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2016年5月

2016年5月31日 (火)

操上和美×コシノヒロコ 写真と油彩画のコラボ展

 写真家の操上和美さんとファッションデザイナーのコシノヒロコさんによる、写真と油彩画のコラボ展が今、KH ギャラリー銀座で開催されています。先日レセプションが行われ、参加してきました。

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Img_66701  操上さんとコシノさんは、長年のお友達だそうです。今回の展覧会では、操上さんはコシノさんに負けない遊び心のあるものをと、ソラリゼーションという手法による新作13点を発表されています。
 現実の色彩を反転させた、ちょっとサイケデリックな幻想的世界を映し出す作品です。被写体はご家族など、ごく日常的な光景を撮ったもので、某有名スタイリストの写真もあるそうですが、謎めいています。
 広告写真をはじめグラフィックや映像など、様々な領域で革新的な写真表現を切り開いてきた方らしい、前衛的なクリエーションと思いました。 

Img_66611jpg  コシノさんも、絵でなくては表現できないというオリジナル手法で描いた作品4点を出品しています。黒の油絵具で描いたラインを反転させた油彩画で、植物をイメージしているといいます。
 それにしてもいつものカラフルなグラフィックから離れた、かなりストイックな印象です。「今回展ほどプレッシャーのかかった展覧会はなかった」そうですが、何か心境の変化でもあったのでしょうか。

 なお本展は今月12日までの開催です。どうぞお早めに。

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2016年5月30日 (月)

日伊国交150周年 大トリの秋川雅史コンサートに感動!

 日伊国交150周年記念イベントで、テノール歌手の秋川雅史コンサートに行ってきました。「千の風に乗って」、「オー・ソレ・ミオ」----、さすがの大声量、大迫力に感動しました。
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Img_66831jpg  この28日と29日、日伊国交樹立150周年を記念して、六本木ヒルズで「イタリア・アモーレ・ミオ ITALIA AOMRE mio!」と題するイタリア・フェスティバルが開催され、最終日の昨日、この大トリをつとめたのが秋川雅史氏でした。
 舞うような手の動き、その表情豊かなこと、すべてがすごい!としかいいようがありません。短いライブでしたけれど、堪能しました。

 このフェスティバルの前日、「イタリア・アモーレ・ミオ」の記者会見が行われました。
Img_66541jpg  同席した出演者は、まず世界的なギタリストの布袋寅泰氏と“イタリアの至宝”と呼ばれるズッケロ氏です。布袋氏は、「ズッケロとは音楽の面でも人間と人間の面でも、相性がいい」と、初共演を喜んでいました。初日夜の二人のライブは、ファンで湧いたようです。次にテノールの秋川雅史氏が、「イタリアは4年間滞在した思い出の地」などとコメント。そして美の女王、ミスイタリアとミスユニバース日本代表が紹介されました。

 イタリアといえばイタリア料理や車、ファッションなど、日本ではすでにおなじみです。でもこのイベントで、これまで以上にイタリアのすばらしさ、美しさが伝わったと思いました。
 イタリアって本当にすてきな国ですね!

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2016年5月29日 (日)

JFW-IFF展 メード・イン・ジャパンのラグジュアリー発信

 先月末に開催されたJFW-IFF展では、今期も日本のものづくりに特化した「メード・イン・ジャパン」ゾーンが設けられていました。これは日本発ラグジュアリーを世界に発信していこうという取り組みです。伝統の技術を生かした新しい商品開発で、販路開拓を進めている、いくつかの企業とその展示内容をご紹介します。

〇「メード・イン・ヒロシマ」のデニムのキモノ
 ここではキモノや作務衣風カジュアルが打ち出されています。生地は伝統の木綿地であったり、デニム地であったりします。
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 この「メード・イン・ヒロシマ」は、昔から備後絣で名高い広島県の産地メーカーと事業組合が共同出展していたブースです。
 とくに注目はデニムのキモノで、「メーカーズキモノ・アトリエ・リン」の名称で昨年スタート、キモノメーカーのシルフィードが企画・縫製・販売を手がけ、これに金襴・緞子や刺繍加工、藍染め工房など広島県内のファクトリーが協業しているといいます。
Dsc_00341 帯地などを生産している中村金襴工場代表の中村幸弘氏(右写真)が、ステキなキモノ姿で応対してくださいました。ビジネスはなかなか好調の様子です。生地は坂本デニムの細番手薄地のもので、しなやかなデニムのタッチが好評といいます。

 またもう一つ、カジュアルブランド「bon.」では、フード付き作務衣や、法衣にも普段着にも合わせやすい袈裟のようなポンチョなど、和尚さんのカジュアル「オショカジ」を提案。伝統をモダンに落とし込み、商品化していたのが印象的でした。

「ヌゥイ」和服の佳さを洋服に!
 「ヌゥイNui」は日本各地の和服地の逸品を上質な婦人服に仕立てている工房です。
Dsc_00251  「着て佳し、見て好し」を合言葉に、北は山形県の米沢紬、新潟県の絽、小千谷ちぢみなどから南は福岡県小倉織まで、各産地を横断的に取り入れて、織物のすばらしさと価値ある服を提案しているといいます。

 何と本拠は私の住む鎌倉・長谷で、鎌倉発をうたっているのも驚きでした。

「ピープル」の清新な風
 「ピープル」は、1品あたり500gのCO2の排出権を定量に付与した衣料品製造を行っているという名古屋のアパレルです。
Dsc_00291  出品されたのは、「クレアデリス(Crea delice)」というライフスタイル・ブランドで、インディゴブルーの絞り染めを施した軽やかなコットンのシャツが、何ともさわやか。環境に配慮した社会貢献活動をしている企業らしい、清新な風を感じたブースです。

佐々木要右衛門商店
Dsc_00301 広島県福山市で、主に婦人ボトムスを製造している老舗メーカーです。
 生地は隣の井原(岡山県)産デニムが中心で、刺し子風など、表面感のあるものが目立っていました。とくにハニカム織など、ニットのように見える伸縮性のある織物デニムが人気といいます。

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2016年5月28日 (土)

JFW-IFF展 パワフルで個性的な東京ブランド 

 先般開催されたJFW-IFF展で、「クリエイターズ・ヴィレッジ」エリアのパワフルで個性的な東京ブランドが目立っていました。ノームコアが終焉し、これまでよりも強い主張のあるクリエーションが求められるようになってきたこともあるでしょう。

 その一つが「ユキヒーロープロレス(YUKIHERO PRO-WRESTLING)」、デザイナーの手嶋 幸弘さんがプロレスをヒントにデザインを手がけているブランドです。
 まずはブライトカラーのカラフルなアイテムに目が行き、次いで何とも茶目っ気たっぷりのプロレスラーの顔を描いたモチーフにびっくり!
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 見ているだけで元気になれる、エンターテインメント性たっぷりのコレクションです。

 もう一つは、デザイナーの小高真理さんが手がけるニットブランド「マラミュート(malamute)」です。強さと柔らかさを併せもつ現代女性のためのライフウェアをコンセプトに、シェニール織を組みわせたニットを見せていました。
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Img_56861jpg  シェニール織はモール状の糸で織った特殊織物で、タオルやインテリア雑貨などによく見られます。
 襟や見頃にこの生地をあしらったセットアップは、なかなかシックで女らしく、他にはないオリジナリティを感じました。

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2016年5月27日 (金)

JFW-IFF展 今秋冬のレディスファッション

 JFW-IFFインターナショナルファッションフェアは、上質なレディスとメンズファッションを軸にした展示会です。先般開催された同展では、コアとなるアパレルの今秋冬コレクションが発表されました。

 今秋冬は全体にゆったりとしたシルエットが主流ですが、グズっとした感じから、もう少し張りある構築的な方向へ動いているようです。これまでのエフォートレスなムードに代わる、新しいプロポーションの登場といってもいいでしょう。

 そのポイントを出展企業のブースからピックアップしてみます。

⑴ ドロップショルダー
 今シーズンはドロップショルダーのトップスが多くなっています。F10000081_2肩から腕にかけてゆとりがあるので、袖を通しやすく、着心地よいですね。
 右は、エフリードのサブロク事業部のブース展示です。ナチュラルでクリーンなテイストのベーシックカジュアルが主調といいます。程よい幅広のパンツ、長めのスカートも目新しく映ります。

⑵ スカート
 ロング丈で動きのあるスカートが広がっています。
1_3  パンツよりも女らしい印象が好まれている様子です。

 写真左と下はヤマトドレスの展示です。裾でフレアーや、格子柄、サンバーストプリーツ、ラップスカートなど、今秋冬はスカートで、大人の女性らしいエレガントな雰囲気を醸し出すシーズンになりそうです。

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⑶ フォークロア
F10000131jpg_2  1970年代風のフォークロアをイメージさせるファッションは、引き続き人気のようです。

 写真は、イン・ディス・ライフの「Rimlimitリムリミット」です。伝統のフォークロアがさりげなく、自然な雰囲気で表現されています。
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 デニムのジャケットの新しい提案もみられました。
 インディゴブルーのアイテムは秋冬も、様々なバリエーションで注目されます。

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2016年5月26日 (木)

JFW-IFF展 「エコテックス」認証に注目

 先月末のJFW-IFF展では、「エコテックス」エリアが初めて登場し、エコテックス認証を取得した繊維製品が注目されました。
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 ところで「エコテックス」とは何かというと、「エコテックス規格100」に基づく繊維製品の安全性を保証する国際規格です。これは、繊維製品およびその関連製品に特定芳香族アミンなどの身体に有害な物質が含まれていないことを証明するもので、日本では日本染色検査協会(ニッセンケン)が2000年にエコテックス国際共同体に正式加盟して以来、認証活動を行っています。ファイバーや紡績糸、生地、衣料品など、繊維の全加工段階で取得可能で、今やその数、400件に上るといいます。

 今回このエリアに出展したのは、約40社でした。製品から糸・生地・皮革、糸・寝具、服飾資材、化粧綿・芯地・ゴム・テープ・ラベル関連、染色・その他の6つのグループで展示され、各社独自のグリーンへの取り組みとともに、安心・安全な製品であることをアピールしていました。

 「エコテックス」は、欧州市場で“購買基準”として確立しています。この規格認証は海外輸出の際のパスポートのようなものになっている様子です。エコロジーやサスティナブルへの関心の高まりとともに、日本でもこの取得、ますます広がりそうです。
 

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2016年5月25日 (水)

JFW-IFF展 「ノリエム」で海外進出

 先月末に開催されたJFW-IFFインターナショナル・ファッション・フェアで、マツオ・インターナショナルの「ノリエム (NorieM) 」がかなり大きなブースを構えていました。
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 ノリエムは、日本のクリエーションを海外に発信するセレクトショップです。私もパリへ行くと、マレー地区にあるこの店に必ず立ち寄ります。他にはないデザインが出ているからです。 

Img_56921jpg  そんな有力ショップがなぜ出展しているのかしらと、不思議に思って尋ねましたら、日本のビジネスパ―トナーを求めている、とのことでした。「さあ、ノリエムで海外進出しませんか」というわけです。日本製は海外でとくに人気があります。とはいえ同店ではあえて日本製を打ち出そうとはしていません。そのオリジン不詳なところが、かえって不思議な魅力となって、ファンを増やしているようです。
 今や日本はもちろん、パリやミラノ、香港、中国など海外に11店舗を展開しているノリエム。今年はさらに、香港を4店舗に増やし、台湾に初出店するなど、海外事業が好調です。今期、ブースで展示されたオリジナルブランドの「慈雨」や「芽風」も、世界トップクラスのバイヤーから引き合いが入っているといいます。

 アパレルにとって世界に販売する絶好のチャンスが来ています。この取り組みに注目です。

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2016年5月24日 (火)

「JUNの佐々木が語る、カルチャーを競争力にする戦略」

 先月末、JFW-IFFインターナショナル・ファッション・フェア(繊研新聞社主催) が、東京ビッグサイトで開催されました。今年から会期が4月と9月に変更され、今期は430社が出展、10,000人以上が来場したといいます。ファッションビジネスを元気にしようという意気込みが感じられた展示会でした。
 セミナーやプレゼンテーションもいつものように多数実施されました。中でも興味深かったのが、JUN(ジュン)の代表取締役社長、佐々木進氏による講演です。以前にもライフスタイルビジネスについてお話しされたことがあり、このブログ 2013.8.3付けにも掲載していますのでご参照ください。

Img_56761jpg その業態はますます進化し、カルチャーを創るビジネスへと発展されているようです。今回は「JUNの佐々木が語る、カルチャーを競争力にする戦略」と題して、「YOU ARE CULTURE. 世界を面白くするのは、あなただ」をキーワードに、創業以来ブレずに変革を続けるJUNの戦略を語られました。

 まず「カルチャー」とどう向き合っていくかについてです。ラテン語由来の「心を耕す」という意の「カルチャー」、つまり「文化」には、3つの大きな意義があるといいます。①自己表現の武器のようなものであり、音楽などにみるように、常識を壊して新しい美を創る。②伝統の継承。③人と人をつなぐコミュニティーづくりの要素。この対語が「文明」で、テクノロジーに代表される概念です。現代は文化が小さくて、文明の方が大きいと考えられているといいます。ネット社会となり、情報のありがたみが薄れ、ファッションも価格志向などコモディティ化していると警鐘を鳴らし、これからは文化をクローズアップし、それをテクノロジーが支えるという本来の姿にしていくことが、業界活性化の鍵であると強調します。
 次にカルチャーが経済にどのような影響を与えているかについてです。同氏は「経済は文化の僕(しもべ)である」(ベネッセの福武總一郎語録)に共感しているそうです。そしてこの言葉を基に、経済は動力のない帆船のようなもので、文化という風が吹かなければ動かないと断言します。世の中を動かすのは、カルチャーの力であると力説され、マイナーなカルチャーがメジャーになるとき、経済が動くと指摘します。
 新しいカルチャー提案が求められている今こそ、この原動力になって、有能なクリエイターを支援することも使命の一つと考えていると、ご自身の思想を披瀝されたことも印象的でした。
 さらに「文化クリエイティブの度合いとビジネスのポートフォリオ」の図式も披露。ビジネスの理想は「かっこよくて売れる」、ここしかないと激白し、クリエイティブを重視してビジネスを展開していくことの重要性を改めて喚起されました。

Img_64651jpg  この後、ジュングループの新事業を映像で紹介。この3月末に開業した銀座ソニービル地下のセレクトストア「ザ・パーキング銀座(THE PARK・ING GINZA)」(右写真)や、東急プラザ銀座の食をコンセプトにした「サロン アダム エ ロペ」、これに併設の和ビストロ「SALON GINZA SABOU(サロン銀座茶房)」、また新宿ニューマンの「エス サロン アダム エ ロペ」、アトレ恵比寿にグランドオープンしたロペなど。とくに「メゾンキツネ」代官山の新路面店は、ホテルオークラ東京のロビーをオマージュした内装で注目されます。

 最後に再び、「YOU ARE CULTURE.」を訴求。文化を生み出すことが日本を豊かにするとアピールし、その担い手になると宣言されたことに再度感銘! あらゆる業界に通じる、大変刺激的なセミナーでした。

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2016年5月23日 (月)

MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事「一枚の布」集大成⑶

 (昨日の記事の続きです。)
 Cの部屋の「プリーツアイランド」では、「製品プリーツ」のプリーツ機が設置されています。このような大きな機械を置くことは、この美術館始まって以来のことだそうです。
 Img_62381jpg ここでは、プリ―ツの服づくりのデモンストレーションが行われています。時間は毎日11時~12時と、金曜日の18時~19時です。
 これまであまり公開されることがなかった実演だけに、大変興味深かったです。

 ところで「製品プリーツ」についておさらいしておきましょう。これは一度服の形に仕立ててから機械でプリーツの服を完成させるというものです。他にはないこのブランド独自の技術といいます。
 素材は熱可塑性のあるポリエステル生地です。実は私はポリエステル100%のものしかないと思っていたのですが、コットン混やリネン混のものもあるとのことです。
 丸めてもシワになりませんし、ヒダが消えることもありませんから、旅行着などにおすすめです。また量産可能で低コストでつくれますので、価格も割合買いやすい。世界中にファンがたくさんいるはずですね。

 このデモンストレーションでは、プリントのプリーツの服が2種類と無地のタンクトップが制作されました。プリントは、写楽の役者絵と田中一光氏デザインの「日本舞踊」をテーマにした大胆なデザインです。
 
 「製品プリーツ」の工程プロセスを簡単にレポートしましょう。

Img_62731 プリーツをかけると横幅が2.5分の1から3分の1に縮小します。それを見越してサイズを計算し、プリントされています。
 ですから生地が横長に見えるのです。

Img_62781  プリント生地は全体を薄紙でおおって保護し、サンドイッチした状態で、機械にかけられます。

 機械の反対側からは、生地にプリーツが薄紙ごとかかった状態で出てきます。機械にかけられてから出てくるまで約15分でした。

Img_62821  薄紙を取り除いているところです。



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 布につけられた仕付け糸を取り除き、最後に形を整えます。





 田中一光氏の「日本舞踊」をテーマにしたプリントデザインのプリーツの服です。左が前、右が後ろです。
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2016年5月22日 (日)

MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事「一枚の布」集大成 ⑵

 (昨日の記事の続きです。)
 Cの部屋は、本展の中心的存在です。
 デザイナーの佐藤 卓氏によるカラフルな遊び心あふれる空間で、90年代以降の作品群がコーナー別に展開されています。
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 ここでは日本の伝統文化や職人芸を最先端のテクノロジーと融合させた、三宅氏の「一枚の布」への限りない探求心を見ることができます。

Img_62941jpg  「プリーツアイランド」コーナーでは、「一枚の布」から派生した「プリーツプリーズ」が展示されています。

 服の形に縫製した後、プリーツ加工した画期的な服で、サイズを問わず着やすく、着心地がよいとあって、あっという間に世界のヒット商品となりました。

 ここには「製品プリーツ」の機械も置かれ、これまであまり公開されることのなかった実演も行われています。

 その原形が91年春夏に発表した「ハロー・プリーツ」(下)です。「ハロー!」と声をかけている陽気な人間の姿に似ていることから、このように名付けられたといいます。
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 フラワープリーツ、葉っぱプリーツ、鳥プリーツなど独自のプリーツ表現の世界が広がっています。
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 「仮想オリンピック」(上)です。プリーツ加工による二十数カ国のウェアがそろっています。1992年のバルセロナ五輪のためにデザインされたリトアニア選手団の公式ユニホームも見られます。

 「A-POC」は、「A Piece Of Cloth(一枚の布)」と「Epoch(時代)」を合わせた造語です。
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Img_63051jpg 開発されたのは1998年で、1本の糸から筒状に連続して編み、ハサミで切ると服になります。コンピュータプログラミングを駆使して一体成型で生み出されるので縫い目がありません。

 このコーナーには、造形作家の関口光太郎によるジーンズの塔(右)がそびえています。素材のデニムは綿100%で、編み地ではなく風通織ジャカードです。

 そのプロセスは革新的で、服以外の製品への可能性が広がります。
 以前はショップもありましたが、今はもうなく、再開が待ち望まれます。

 「132 5. ISSEY MIYAKE」シリーズも展示されています。
 2010年に発表された三宅氏の現在進行形のプロジェクトで、「Reality Lab(リアリティ・ラボ)」の研究・開発成果から生まれたといいます。
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 132 5の数字には意味があるのですね。1は「一枚の布」、3は「三次元の立体」、2は「平面」、5は「衣服として人が着用することによる時間的な広がり」を指しているのだそうです。平面の布が立ち上がって立体的な服になり、着用後はまた折りたたまれて平面に戻ります。ハサミや針、糸は使わず、スナップで止めて造形するという、これもまた革新的なデザインです。

Img_63121  その幾何学模様の美しさは、「IKKO シリーズ」によく表れていると思いました。

 これは盟友、田中一光氏がよく用いた色彩や、三角形と四角形をプリントで表現したものといいます。
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2016年5月21日 (土)

MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事「一枚の布」集大成 ⑴

 世界的なデザイナーとして知られる、三宅一生氏の「MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事」が今、東京・六本木の国立新美術館で開催されています。P_2016miyake 先日、18日の国際博物館の日、再度行ってきました。(この日だけは写真撮影もOKでした。)

 本展は三宅氏の1970年から現在に至る約45年間の仕事の集大成です。これを見ますと、同氏がいかに衣服デザインに革新を呼び起こしてきたかがわかります。とはいえそれが常に一定の考え方、つまり「一枚の布」に貫かれていることにも気づかされます。「一枚の布」は、平面の布をたたんだり、折ったり、曲げたりするなどして衣服になる、キモノやサリーの形に通じる構造です。同氏は、その可能性を探求し、西洋や東洋といった概念に捉われない普遍的な価値をもった衣服を生み出しました。
 人間を中心に置いた服づくりというコンセプトのもと、衣服をファッションとしてではなく、デザインとして捉える視点で活動を始めたという三宅氏。「ジーンズやTシャツのように多くの人が自由に着られる服をつくりたい」、その思いは、ここに結実したように思われます。

 展覧会はA、B、Cの3つの部屋で構成され、約200点の服が展示されています。

 Aの部屋は、70年代の作品です。
 まず目に飛び込んでくるのが、1970年に発表されたジャンプスーツ「タトゥ(入れ墨)」です。
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Img_63401_2 Img_63411jpg_2    












 刺し子を改良してやわらかい衣服に仕上げたもの。シャツは野球のユニフォームにヒントをとったデザイン(左上)。
 また脚の部分が着脱可能でとり外すとショーツになるパンツなど、着る人が幾通りにも変化をつけられる楽しい正花木綿のトータルルック(右上)。

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 さらに横尾忠則氏デザインの、脱色した生地に着抜という技法でプリントした「パ ラダイス」という作品(左上)、1976年に発表されたというベルト付きコート「丹前」(右上)など。

 Bの部屋は、80年代の「ボディ」がテーマです。
Img_63281jpg  繊維強化プラスティックや合成樹脂などを取り入れた「プラスティック・ボディ」やそれに続く「ボディ」シリーズが展示されています。当時、この近未来を先取りしたようなデザインに驚嘆したものでした。
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 ちなみにA、Bで使用されているトルソーは、「グリッド・ボディ」で、一枚の板をレーザーでカットしたパーツを組み合わせたものだそう。デザインはデザイナーの吉岡徳仁氏です。

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2016年5月20日 (金)

空へ、海へ、彼方へ―旅するルイ・ヴィトン展 旅の軌跡

Img_64661jpg_2  今、東京・紀尾井町の特設会場で開催されている「空へ、海へ、彼方へ―旅するルイ・ヴィトン展」に行ってきました。

 これはラグジュアリーブランドとして高名なルイ・ヴィトンの歴史を語る展覧会です。昨年末から年初にかけてパリで行われていたものをベースにしているといいます。

Img_64141  まずはルイ・ヴィトンの原点となっている旅行鞄からスタートです。
 右は1906年のもの。旅の真髄を体現する、モダンなデザインですね。

 旅のスタイルが船旅から鉄道の旅、空の旅へと進化するにつれて変化していく、本展ではその軌跡を辿ります。

 全てに豪華な旅支度、その連続に思わずため息が出ます。すばらしい演出に圧倒されました。

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Img_64311  右は20世紀初頭、旅客船での旅を背景にした展示です。
 ヨットやクルージングの流行で、制作されたスティーマー・バッグが見られます。これはもともとトランクの仕切りの中に折りたたんで収納することができるように、サブバッグとしてデザインされたもので、着用済みの衣類を入れておくためのものだったといいます。

Img_64331jpg_2  砂漠など、過酷な環境への旅や冒険旅行もルイ・ヴィトンは支えていたようです。
 写真のようなマットレス付きのベッド・トランクも制作されていたことがわかりました。

Img_64391_2  鉄道の旅では、トランクは寝台車の座席の下に潜り込ませることができるようにデザインされたのですね。ここでは機能的なトラベルバッグやガーメントバッグが、ニュートラルカラーのスーツやコートとともにデイスプレーされています。
 窓の風景が動くので、まるでアガサ・クリスティの小説「オリエント急行殺人事件」の列車にでも乗っているかのようでした。

Img_64411jpg  書斎のような重厚感あふれる「ルイ・ヴィトンの書の美学」のコーナーです。
 ルイ・ヴィトンは現代の通信手段が現れるはるか以前からデスク・トランクやライティングデスク、移動式オフィスなど手がけていたようです。 

Img_64581_2  日本とのつながりを感じさせるコーナーもありました。
 村上 隆や草間彌生、川久保 玲とのコラボバッグが並び、板垣退助や白洲次郎が使用していたというトランクなども展示されています。 
 
Img_64461_2  エリザベス・テーラーなどスターに愛用されたラゲージやドレスも出品されています。

 さらにマーク・ジェイコブズがデザインしたプレタポルテやニコラ・ジェスキエールによる新作コレクションなど様々。

Img_64651  最後に、職人による実演コーナーも設けられていて、興味深かったです。器用な手つきが印象的でした。

 まさにルイ・ヴィトンの集大成といった展覧会。撮影フリーで入場無料、6月19日までの開催です。
 ちょっと贅沢な気分を味わいに、足を運んでみてはいかがでしょう。 

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2016年5月19日 (木)

「雑貨展」 ショップで人気の「クマのシャボン玉」

 昨日の「雑貨展」の記事の続きです。1 ちょっとしたエピソードが、この「クマのシャボン玉」でした。
 関連プログラムトーク「欲しいもの、持っているもの」で、ミュージアムショップの一番人気が、この商品(ドイツ製)と知りました。帰りがけ、私も試しに購入してしまいました。
 帽子のカタチをした蓋をとり、クマのおなかを押すと、中に入っているシャボン玉液から吹き口のリングが出てきます。このリングがプニュッと出てくるところが愛される所以のようです。それを吹くとシャボン玉がふわりふわりと舞い上がって、とってもきれい。
 トークでも話されていましたが、現代はモノが洪水のようにあふれて、飽和状態になっています。だからこそ欲しいと思わせるには、オヤッと思わせる何かが必要なのですね。
 これは単にカワイイというだけではない、大人も童心に帰って楽しめる、なかなかの面白グッズでは、と思われます。

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2016年5月18日 (水)

「雑貨展」 雑貨も立派なアート作品だった!

 ショップ巡りをしていて楽しいのは、雑貨屋さん。最近はファッション店も、服よりもバッグや靴、帽子、アクセサリーなど雑貨に力を入れているところが目につきます。ファッションを広くとらえ、ライフスタイル全般を提案していこうという大潮流がきているからでしょう。

20160228_1997164  こうした中、雑貨に焦点を当てた企画展「雑貨展」が東京・六本木の21_21デザインサイトで開催されています。ぜひ見たいと思っているうちに時間が経って、先週やっと行ってきました。
 雑貨なんて、ありふれたものでつまらないと思われる方も多いのではないでしょうか。かつてよく見かけた荒物屋さんも姿を消していますしね。
 でもこれを見ると、「雑貨も立派なアート作品だった!」とわかります。私にとっても目からウロコの展覧会でした。

Img_63031  会場に入ると、目に飛び込んでくるのが、荷車に竹籠や箒などをいっぱい積んだ行商を再現した「松野屋行商」です。一昔前のなんとも懐かしい光景がよみがえってくる作品です。

 壁面には「雑貨と生活史年表」や、雑貨とは何かを暗示させる「雑マンダラ」が展示されています。Img_62351_2

 次いでギャラリー1です。雑貨をキーワードで分類した「雑貨のルーツ」(右写真)や、「終わらない自問自答」の巨大パネルがあり、雑貨の意義を再度考えさせられます。

 メインのギャラリー2は、多種多様な雑貨が並ぶ、まさに雑貨のオンパレードです。
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 ここには12組のアーティストによる作品が展示されています。そのいくつかをご紹介します。

Img_62821pg  「銀座八丁」と「雑貨」。これは「一冊の本を売る書店」で話題の森岡督行(森岡書店/代表)さんによる作品です。
 昭和28年当時の銀座通りを撮影した写真帳の「銀座八丁」と、その中にある現存する店舗で購入した雑貨が展示されています。文明開化の中心だった頃の銀座はこんな感じだったのかも、と思わせられます。

Img_62881  「復古創新/レトロフューチャー」。これは島根県の世界遺産、石見銀山にある群言堂のデザイナー、松場登美さんの作品です。日本の生活文化の中にある「もったいない」、「ありがたい」の精神性が伝わってくるようです。
 「消費が進む現代だからこそ、未来的」というメッセージにも惹かれます。

Img_62731jpg  ナガオカケンメイ+D&DEPARTMENT PROJECTによるd mart used「D&DEPARTMENT PROJECT が考えるコンビニエンスストア」も示唆に富んでいます。 
 これは家の中に複数あって使われていない生活用品を集めたコンビニです。
 「ロングライフデザイン」をコンセプトに、使い捨て商品を扱うコンビニを見直そうというアイディアで、「中古品だって新品以上にいいのです」とアピールしているようです。

Img_62941  中庭では、オランダの3人組デザイナー、WE MAKE CARPETSによる「フック カーペット」が楽しい!
 来日して雑貨をリサーチするうち、100均でS字フックを見つけて、つくったというカーペットだそう。

 一つ一つは平凡でも、寄せ集まるとアートになる、その典型的な作品ですね。

 こんな風に意外なものが魅力的に映る雑貨展。6月5日までの開催です。

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2016年5月17日 (火)

「生誕300年記念 若冲展」動植綵絵に驚嘆!

 江戸時代の天才画家、伊藤若冲の生誕300年記念展が東京都美術館で開催されています。6247450044b2c826b6fde6579a475181
 若冲といえば、ファッションテキスタイルのデザインの世界でも、今もっとも注目されている存在です。どうしても見たいと思っていましたので前売り券を購入したのですが、テレビで何度も放映されたせいでしょう。連日の激混みとあって、行くことをためらっていました。
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 でも早朝なら頑張れるかもと、早起きして見てきました。待ち時間は1時間半くらいでした。

 やはり見どころは、動植綵絵です。宮内庁所蔵で一般にはなかなか公開されないといわれている最高傑作です。まずはこれを見たいと、すぐにこの展示室へ直行しました。楕円形の広々としたフロアーに、30幅の動植綵絵がずらりと展示されていて、壮観でした。その中央には釈迦三尊像の軸が掛かり、動植綵絵はそれをとり囲むように配置されています。
 その繊細、緻密で細密な筆運び、絵の構成、美しい色使い、すべてに凄い!としか言いようがありません。驚嘆させられました。
 チラシに使われている「老松白鳳図」もじっくり拝見です。白い羽の先にあるハート型が愛らしく見えます。金色に見えるのは、金ではなく黄土で裏から色付けされているということも何となく確認します。
 「群鶏図」や「蓮池遊魚図」など、花や鳥、魚、虫、貝などテーマは様々。エネルギーが直に発散されてくるような気がします。まさに生き物賛歌です。 
 細密な版画や水墨画の「果蔬涅槃図」、大胆な構図の「象と鯨図」屏風にもびっくり!
 最後に有名なコレクター、プライス・コレクションがあり、「鳥獣花木図屏風」が出ていました。以前、チームラボのプロジェクションマッピングで見た元絵がこれで、タイルのようなモザイク屏風でした。楽しそうに遊ぶ動物たちの楽園が描かれて、見ている方も微笑ましくなります。

 開催は24日までです。混んではいましたけれど、実際に実物を見てみなくてはわかりません。行ってよかったと思った展覧会でした。 
 ただし何しろ大行列に大混雑です。体力勝負であることはもう間違いありません。

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2016年5月16日 (月)

三陽商会で春色の青空写す「わたつむぎ」ストールを販売

 先日、「三陽銀座タワー」へ行ってきました。三陽商会を代表するブランドが集まっています。その6階で今、展開されているのが「わたつむぎ(Watatsumugi)」ブランドです。
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 正面にミヤマケイ氏による「春色の青空写す」をテーマにしたインスタレーションが展示されています。藍甕から出てきた布が青い空の色に染まる様子をシンプルに美しく表現していて印象的です。

Img_61211jpg  その後ろで、販売されているのが藍染めのストールです。この製品には栃木県にある「渡良瀬エコビレッジ」で同社社員たちが栽培し収穫した和綿が使われているといいます。綿100% で、和綿の割合は25%とか。糸は大正紡績、織物は土田織布、染色は徳島藍のBUAISOUと、すべて日本製です。サイズは80cm × 200cmで、価格は¥25,000(税抜)。来場者には綿の種子のプレゼントも行われていました。

 同社は以前から社会貢献活動「tihink. SANYO」を行っていますが、これはその一つといいます。日本の伝統文化を育成し、サスティナブルな製品を提案していく、こうした取り組みが、大手アパレルのリードで始まったことに改めて感銘しました。
 なお、この展示販売は7月24日までです。

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2016年5月15日 (日)

日本橋三越「リクチュール」ポップアップショップオープン

 「リクチュール」とは、リサイクルの「リ」と、フランス語の「仕立て、縫製」を意味する「クチュール」の造語です。不用品からより次元の高い価値ある衣類を創造しようというもので、このブログでも2013.10.8付け2014.1.31付けなど何度も取り上げてきました。

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Img_61651  今、この「リクチュール」のポップアップショップが、24日まで日本橋三越本店1階にオープンしています。販売されているのはストールやコサージュで、リクチュール活動に取り組むデザイナー9名の作品が美しくディスプレーされています。
 すべて布の切れ端や糸など使われなくなった端材を手作りして仕上げたものばかりです。ふんわりとやわらかいシルクやコットンに太い糸やリボンがあしらわれていたり、絞りの布などがコラージュされていたり、丁寧なつくりに温かい手のぬくもりが伝わってくるようです。

 実は一点ものですし、商品化は難しいのではないかと思っていました----。でも売場で伺うと、他にはないデザインやクオリティのよさが好評だそうです。インバウンドの方にも人気とか。

 使い捨ての風潮を変えようというデザイナーたち、彼らの優れた感性が生み出す「リクチュール」に改めて注目です。

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2016年5月14日 (土)

花のヘアメイク写真展「Flowers わたしを咲かせなさい」

1_3     今、東京・渋谷ヒカリエで写真展「Flowers~わたしを咲かせなさい~」が22日まで開かれています。
 「わたしを咲かせる」とは、何とも不思議な言葉使いです。そんなことを思いながら、中をのぞくと、花の精霊のようなモデル写真が30点ほど、壁にかかっていました。

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 写真は花をモチーフにヘアメイクで化身した女性像です。あまりにも美し過ぎる----、そのシュールリアルな美しさにすっかり魅せられてしまいました。
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 手がけたのは、華道家で写真家の勅使河原 城一氏と、資生堂のトップヘア&メーキャップアーティストの計良 宏文氏です。モデルは国内外で活躍するモデルの松岡モナさん。
    トークセッションで勅使河原氏は、華道家として人に花を活けてみたかったとか。その発想がこの前代未聞の創作展につながったのですね。
 ファッションやビューティ関係者ならずとも一見の価値ある展覧会と思います。

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2016年5月13日 (金)

コットンの日 Tシャツプリントデザインコンテスト2016発表

 この5月10日「コットンの日」イベントでは、Tシャツプリントデザインコンテスト2016が発表され、授賞式が執り行われました。
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2  応募総数1,413点の中で、グランプリに輝いたのは、スペースデザイナー、岩崎二郎さん(70歳)の作品です。タイトルは「自然の恵み」で、「自然の中でつくられて、また自然にかえってゆく」、環境に優しいコットンをイメージして制作したといいます。丸いコットンボールに夏らしい自然界の動植物が生き生きと描かれています。
 審査会には私も審査員の一人として参加しました。そんなこともあって今回の受賞は、大変うれしいです。

 授賞式では、「ディスプレイ・デザインの仕事に携わって50年、実に光栄です」と、喜びの声を発していらっしゃいました。

 なおこの作品をプリントしたTシャツが、今年もイベントの参加者全員にプレゼントされました。

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2016年5月12日 (木)

コットンの日 新プロジェクト「パワー オブ コットン」ショー

 この5月10日「コットンの日」のイベントでは、コットンUSAアワードが発表される前に、COTTON USA マーク・キャンペーンの新プロジェクト「パワー オブ コットン」(このブログの3月29日付けで関連記事掲載)のトーク&ショーも行われました。
Img_60981jpg_2  ヴォーグジャパンの協力のもと、「アンリアレイジ」のデザイナー、森永邦彦氏が手がけた伝統工芸工房「モメンタムファクトリー・Orii」のユニフォームが、モデルを使ったショー形式で披露され、会場を盛り上げました。
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 素材はすべてコットンUSAで白地にシミのような模様を特殊プリントしたもの。ホワイト・オン・ホワイトなので目立ちませんが、ライトを浴びるとキラキラとカラフルに輝きます。
 森永氏はトークセッションで次のように語っています。アメリカ綿で注目してもらえるアイディアを練っていたとき、たまたま工房で作業衣に付いたシミを見かけて、閃いたそうです。シミこそ工房の歴史のあらわれ、勲章のような誇らしいものに思われたといいます。早速スキャンし、プリントで目に見えない職人魂を光で浮かび上がらせるデザインを思いつき、実現したのがこのユニフォームです。コットンの伝統とテクノロジーの相性のよさも実感されたようです。
 モメンタムファクトリーの折井宏司社長は、「服の持つ二面性を体感して驚嘆!シミをデザインしたアンリアレイジに感動しました」と話していました。
 これを機に新しい職人像が生まれ、伝統工芸文化の活性化につながることを期待しています。

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2016年5月11日 (水)

コットンの日 藤原紀香さんら3氏にコットンUSAアワード

 昨日は5月10日で「コットンの日」でした。CCI国際綿花評議会は、今年も恒例のイベントをウェスティンホテル東京で開催しました。

3  メインイベントは、コットンUSAのイメージである「優しさ」、「爽やかさ」、「親しみやすさ」にふさわしい著名人を選出する「コットンUSAアワード」授賞式です。選ばれたのは、女優の藤原紀香さん、小芝風花さん、俳優の溝端淳平さんの3氏で、各々受賞の喜びを次のように話しています。

 藤原紀香さんは、いつも明るく前向きで、日本赤十字広報特使としても活動されているそうです。コメントでは、「捨てるところがない、すべてに役立つコットンのような存在でありたい」と述べられていたのが印象的でした。笑顔がかわいらしい小芝風花さんは、「編み物が好きで、編み糸にコットンが入っていると針の滑りがよい」と意外な一面をのぞかせ、また溝端淳平さんは、「コットンが似合う男性は女性に人気があると思っているので、少しでもそうした男性に近づきたい」など、コットンへの思いが語られました。

 なお受賞者らが愛用する綿製品はサイン入りでチャリティオークションにかけられ、収益は全額、内閣府の熊本地震被災者義援金に寄付されることになっています。

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2016年5月10日 (火)

コットンインコーポレイテッド マーケット情報セミナー

 米国コットンインコーポレイテッド社は、毎年日本を含む世界のライフスタイルモニター調査を実施しています。この調査結果を基に、恒例の「マーケット・リサーチ・プレゼンテーション」セミナーが、この4月下旬、東京・日本橋で開催されました。プレゼンターはおなじみの同社マネージャーでマーケット・アナリシス、CSPMのジャスティン・コーテス氏です。
Img_56131  最初に世界のアパレル小売業を、次に日本の動向と今後の提言を語られました。とくに後半は、コットン業界とからめた内容で、「コットンはサスティナブル」をアピールポイントとしていくべきとの認識を新たにしました。

 その概要は次のようです。
 まず世界のアパレル小売りについて。この15年間、アパレル消費動向は、米国とEUはゆるやかな上昇だったのに対し、中国とインドは2ケタの急成長、日本は逆に下降したといいます。2030年にアパレル最大の市場は中国です。次いで米国、インドの順。グローバルブランドは、中国やインドとの関係をさらに深めているとしています。
 小売りの新しい形態として、昨年も話が出た「体験型小売り」がさらに進化しているといいます。アスレジャーをキーワードにしたナイキの「ウイメン ヴィクトリーツアー」や、ノースフェイスの韓国でのバーチャルとリアルを融合したプロモーション、またマス・カスタマイゼーションシステムを導入しているメイシーズ、さらにユニクロのスマートセレクトシステム「Uムード」など、興味深い事例が紹介されました。
 日本の消費者市場については、縮小傾向が止まらず、競合はさらに激化するといいます。衝動買いが減り、セールで買物をする消費者が増えていることから、日本では品質がよく、しかも安価なものが追求されているようです。2030年、平均年齢53歳という高齢社会の到来を提示されたのも印象的でした。
 また日本におけるオンラインショッピングでは、2001年にはわずか1%足らずだったのが、2016年は20%になり、2020年には約30%の人がアクセス、2030年にはほとんどの人々がオンラインでショッピングするようになると予測しています。とくに増加が著しいのはPCよりもモバイルで、このサーチ・エンジンで、自社サイトを際立たせることがますます重要と指摘します。ちなみに欧米ブランドはモール型ECよりも自社ブランドのサイトに注力しているといいます。日本も、サイズやフィット感、素材情報など、自社サイトを充実させ、カスタマーレビューをよりよいものにしていくことが求められていると強調されました。 

 この上で、同社のライフスタイルモニター調査結果を発表しました。これによると日本の消費者はアパレル製品の購入にあたり、32%がサスティナビリティを重視しているといいます。「コットンの服は環境にやさしくサスティナブル」と考える人は73%あり、「コットンは信頼できる」が71%、「心地よい」が67%でした。
 最後に「コットンの強みはサスティナブル!」と語気を強め、同社Cotton Todayのウエブサイトを参照し、コットンがどのようにしてつくられているのか、正しい知識を持ってほしいと訴えかけて、セミナーを終了しました。

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2016年5月 9日 (月)

世界に町工場の匠を売る男たち―⑵ 伊藤バインダリー

 昨日のトークイベントの続きで、次に(株)伊藤バインダリーの伊藤雅樹さんが、「売る力とは何か?」をお話しされました。結論は「シンプルがかっこいい」です。
Img_55971  代々製本加工業を営んできた同社3代目が伊藤さん。そのシンプルで構築的なドローイングパッドやメモパッドが今、内外で注目されています。
 きっかけとなったのは、印刷業界の苦戦で製本業が立ち行かなくなり、これまでやってこなかった新しいものを生み出す必要に駆られたからだそうです。紙を切り、折って綴じる得意の技を生かし、ペーパーパッドを商品化したところ、アーティストやプロダクトデザイナー、建築家たちの間で評判になり、パリのメゾン・エ・オブジェ展に出展。それが話題を呼んでヒットし、日本に逆輸入されて、現在に至っているといいます。

Img_56091  紙といえば、日本の紙の品質は非常に高いそうです。そうした価値ある紙でつくったドローイングパッドやメモパッドは、台紙と本紙の幾何学コントラストが美しい。またカバーなしなので、閃いたらすぐに書いたり描いたりできることなど、使いやすく出来ていると思いました。

 まさに「究極のシンプルの美」を追求したデザイン、と感銘させられたことでした。

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2016年5月 8日 (日)

世界に町工場の匠を売る男たち―⑴ エニシング帆前掛け

 先月下旬、「国際ファッションセンター」と「つなぐ通信」とのコラボによる初のトークイベントが東京都立産業技術研究センターで開催されました。「つなぐ通信」は、東京を中心に近県に6万から10万部も配布しているというフリーマガジンです。このブログ2013.4.13日付けで、創刊号の紹介をしています。

 トークでは、この3月15日発行の特集記事「俺たちの使命~世界に町工場の匠を売る男たち~」に掲載された(有)エニシングの西村和弘さんと(株)伊藤バインダリーの伊藤雅樹さんが登壇しました。いずれも墨田区に縁のある若手経営者で、町工場の技術を生かし、世界に向けたビジネスで実績をあげているといいます。その「売る力」とは何か、ざっくばらんに本音が語られ、大変興味深かったです。

Img_56001_2   まずエニシングの西村和弘さんが、前掛け専門メーカーになった経緯を語られました。
 江崎グリコのトップセールスマンだったという西村さん。脱サラして、米国に留学します。「和」に惹かれるようになり、帰国後「縁(エン)は続く」をキーワードに「エニシングANYTHING」社を立ち上げ、漢字Tシャツ事業に取り組みます。
 こうした中、豊橋で帆前掛けを生産していた芳賀織布工場と出会ったといいます。ここで40年前につくられていた昔ながらの仕事着、一号帆前掛けを復活させたいと、廃業寸前だった同工場を引き継ぎ、立て直すことに成功します。「世界で誰もやっていない。だからやってみよう!」と思ったそうです。糸は九州で紡績し、豊橋で製織し、羽生で染色し、小金井で縫製する、メイドインジャパンの自信作が出来上がり、ニューヨークの展示会など内外で好評を博したとか。顧客は法人向け7割、個人向け3割で、オーダーも可能だそう。

Img_56101_3  素材は、しっかりとした厚手の綿100%キャンバスで、感触が思いの外やわらかく扱いやすそうでびっくり。糸が甘撚りなのですね。価格は一号帆前掛けが5,500円、他に様々なデザインのものが用意されています。

 とくに海外向けに日本伝統の帆前掛けは引きがあるとのことです。世界発信がますます広がりそうで、期待されます。

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2016年5月 7日 (土)

「ヨーロピアン・モード 特集イヴ・サン=ローラン」展

 イヴ・サン=ローランのコレクションを掲載した企画展のチラシを見て、これはぜひ見に行きたいと思っていました。東京・新宿の文化学園服飾博物館で、5月17日まで開催されている「ヨーロピアン・モード 特集イヴ・サン=ローラン」展です。
 同館2階では18世紀から20世紀までのモードが時代順に紹介されています。
 「特集イヴ・サン=ローラン」展は、同館1階で行われていて、イヴ・サン=ローランの作品21点が展示されていました。

400x566_2  まず目にするのが、グレーのドレスでチラシの中央に載っている作品。これは1957年にクリスチャン・ディオールが急逝した後、21歳でメゾンを引き継いだ彼が最初に発表した1958年のコレクションで、モード誌の表紙を飾った有名なトラペーズラインです。リボンの長短のバランスも計算されていて、すっきりとエレガントな品格を漂わせています。ゆるやかな丸みのあるシルエットは、布の内側にはり合わせたチュールで調整されたものだったのですね。
 次がディオール解雇後、独立して初めてのコレクションです。1962年のイヴニングドレスがあり、刺繍工房ル・サージュの高度な技を見ることができました。
 優雅さだけではない女性の自信のようなものを醸し出す作品が続き、エポックメイキングなサファリルック、1969年のパンツスーツも出品されていました。これはイヴ・サン=ローラン自身も愛用したというスーツで、当時の性別を超えたユニセックスな時代の象徴となったものです。
 この他、オリエンタルやフォークロアに傾倒していった頃のワードローブや、80年代のワーキングウーマン向け美しいカラーのスーツなど、注目の作品が並びます。

 現代の新しい女性美を生み出したイヴ・サン=ローラン。その実物に触れて、「モードの帝王」と呼ばれたデザイナーの偉大さを改めて思う展覧会でした。

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2016年5月 6日 (金)

ファセッタズムで「NEW WORLD! 」ポップアップショップ

 今、渋谷区神宮前の「ファセッタズム(FACETASM)」のショップで、20日までの予定で「NEW WORLD! 」と題したポップアップショップがオープンしています。
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Dsc_00471  これはファセッタズムのデザイナー落合宏理と「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」のデザイナー山縣良和が、以前から親交のある人気ミュージシャン「相対性理論」のやくしまるえつこの新アルバム「天声ジングル」の発売を記念して開いたものです。店頭では「NEW WORLD! 」をモチーフにしたTシャツや「リトゥンアフターワーズ」のセカンドライン「リトゥン・バイ」のコレクションが販売されていて、人気を集めていました。ショーで見た地球儀も目印です。
Dsc_00481  やくしまるえつこの衣装も展示されていて、二人は今後「相対性理論」のステージ衣装を手がけていくとのことです。

 今を時めく若手ブランドのコラボショップで、元気をいただきました。

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2016年5月 5日 (木)

IFFTインテリアライフスタイル リビングの「ほてるホテル」

 昨日のこのブログに続く「インテリア ライフスタイル」2016年の記者発表会 第二部が、「IFFT インテリア ライフスタイル リビング」の企画説明会でした。これは国際家具見本市のIFFTとインテリアライフスタイルの合同展で、11月7日~9日と例年より2週間早く、また会場も東京ビッグサイト東館に移り、規模を拡大して開催されます。

 会場は特別企画と11のゾーンで構成され、そのハイライトが毎年テーマを変えて行われる特別企画です。今年は「The Hotel」の第3弾で、「ほてるホテル」をテーマに展開されます。
Img_55721jpg  このディレクションを担当するのが、「スープストック」などでおなじみのスマイルズ代表の遠山正道氏です。「ほてるホテル」の「ほてる」は「火照る」で、気持ちが高揚し、喜びが湧き上がって、一人ひとりの体温が上がってくるようなホテルを意味するといいます。
 ライフスタイルの変化とともに、ホテルのあり方も多様化してきました。同氏は、ホテルはもう泊まるだけではない、心躍る空間や体験の場ともなってくるといいます。そしてその事例としてバックパッカーが集う東京・蔵前の「nui.HOSTEL」や、富山県氷見市の貸別荘のような「SAYS FARM」などを挙げ、また「瀬戸内国際芸術祭 2016」で豊島にご自身が出展予定の古民家を改装した「檸檬 (れもん) ホテル」を紹介しました。

 従来の価値観を覆すようなホテルが提案されるという特別企画、乞うご期待です。

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2016年5月 4日 (水)

インテリア ライフスタイル2016 「伝えたくなるデザイン」とは

 メサゴ・メッセフランクフルトが主催する「インテリア ライフスタイル」2016年の記者発表会が、このほど東京・中目黒で開かれました。
 第一部が「インテリア ライフスタイル」で、第二部が「IFFTインテリアライフスタイル リビング」企画説明会です。いずれも東京から世界へ向けてライフスタイルを提案する興味深い国際見本市です。

Img_55621jpg  第一部の「インテリア ライフスタイル」は、6月1日~3日、東京ビッグサイト西ホールで開催されます。昨年よりも規模を拡大し、英国やトルコのパビリオンが登場するなど、34か国806社が出展、来場者も32,000人を見込んでいるとのことです。

 ハイライトはアトリウム特別企画で、テーマは「伝えたくなるデザイン」です。企画を担当するトラフ建築設計事務所の禿 真哉氏は、世代を超えて受け継がれるもの、環境への負荷を抑えたものをコンセプトに、商品を手に取った人へ作り手の伝えたい思いと熱意がこもるデザインを発信すると語っています。
 会場は5つのエリアの異なる広場と街路をイメージした構成です。商材の良さを来場者に直接伝えていくため、各エリアの広場中央にコミュニケーションテーブルを置き、ここでワークショップや実演を行うといいます。来場者は街を散策するように広場に入り、見て回りながら楽しめる場にしていくとのことでした。

 またキャラクター関連でディズニーやムーミンとともに、サンリオが初出展、さらに今注目の北欧のライフスタイル提案や、最新デザインのムーブメント、多様化する食文化にまつわる「フーディスト」ゾーンなど、国内外のプロダクトが一堂に集結するといいます。

 トークショーやプレゼンテーションなどプログラムも充実とのことで、期待しています。

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2016年5月 3日 (火)

「ボタニカルダイの菱川恵介さんが考えていること」

 近年、とくに3.11以降、「ボタニカルダイ」の商品が急増しているのを感じます。このボタニカルダイを開発したのが、シオンテック代表菱川恵介さんです。この菱川さんによるセミナーが、このほどFASHION STUDIES主催により、東京・千代田区のものづくり館by YKKで行われました。題して「ボタニカルダイの作成者 菱川恵介さんが考えていること」です。
 日頃、表舞台には出てこない方です。このような機会はめったにないと思い、出かけて行きました。

Img_55581 まずボタニカルダイとはどういうものなのでしょう。菱川さんは「これは自然原料・自然色素を使用した染色中心の生産システムで、草木染ではない」。「江戸時代の草木染を再現しようとしても、色落ちや色褪せの問題で、今の品質基準をクリアすることはできない」といいます。そして「ボタニカルダイとは、草木染をビジネスとして問題ないようにした特殊技術で、媒染剤は使わず、天然の色素に化学染料を少し配合している」と話されました。化学染料の使用については相当に葛藤もあったようです。しかし染色堅牢度を保つためには、これしか方法がないといいます。

 世界特許も取得され、世界中からオファーが来ているそうです。とはいえ同社は顧客のオリジナルをつくるのが仕事といいます。たとえば小松精錬の「オニベジ」や、新内外綿の「トップ染杢糸ボタニカルダイ」など、いくつかの成功例を挙げ、今やラグジュアリーからグローバルブランドまで、有力ブランドがこぞって扱い始めていると話します。

Img_55591  それらの製品の一部も見せていただきました。

 いずれもふんわりと目にやさしい色合いで、しかも深みがあります。
 奥行きのある色調は、一つの植物の中に、100以上もの色素成分が含まれていることによるのでしょう。
 また植物と人間の皮膚のペーハー「ph」は、4.5~5.0で、ほぼ同じだそうです。植物の成分は生理学の上でも役立つと、身体の各部分の疾患を治す植物成分との関係も図で紹介していただきました。
 人は植物に触れると気持ちが和みます。植物には人の心を癒す不思議な力があると思っていましたが、こうした事実あってのことだったのですね。

 ボタニカルダイには、自然に生きる植物の力が凝縮されているようです。

 菱川さんが植物に惹かれるようになったのは、アパレル退職後、会社を立ち上げた頃で、自動車メーカーの仕事に関わっていたときだったといいます。元来、哲学や歴史から天体、地球物理学まで博識な方で、次第にものづくりの手法に疑問を抱くようになったとか。
 人間は植物の力で生きている、これをビジネスにできないかと模索する中、ある人が愛してやまないスミレの花でハンカチを染めたことをきっかけに、植物の研究に没頭するようになります。そしてついにボタニカルダイにたどりついたそうです。

 シオンテックでは、現在1,500種の植物原料があり、3,000種を染料化するシステムを持っているといいます。化粧品や食品、化成品、建材などの新しいライフスタイルに向けたノウハウも準備されているようです。同社は植物のすばらしさを新しいビジネス企画のツールとして提案し、社会貢献している稀有な企業です。

 繊維業界は今、大変厳しい時を迎えています。だからこそ元気の出る植物の色をつけてあげたい----と。最後に「花びらで元気になれ!」と語って、セミナーを締めくくられました。

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2016年5月 2日 (月)

シキボウ素材展 植物のチカラ「ボタニカル・パワー」前面に

す 総合素材メーカー、シキボウの素材展示会が、先月中旬、ボーケン東京本部ビルで開催されました。いつも人や肌にやさしい素材加工で定評がある同社です。今回は、植物のチカラ「ボタニカル・パワー」を前面に押し出し、草花やフルーツ、種子の成分を活用した撥水、抗菌、消臭、保湿、抗酸化など、様々な機能素材を提案していました。
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Img_55782  中でも目を引いたのが「メンミーユMenmi-yu」です。これは収穫された綿花の種子から搾油された綿実油使用の柔軟加工で、日本で唯一の綿実油メーカー、岡村製油との協業で新開発されたといいます。
 また南国のヤシの実の力を取り入れた撥水加工の「ヤシ・パワー」や、国産孟宗竹から抽出した成分配合の抗菌・消臭加工「竹フレッシュ」、グレープフルーツの種子の成分を配合した抗菌加工「グレフルフレッシュ」も新しく打ち出されました。
 この他、アロエや茶葉カテキン、オリーブ、バラ、桜、椿エキス、米ぬか、シアバターなど、植物由来成分による機能加工や風合い加工が集積、一大コーナーを形作っていました。

Img_55831_2  また同社独自の精紡交撚糸、「デュアル アクション」シリーズでは、コットンUSAのキャラクター、かわいい「ワータン」の展示も見られてびっくり!

 このところ「ボタニカル」という言葉を聞くことが多くなっています。それだけ植物のパワーで癒されたいと思う人が増えているということでしょう。これは今後のファッション業界の一大潮流となってきそうです。

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2016年5月 1日 (日)

講演会「CCCが目指す生活提案の未来」

 先般開催されたファッションワールド東京展では、業界活性化&若手応援のための様々な興味深い講演会が催されました。その一つがカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)代表取締役社長 兼 CEOの増田 宗昭氏による「CCCが目指す生活提案の未来」と題したセミナーです。

Img_5546  蔦屋書店やTカード、T-SITEをはじめとした「カルチュア・インフラ」を創り出す企画会社CCCの経営者として奔走する同氏の登壇とあって、会場はほぼ満席状態でした。アップルのスティーヴ・ジョブズの大ファンだそうで、ジョブズよろしく、シンプルな黒いセーターにジーンズスタイルで現れました。リテールビジネスについて、最先端のITを活用し、リアルとバーチャルの境界線を消す取り組みを行いたいと考えているといいます。その例を挙げながらカジュアルな口調で、ユーモアたっぷりに講演されました。

 まずご自身のキャリアから。1973年にスズヤに入社され、ベルコモンズのテナント構築に携わり、1983年に退職。32歳でカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を大阪枚方市に創業します。これからは自分の生き方を探す場所が必要な時代になってくる、このことを見越した新しい生活スタイル情報を提供する拠点となるよう、その思いを込めて事業を始めたといいます。
 次にCCCのイノベーションについて。TSUTAYA事業では、地方創生の鍵は図書館にあると、2013年、佐賀県武雄市図書館など自治体図書館の運営をスタートさせました。これにより街の知的水準は確実に上がったといいます。商業施設では、ブック&カフェの空間に生活家電が並ぶ、全く新しいタイプの家電店にも着手。昨年、初の家電店「二子玉川 蔦屋家電」をオープンさせています。
 さらに時代認識についても触れ、蔦屋書店が他の大手書店と異なり、右肩上がりで伸びているのは、人口のシニアシフトと格差社会という、まさにこの時代認識が読めていたからといいます。2011年に開業した代官山T-SITEでは、ターゲットをプレミアエイジと呼ばれるシニアの金持ち層、それに子ども中心のファミリー層、低所得者層の3つに絞り、それぞれに合わせた売場を展開しています。それが功を奏して、通常の本屋の3倍の坪効率で本を販売できているといいます。
 最後に購買ゾーンが増加の一途を辿っているネット販売について。ネットは品揃えや価格などでリアル店舗に勝り、すべての購買履歴を持っています。これに対抗するため、蔦屋ではネットができない居心地の良い空間づくりやコンシェルジュ機能を強化しているといいます。
 とくに2003年に導入したTカードは、日本初の共通ポイントサービスで、同社の切り札的存在になっているようです。現在ではENEOSや東京電力など132社、約5万店が参加。今年から三越伊勢丹での買い物も、疑似通貨のTポイントが貯まるようになりました。会員数も増えて、今や5,743万人に上るとのこと。とくに東京など大都市圏では約6割が持っているといいます。これによりコストが下がり、利用客が見える化し、売り上げがアップ。M&A戦略にも使えるとも。いいことずくめのTカードのようです。

 勢いのある企業は目の付け所が違うと、改めて感動。たくさんのヒントが詰まった講演会でした。

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