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2016年4月

2016年4月30日 (土)

2017春夏尾州マテリアル展 「アウター・リミッツ」テーマに

 「2017春夏尾州マテリアルエキシビション」が、4月中旬、東京・北青山のテピアで開催されました。尾州産地の素材メーカー16社が、2017年春夏物の新作1,500点を披露。同産地はウールが主力ですが、春夏とあって、綿やリネン、和紙など清涼感のある素材を中心に、化合繊との交織など、多様な素材使いの服地を多数出品していました。とくに今シーズンはイージーケアやストレッチ性など機能性にこだわったものが多いのも特徴です。

 テーマは「アウター・リミッツ」、つまり両極端を称賛する両極のシーズンで、今シーズンもパリの「ネリー・ロディ」社のトレンド情報を基に、3つのストーリーが提案されました。一方は自然に着目したもので、「Urban & Savanna(都会&サバンナ)」と「Wild & Tropical(ワイルド&トロピカル)」の二つ、他方は現代的で未来的な「Future & Fun(フューチャー&ファン)」です。
 各社の有力素材170点が、この3つのストーリーに分かれて展示されました。

〇Future & Fun(フューチャー&ファン)
Img_56141  着こなしやすい、控えめなシックさを演出するスポーティな感覚。
 カラーはシンプルで明瞭な色使いが主調。グレーやホワイト、ベージュにより和らげられた、キャンディのようなビビッドとパステルカラーの遊び心のあるパレットです。

   虫文毛織               三星毛糸 
   スラブデニム             ニットポンチボーダー
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〇Urban &Savanna(都会&サバンナ)

Img_56191  都会の冒険家といったイメージで、「アフロポリタン」、「世界のダンディ」、「クールなハンター」など、気品のあるコスモポリタンなエレガンス。
 カラーは白やインディゴ、グレーに、コントラストをつける黄やテラコッタ、乾いたグリーンなど。

   鈴憲毛織                岩田健毛織
   コットンリップル          コットン擬麻バスケットチェック
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〇Wild & Tropical(ワイルド&トロピカル)」

Img_56231  科学と植物の交差点にある新しい自然、都会のジャングルを夢想するストーリー。
 カラーは熱帯植物にインスピレーションを得た、神秘的なダークカラーとビビッドとの組み合わせ。

   中伝毛織               ヒラノ 
   綿/麻リングツィード         リップルジャカード
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2016年4月29日 (金)

講演会「事業の大転換による『新生SANYO』の実現」

 先般開催された第3回ファッションワールド東京展の業界活性化&若手応援のための特別講演で、株式会社三陽商会の代表取締役社長 兼 社長執行役員 杉浦昌彦氏が「事業の大転換による『新生SANYO』の実現」をテーマに登壇されました。

Img_55121  昨年6月、基幹ブランド「バーバリー」のライセンス契約が終了し、大きな転換期を迎えた三陽商会。売上高約1,000億円、約20ブランドを有する大手アパレルを率いる同氏の講演は、今後の事業構造改革とブランド事業の成長戦略について語るもので、大変興味深いものでした。

 まずはバーバリーとの45年間にわたるライセンス事業から。コート専業から総合アパレルへ移り変わる中、1970年代、巨人の長嶋選手をキャラクターにしたメンズのスーツブランド「ミスター サンヨー」が大ヒットし、90年代半ばにはヤング向け「ブルーレーベル」と「ブラックレーベル」で急成長を遂げます。
 ところがこのバーバリー事業が終焉することになり、今年度は赤字を公表。社長歴8年目という同氏も、苦悩の時期を過ごされたようです。主要ブランドはバーバリーに代わる「マッキントッシュ」と、昨秋立ち上げた「クレストブリッジ」、「ポール スチュワート」、「エポカ」で、17、18年度には成長を目論むといいます。   
 とはいえ現状は、主軸のマッキントッシュのセカンドライン「フィロソフィ」が、売り場数などバーバリーのときと比べ約7掛けに縮小、クレストブリッジの「ブルーレーベル」と「ブラックレーベル」も同様といい、数字的にはなかなか厳しい様子です。エポカは、パターンオーダーが伸びているそうで、働く女性のアッパーなジャパン・ラグジュアリーブランドとして位置づけていくとか。100億円規模のポール スチュワート事業は堅調のようです。またこのほど東海地区にオープンしたセレクトショップ「名古屋ラブレス」の人気にも触れられました。
 さらに注目は、「100年コート」の好調ぶりです。これは2013年に創業70周年を迎えたことを機に、社名の「サンヨー」を冠したブランドを打ち出そうとの思いから誕生したもので、J∞QUALITY商品認証第1号となりました。世代を超えて愛されるコートとして、前年比170%の売り上げを達成、とくにインバウンド向けに好評だそうです。
 ネットについてもリアルと連動し、大きな輪をつくり上げていくことが重要と強調。とくに競争ではなく協業で、日本製にフォーカスするとも。

 最後に、現在は苦戦しているが、国内アパレルをしっかり支えていくと力強く述べて、講演を締めくくられました。

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2016年4月28日 (木)

イエール国際モードフェスティバル 冨永 航氏PVグランプリ

  世界最高峰の繊維総合展、パリのプルミエールヴィジョン(略してPV)から、先日、うれしいお知らせが来ました。
1  それは南仏のリゾート地イエールで開催された第31回国際モード・写真フェスティバルで、注目の審査員グランプリに日本人の冨永 航(とみなが・わたる:メンズコレクション)氏が輝いたというニュースです。同氏は、セントラル・セント・マーチンズのファッション・プリント科出身で、現在はチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインの修士課程に在籍中といいます。

 審査会の委員長を務めたのは、パコ・ラバンヌのアーティスティックディレクター、ジュリアン・ドセナ氏で、審査員満場一致で決まったそうです。コレクションの大胆さやグラフィックの力、強いインパクトのある視覚効果など、メンズ/レディスの枠を超えた、前向きで力強い創造性が、高く評価されたといいます。

 このコンペティションでは、2014年にも、松重健太氏がグランプリを受賞。今回はこれに続く快挙で、同じ日本人として誇らしく思えます。

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2016年4月27日 (水)

ファッションワールド東京 綿の炭素繊維にびっくり!

 日本最大のファッション展、ファッションワールド東京では、様々な出会いや発見があります。今シーズン、テキスタイルエリアに出展のウッディパレスでは、綿花を炭化した繊維を使ったウェア「綿Tec」を提案、「綿から炭の糸へ」とあり、驚かされました。
Img_55501jpg  
 これは植物性炭素繊維の糸を綿に絡めた「ナチュラルカーボンNatural Carbon」を開発したフジサキとのコラボで生まれたブランドです。

Img_55381 植物性炭素繊維は通常の炭素繊維とは違い、高温で炭素化しているため、ナノレベルの孔がつくられ、木炭や備長炭以上の効果があるといいます。炭の4大パワーである、抗菌、消臭、遠赤外線効果、調湿機能がよりアップされ、体内の血液の流動性を高める機能も期待できるとのこと。何しろ糸そのものが炭ですので、その炭特有の効果は、生地が破損するまで持続するというメリットもあります。

 見た目は炭の色がわずかに混じっている程度の杢調で綿は高率混です。

 それにしてもコットン、それも超長綿を燃やしてしまうとは、と抵抗を感じました。でも後で「炭の恵み」が私たちの体をリカバリーさせてくれるというビデオを見せていただき、納得しました。
 ブースでは足を止める来場者が多く、「綿Tec.ナチュラルカーボン」展は、大好評だったようです。

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2016年4月26日 (火)

ファッションワールド東京 両面プリントの画期的ファスナー

  今月初旬、東京ビッグサイトで開催されたファッションワールド東京では、前シーズンからテキスタイル展が登場しています。
2_2  このエリアに出展した直本工業が、大きく打ち出していたのが、連続式ファスナー両面昇華染色機による両面プリントのファスナーです。
 ファスナーがかみ合うエレメント(務歯)まで、すべて鮮明なカラーで両面プリントされていて、画期的技術と思いました。

 アタッチメントを使えば金属ジッパーにも対応可能といいます。

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 ファスナーもこんな風にプリントできるとは、それも両面です。アパレルからバッグなどの小物まで、デザインの幅が広がり、楽しくなりますね。

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2016年4月25日 (月)

ファッションワールド東京 シャツブランドに注目

 第3回ファッションワールド東京がこの6~8日、東京ビッグサイトで開催されました。その新進気鋭のブランドが集まるデザイナーズエリアで、さわやかなコットンのシャツブランドを2つ見つけました。

Img_55191jpg  その一つが「commolai」です。これは韓国人デザイナーで文化出身、朴 賢根さんが手がけるブランドで、昨秋から東京を拠点に活動を始めたといいます。ブランド名は、“普通ではない、「common 」ではない” という意味で、“枠からはなれて考える”がコンセプト。今秋冬は“バランス”をテーマに、パネルを重ねたり、切り替えを変化させたり、プロポーションを変化させたシャツのコレクションを打ち出していました。

Img_55151 もう一つは「カバ」のアイコンをつけた「s&nd(セカンド)」です。カバはおっとりと優しい外見なのに、水中では俊敏な動きをする意外な一面を持つ動物です。ブランド名はこのカバの2面性とプロゲットが手がける2番目のブランドという意味をかけたものだそう。ボタンダウンシャツなど、ベーシックを楽しむシンプルな提案が中心です。

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2016年4月24日 (日)

荻原延元 個展・回顧展 すばらしい日本画の世界

 画家で川村学園女子大学教授の荻原延元先生が、先月23~27日、荻窪の画廊で個展・回顧展を開かれました。先生には服飾文化学会で大変お世話になり、お礼も兼ねて行ってきました。
Ogiwara2016dm02306x220     「旅路十題」と題された絵日記は、繊細な筆致の中に強さがあって旅情にあふれています。優しいタッチの絵巻物も印象的でした。
 それにしても、こんなにもいろいろなところ、奥州路や大和路、信濃路----、それに中国の桂林などにも旅をされていたとは! 先生の博識ぶりは、旅から来ているのかもしれません。
 
Img_53032  ギャラリートークは、お人柄そのままの率直な語り口で、ユーモアたっぷり、楽しく拝聴しました。

 ホールでは、大作「朱の船底」の大胆な構図や色使いに驚嘆し、院展に出品されたという美しい「午後」などの力作を拝見。すばらしい日本画の世界を堪能した一日でした。

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2016年4月23日 (土)

京都 織物文化館 圧巻の「織物の意匠にやどる琳派」展

 去る3月半ば過ぎ、思い立って京都の川島織物セルコン 織物文化館を訪れました。
Gy1506160201  京都駅から地下鉄とバスを乗り継いでいく、自然豊かな地にあります。

 館内は創業170年の歴史の重みを感じさせる展示品がずらりと並んでいて壮観でした。

 どうしても見てみたいと思っていた特別展示「織物の意匠にやどる琳派」展はさすがにすばらしく圧巻でした。昨年は琳派400年記念の年でもあり、同館は、同社の織物デザインを手がけた最後の琳派、神坂雪佳のデザインを中心に展示していたのです。

Gy1506160204  右はちらしに掲載されていた「扇ちらし日本名所之図」です。
 実業家浅野総一郎が建てた紫雲閣の天井原画で、神坂雪佳が残したデザインが主体になっているといいます。明治期とはいいながら、思いがけなく大胆に単純化されていて、モダンな印象を受けました。美しい色彩のハーモニーにも心を打たれました。

 川島織物セルコンの伝統の大きさを強烈に感じた訪問でした。

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2016年4月22日 (金)

大妻女子大学でユニバーサルファッションショー開く

  大妻女子大学千代田キャンパスで、先月末、ユニバーサルファッションショーが開催されました。
Fashionshow_poster20160326636x892   これは同大学家政学部被服学科の大網美代子先生が、研究を進められてきた障害があっても着られる衣服のファッションショーです。

 テーマは「衣服におけるバリアフリーの提案――身障者と健常者が共有できる服―」で、大網先生は、次のように語っています。「身体に障がいを持っている人が、着たい服が着られないという社会のニーズに対して、大学ならではの立ち位置で提案したい」。そしてショーに至る経緯について、きっかけは埼玉県総合リハビリテーションセンターからの電話で、「身体が不自由な方の服はできないか」という相談をされたことだったそうです。そこで、平成25年から、被服学科のものづくりとしての教育的な視点と女子大生の感性を生かした商品開発の双方を追求する取り組みを始めたといいます。
 アパレルの現状を見ると、身障者向けの服は手に入らず、サイズ展開がない。あったとしてもインナーやルームウェア的なもので、外出着やフォーマルウェアはほとんどない。個別に対応していくしかなく、オーダー服となると高額になる-----、など不満が多い。
 これを解消するために、先生の研究室では、①身体機能や安全に配慮した服、②ファッション性がある服、③衛生的で手入れが簡単な服、④価格を抑えた服を軸に、衣服を開発したといいます。デザインでは、機能美に特化し、着脱のしやすさ、可動域の考慮、車いすの方に向けて座位姿勢への対応に留意。20代でも50代以上のシニアでも着用でき、また男女差のない服を目指したとも。

 ショーには、埼玉県総合リハビリテーションセンターの利用者、男性一人を含む5名と大学生がモデルとして出演。女子大生と共有できる服の数々が披露されました。
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 とくに秀逸と思ったのは、着用者が着方を自由に変化できるデザインです。フリルのケープをぺプラムやスカートに変化させるなど、パネルの付け替えで変えられるアイディアのある服がたくさん登場しました。
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Img_54081_3  フィナーレは、明るい色彩のインクジェットプリントのブラウスと、ソワレのロングドレスで締めくくりました。
ドレスは襟元のボタンとボタンホールに仕掛けのある美し いものです。

  いずれも工業用パターンに落とし込み、量産化を考えているとのことで、今後の展開が楽しみです。
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2016年4月21日 (木)

日本科学未来館 「9次元からきた男」に見る宇宙の始まり

 日本科学未来館が、この4月20日、リニューアルオープンしました。
9dimensions_20160_204_2  これを記念する3Dドームシアターガイア最新作映像「9次元からきた男」の試写会と、映画を科学監修された素粒子論の権威、カリフォルニア工科大学教授・理論物理学研究所所長の大栗博司氏のレクチャーに先月末、行ってきました。

 映画「9次元からきた男」は本当に衝撃的でした。3Dドームというのは初めての体験で、真に迫る大迫力とはこういうのをいうのでしょう。すべてが超リアル、まるで目の前で起こっていることのように思われました。映像は美しく、天空にきらめく星々が忘れられません。
 それにしても「9次元」とは不可思議です。副題となっている「すべては“ひも”で出来ている」とはどういうことでしょう。見る前は謎だらけでしたが、見終わってなんとなくわかった感じになりました。

Img_54151  この映画は物理学の究極の目標である「万物の理論」がテーマになっています。「万物の理論」とは自然界の法則、すなわち「宇宙はどのようにして始まったのか、宇宙はどのようにできているのか」を解明することです。この理論の一つが大栗先生の「超弦理論」で、映画はこの仮説を元に、ホラー映画界の第一人者、清水崇監督が1年がかりでつくられました。まさに力作です。

 大栗先生は「9次元から来た男とは何者か」がテーマに、「超弦理論」をわかりやすく解説してくれました。宇宙誕生のワクワクするようなお話があり、世界はミクロとマクロの二つの矛盾する法則であらわされているといいます。「超弦理論」はこの二つ、マクロな重力の法則とミクロな素粒子の法則を結びつける究極の統一理論で、これを可視化したのが「9次元から来た男」です。今、私たちは3次元の空間を体験していますけれど、超弦理論では空間は9次元とされていて、物質の基本単位は点ではなく“ひも”であるといいます。この辺からチンプンカンプンになってきます。

 映画では、「9次元から来た男」は「T.o.E.(トーエ)」という名前で表現されています。ストーリーは、科学者たちがこの「T.o.E.(トーエ)」を探す旅物語です。彼を追いかけるうちに、観客も科学者と一緒に、素粒子の世界や宇宙の始まりへ旅をします。9次元まで、次元が折りたたまれていく映像もおもしろかったです。

 難解でしたが、理論物理学者が見ている究極の景色を体験し、宇宙の謎にますます興味を持ちました。楽しい夢が広がります。どうぞ日本科学未来館のドームシアターガイアに足を運んでみてはいかがでしょう。

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2016年4月20日 (水)

「PARISオートクチュール-世界に一つだけの服」展

 オートクチュールの始まりから現代に至る歴史を概観するモード展、「PARISオートクチュール-世界に一つだけの服」が今、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催されています。
1604_ara_08_paris01  美術館が服飾を取り上げるとは興味深く、先般見に行ってきました。 

 オートクチュールとは、顧客の注文に合わせてデザイナー主導で仕立てる高級服のこと。19世紀後半に誕生し、パリ・オートクチュール組合(通称サンディカ)が結成され、1950年代には100を超えるメゾンが加盟していたといいます。しかしその後、メゾンの数は減少し、90年代には18にまで落ち込んでしまいました。ところが近年、時代の変化から少し勢いを取り戻しているようです。フランス国外からアルマーニなどがサンディカに加入したり、またコレクションにゲスト参加したりするブランドも増えています。ショーやレッドカーペットで着用する著名人や超富裕層の女性たちを目にする機会も多くなりました。

 本展ではその華麗な衣装が、約130点展示されています。ディオールやシャネル、バレンシアガなど、そのほぼ全てがガリエラ宮パリ市立美術館所蔵のもの。パリのグランパレで催された展覧会を、同館ならでは視点でよりわかりやすい形で再構成したといいます。
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 それでは順を追ってご紹介していきましょう。

 第1章「オートクチュールの発明19世紀」では、オートクチュールの始祖、ウォルトのバッスル・ドレスとクリスチャン・ラクロワによる現代のイヴニング・アンサンブル(チラシ掲載のもの)を一緒に展示し、新旧を比較しながら鑑賞できるようになっていました。大振りの柄はラクロワによるウォルトへのオマージュといいます。

 第2章「コルセットの終焉から狂乱の時代のジュエル・ドレスまで1900-1929」では、ポール・ポワレのロジーヌの香水瓶が目を引きました。刻まれた文字や花が、何とも日本風。ジャポニズムそのものといった感じでした。
 また横に寝かせられていたのが、20年代に大流行したダンシングドレスです。ドレスに付いている装飾が重過ぎて、ボディに着せると生地が傷むそうです。当時の女性たちはそんなに重いドレスを着てダンスに興じていたのですね。

Img_54901  本展一番のスペクタクルが、第3章の「贅沢なエレガンス30」で、写真撮影も許可されている唯一の場所です。広いサロンには世界最高峰の職人技を集めた美しいドレスがディスプレーされていました。
 ここでとくに印象的だったのが、写真でしか見ることができなかったエルザ・スキャパレリのイヴニング・ケープ(右)です。
 彼女の代名詞となったショッキングピンクの色鮮やかなクレープデシンに、金糸で大きな太陽のモチーフが刺繍されています。

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 またもう一つ、魅せられたのがスキャパレリのイヴニング・グローブ(左)です。

 爪に金属が使われていて、その研ぎ澄まされたシュールな感覚に、どこか尋常ではない不安のようなものを覚えました。

Img_55051Img_54971  ジャンヌ・ランヴァンの「青い鳥」ドレス(右)や、マドレーヌ・ヴィオネのイヴニング・コート(左)など、シルエットの美しさに見惚れるドレスがあふれるコーナーです。 
 第4章「オートクチュール、40年代に直面」に向かう途中にある、暖炉のある部屋にはイブ・サンローランの黒いドレスがスケッチとともに置かれていました。前から見ると何の変哲もないデザインですが、後ろの鏡でバックスタイルを見ると、レースが大きく刳れています。彼がいかに肌の露出にこだわり、人をドキッとさせる効果を狙っていたのか、その秘密がわかった気がしました。 
 その先には、バレンシアガの黒いウールのドレスがあり、裾にキモノ特有の赤いふき返しがあるのを発見したり、また「テアトル・ド・ラ・モード」のドレスの美への願いに感動したり。
 さらに進むとウィンザー公爵夫人がクリスチャン・ディオールに注文したというイヴニングドレス「パルミール」も展示されていました。パルメット(棕櫚の葉)模様の凝った刺繍がゴージャスでした。

 フロアが変わって、最後の最終章「オートクチュールの現在」まで見どころ満載です。
 ファッション関係者には必須の展覧会ではないかと思いました。
 開催は5月22日までです。

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2016年4月19日 (火)

2016/17秋冬ネスト+パッサージュ展 「For Woman」テーマに

  「ネスト+パッサージュ(NEST+PASSAGE)展」は、厳選されたブランドが集まる展示会を開催してきたNESTと、女性の為のライフスタイルプロダクトが集まる合同展を開催するGAS AS I/Fとが、共同企画した合同展示会です。先月22~24日、東京・代官山で、「For Woman」をテーマに行われた2016/17秋冬もの展には、ファッションからアクセサリー、ライフスタイルプロダクト、オーガニックアイテムまで、幅広いブランドが参加。いずれも”自分らしいライフスタイル”を表現するものばかりでした。

 その中で注目したファッションブランドをご紹介します。

〇アカネ ウツノミヤ AKANE UTSUNOMIYA
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Img_51821_3    ブランドを手がけるのは、ロンドンのセントマーチン出身のデザイナー、蓮井 茜さん。
   Modern, Luxury, Creativity を軸に自分なりの表現を見ていただきたいといいます。
  今季、こだわりの素材は、ネップヤーン使いのニット、エナメルやベルベットも散見されます。
 とくにグラデーションに染めたインディゴデニムの一連も人気の様子、ご本人もパンツを着用されていました。

〇ジュン オカモト Jun Okamoto
Img_51941_3 ブランドを手がけるデザイナー、岡本順さんは、自らが書く物語をテーマにコレクションを展開しています。
  今季のテーマは「時」で、「彼」から見た「彼女」の様々な情景を切り取り、プリントやディテールに落とし込んだといいます。

Img_51931  全体にスポーティでリラックスした感覚にあふれたコレクションで、とくに目がテンになったのがパーカです。繊細なシワのある表面感やしなやかさとボリュームのある質感を、シンプルに生かしたデザインで、スウェットとは思われないエレガントな趣を感じました。

Img_51651_3〇ナイフ NAIFE
   切れるナイフのように「ストレートに、大胆に」新しい視点を提案するブランドで、デザイナーの梶永真治さんが手がけています。


Img_51671  今季テーマは「ポストイット」で、綿のグレージャージーにカラフルな付箋をオプティカルアートのように貼りつけたり、ファスナーに付けたり、ポケット口にメモ用紙をあしらったり。 楽しいデザインがいっぱいのコレクションでした。

〇ペイジ PAIGE
Img_51891  前シーズンは高級感のあるパジャマを訴求していましたが、今シーズンはそこから抜け出し、ルームウェア=室内のようで、ルームウェアではないワードローブを提案しています。
 「ペイジ」とは「社交的なのに実はシャイな女の子」の意味だそう。そんな雰囲気のシンプルで甘すぎない、少し辛い世界観を表現しています。上質な素材使いで、着る人のナチュラルな美しさが引き立つコレクションです。

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2016年4月18日 (月)

2016/17秋冬「PRO1.」展 新進気鋭のブランドが集結

 国内外の新進気鋭のデザイナーブランドを集めた「PRO1.」の合同トレードショーが、先月22~24日、東京・恵比寿で開催されました。 
 MBFTW東京コレクションで、2016/17秋冬コレクションを披露したブランドも少なからず出展していた展示会でした。そのときのショーを見逃してしまったブランドを中心にご紹介します。

〇インプロセス IN-PROCESS
Img_51591  ファッションデザイナーのスティーブン・ホールと大原由梨佳が手がける同ブランドの今季テーマは、「SOMEWHERE TO ELSEWHERE」。1980年代のドイツのアーティスト、ジャドランコ・レベックの作品からインスパイアされたといいます。 その"動”の動きや抽象的な表現に導かれたというプリントワークは圧巻でした。Img_51571ワードローブにはピケやニットにのせたプリントのシンプルなデザインのワンピースやトレンチコート、トップスが並びます。ダークトーンを基調にカラーブロックなど、シックでモダンな感覚に仕上げていました。

〇シガ SHIGA
Img_51611  リック・ベッソン監督の映画「Le grand blue」に着想し、ウインターマリン“abyss(深海)”をテーマに、海底の静寂さや色鮮やかな生物の生命力を重ね合わせたといいます。ブランドを手がけるデザイナーの志賀亮太さん自身も海底40mまで潜り、その感動体験をワードローブに落とし込んだとか。
 素材は日本全国の産地で出会った職人技が取り入れられていて、ユニークです。たとえば尾州のウールのダブルフェイスに桐生のニードルパンチ加工、岐阜の極細ウールのカシミアタッチのニットにペンシルストライプ柄、米沢のブークレ調チェック柄のものなど。職人の技術とクチュール感やストリート感を巧みにミックスしたコレクションでした。

〇東京ニューエイジ 
 今回、新作を披露したのは、次の5ブランドです。青木明子の「アキコ アオキ AKIKOAOKI」、吉田圭佑が手がける「ケイスケ ヨシダ KEISUKEYOSHIDA」、村上亮太、村上千明の親子デザインデュオが手がける「リョウタ ムラカミ RYOTAMURAKAMI」、横澤琴葉が手がける「コトハヨコザワ kotohayokozawa」、大月壮士が手がける「ソウシ オオツキ SOSHI OTSUKI」。

 「アキコ アオキ」(写真下)は、1920年代の「華麗なるギャッピー」に思いを馳せ、あきらめてしまった思いをカタチにしたといいます。チェックを脱色したドレスに、その挫折感が表現されているようです。
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 「コトハ ヨコザワ」(写真右)は、祖母がやっていた洋裁店のイメージと今の好みを重ね合わせて、デザインしたとのこと。ちょっとレトロな感覚が人気を集めそうです。

 「リョウタ ムラカミ」も母との25年間の思い出を胸に、新しい未来に向けたコレクションをデザインしていました。

 たまたまブースにいた皆で記念撮影しました。左から横澤琴葉、村上亮太、吉田圭佑、青木明子の4人です。世界に大きく羽ばたかれることを期待しています。
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2016年4月17日 (日)

2016/17秋冬アンビアンス 「独自の勢い」テーマに合同展

 先シーズンより新しくスタートした合同展「アンビアンスambiance」が先月中旬、東京・渋谷で開催されました。参加したのは19の若手ファッションブランドで、「独自の勢い」をテーマに、2016/17秋冬向け新作を披露しました。

〇エルザ・ウィンクラー ELZA WINKLER
Img_48241  今季で4シーズン目を迎える日本のブランドで、手がけるのはデザイナーの中井英一朗さん。テーマは小道を意味する“path”で、枝分かれするカットの技が、才能を感じさせます。
 背筋がピンと伸びそうなコートなど、しっかりしたシルエットが美しいエレガントなコレクションです。

〇ヴェントリロクイスト Ventriloquist
Img_48181  この腹話術師という意味を持つブランドを手がけるのは、ファッションデザイナーの根本貴史さん。
 今季も1点1点、手間暇かけて仕上げたコレクションを見せていました。

Img_48191  がま口バッグの新作も出ています。
 どこか古き良き昔をしのばせる、あたたかい温もりのあるデザインに魅せられます。

 

〇ヤナギサワ・ヨウジ YANAGISAWA YOHJI
Img_48141  不足の美や未完の美といった禅の美意識を服に込めて、コレクションを展開しているのが、デザイナーの柳澤陽司さん。そのストイックな情緒性を追求したものづくりに注目しています。
 今季も、墨汁染、ろうけつ染など日本でかつて使われた染色法を織り交ぜ、水墨画のような黒の濃淡のみで、その世界観を表現していました。

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2016年4月16日 (土)

2017春夏向け桐生産地展 「丸中」の木の皮テキスタイル

 先般の2017春夏向け桐生産地展で、木の皮をそのままテキスタイルにした生地を見つけました。手掛けるのは和装、洋装の産元商社、「丸中」です。
Img_44031  木の皮をごく薄切りにして、ポリエステル生地に張り合わせた新素材です。木はヒノキやスギなど様々ありますが、桐生市からの発信ということで、主に桐の木を使っているといいます。
 私は以前、スギの間伐材を成形したバッグを取材したことがあります。これに似ていると思い、お聞きしましたら、このバッグの開発者であるプロダクトデザイナー島村卓実氏とコラボし、「KIRMON(きりもん)」というテーブル雑貨ブランドも発表されているとのことでした。この木の皮テキスタイルはその一環のようです。

Img_44061  強く曲げると折れやすいなど、改良の余地がありそうですけれど、木の皮の服などが出てくるなど、ちょっと楽しみな展開が期待されます。

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2016年4月15日 (金)

2017春夏向け桐生産地展 カットジャカードが人気

 2017春夏向け桐生産地の総合テキスタイル見本市が、先月9~10日、東京・青山で開催されました。
Img_43751  新しい商材を探すバイヤーが多数訪れ、なかなか盛況でした。来場者は2日間で1,024人と発表されています。 
 出展社は26社で、その内和装部門は12社と前回に比べ倍増です。テーマは「トランススタイル」で、和と洋のスタイルを超えるものづくりを目指す意気込みのようなものを感じました。

 注目されるのはジャカードの新作で、とくに世界的なトレンドとなっているカットジャカードが人気のようです。
Img_43901  透けるような薄地のものが中心で、表切りや裏切り、長い糸を出したものやフリンジなど。白や白との二色使いなど、明るい色使いのものが多くなっています。

 左の須裁のジャカードは、リボンが布に付いているような表面感で興味をそそられます。

 津久弘織物工場もコットンがらみの軽やかなカットジャカードを多数取り揃えていました。
 N77/C23                  N48/C52
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 この他、桐生絹織(左下)          ミタショー(右下) L53/C47
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Img_43881_3  Tex. Box(右)のニードルパンチです。デザインが斬新でつい目が引き込まれます。

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2016年4月14日 (木)

プラグイン3月展 山椒は小粒でもぴりりと辛いブランド

 ファッション・アート・ライフスタイル合同展「プラグインPLUG IN」が、先月3月9~11日、渋谷ヒカリエで開催されました。以前よりもアクセサリー雑貨ブランドが増え、アパレル関係が少なくなったようです。とはいえ若いエネルギーに満ちた活気のある展示会で、盛況でした。来場者も4,315人と発表されています。

 ファッション関連で、山椒は小粒でもぴりりと辛い、と思ったブランドをいくつかご紹介します。

Img_43171  まずは「アロマティック(AROMATIQUE)」です。ノースショア社のインナーブランドで、2014年にデビューしたとか。超長綿のシンプルで気品に満ちたデザインに魅せられました。 
 素材はイタリア製世界最高品質の綿糸ブランド「フィロスコッチア」。その糸を日本で編み立てたエレガントなインナーです。自然な光沢が美しい、まさに一級品。使用されているリバーレースにもこだわりが感じられます。

Img_43221  次に「Bruno」です。ふんわりとしたパーカを並べていました。和歌山県のニッターでしか編めない、世界でも珍しい吊編み生地を使用しているといいます。
 吊編みとは編み地に一切ストレスを与えない編み方で、1時間に1メートルしか編むことができないというものです。だからやさしく癒されるような感じがしたのですね。

1  「晴耕社」の「udoku」にはびっくりしました。何と「襤褸(ぼろ)ジャケット」を前面に掲げていたからです。これはパッチワークというよりも穴の開いた生地、まさに襤褸の継ぎ接ぎジャケットです。
 同社の社名は「晴耕雨読」で、ブランド名の「udoku」は「雨読」。日本人の伝統的な生活様式である晴耕雨読の精神で、懐かしさや手仕事の温もりの伝わるアイテムづくりを目指しているとのこと。
 そういえば欧米でも「BORO」という言葉が出てきました。ぼろ風スタイルがコレクションに登場する昨今です。
 今や、襤褸はファッションとしてとらえられているようです。

Img_43351  創業90年の三恵メリヤスが手がける「saintete サンテテ」も気になるブランドです。日本国内に残る職人のワザと 経験をカタチにしている「ファクトリーブランド」で、あきのこない上品な大人のベーシックカジュアルを提案していました。

Img_43311  さらにハンカチや手ぬぐいのブランド「ニノクモ(布雲)」。日本人の繊細な職人技に支えられて、つくり出される日本独自のアイテムです。
 手捺染のハンカチの楽しくて新しい魅力を世界に発信していこうという意気込みが伝わってきました。

Img_43411  最後にジーンズ「アントゲージ(ANTGAUGE)」。
 デニムの本場、岡山・児島からレディス・ジーンズウェアを中心に展開しているブランドです。ワンランク上の洗練されたカジュアル感覚が印象的です。

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2016年4月13日 (水)

「J∞QUALITY展」寝具寝装品や靴下から手袋に拡大

 先月のメルセデス・ベンツ・ファッションウィーク東京の期間中、純国産ファッションを示す認証制度「J∞QUALITY展」が渋谷ヒカリエで開催されました。
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 展示されたのは、オンワード樫山 「五大陸」 スーツ、三陽商会 「COTOO/コトゥー」 セーター、「SANYO」 100年コート、東京スタイル 「ナチュラルビューティー」 ジャケット・ワンピース、東京ソワール セットアップフォーマル、株式会社レナウン 「D’URBAN/ダーバン」 スーツの6ブランドで、なかなか壮観でした。いずれも世代を超えて愛されている商品で、売れ行きもよいとのことです。

 本制度はスタートから1年が経過、現在、認証企業は500社以上に広がっているといいます。今年度からは、寝具寝装品や靴下分野にも事業を拡大。また昨日のこのブログでご紹介した手袋分野についても、今年度中にガイドラインを作成し、認証事業を開始するとのことでした。
 今後どのような商品が出てくるのでしょう。楽しみです。

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2016年4月12日 (火)

「香川手袋ラボ」展 「疾駆」テーマに義手のための手袋も

 先月行われたメルセデス・ベンツ・ファッションウィーク東京で、主会場となった渋谷ヒカリエにて、「香川手袋ラボ」16秋冬展示会が開催されました。

Img_46771  香川県東香川市は何と国産手袋の90%を生産する一大産地です。その原点は日本でメリヤス手袋の製造が始まった1888年だそうで、2014年に「1888手袋ラボ」を結成、「香川手袋」を産地ブランド化したといいます。
 今季展では、同市の手袋企業14社が「疾駆(シック)」をテーマに実験的で革新的な手袋を展示していました。
 アラン編みの無縫製手袋から、墨流し染や津軽こぎん刺し、会津蒔絵など日本の伝統工芸を取り入れたもの、片手300枚以上ものパーツをパッチワークして職人が3日かけて仕上げたもの、クロコダイルを縫い合わせた15万円のものまで、様々な手袋がディスプレーされていました。みんな「これは!」と思うものばかりです。

Img_46911  こうした中、興味を引かれたのが、筋電義手(左写真)への取り組みでした。
 筋電義手とは、筋肉を動かすときに発生する微弱な電力を読み取り、動作を制御する電動義手です。同ラボでは、これを開発したイクシー社と協働して、手の機能を補い拡張するための手袋づくりを目指しているといいます。

 日本から義手の世界に革命が起こっています。そしてそのための手袋プロジェクトが進められている、そのことに改めて感銘した展示会でした。

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2016年4月11日 (月)

“バイオミミクリー”に注目/「流行色」2016 SPRING号

Scan0442  日本流行色協会発行の「流行色」2016 SPRING号に、「生物のデザインに学び、模倣する“バイオミミクリー”に注目」の記事が掲載されました。“バイオミミクリー”がファッション素材に広がっていることや、生態系に寄り添うデザインであることを語っております。

 まさに「一寸の虫にも五分の魂」。どんな生き物にも学ぶところがあるのです。生けるもの侮れません。
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2016年4月10日 (日)

AW16/17ミューラル テーマは「ユートピア」

 「ミューラル(MURRAL)」は、デザイナーの村松祐輔と関口愛弓が手がけるブランドです。今季初めて東京・代官山でモデルを使ったプレゼンテーションを行いました。
 ドライアイスのミストが立ち込める中での幻想的なショーでした。
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Img_52111_2  テーマは「ユートピア」で、静穏な理想郷をイメージしていたようです。

 ポイントはカトレアの花の刺繍で、パープルにグリーンの彩りがシンプルなアイテムに華やかさを添えていました。

 ダルメシアン柄やボーダー、また和歌山産フェイクファーやパイル使いなど、こだわりの素材で温かいファンタジー感を盛り上げていたのも印象的です。

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2016年4月 9日 (土)

AW16/17トクコ・プルミエヴォル 「ノルディック」テーマに

 パリ在住のデザイナー前田徳子が手がける「トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er VOL)」が、先月末、恵比寿ガーデンプレイスで、2016/17年秋冬コレクションを発表しました。
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Img_54791  毎シーズン、様々な国に着想したコレクションを展開する同ブランド、今シーズンのテーマは「ノルディック」です。デンマークやスゥエーデンを旅したときの思い出を胸に、デザインされたといいます。

 登場したモデルは、北欧の魅力たっぷりのメルヘンの世界。北欧らしいフォークロアのモチーフやトナカイ、雪の結晶柄などが、プリントされたり、刺繍されたり---、カラフルな装飾に包まれて、楽しげなウインターロマンを描き出しました。

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  美しい夢でも見ているかのような、うっとりとさせられたコレクションでした。

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2016年4月 8日 (金)

AW16/17ミドラ 「窓の外」テーマに都会のアウトドア

 ファッションデザイナー、安藤大春が手がける「ミドラ(MIDDLA)」のコレクションは、異素材組み合わせや巧みなカットが斬新で、いつも注目しています。

Img_51411  今シーズンは展示会ではなく、ランウェイショーで、2016/17秋冬コレクションが東京国際フォーラムを会場に、先月末披露されました。
 テーマは「窓の外。都会におけるアウトドアという矛盾。」で、大都会に生きる若者の心象風景を思わせる日常着が提案されました。

 ピアノの調べにのせて登場したのは、トラッドな感覚にひねりを効かせたデザインのレイヤードです。ロンドンストライプやウインドーペインなど、切り替えやはめ込みといったディテールのテクニックが際立っています。スポーティなコートやスタジャン、プリーツスカート、シャツなど袖を重ねた着方の提案も見られます。
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 今、すぐにでも着てみたくなるようなカジュアル感のあるアイテムが揃ったコレクションでした。

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2016年4月 7日 (木)

AW16/17オニツカタイガー×アンドレア・ポンピリオ

 アシックスが展開するオニツカタイガーが、イタリアのデザイナー、アンドレア・ポンピリオと組んで誕生した国際的ブランドが「オニツカタイガー×アンドレア・ポンピリオ(Onitsuka Tiger x ANDREA POMPILIO)」です。毎シーズン、観客をブランドの世界観に引き込むショーを見せています。
   今シーズンもMBFWTに参加して、渋谷ヒカリエで盛大なランウェイショーを繰り広げました。
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Img_52291  テーマは「予期せぬ出会い」で、目が向けられたのは、様々な要素の組み合わせから生まれる思いがけない調和です。とくにチェックアイテムのレイヤードなど、斬新なプロポーションやバランス感が目を引きます。

 スポーツウエアをストリートでカジュアルに着こなす、その進化版を目の当たりにしたコレクションでした。
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2016年4月 6日 (水)

AW16/17ヒロミチナカノ 折り紙のジオメトリーに着想

 デザイナー中野裕通が手がける「ヒロミチナカノ(hiromichi nakano)」が2016/17年秋冬コレクションを、MBFWT渋谷ヒカリエで発表しました。
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Img_51921  今シーズンは折り紙のジオメトリーに着想したデザインがたくさん登場しました。プリーツなどのディテールに、それらしい雰囲気があり、折り鶴のモチーフを用いたセーターも見られました。

 またモンドリアン風の大胆な幾何学図形も目につきました。カラーは春夏のようなパステルカラーが中心で、ブライトを効かせています。ラインの黒がダイナミックなコントラストをつくっていました。

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 カクーンシルエットやチューブラインが多く、どこか60年代のツイッギーをイメージさせるコレクションでした。

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2016年4月 5日 (火)

AW16/17ユキトリイ インターナショナル パリのオーラ放つ

 鳥居ユキが手がける「ユキ トリイ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)」が、MBFWTに参加し、恵比寿303で2016/17年秋冬コレクションを発表しました。

Img_51211  ランウェイの背景は、同ブランドのブティックがあるお馴染みパリのパサージュ・ギャラリー・ヴィヴィエンヌを写した巨大写真パネルです。
 モデルたちはこのブティックでショッピングして出てきたばかりというような雰囲気で現れ、ハイソなパリのオーラを一杯に振りまきながら、楽しそうにウオーキングしました。 

 最初に登場したのは、洗練されたタイガー柄のコートで、この動物柄はショー全体のポイントになっていたようです。

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 シャネル風のツィードスーツやニット、バラの花のプリントのドレスとのアンサンブルなど、パリの風景に溶け込むようなエレガントなフレンチシックが続き、ゴージャスなレース使いのイブニングへ、そして最後を締めくくったのはブルーのウエディングドレスでした。

 いつもそうなのですが、パリの香りあふれるコレクションにうっとりと魅せられました。

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2016年4月 4日 (月)

AW16/17アディアム「Japanese Arts & Crafts」テーマに

 ニューヨークを拠点に活動するデザイナー、前田華子が手がける「アディアム(ADEAM)」。2013年からニューヨークコレクションに参加しているといいます。ちなみにブランドネームはデザイナーの名前、MAEDA(前田)を逆さにしたものだそう。

 今シーズンはMBFTWで、その2016/17秋冬コレクションが発表されました。会場は東京ミッドタウンでした。
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 コレクションノートによると、コンセプトは「芸術性と機能美を融合した日常のラグジュアリー」で、今季のテーマは「Japanese Arts & Crafts」。日本に古くから伝わる身近な工芸品が発想源といいます。とくに焦点を当てたのは「ボロ」の継ぎ接ぎ技術で、今回のコレクションではこの技術がオーバーサイズのウールのコートや、ベルベットとシフォンをパッチワークしたドレスなど、様々なアイテムに使用されているそうです。
 また日本伝統の組み紐にも注目していて、デニムの紐を編み込んで制作した、甲冑のようなデニムドレスやビスチェトップなども提案されています。
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 ピアノの生演奏にのって現れたモデルは、いずれもカットの巧みなシンプルなデザインで、カラーもシックなモノトーン調。洗練された大人のエレガンスにあふれていました。

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2016年4月 3日 (日)

AW16/17ユマコシノ アールデコをポップに表現

 ファッションデザイナー、小篠ゆまの「ユマ コシノ(YUMA KOSHINO)」が、MBFTW渋谷ヒカリエで、2016/17年秋冬コレクションを発表しました。

Img_50551  コレクションノートによると、コンセプトは、「アールデコをポップにエッジーに発展させた、モダンラグジュアリーなコレクション」といいます。

 女らしい小粋なワードローブがラインアップ。肩口を強調したフレアースリーブや、ふくらんだジゴ袖も繰り返し登場しました。このふくらみは短い丈のパンツにも見られ、ロココ的な趣で印象に残っています。

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 素材はジオメトリック/グラフィックなアールデコ調のプリントや、ボタニカルモチーフのジャカードデニム、パステルトーンの薄地ウール、つややかなベルベットやレースなど。

 カラーはパープルやブルー、ラメやゴールド箔も目立っていました。
 色使いが美しい、リッチな印象のコレクションでした。
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2016年4月 2日 (土)

AW16/17ヨハン クー 映画「遊星からの物体X」テーマに

 台湾出身のヨハン クー(Johan Ku)が手がける、自身のブランド「ヨハン クー・ゴールド・レーベル」が、今季もMBFTWに参加し、2016/17年秋冬コレクションを渋谷ヒカリエで発表しました。 

Img_50381  今シーズンは、アメリカのホラーSF映画「遊星からの物体X (The Thing)」がテーマです。
 映画の舞台は南極大陸で、ここで発見された謎の生命体が次第に人類に擬態化し、人間を襲うという、ちょっと怖いストーリーです。

 コレクションには、そんないくつかのシーンが落としこまれていました。

 シルエットは肩にボリュームを持たせたタイトなラインが中心で、黒や光る素材が多用されています。
 暗転して発光する服も登場し、ミステリアスなムードを盛り上げていました。写真左のモデルが右のように光ります。
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 終盤には、黒い爪のような物体をつけたモデルが現れて、映画の攻撃的な場面を連想させるフィナーレとなりました。
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2016年4月 1日 (金)

AW 16/17ヒロココシノ 「混沌」テーマに東洋の美をミックス

 小篠弘子が手がける「ヒロココシノ」のImg_49681MBFWT 16/17秋冬コレクションが、恵比寿のザ・ガーデンホールで開催されました。

 テーマは「混沌」で、サブテーマは「あるいはアジアの美しさについて」です。
 アジアとあるように、モチーフは様々な東洋の美です。中国の成都への旅行がきっかけで、視点が変わったといいます。
 とくに日本の伝統文化に着想したと思われるデザイン、袴や帯などから家紋、書体や絵巻物に見る図案などが数多く登場しました。それらの要素が複雑に組み合わさり入り乱れながら、不思議な調和を醸し出しています。
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 ショーを見てコレクションノートに書かれていることの意味が分かった気がしました。「あなたのコンテンポラリーな感覚はわたしの中にたしかに溶け込んでいる。----ほら、私はこんなにも鮮烈な混沌を身にまとう」。

 伝統を守りながらも新しいカタチを創造する、アーティストデザイナーならではの感動のコレクションでした。

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