ミラノウニカ開幕 新生へ「ユニークであるために力を結集」
この8日に日本を出発し、ミラノに来ました。欧州テキスタイル見本市視察旅行で、ミラノの後、ロンドン、パリを巡ります。
ミラノではイタリアのテキスタイル見本市、第22回ミラノウニカを取材しました。
イタリアのファッション業界は今、あらゆる面において変革期を迎えているといいます。ミラノウニカも大きな変動の渦中にあるようです。その最大の変化は、新会長エルコレ・ポット・ポアーラ氏の登場です。
初日、ミラノ市長ジュリアーノ・ピザピーア氏を迎えて催されたオープニングセレモニーも、場所が変わるなど、スタイルが様変わりしていました。しかしそれ以上に驚愕させられたのが、この見本市会場が移転するという発表です。これにより「この9月からすべてが変わる」といいます。
冒頭、挨拶に立ったポアーラ氏(写真右)は、次回からローの新見本市センターに移す予定であることを宣言されました。ここは昨年ミラノ万博会場となった巨大な施設です。同時に新会長のモットーである「ユナイテッド・トゥー・ビー・ユニーク UNITED TO BE UNIQUE (ユニークであるために力を結集)」の姿勢が打ち出されました。ビデオ上映も行われ、インパクトのあるビジュアルやメッセージで、変革へ向けた勢いのようなものが示されました。
見本市はさらなる「エクセレンス」な催しへ、姿を変えることになります。
最後に、「この革新が私たちを未来に導くことになる」と強調し、締めくくりました。新生ミラノウニカへの意欲のあらわれを感じさせられたオープニングでした。
なおイタリアのテキスタイル産業の厳しい経済環境も公表されました。2015年の総売上高は前年比2.2%減。2014年にほぼ80億ドルだったものが78億ドルに減少すると見込まれているといいます。
貿易収支は輸出の減少(2.4%減)に比べて輸入の減少(2.6%減)の方が大きかったため、黒字額は23億ユーロとなり、2014年のレベルを維持したとのことです。
このような厳しい状況下にもかかわらず、今期は出展社数が増えました。371社となり前年同期比9社増です。これに日本と韓国のパビリオン、「ジャパン・オブザーバトリー」と「コリア・オブザーバトリー」を加えますと424社となり、前年の2月展に比べ6%増。主催者はこのうれしい増加を見本市へのゆるぎない信頼の証とみているようです。
実際、熱のこもった商談風景に変わりはなく、活気に満ちた空気がそこかしこに漂っているように思いました。不況とは思われない明るい出足のミラノウニカでした。
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