとは!誰が想像したことでしょう。
 最後に今、高齢社会となって、求められているのが若さと健康を表現する化粧といいます。このあたりのこと、次はもっとじっくりお話しを伺いたいものです。

 社会の様相を映し出す化粧文化の奥深さ、その一端をわかりやすく解説していただいた素晴らしい講演会でした。

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2016年6月11日 (土)

「大門真優子MUSIUM」 海の女神が棲息する海中写真展

 海面下には美しい海の女神が棲息しているかも----、そんな夢のような世界を表現する写真展が今、東京・代官山で開かれています。それが新進気鋭のアーティスト衣装デザイナー、大門真優子さんによる海中写真作品「MUSIUM」です。

 大門さんにとって初めての個展で、初日の昨夕、ファッションジャーナリストのミーシャ・ジャネットさんとのギャラリートークが催されました。 Img_69151jpg
Photo_l14640013840 水中を人魚のように泳ぐ女性は大門さん、ご本人と聞いてびっくり! 約30点の作品のモデルはすべてご自身だそうです。撮る角度や光の当たり具合、それにメイクで、ポーズする姿は、まるで別人のように見えたのですが----。
 場所はサイパン島や岩手の海だそう。潜っての撮影はまさに命がけだったといいます。衣装を調整するのも水中では並大抵なことではなかったでしょう。一人の若い女性が身体を張って挑んだ絶妙のバランス感に驚嘆させられました。

 ミーシャさん着用のニットも磯辺の“フジツボ”のような形をしていて(写真左)、何ともファンタジック!もちろんこれも大門さんのデザインです。
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 他にもサンゴなど海の生き物をイメージしたものや、また蛹から羽化した蝶もテーマで、その蠱惑的な姿態にも魅せられます。

 この神秘的な蝶のモチーフはTシャツや小銭入れにもあしらわれていて、販売もされています。

 見るもののイマジネーションを掘り起こす、ドリーミーな本展。開催は22日までです。

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2016年6月10日 (金)

AW 16/17ユキコハナイ展 “CAT MOONのたくらみ”

 「ユキコハナイ (Yukiko Hanai)」の2016/17年秋冬展示会が、先日、東京・千駄ヶ谷で開催されました。

 手がけるのは、昨年花井幸子さんから交代したデザイナーの青木希素江さんです。ブランドの精神を継承しながらも、新しい流れを落ち着いた大人のムードで魅せるコレクションを展開しています。
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Img_68701jpg  テーマは“CAT MOONのたくらみ”で、何ともドラマティックです。
 ビジュアルも月夜に黒猫が描かれていて、妖しいムードを感じます。とはいえこの黒猫は装いを引き立てるちょっとしたアクセントで、たとえば左写真の黒猫マフラーは、シーズンの人気アイテムだそうです。猫好きにはたまらなくかわいい!ですね。

 その裏テーマがチューリップのモチーフで、そこかしこに散りばめられ、ワードローブを小粋に見せていました。

Img_68711jpg  とくに新アイテムとして力を入れている様子なのが、ボトムの“スカーチョ”です。これはスカート+ガウチョを造語したもので、スカートなのにパンツの機能性があって、はきやすいと好評です。
同ブランドでは、このスカーチョを高級感のあるシックな感覚で表現し、注目されます。

  またスポーティなダウンをロマンティックな感覚に仕上げたジャケットやコートもみられ、そのフレアーやギャザー、刺繍テクニックに目が釘付けです。
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 昨冬ヒットしたコーディガンも、シャネル風のもの(写真上)など新バージョンが多数提案されています。

上品でエレガントな雰囲気の中に、女性らしいロマンが息づく、すてきなコレクションでした。

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2016年6月 9日 (木)

ベストファーザー賞発表授賞式 素敵な「イクメン」お父さん

 日本も子育てする男性「イクメン」が増えました。昨日、都内ホテルで、各界のもっとも素敵なお父さんを表彰するベストファーザー賞(イエローリボン賞)発表・授賞式が行われ、「イクメン」という言葉が飛び交っていたのが印象的でした。
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 受賞者は6名で、やはり注目は芸能部門で選出されたタレントのユージさん。Img_6885j1pg_2 この部門では史上最年少の、28歳での受賞です。
 「子育ての原動力は」と聞かれて、「妻にモテたいから」とはっきり。女性にうれしい名言です。子どもの手紙に、いつもの「ユージ」ではなく「お父さんへ」と書いてあったことに喜びをにじませていました。ご家族から、最高のお父さんと慕われているのでしょうね。

 政治部門では、三重県知事の鈴木英敬氏が選ばれました。最近、絵本『「パパ」は どうしてパパなの?』を出版し、「パパが主語の絵本を出したかった。パパの思いを世界中の子どもたちに伝えたい」と、最年少「イクメン」知事らしくコメントされていました。

 経済部門では、円谷プロダクション代表取締役社長の大岡新一氏が受賞。
Img_68911jpg  円谷プロといえば、その代名詞がウルトラマンです。このシリーズも今年で放送開始50周年を迎え、節目の年の賞で、大変ありがたいと感謝の気持ちを伝えられました。おなじみのウルトラマンも壇上に登場し、その後、この7月から始まる新キャラクター「ウルトラマンオーブ」のお披露目もあって、舞台はがぜんにぎやかになりました。

 この他、学術・文化部門では遠州茶道宗家十三世家元の小堀宗実氏、スポーツ部門ではボストン・レッドソックスの上原浩治投手と、新日本プロレス所属のプロレスラー棚橋弘至選手が受賞しました。
 上原投手はメジャーリーグ真っ只中とあって、欠席で残念でした。ビデオで「以前ベストファーザー賞を獲ると言ったことがあり、それがかなった」と喜びの笑顔を見せていました。棚橋選手は「子どもたちと接する時間があまりとれない。でもその短い時間を濃く過ごしたい」と力強く語り、「僕は生まれてから疲れたことがない。たからそれもできる」とさすがのタフさぶりにびっくり!

 素敵な「イクメン」お父さんたちの、微笑ましい受賞風景でした。

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2016年6月 8日 (水)

2017クラボウグループ繊維展「本物の上質」デニムに注目

 2017クラボウグループ繊維展が先般5月19―20日、東京・時事通信ホールで開催されました。

Img_64511jpg  カジュアルからユニフォームまで、多彩な素材が見られる中、とくに注目されたのが、新ブランドの「クラボウデニム プライムブルー」です。同社が次世代デニムと位置付ける「本物の上質」を追求したプレミアムゾーン向けのデニムで、国内の産地企業と連携して開発されたといいます。
 中でも一押しというのが、17オンスのストレッチデニムです。
 これは1970年代初頭、同社が本格的なデニム生産をスタートさせた頃のヘビーオンス「KD 8」をイメージさせる肉厚デニムです。とはいえ当時とはもちろん異なり、伸縮性(PU1%混)があって、触るとしなやか、ゴワついた感じはありません。

 この新デニムの外、2ウェイストレッチ「エクストラムーブ」など、充実したストレッチシリーズも提案。また深く濃い色表現を可能とした新染色技術「ディープインパクト」シリーズも発表。さらに抗菌・抗ウイルス加工の「クレンゼ」やコットンの難燃加工の「ブレバノ」など----。天然繊維をベースとした高機能・高感度の開発素材が、用途展開例などとともに紹介され、会場は多くの来場者でにぎわっていました。

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2016年6月 7日 (火)

2017春夏「京都スコープ」展 明るく洗練されたオリジナル

 第79回「京都スコープ」展が、先月18―20日、東京・南青山スパイラルホールで開催されました。
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 出展したのは、今回も前回同様、京都のテキスタイルコンバーター5社です。落ち込むアパレル市場の立て直しに向けて、2017春夏らしい明るい彩りや洗練された質感のオリジナル服地が発表されています。

伊吹
Img_63891jpg  テーマは「自由な発想のスタイリング」といいます。ノームコアから離れて、タッキースタイルのように自由に楽しむスタイルに注目したそう。
 プリント・オン・刺繍や、オパール加工、プリーツ・オン・プリントなど、得意のプリントを中心にプラスαの加工で、意匠性を強化した展開です。

協友
 「シンクロナイズ(同調)」をテーマに、ニットと織物の境界のないトランステクスチャーなど、あらゆるニット(ジャージー)の切り口を提案。
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Img_64031  両面選針で単純ではない高級感を演出しています。
 立体感のあるバックカットやオパールプリント、グラフィカルなボーダージャカード、エスニック調のプリント、動きのある視覚効果を狙ったリフレクト(反射)柄も注目されます。

大松
Img_63781  「アーティスティック・マリン」と「クラッシー・ナチュラル」の二本立ての展開です。
 前者は右写真で、色や柄を楽しむ大人の女性のためのマリン調。グラフィカルなプリントや遊び心のあるイラスト柄など、楽しい雰囲気がいっぱいです。

Img_63801jpg  後者は右の、上質なクラス感のある天然素材の提案です。
 麻のカットソー素材や強撚トップのコットンジャカード、デッサンタッチの植物柄などが見られます。

外村
Img_64001  テーマは3つあります。
 一つは、右のクールで洗練されたロマンティックの「フューチャー・ロマンティック」です。
 気分を高めるピンクのバリエーションが魅力的です。

 二つ目が、エキゾティックで贅沢な大人の楽園「アーバン・リュクス」です。
Img_63911  そして三つ目が、右写真の上質でモダンな感覚のクールなリラックス感の「クール・コロニアル」です。
 撚糸を効かせた麻のバリエーションなど、シャリ感やサラリとしたタッチの天然素材が主調のグループです。

左下 シルクトルネード風通JQ       右下 綿プリペラモノトーンPT
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吉忠京都ロマン
 テーマは「Hyde and Seek (かくれんぼ)」で、シンプルなディテールの中に秀逸な意匠が隠れているような素材を提案。プリントに刺繍を施すなど、高次加工により柄はシンプルでもテクニックを駆使した新しい素材を追求したといいます。
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 カラーは、白/黒に赤のバリエーションが目立つ展開です。モノトーンがトレンドの赤を引き立てていました。

左はC/N つまみドビー          右はスラリットカット
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2016年6月 6日 (月)

「LE COUP DU CHAPEAU石田欧子‐パリの後で」帽子展

 帽子デザイナー石田欧子さんの帽子展「LE COUP DU CHAPEAU石田欧子‐パリの後で」が、東京・表参道のギャラリー5610で開かれています。明日までというので、急ぎ行ってきました。

56102640x3501 何と昨日、あの美智子妃がここを訪れたといいます。ああ、残念! そんな僥倖にあやかりたかったです----。そう、石田さんは皇室の方々の帽子も制作されています。また英国王室ご用達の帽子も創作しているとのことです。
 石田さんのお父さまは、故平田暁夫氏で、同氏はパリの帽子文化を日本独自に進化させた高名な帽子デザイナーです。石田さんはその志を受け継ぎ帽子デザイナーになられたといいます。つい先頃、初めての個展をパリで開催し、パリが生んだ帽子文化を「パリに帽子がやって来た」とご自身の手で発表されました。
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Img_68601  今回はこのパリ展の報告も兼ねての展覧会です。
 「ジョルジュ・サンドへのオマージュ」でもあるといい、ショパンの名曲が流れる静かな空間で、エレガントな芸術の香りいっぱいの帽子が披露されました。

Img_68571 一つひとつの帽子にはそれらしいタイトルが付いていて、空想が広がります。 右の春らしいミモザの花を飾った帽子は、ジョルジュ・サンドの館のあるノアンの田園風景を思わせます。

 左下は「薔薇の精」ニジンスキーに  右下は「バレンシアガを追って」
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Img_68541_3  左は「コクトーの外套」 

 

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 パリ展のすてきなビデオ映像も拝見して、テラスに出ると、そこは帽子が試着できる広場になっていました。

 帽子を被る楽しさも堪能させていただいた、すばらしい展覧会でした。

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2016年6月 5日 (日)

ヤマボウシの花

 近くの公園でヤマボウシの白い花が咲いています。もう3週間くらい前から、行くたびに咲いていて楽しんでいます。
Img_68391  山法師という古風な名前を持つ樹で、種類はいろいろあるようです。これはよく見るとうっすらと淡いピンクの斑が入っています。花びらも丸みを帯びてけっこう大きい。

 花言葉は友情だそうです。ずっと以前のことですが、近隣にヤマボウシの会という子ども会があり、この樹のことを教わりました。あの子どもたち、今はどうしているかしら、と懐かしくなります。

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2016年6月 4日 (土)

2017春夏栃尾テキスタイル展 産地一丸で独自の先染複合

 2017年春夏向け栃尾テキスタイルコレクション「おりなす」展(栃尾織物工業協同組合主催) が、5月18-19日、東京・表参道の新潟館ネスパスで開催されました。
 出展したのは11社です。今回は会場のつくりが変わり、いつものような各社別ではなく、産地全体が一丸となって提案する構成になっていました。

Img_63631  化合繊から天然繊維まで様々な素材を伝統の撚糸、染色、織、仕上げ加工の関連技術でつくる同産地は、他にない独自の先染複合が得意です。右はハセック社のキュプラや綿、ナイロンなど、複合のインパクトのある織物です。

  とくに注目は、この産地独特のスペック染でしょう。
Img_63681jpg  これは染料をカプセル化し、その染料カプセルをカセにした糸に斑に付着させて、繊維に斑をつくり、自然感覚な色に染め上げる特殊染色です。
 インディゴ染色の洗い加工を思わせます。
Img_63611  
 右はいずみ染工のカラミ織トリアセスペックです。
 C 70/TAC 30

 この織物を中心に、ニットからジャケットやシャツ、帽子、傘などの製品を生産するOEM企業まで、特色のあるモノづくりを紹介していました。
Img_63551  
 産地の特徴をより強くアピールしようという狙いは、予想通り好評だった様子、来期も期待されます。

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2016年6月 3日 (金)

2017S/S T・N JAPAN東京展 「そよ風を着る」テーマに

 2017年春夏のテキスタイルを発表する「2017S/S T・N JAPAN(テキスタイルネットワークジャパン)東京展」が、12-13日、東京・北青山のテピアで開催されました。出展したのは各産地の有力企業・団体14ブースです。
 テーマは「そよ風を着る」で、とくに強撚糸使いの織り編みテキスタイルが打ち出されていました。糸の撚りは多く入れれば入れるほど硬くなります。この撚りを強く入れた糸が強撚糸です。ザラつきやシャリ感を持った風合いに仕上げることができるので、春夏もののテキスタイルによく使われます。たとえばクレープや楊柳、ちりめんなどです。

 各社の小間には、そんなさわやかな清涼感にあふれた素材があふれていました。

福田織物 (静岡)
Img_61981  高級綿織物で定評のある同社。今シーズンは強撚糸によるドビー織の新作シリーズを発表しています。名付けて「ワンダー・リミWonder Limi」です。24枚ドビーのドビー織の極限を追求し、出来上がった織物といいます。
 ブースでは、ドビーの複雑な柄組織に強撚糸を用いた、表面変化や立体構造など様々な風合いの織物を提案していました。

古橋織布 (静岡)
Img_61801_2  今シーズンは、「バングロ」を打ち出していました。これはバンブー(竹繊維)と綿繊維の混紡糸です。混率は綿70/バンブー30。
 同社を代表する昔ながらのシャトル織機で織った織物は、バングロと相性が良いようです。懐かしみのある風合いが印象的でした。

宮下織物 (山梨)
Img_62021jpg  新商品は草の上を疾走するようなイメージでつくったという、ジャカード織です。光沢のある長いフリンジのカットが美しい。伸縮性のあるポリエステル100%糸使いといいます。
 エレガントな細番手・高密度・ジャガードを、主にフォーマルウェア向けに提供している同社らしい、高級感あふれる織物です。

匠の夢 (新潟)
Img_62181jpg  ファンシーなジャカードが持ち味の同社ですが、前回よりもベーシックな感じを受けました。でもブースでお話しを伺い、納得です。
 というのも今期はタイムリーでクィックリーな先染め織物を1反から別注できる体制を強化したのだそう。ブースには、なんとオリジナル素材を最短2週間で、ミニマムロット25mからつくるとの看板がかかっていました。より利便性の高いメーカーを目指すという姿勢、期待しています。

〇播州の機屋 (播州織工業組合)
 兵庫県西脇の播州織組合所属の機屋4社が出品していたブースです。綿素材を使い、強撚糸や意匠糸、極太糸など、またジャカード機など織機も駆使し、様々な表面効果にこだわったオリジナル生地を提案しています。
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 右はいつもユニークな織物で目を引く大城戸織布のジャカードデニムです。
 これは何と服の型紙がモチーフになっています。

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 コンドウファクトリーのジャカードです。パッチワーク調なので、枡見本のようにも見えます。

 播州の機屋さんは、本当にアイディア豊富と思います。

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2016年6月 2日 (木)

2017春夏米沢産地展 フォーマル軸に「産地は一つなり」

 山形県米沢産地の2017年春夏テキスタイルを発表する「米沢テキスタイルコレクション2017 SS」が、先月11-12日、東京・有楽町の東京交通会館で開かれました。
 同産地の織物、米沢織は他産地と比べて経糸の密度が多く、このため緯糸の打ち込みもよく、単価も高めといいます。主要取引先はフォーマルウェア業界ということで、今シーズンはこのフォーマルを軸に「産地は一つなり」と産地の結束を打ち出していました。
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 いずれの企業もコアは、品格あるジャカードで、シルクが得意です。とくにシルク複合が多く、春夏ものだけにコットン混も多数見られます。透け感や立体的効果のある新作や、目新しい糸使いのもの、中でもカットジャカードが目立っていました。

 そのいくつかをご紹介します。

Img_61411Img_61581_2          阿部吉 C55/P45         ワボー C78/CU12/N10  

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     阿部吉 C68/P38          今正ファブリック C77/S 14/P 9 

Img_61511jpg 結城通商 

 抄繊糸カットジャカード   
 N62/C38 

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2016年6月 1日 (水)

「立花文穂の紙々」展 紙データの意味を考える

 今、「立花文穂の紙々」展が、東京・佐賀町エキジビット・スペースで開催されています。立花文穂さんは、紙を主な素材に、印刷技法、コラージュ、インスタレーションなど、さまざまな手法を用いて作品を制作するアーティストでグラフィックデザイナーです。
Cid_5b5e0c265613427b8a8ef7130e79305  本展は、立花さんの初の作品集「Leaves」 (誠文堂新光社) 出版を記念して開かれた展覧会で、紙データの意味を改めて考えさせられました。

 展示は2フロアーに分かれています。3階の紙を葉に見立てたインスタレーションは、紙の森の中に入ったような感じでした。ちぎったり、折ったり、束ねたり----、ゴミになってしまう紙で、こんなにもいろいろな楽しいものができることにも驚かされます。
 『路上の紙々が、僕を呼び止める。「拾ってくれない?」』のキャッチフレーズも印象的です。今や何でもデジタル時代だからこそ、紙に書かれた手書きのデータに心が動かされるのでしょう。本の表紙の「へのへのもへじ」も懐かしい!

 実は初日に行なわれたトーク+映像上映イベントに参加してきました。
 最初に立花さんが撮影・製作した映画が上映されました。広島の原爆死没者名簿を筆で書いて保存する作業を淡々と描いた40分ほどの映画です。この後、「書くことについて」をテーマに作家の石田 千さんとのトークがありました。
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 左はトークの中で話題になったデザイン展ポスター(2011)です。

 「書道はダンス」のようなもので、文字は息と線の連動であり、「身体で書く」ものという話に共感します。石田さんが小説を書くときは、まず手で書き、それをPCで清書するとの話も心に残りました。

 紙に記述することや記録すること、そしてそれを遺すことの重要性を示唆してくれた展示イベントでした。

 Img_64561トークの後、出された手作りのお料理も大変美味しかったです。どこか「へのへのもへじ」を連想させました。

 本展は7月3日までの開催です。

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