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2016年5月 1日 (日)

講演会「CCCが目指す生活提案の未来」

 先般開催されたファッションワールド東京展では、業界活性化&若手応援のための様々な興味深い講演会が催されました。その一つがカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)代表取締役社長 兼 CEOの増田 宗昭氏による「CCCが目指す生活提案の未来」と題したセミナーです。

Img_5546  蔦屋書店やTカード、T-SITEをはじめとした「カルチュア・インフラ」を創り出す企画会社CCCの経営者として奔走する同氏の登壇とあって、会場はほぼ満席状態でした。アップルのスティーヴ・ジョブズの大ファンだそうで、ジョブズよろしく、シンプルな黒いセーターにジーンズスタイルで現れました。リテールビジネスについて、最先端のITを活用し、リアルとバーチャルの境界線を消す取り組みを行いたいと考えているといいます。その例を挙げながらカジュアルな口調で、ユーモアたっぷりに講演されました。

 まずご自身のキャリアから。1973年にスズヤに入社され、ベルコモンズのテナント構築に携わり、1983年に退職。32歳でカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を大阪枚方市に創業します。これからは自分の生き方を探す場所が必要な時代になってくる、このことを見越した新しい生活スタイル情報を提供する拠点となるよう、その思いを込めて事業を始めたといいます。
 次にCCCのイノベーションについて。TSUTAYA事業では、地方創生の鍵は図書館にあると、2013年、佐賀県武雄市図書館など自治体図書館の運営をスタートさせました。これにより街の知的水準は確実に上がったといいます。商業施設では、ブック&カフェの空間に生活家電が並ぶ、全く新しいタイプの家電店にも着手。昨年、初の家電店「二子玉川 蔦屋家電」をオープンさせています。
 さらに時代認識についても触れ、蔦屋書店が他の大手書店と異なり、右肩上がりで伸びているのは、人口のシニアシフトと格差社会という、まさにこの時代認識が読めていたからといいます。2011年に開業した代官山T-SITEでは、ターゲットをプレミアエイジと呼ばれるシニアの金持ち層、それに子ども中心のファミリー層、低所得者層の3つに絞り、それぞれに合わせた売場を展開しています。それが功を奏して、通常の本屋の3倍の坪効率で本を販売できているといいます。
 最後に購買ゾーンが増加の一途を辿っているネット販売について。ネットは品揃えや価格などでリアル店舗に勝り、すべての購買履歴を持っています。これに対抗するため、蔦屋ではネットができない居心地の良い空間づくりやコンシェルジュ機能を強化しているといいます。
 とくに2003年に導入したTカードは、日本初の共通ポイントサービスで、同社の切り札的存在になっているようです。現在ではENEOSや東京電力など132社、約5万店が参加。今年から三越伊勢丹での買い物も、疑似通貨のTポイントが貯まるようになりました。会員数も増えて、今や5,743万人に上るとのこと。とくに東京など大都市圏では約6割が持っているといいます。これによりコストが下がり、利用客が見える化し、売り上げがアップ。M&A戦略にも使えるとも。いいことずくめのTカードのようです。

 勢いのある企業は目の付け所が違うと、改めて感動。たくさんのヒントが詰まった講演会でした。

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