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2016年4月20日 (水)

「PARISオートクチュール-世界に一つだけの服」展

 オートクチュールの始まりから現代に至る歴史を概観するモード展、「PARISオートクチュール-世界に一つだけの服」が今、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催されています。
1604_ara_08_paris01  美術館が服飾を取り上げるとは興味深く、先般見に行ってきました。 

 オートクチュールとは、顧客の注文に合わせてデザイナー主導で仕立てる高級服のこと。19世紀後半に誕生し、パリ・オートクチュール組合(通称サンディカ)が結成され、1950年代には100を超えるメゾンが加盟していたといいます。しかしその後、メゾンの数は減少し、90年代には18にまで落ち込んでしまいました。ところが近年、時代の変化から少し勢いを取り戻しているようです。フランス国外からアルマーニなどがサンディカに加入したり、またコレクションにゲスト参加したりするブランドも増えています。ショーやレッドカーペットで着用する著名人や超富裕層の女性たちを目にする機会も多くなりました。

 本展ではその華麗な衣装が、約130点展示されています。ディオールやシャネル、バレンシアガなど、そのほぼ全てがガリエラ宮パリ市立美術館所蔵のもの。パリのグランパレで催された展覧会を、同館ならでは視点でよりわかりやすい形で再構成したといいます。
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 それでは順を追ってご紹介していきましょう。

 第1章「オートクチュールの発明19世紀」では、オートクチュールの始祖、ウォルトのバッスル・ドレスとクリスチャン・ラクロワによる現代のイヴニング・アンサンブル(チラシ掲載のもの)を一緒に展示し、新旧を比較しながら鑑賞できるようになっていました。大振りの柄はラクロワによるウォルトへのオマージュといいます。

 第2章「コルセットの終焉から狂乱の時代のジュエル・ドレスまで1900-1929」では、ポール・ポワレのロジーヌの香水瓶が目を引きました。刻まれた文字や花が、何とも日本風。ジャポニズムそのものといった感じでした。
 また横に寝かせられていたのが、20年代に大流行したダンシングドレスです。ドレスに付いている装飾が重過ぎて、ボディに着せると生地が傷むそうです。当時の女性たちはそんなに重いドレスを着てダンスに興じていたのですね。

Img_54901  本展一番のスペクタクルが、第3章の「贅沢なエレガンス30」で、写真撮影も許可されている唯一の場所です。広いサロンには世界最高峰の職人技を集めた美しいドレスがディスプレーされていました。
 ここでとくに印象的だったのが、写真でしか見ることができなかったエルザ・スキャパレリのイヴニング・ケープ(右)です。
 彼女の代名詞となったショッキングピンクの色鮮やかなクレープデシンに、金糸で大きな太陽のモチーフが刺繍されています。

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 またもう一つ、魅せられたのがスキャパレリのイヴニング・グローブ(左)です。

 爪に金属が使われていて、その研ぎ澄まされたシュールな感覚に、どこか尋常ではない不安のようなものを覚えました。

Img_55051Img_54971  ジャンヌ・ランヴァンの「青い鳥」ドレス(右)や、マドレーヌ・ヴィオネのイヴニング・コート(左)など、シルエットの美しさに見惚れるドレスがあふれるコーナーです。 
 第4章「オートクチュール、40年代に直面」に向かう途中にある、暖炉のある部屋にはイブ・サンローランの黒いドレスがスケッチとともに置かれていました。前から見ると何の変哲もないデザインですが、後ろの鏡でバックスタイルを見ると、レースが大きく刳れています。彼がいかに肌の露出にこだわり、人をドキッとさせる効果を狙っていたのか、その秘密がわかった気がしました。 
 その先には、バレンシアガの黒いウールのドレスがあり、裾にキモノ特有の赤いふき返しがあるのを発見したり、また「テアトル・ド・ラ・モード」のドレスの美への願いに感動したり。
 さらに進むとウィンザー公爵夫人がクリスチャン・ディオールに注文したというイヴニングドレス「パルミール」も展示されていました。パルメット(棕櫚の葉)模様の凝った刺繍がゴージャスでした。

 フロアが変わって、最後の最終章「オートクチュールの現在」まで見どころ満載です。
 ファッション関係者には必須の展覧会ではないかと思いました。
 開催は5月22日までです。

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