ギフトショー喜多俊之氏講演―暮らし、デザイン、新時代
第81回東京インターナショナルギフトショー2月展で、イタリアでもっとも著名な日本人プロダクトデザイナーといわれる喜多俊之氏が「暮らし、デザイン、新時代」をメインテーマに特別講演されました。サブテーマは同氏がライフワークとされている「これからはじまる、『新・日本の暮らし』」です。
お話を伺って、日本にはヨーロッパのような「住まいは社交の場」という考え方は根付いていないことを改めて思いました。ミラノでは、同氏が生活を始めた1960年代後半頃から住環境がリノベーションされて、デザイン性のある家具が入り、家は友人知人が出入りするサロンになったといいます。日本でもそうなるかと思っていたけれど、住宅事情の違いからか、なかなかそうならないとも。
欧州の家具メーカーの主要輸出先は、日本ではなく中国や韓国、シンガポールといった国々だそうです。というのもマンションが日本と比べて格段に広い。100㎡以上というのが当たり前で、200㎡あるというところも多く、広々としているのですね。ですから大型家具が置けるのです。中国あたりでは、インテリアや住関連産業が大きく伸びているそうです。
1970年代初めにイタリアで花開いたサロン文化は今、こうした国に来ていて、家でパーティをするのが流行っているといいます。
それでは日本はどうか、というと、他の国にはない伝統文化が残されています。それを支える世界一の技術と「極める」精神もあり、和紙や木工、焼ものなど、世界に展開していけるといいます。
とくに最近は世界の目が日本に向けられていて、同氏が総合プロデュースする住空間のリノベーション見本市、「リビング&デザイン」展に関心が高まっているそうです。たとえば掃除ロボットが走りやすい空間づくりなど---。日本の暮らしをデザインでよみがえらせる提案に注目が集まっているようです。
これからはじまる新しい暮らしへの夢が広がる講演会でした。
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