パリのガリエラ・モード美術館で「見出されたモード」展
パリへ行けば、必ずどこかでモード展が開催されているものです。今回はモードの歴史や服飾専門の美術館であるガリエラ・モード美術館の「見出されたモード La mode retrouvee」展を見てきました。
見出されたのは何かというと、グレフュール伯爵夫人のワードローブでした。19世紀末から20世紀初頭にかけてベルエポック期に、社交界の花形の一人だったという美貌の女性です。「失われた時を求めて」を著したプルーストのミューズでもあったといいます。
着用したドレスには、当時のクチュリエ、ウォルトやフォルチュニー、ババニらの名前があり、写真でしか見たことがなかった本物の衣裳が展示されていて、興味深かったです。当時の流行で黒が多いのですが、ジャポニズム風なものもみられました。
また本展の最後に展示されていた黒ビロードのドレスも、印象的でした。このドレスのインスタレーションの周りに写真が架かっていて、伯爵夫人がこのドレスの襟の形や、刺繍などのデザインを時折変化させていたことがわかったのです。そんな風にして、夫人は長年、このドレスを愛用し続けてきたのですね。
好きな服も、そのときの気分に合わせて少し変えてみることで、長く着ることができます。「簡単に捨てない」ことも大切なことと、改めて思います。
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