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2016年2月

2016年2月29日 (月)

2017春夏PVファブリック スタイルフォーカスに関心

 PVファブリックのフォーラムの一つ、“スタイル・フォーカス”は、Thumbs_rb_0375 デザインやスタイルに焦点を当てた素材のフォーラムです。ファッション情報がアパレル企画に即役立つように、ユーザーに寄り添った形で提供されています。
 今期も、2017春夏に予想されるファッションデザインとそれに見合う厳選されたテキスタイルが展示され、バイヤーの関心を集めていました。

 イラスト写真はその一部です。
① 質朴な洗練 RUDIMENTARY REFINEMENT
Img_41561 <レディス>
〇ドレスのシンプルさを活性化する―   繊細なラスティック素材やシャツ地使いで、シンプルさを高める。(左写真)
〇透明素材でおおう―   透明素材や超軽量素材をアウターに転用する。
<メンズ>
〇矛盾する組み合わせ―   ありきたりのプロポーションを思い切って変化させ楽しむ。
〇オーバーオールにポエジーを―   ワークやジーンズウェアのアイテムであるオーバーオールをシックな服に転調する。

② 小生意気な気品 GENTLY IRREVERENT
Img_41631 <レディス>
〇不均衡をそそのかす―   焦点はキュービズム風の無秩序なスカート。(右写真)
〇楽しさいっぱいに調和を乱す―   リラックスしたドレスをTシャツのように着る。
<メンズ>
〇放埓なスーツ―   反スタンダードで大胆なスーツデザイン。
〇実用性をエナジーアップ―   実用的なワークウェアをリフレッシュ。ジャングル柄など、アンチカモフラージュな柄で。

③ 実験的ロマンティシズム EXPERIMENTAL ROMANTICISM
Img_41671<レディス>
〇ナイーブなものをダイナミックに変える―   レースにジャージを組み合わせて、ミニで。(左写真)
〇スポーツを抜け出す―   ビーチやスポーツ素材をソワレやフォーマルな装いに応用する。
<メンズ>
〇無邪気さで魅せる―   メンズのロマンティシズムを受容する。
〇テクニカルに爽やかさを―   ショート丈の軽快なトラベルウェアで、スポーツをモードに持ち込む。

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2016年2月28日 (日)

2017春夏PVファブリック 新しいバランス感覚を探して!

 2017春夏PVファブリックの素材コンセプトは、「新しいバランス感覚を探して!」です。
Scan0403_2  右のヴィジュアルのように、不安定なバランスを楽しみましょうと、訴えかけます。そこには既定のコードや画一化から屈託なく遠ざかりましょう。そうすればこれまでにないクリエーションが生まれてきます、という楽観的な気分が感じられます。
 従来の見方や角度を変えてみることで、流れを少し変化させてみようというPVの意図が読み取れます。

 2017春夏は個性的なカラーや素材使いで、どこか気になる、心にひっかかる組み合わせを演出するシーズンです。感覚に訴える力が、これまで以上に求められる季節が来ています。

 PVファブリックでは、2017春夏に向けて次の3つのストーリーでファブックを提案しています。

Scan0405_2 ① 質朴な洗練 RUDIMENTARY REFINEMENT

 ドライなテキスチャーや天然/人工のブレンド、力強い自然など。



15 ② 小生意気な気品 GENTLY IRREVERENT

 完璧ではない不完全な美へのニュアンス。コンパクトで超軽量。爽やかなコットン調など。


Scan0407③ 実験的ロマンティズム EXPERIMENTAL ROMANTISM

 人工のシースルーや穴のある構造、科学的光沢など。

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2016年2月27日 (土)

2017春夏PVファブリック キーカラーは光に満ちた赤系!

 2017春夏プルミエールヴィジョン(PV)ファブリックのキーカラーは明るい光に満ちた赤やピンク、オレンジ。
2_2  メインヴィジュアルは、濃いピンクの花にグリーンの葉をあしらったもので、溌剌としたフレッシュで楽しいシーズンが来ることを連想させます。
 トレンド・フォーラムも、そんなエネルギーのある赤系カラーがいっぱい。光あふれる花や果物の香りが今にも漂ってきそうな雰囲気でした。
Img_41471  
1  赤はカーペットや什器、印刷物からネームカードのホールダーストラップまでそこかしこに使われています。

 ジューススタンドも「レッドバー」となっていました。

 景気後退の中、ファッションはどちらかというと停滞気味です。赤系のビタミンを効かせたカラーは、そんな鈍さを吹き飛ばし、個性的で刺激的な風を送ってくれそうです。

 PV提案色は全体に暖色系で、甘くなり過ぎないカラーを中心に、次の3つのグループで発表されています。
① 赤やピンク系のカラーで、花や果肉の色を連想させるカラー。1imageala1_couleurs_ss17test16それに肉感的なカラーです。草食系に対して肉食系を暗示させる、本物のお肉の色にインスパイアされたカラーも入っています。

2imageala1_couleurs_ss17test15 ② 光と影を演出するカラー。夢幻的でとらえどころのない明色と磁力をもつダークの組み合わせ。

3imageala1_couleurs_ss17test2 ③ 不安定なバランス感覚を求めて、配色を工夫し組み合わせるカラーレンジです。

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2016年2月26日 (金)

2017年春夏プルミエールヴィジョン・パリ報告 ⑶

プルミエールヴィジョン・パリ(PVパリ)が18日、3日間の会期を終え閉幕した日のレポートです。
 繊維専門日刊紙の「繊維ニュース」(2016.2.22付け)に記事が掲載されました。Img_37841テロへの警戒心からバイヤー数は減少したものの、一人一人とじっくり掘り下げた商談ができたというブースが多くみられました。写真はその一つで、宇仁繊維のブースです。
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2016年2月25日 (木)

2017年春夏プルミエールヴィジョン・パリ報告 ⑵

 2017年春夏のテキスタイルを発表するプルミエールヴィジョン・パリ(PVパリ)には、新規3社を含む41社の日本企業が出展しました。

Img_38661jpg_2  取材した企業の中から数社について、その様子をまとめた記事が繊維専門日刊紙の「繊維ニュース」(2016.2.19付け)に掲載されました。
 右写真は今回初出展したサンコロナ小田のブースです。
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2016年2月24日 (水)

2017年春夏プルミエールヴィジョン・パリ報告 ⑴

 2017年春夏のテキスタイルを発表するプルミエールヴィジョン・パリ(PVパリ)が、2月16〜18日、パリのパリ・ノール ヴィルパント見本市会場で開催されました。
 今回、私はこの3日間、繊維専門日刊紙の「繊維ニュース」に記事を連載しました。

Img_36961jpg_2   まず初日16日の記事からです。
 写真は記者会見するPV副会長のジル・ラスボルド氏です。「ラグジュアリー市場は、ロシアと中国の低迷にもかかわらず、成長を維持している。」と前向きな発言をされていました。

 トレンドを提案する「ル・フォーラム」では、赤やピンク、サーモンを打ち出し、「元気」をアピール。世界的な景気後退に対抗するかのように思われました。
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2016年2月23日 (火)

2017春夏テックスワールド 「アヴァンプリント」に注目

 パリではプルミエールヴィジョン・パリに一日先駆けて、2月15日にル・ブルジェ見本市会場で開幕したテックスワールド(TEX WORLD 略してTW)に行ってきました。

Img_36541  今回の目玉は、新設されたデジタルプリントの見本市「アヴァンプリントavanprint」です。
Img_36721  参加したのは、プリントやソフトウェアのメーカー、たとえばコーニットデジタルKORNIT DIGITAL(イスラエル)や、イタリアのコモのMS PRINTING SOLUTIONSなど9社で、最新機器の実演が行われたり、私は見ることができなかったのですが、ファッションショーが開催されたりしました。
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 フォーラムには、デジタルプリント生地が壁布のように林立し、その生地で仕立てたドレスが展示され、日本のキモノを思わせるデザインが多かったのが印象的でした。

 TWの方は、中国企業が約500社以上出展していて圧倒的存在感があります。次がトルコと韓国でそれぞれ約60社、インドが約50社、台湾とパキスタンが各20社程度と続きます。

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 アメリカの国際綿花評議会(COTTON COUNCIL INTERNATIONAL 略称CCI)も出展し、各国ライセンシーへのサービス活動に余念がないといった様子でした。

 日本からは一社のみ、リリーレース(西村レース)が参加し、レースにラミネート加工やボンディング加工、和紙レースなど、日本ならではテクニカルなレースを提案、人気を集めていました。

 全体の結果報告では、来場者はテロの影響もあって、前年同期比7%減の12,684 人で、とくにアジアやアメリカからの来場が減ったとのことです。でもこれは想定の範囲内とのことで、逆にEU諸国やロシアは増えたといいます。

 前回の「アヴァンテックス」に加えて今回は「アヴァンプリント」と、新イベントを次々に打ち出すTW、次回は何が出るのでしょう。期待されます。

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2016年2月22日 (月)

パリの装飾美術館でインテリア生地と壁紙の展覧会

Afficheexpo250x370  パリの装飾美術館ではファッションやインテリア関連の展覧会がよく催されます。今回は、同館選りすぐりの壁紙と、ピエール・フレイ(Pierre Frey)のインテリア生地の企画展が開催されていました。

 ピエール・フレイは、1935年の創業でパリに本拠を構えるフランス最大のインテリアファブリックメーカーです。伝統的な装飾を守り続ける一方で、現代的感覚を取り入れたデザインを次々に発表しています。
Img_35991  
 本展ではその80年の歴史を年代順に、またテイスト別に紹介していました。私が興味を持ったのは意外にも日本的なものが散見されたことです。
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Img_35971  型絵染のようなものも見られ、「日本の山々」と名付けられた壁布もありました。そこにアフリカ風の椅子が置かれていたのは、少し変な感じでしたが---。また竹や扇のモチーフもありました。

 今、パリをはじめヨーロッパでは再び室内装飾が見直されているようです。とくに壁面への関心の高まりを感じます。来場者も熱心に見ていましたね。

 日本でも、生活の基本である「衣・食・住」について、「住」生活を重視する人が増えて、住>食>衣の順になってきたといいます。インテリア生地や壁紙を変えて新しい気分を楽しみたい、そんな動きに注目です。

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2016年2月21日 (日)

カール・ラガーフェルド展のピナコテーク・ド・パリ閉館

 先日、パリを訪れ、マドレーヌ広場のピナコテーク・ド・パリ(パリ絵画館)に立ち寄りました。「カール・ラガーフェルド写真展」が開催されていたからです。
Karllagerfeld_3189840879015313514  カール・ラガーフェルドといえば、シャネルやフェンディ、それに自身のブランドも手掛けるファッションクリエイターです。3年前、映画「ファッションを創る男 ―カール・ラガーフェルド―」を見て、ファッションクリエイターであると同時に写真家としての才能にも長けていることを知りました。映画の中で、ビアリッツの別荘で美しい男性モデルを撮影する場面に、どきりとさせられたことを思い出しながら、鑑賞してきました。すべてに美にこだわる彼らしい写真展で、風景写真もすばらしかったです。
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 ところがこの展覧会は、今もう中止というのでびっくりしました。実はこの催しを行っていたピナコテーク・ド・パリが突然閉館に追い込まれたというのです。私はその直前に来館できて、ラッキーだったようです。
 何故閉館?というと、昨年11月のテロの影響で、訪問者が激減したからとか。ピナコテークのような私立美術館は、こうしたことがあると途端に経営困難に陥ってしまうようです。
 私自身は今回パリに来て、テロがあったことをほとんど感じませんでした。でも余波はこんなところに及んでいたのですね。本当に残念!です。

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2016年2月20日 (土)

パリのガリエラ・モード美術館で「見出されたモード」展

 パリへ行けば、必ずどこかでモード展が開催されているものです。今回はモードの歴史や服飾専門の美術館であるガリエラ・モード美術館の「見出されたモード La mode retrouvee」展を見てきました。
1  見出されたのは何かというと、グレフュール伯爵夫人のワードローブでした。19世紀末から20世紀初頭にかけてベルエポック期に、社交界の花形の一人だったという美貌の女性です。「失われた時を求めて」を著したプルーストのミューズでもあったといいます。
 着用したドレスには、当時のクチュリエ、ウォルトやフォルチュニー、ババニらの名前があり、写真でしか見たことがなかった本物の衣裳が展示されていて、興味深かったです。当時の流行で黒が多いのですが、ジャポニズム風なものもみられました。

 また本展の最後に展示されていた黒ビロードのドレスも、印象的でした。このドレスのインスタレーションの周りに写真が架かっていて、伯爵夫人がこのドレスの襟の形や、刺繍などのデザインを時折変化させていたことがわかったのです。そんな風にして、夫人は長年、このドレスを愛用し続けてきたのですね。
 好きな服も、そのときの気分に合わせて少し変えてみることで、長く着ることができます。「簡単に捨てない」ことも大切なことと、改めて思います。

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2016年2月19日 (金)

アートに生きる―ジャック・ドゥーセとイブ・サンローラン

 パリでは様々な展覧会が開催されていました。その中でとくに印象的だったのが、ピエール・べルジェ=イブ・サンローラン財団で開催されていた「アートに生きる―ジャック・ドゥーセとイブ・サンローラン」展です。最終日の間際だったせいか、人が多くて、寒い雨の中、長時間行列してやっと入場しました。
 ジャック・ドゥーセは、ベルエポック期のクチュリエで、イブ・サンローランは言わずと知れた20世紀の巨匠です。二人ともアーティストであると同時に、美術の大コレクターだったのですね。
Acbb405ebf075bbe4eef3032e15e3008  本展では、ゴヤからピカソ、ブラック、ドゥアニエ・ルソー、モジリアーニらの絵画やオブジェ、家具などの名品が目白押し。マンレーによるドゥーセの肖像写真や、アンディ・ウォーホルによるイブ・サンローランの顔をテーマにした作品もあり、すばらしかったです。

 ちらしはモンドリアンのデザインで、イブ・サンローランの有名なモンドリアンドレスはこれが原点。イブ・サンローランのコレクションの秘密を見た思いがしました。

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2016年2月18日 (木)

パリのボンマルシェでアイ・ウェイ・ウェイ展

 パリでは、反体制派中国人アーティストのアイ・ウェイ・ウェイの個展が、何と老舗の百貨店「ボンマルシェ」で開催されていました。
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Img_34641jpg  吹き抜けの館内には、巨大な張りぼての不思議な動物たち、ドラゴンとか頭が3つある魚とかが空中を舞っていて、竹と紙でできているせいか、あっさりとしていて和風な感じです。ウインドーにもそんな作品がずらりと展示されていました。テーマは「Er Xi, Air de Jeux(子どもの遊び)」で、中国最古の地誌「山海経(せんがいきょう)」にヒントをとって制作された新作といいます。

 それにしてもこんなにもすばらしい展覧会を無料で公開し、写真も撮り放題とは! さすがにボンマルシェはすごい、と思いました。

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2016年2月17日 (水)

キュー・ガーデンはランの花の香りあふれるユートピア

 ロンドンに来て、以前から行きたいと思っていたキュー・ガーデンを訪れました。
Img_3350_1jpg  ここは正式にはキュー王立植物園です。2003年にユネスコ世界遺産に登録されました。

 ロンドン市内から地下鉄で30分、駅から徒歩5分という意外にも便利な場所です。

 実はヨーロッパに来る直前、東京・汐留のパナソニック 汐留ミュージアムで世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」展(このブログ2016.1.8参照)を見て、本物のイングリッシュ・ガーデンを見たくなったのです。

Img_3288kew_gardens_1_2  広大な園内でひときわ目立つのがパーム・ハウスです。
  大きな船を逆さにしたような形をしています。

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   扉を開けると空気が急にムワッとしてきて、蒸し暑い。熱帯と同じような環境を保っているのですね。

 ヤシの木や珍しい熱帯植物の宝庫でした。

 このガーデンでこの時期一番の見ものが、プリンセス・オブ・ウエールズ・コンサーバトリーで開催されていたラン・フェスティバルです。 
Img_3309_1jpg   ここはもう様々なランの花々が咲き乱れる、まさにユートピア! 花の香りあふれる夢のように美しい温室でした。

 とくにすばらしい空間と思ったのが、ハンギング・オーキッドがあったところです。たくさんのランの花が空中からぶら下がり、その根のたくましさにも驚かされます。ランの生命力の強さを感じました。
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 他にもミュージアムや日本庭園など、見どころ満載です。
 別の季節はもっといいかも、と思いながら、すてきなひとときを過ごしました。

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2016年2月16日 (火)

ミラノウニカ結果速報 出展社数と来場社数ともに上向く

 第22回ミラノウニカが11日、閉幕し、早くも結果速報が届きました。
Tn_0003_milanounica_201602_photo_by   これによりますと、昨年同期比で出展社数6%増、来場者は来場した企業社数で13%増となり、ともに上向いています。

 詳細は次のようです。
 出展社数は一年前399 社だったのが、424社となり6%増。来場者数は、企業社数で13%増。その内訳はイタリア企業が13.8%増でイタリア以外の外国企業が11%増。
 来場企業社を国別で見ると、ロシアが大きく復帰し39%増。ポルトガル33%増、オランダ30%増、英国27%増、スペイン17%増、フランス15%増、ドイツ14%増。またアメリカ4%増。日本や韓国、トルコは前年並みで、とくに落ち込んだのが中国28%減。これは春節の影響とみられています。

 また日本と韓国企業の出展について、来場者だけでなく出展社にも好評で、主催者の好反応が伝えられていました。
 なお今後のスケジュールは、ミラノウニカ中国が上海で3月16-18日、プレイベントのプリマが7月6-7日、そして第23回ミラノウニカが新会場で9月6-8日に開催されるとのことです。

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2016年2月15日 (月)

ミラノウニカ「ジャパン・オブザーバトリー」盛会理に閉幕

 第22回ミラノウニカで、第4回目となる日本パビリオン「ジャパン・オブザーバトリー」が、盛会理に幕を閉じました。
Tn_0003_japan_observatory_photo_b_2  今回は初日から来場者が多く、主催者側もびっくりされていたとのことです。会場入り口付近に陣取れたことと、トレンドエリアに157点もの日本のサンプルが赤丸付きで展示されたことも功を奏したようです。これを見て駆けつけた新規のバイヤーが目立ったといいます。リピーターも増えて、これで日本国内をおおう業界の暗雲は、少しは晴れたのでは、と思われます。 

 出展社数はミラノウニカの事務局発表では40社となっていましたが、実は36社とのことです。

 各社の一押し素材は二つのトレンドストーリー、「充実した贅沢な一日の休日」と「音楽と美術のモードな交差点」でコーナー展開され、ジャカードや様々な加工もの、デニムなど、エレガントからスポーツ感覚までバラエティ豊かな提案でバイヤーの目を引いていました。

 出展したいくつかのメーカーをご紹介します。

Img_3180_1 福田織物は、高級綿ローンに加え、カットコーデュロイのシリーズ「ベコ(別珍・コーデュロイの愛称)」(右)が、春夏ものにもかかわらず人気だったそうです。

 サンウエルは、メンズ向けの商品を揃え、とくにインディゴ加工など、ジーンズ風のものが好評を博したといいます。

Img_3206_1  古橋織布(左)は、得意の白いシャツ地が好調とのことです。イタリアには意外にも同社がやっているような洗い晒したシワのある風合いのシャツ地が少ないのですね。

 宇仁繊維は、今シーズン、オパールボンディングのような加工ものが人気だそうです。

Img_3188_1  藤本安一商店(右)は、有松鳴海絞りのレザーを提案し、目立っていました。これぞまさに匠の技!

 東光商事も、革のなめし技術を採り入れたタンナー加工デニムを前面に出していました。

Img_3207_1  八木通商は、全体に変化のあるファンシーな加工物への関心が高いといいます。

 写真左はイッセイミヤケのバッグ「バオバオ」に似た箔素材です。


Img_3199_1 西村レース(右)は、ブースを黒やモノトーンのレースで展開。今回は高級感を黒で打ち出したとのこと。

 前田源商店は、とくにオーガニックコットンの三重織ガーゼに注目が集まったといいます。

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2016年2月14日 (日)

バレンタインデー 赤いハートは誰のもの

 今日はバレンタインデーです。
Img_2476_1jpg ショッピングストリートには、赤いハートのついたプレゼント商品がいっぱい。
 ミラノの目抜き通り(写真はスピガ通り)では、今年も赤いハート型の風船が空中を舞っていました。

Img_3244_1jpg  ブティックも、赤いハートをウインドーに大きく打ち出していました。写真左はTWINSETです。

 花束にもハートの飾りがついています。赤いバラの花が目立ちます。

 でもこれらは男性から女性に贈るもの、というのが、こちらでは普通なのです。女性が男性にプレゼントする日本って、本当に変です。欧米の習慣を採り入れたはずなのに、そこのところは真逆です。フランス人に聞いたら、女性から男性にプレゼントするなんてありえないでした。

Img_3388_1_2  ロンドンのリバティ百貨店のカード売場では、バレンタインカードを購入しようという男性客であふれていました。
 赤いハートは、誰のものになるのでしょう。

 男女のあり方が、欧米と日本とでは根本的に違うことがよくわかるバレンタインデー風景です 。

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2016年2月13日 (土)

2017春夏ミラノウニカ 4つのストーリーで装飾性を訴求

 2017春夏ミラノウニカのトレンドエリアは、モーダイン・ファブリックのほほ真ん中付近に位置しています。Tn_directions_ss17_ph_by_erdna_00_3 その中央はギャラリーのような空間に設えられ、洗練されたモダンアートの世界に入り込んだかのような気分にさせられます。

 ここで発表されたのが次の4つのトレンドストーリー、ABYSS(深淵)、NATURE AND ARTIFICE(自然と人造)、AFRICA PUNK (アフリカ・パンク)、PSYCHO BIT (サイコ・ビット) です。

 各社のサンプル約1300点がこのストーリーに従って仕分けされ展示されました。 
Tn_0005_milanounica_201602_photo_by 全体を通して言えることは、プレーンなものが何もないということです。ミラノウニカのアートディレクター、ステーファノ・ファッダ氏によると、2017春夏はそれぞれのストーリーで装飾性が訴求されるシーズンといいます。実際、糸使いや織り方・編み方、柄加工など、表面感の豊かなものが増えています。一見ベーシックも、どこかに微妙なニュアンスのファンシー性が採り入れられていて、新鮮な驚きを感じるものが多く、飽きさせません。

Tn_0005_area_trend_abissi_dsc00959_  ABYSS(右)は、深い海の底をイメージし、様々なブルーとコーラルが重要。内省的な傾向を反映するストーリーです。

Tn_0006_natura_e_artificio_dsc009_2  NATURE AND ARTIFICE(左)は、自然と都会のビル群を一体化させたグループ。カラーはグリーンやグレー、茶系に注目します。


Tn_0002_area_trend_africa_punk_dsc0 AFRICA PUNK(右)は、アフリカン・エスニックとパンクロックを併せ持つテーマ。メタル装飾と、イエローと黒がポイント。

Tn_0010_area_trend_psico_bit_dsc0_2  PSYCHO BIT(左)は、コンピューターのデジタルな雰囲気。クリアなカラーパレットです。

 
 
 カラー提案はストーリーごとに8色ずつのカラーハーモニーを意識した32色構成で、光沢で表現されるのが、ABYSSとPSYCHO BIT、マット(艶消し)なのが、NATURE AND ARTIFICEとAFRICA PUNKです。

 また市場性から最も人気を集めたのが、NATURE AND ARTIFICE、次いでAFRICA PUNKといいます。
 洗練されたアートな装飾気分いっぱいのトレンドエリアでした。

 

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2016年2月12日 (金)

ミラノウニカ 新メイド・イン・イタリーへのマニフェスト

 ミラノウニカ初日の夕べ、新会長エルコレ・ポット・ポアーラ氏の就任を祝うイベントが催されました。
Tn_0045_evento_milanounica_photo_by  この会の始まりに、同氏とジャーナリストのシモーネ・マルケッテイ氏との対談が行われ、新メイド・イン・イタリーに向けたマニフェストが発表されました。すべてイタリア語で通訳なし----。私はさっぱりわからず完全にお手上げでした。

 翌日、この英文リリースがインターネットで公開され、記者会見も行われました。

 これによりますと、ミラノウニカはこの9月展から大きく変わることになります。ファッションシステムが急激に変化する中、発信されたキーワードは「エクセレンス」です。これは「ラグジュアリー」のことで、「エクスクルーシビティ(排他性)」があるというだけではない、もっと広い意味でのハイ・クオリティを表現します。 
 またこれからはイタリアの独自性に焦点を当て、独断に陥らず、グローバル化に対応していくことがミラノウニカ再生の方向と強調していたことも、印象的でした。

 さらに9月展の会場となるロー見本市センターのレイアウトに関しても次のように発言されました。従来のモーダインやイデアヴィエラ、シャツアヴェニューの枠組みは変わらない。新規にガーメントの見本市「オリジン」が加わり、皮革見本市の「リニアペレ」ともコラボするそうです。
Index  この後届いた図面が左です。広いフラットな空間で、各見本市間の風通しがよくなり、往来しやすくなるようです。

 海外勢の参加については、これまで通り日本と韓国のみです。ボーダーのないオープンな見本市を目指すといいながら、中国企業の出展はまったく考えていないときっぱり。これについて質問した中国人プレスはちょっと唖然とした表情でした。

 最後に初日の来場者数が8%アップしたというのにも、少し驚きました。というのも今回、日本人バイヤーが少ないと感じていたからです。
 とはいえテロの影響もなく、今年は好天にも恵まれ、昨年雪にたたられたのが嘘のように明るい。
 ミラノウニカは新会長のもと、生き生きとした見本市に盛り上がっている様子です。

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2016年2月11日 (木)

ミラノウニカ開幕 新生へ「ユニークであるために力を結集」

 この8日に日本を出発し、ミラノに来ました。欧州テキスタイル見本市視察旅行で、ミラノの後、ロンドン、パリを巡ります。

 ミラノではイタリアのテキスタイル見本市、第22回ミラノウニカを取材しました。
 イタリアのファッション業界は今、あらゆる面において変革期を迎えているといいます。ミラノウニカも大きな変動の渦中にあるようです。その最大の変化は、新会長エルコレ・ポット・ポアーラ氏の登場です。
 初日、ミラノ市長ジュリアーノ・ピザピーア氏を迎えて催されたオープニングセレモニーも、場所が変わるなど、スタイルが様変わりしていました。しかしそれ以上に驚愕させられたのが、この見本市会場が移転するという発表です。これにより「この9月からすべてが変わる」といいます。
Tn_0017_cerimonia_dsc02205_photo_by  冒頭、挨拶に立ったポアーラ氏(写真右)は、次回からローの新見本市センターに移す予定であることを宣言されました。ここは昨年ミラノ万博会場となった巨大な施設です。同時に新会長のモットーである「ユナイテッド・トゥー・ビー・ユニーク UNITED TO BE UNIQUE (ユニークであるために力を結集)」の姿勢が打ち出されました。ビデオ上映も行われ、インパクトのあるビジュアルやメッセージで、変革へ向けた勢いのようなものが示されました。
 見本市はさらなる「エクセレンス」な催しへ、姿を変えることになります。
 最後に、「この革新が私たちを未来に導くことになる」と強調し、締めくくりました。新生ミラノウニカへの意欲のあらわれを感じさせられたオープニングでした。

 なおイタリアのテキスタイル産業の厳しい経済環境も公表されました。2015年の総売上高は前年比2.2%減。2014年にほぼ80億ドルだったものが78億ドルに減少すると見込まれているといいます。
 貿易収支は輸出の減少(2.4%減)に比べて輸入の減少(2.6%減)の方が大きかったため、黒字額は23億ユーロとなり、2014年のレベルを維持したとのことです。
 このような厳しい状況下にもかかわらず、今期は出展社数が増えました。371社となり前年同期比9社増です。これに日本と韓国のパビリオン、「ジャパン・オブザーバトリー」と「コリア・オブザーバトリー」を加えますと424社となり、前年の2月展に比べ6%増。主催者はこのうれしい増加を見本市へのゆるぎない信頼の証とみているようです。
 実際、熱のこもった商談風景に変わりはなく、活気に満ちた空気がそこかしこに漂っているように思いました。不況とは思われない明るい出足のミラノウニカでした。

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2016年2月10日 (水)

ギフトショー2月展 日本のモノつくり力再び

 この2月3〜5日、東京ビッグサイトで第81回東京インターナショナル・ギフトショーが開催されました。今回のテーマは「グローバリゼーションのモノづくりで成功」で、日本のモノつくりの力を見直そうというものでした。
 今回、私が注目したのは、中小機構の<中小企業総合展・イン・ギフトショー>です。日本全国から100社の地域性豊かな「選りすぐりの逸品」が集結しました。またもう一つが<アクティブ・クリエイターズ>エリアでした。ここで新しく出会ったブランドをご紹介します。

<中小企業総合展・イン・ギフトショー>
〇ファナビス
Img_24561  在来工法でのモノづくりにこだわる愛知県岡崎市にあるメーカーで、もう消滅したと思っていた「がら紡」を出展、懐かしい思いがしました。「三河布史(みかわぶし)」のブランド名で、オーガニック木綿の「がら紡」タオルやハンカチを出品。手作りを思わせるぬくもり感は、100年前の布を彷彿させます。

〇大津毛織 
Img_24471  大阪・泉大津市にある老舗企業が提案する、とことんやさしさにこだわった寝具「リネンコットンガーゼ」と「プレミアムコットンガーゼ」です。
 天然繊維は無着色で、使い込むほどに肌になじむといいます。ほんものの良さを生かしたものづくりが感じられます。

〇奄美泥染 肥後染色
Img_24511  奄美大島を代表する「本場奄美大島紬」の泥染めで絞り染めした綿布を使い、Tシャツやストールなどを提案。
 泥染めは、鉄分を多く含んだ泥で媒染するもので、肌と地球に優しい天然染めといいます。

<アクティブ・クリエイターズ>
〇幸呼来(さっこら)ジャパン
Img_24421  捨てられていたデニムの耳を利用した裂き織り商品、エプロンやバスマット、テーブルウェア、クッションカバーなどを提案。とくにカメラストラップは人気とか。
 盛岡市で裂き織りを得意とする「さんさ裂き織り工房」のプライベートラインの新ラインナップだそうです。以前から見知っていた耳がこのように商品化されて、うれしく思いました。

〇サニー・ノマド SUNNY NOMADO
 「カットソーなのに水をはじく」のキャッチコピーで、梅雨時に役立ちそうなフード付きケープを提案。
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Img_24321  素材は撥水加工の綿100%ジャージーで、Tシャツによく使われている素材です。水槽にこの布を入れて、水をはじき濡れない実験をしていました。

 風呂敷のように包めてバッグ・インできるとか、ストールとして携帯できることも訴求。

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2016年2月 9日 (火)

ギフトショー喜多俊之氏講演―暮らし、デザイン、新時代

Img_24261  第81回東京インターナショナルギフトショー2月展で、イタリアでもっとも著名な日本人プロダクトデザイナーといわれる喜多俊之氏が「暮らし、デザイン、新時代」をメインテーマに特別講演されました。サブテーマは同氏がライフワークとされている「これからはじまる、『新・日本の暮らし』」です。
 お話を伺って、日本にはヨーロッパのような「住まいは社交の場」という考え方は根付いていないことを改めて思いました。ミラノでは、同氏が生活を始めた1960年代後半頃から住環境がリノベーションされて、デザイン性のある家具が入り、家は友人知人が出入りするサロンになったといいます。日本でもそうなるかと思っていたけれど、住宅事情の違いからか、なかなかそうならないとも。
 欧州の家具メーカーの主要輸出先は、日本ではなく中国や韓国、シンガポールといった国々だそうです。というのもマンションが日本と比べて格段に広い。100㎡以上というのが当たり前で、200㎡あるというところも多く、広々としているのですね。ですから大型家具が置けるのです。中国あたりでは、インテリアや住関連産業が大きく伸びているそうです。
 1970年代初めにイタリアで花開いたサロン文化は今、こうした国に来ていて、家でパーティをするのが流行っているといいます。
 それでは日本はどうか、というと、他の国にはない伝統文化が残されています。それを支える世界一の技術と「極める」精神もあり、和紙や木工、焼ものなど、世界に展開していけるといいます。
 とくに最近は世界の目が日本に向けられていて、同氏が総合プロデュースする住空間のリノベーション見本市、「リビング&デザイン」展に関心が高まっているそうです。たとえば掃除ロボットが走りやすい空間づくりなど---。日本の暮らしをデザインでよみがえらせる提案に注目が集まっているようです。 
 これからはじまる新しい暮らしへの夢が広がる講演会でした。

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2016年2月 8日 (月)

「大阪 泉州こだわりタオル展」 泉州タオルが国際デビュー!

 今年も「大阪 泉州こだわりタオル展」が、3〜4日、東京・丸ビルで開催されました。出展したのは昨年を上回る25社で、恒例の人気タオルコンテストも行われ、アンケートに取り組む来場者の姿も多く、盛会の様子でした。
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Img_24181  今回、新しく注目したのは、「YOKKIN(浴巾)」タオルと「プレミアムホワイト」タオルの展示コーナーでした。
 これは昨年9月、イタリアのミラノで開かれた「HOMI展」で国際デビューを果たしたタオルです。「泉州タオル」でブランド化を手がけるプロダクツデザイナーの喜多俊之氏がディレクションを担当されたといいます。
 「浴巾」は泉州でしか生産されていない手拭いサイズ(縦90cm横34cm)の浴用タオルです。日本では一般的なタオルですが、同氏はこれをスポーツタオルのスタイルに一新し、欧州の色鮮やかな流行色を採り入れてデザイン。Img_24151 また高級感のある「プレミアムホワイト」タオルは、彫刻のような立体的な形にしてディスプレーし、好評を博したといいます。
 日本製タオルはヨーロッパでも高く評価されていますから、日本の温泉文化を持ち込もうという、この狙いは当たりそうです。

Img_23881  新作コレクションでは、スレン染めのボーダー柄の透かし織タオルが光っていました。スレン染めは塩素系漂白剤に強く、色落ちしにくいといいます。アンケートに答えた人にプレゼントされたタオルがこれで、私も一本いただきました。ふんわりとやさしい、ソフトな色合いの美しいタオルです。

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 オーガニックコットン使いのハイエンドなタオル(写真左)や、リバーシブルのガーゼタオル、それにデニムと同じ20番手綿糸使いのタオル(写真右)など、各社得意のこだわりタオルが勢揃い。他にはないタオルの魅力をアピールしていました。

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2016年2月 7日 (日)

「魔除け―身にまとう祈るこころ」展 民族服飾に見るお守り

58dfb0a0ceeb30c9b5f04df6e1772117  服飾には魔除けの役割があり、それが各民族の服飾を特徴づけています。魔から身を守るために、どのようなお守りを身にまとっていたのでしょうか。この興味深いテーマに惹かれて、文化学園服飾博物館で開催中の「魔除け―身にまとう祈るこころ」展を見に行ってきました。
 展示されていたのは、西・中央アジアから日本までの様々な民族衣装です。そこには衣服全体に、あるいは衣服の開口部に、人体の急所に、目の届かない背後に、魔除けがついています。
 たとえばインドの衣裳によく見られる鏡片の装飾は、反射することで居場所を知らせるとともに邪視を跳ね返すといいます。西アジアに多い硬貨や金属片のアクセサリーも同様の魔除けです。またフリンジのように揺れる装飾は視線をくらますと信じられてきたようです。
 三角形や菱型模様もこうした効果があって使われてきたのですね。

 チラシ(写真上)に掲載されているのは、ナイジェリアのハウサ族男性のコートの一部です。巨大な渦巻き刺繍が見られますが、これは邪視除けで、また尖った文様は護身用のナイフといいます。

Scan0402_2  私がとくに注目したのは、モロッコのケープ(写真右)です。大きな「目」の文様が赤で表現され斬新なデザインと思いました。目の中央には生命力が強いというトカゲのモチーフが横たわっています。
 トカゲやヘビ、サソリ、ムカデなど有毒な生物も、魔除けとされてきたのです。毒をもって毒を制すということでしょう。インドネシアの頭蓋骨の文様「首架」は、先祖の首刈りの儀式を表しているそうで、ぎょっとします。

 日本の着物にも、またたくさんのお守りがあります。女の子の「鈴」や男の子の「犬張子」など。それに「麻の葉」は麻のように健やかに成長し長寿を願う模様だったり、矢絣の「矢羽」は破魔矢に通じる魔を払う柄だったり。

 魔除けやお守りは、どこの国でも女性や子どもの服に多く見られ、親心とか弱いものを思いやる民族のやさしい心を感じさせられました。
 いろいろな意味で、新しい発見のある展覧会でした。なお会期は17日までです。

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2016年2月 6日 (土)

2016/17秋冬モーダ・イタリア/シューズ・フロム・イタリー展

 2016/17秋冬のイタリアのコレクション展、第48回モーダ・イタリア/第58回シューズ・フロム・イタリー展が、2〜4日、東京・恵比寿のホテルで開催されました。出展したのはアパレル関連82社、皮革製品関連43社、靴メーカー50社です。本国ミラノで行われるミカムやミペル展に先駆けての発表でした。

 初日の記者発表会では、日本はイタリアの皮革製品の輸出トップ5の一つの地位を維持していて、とくにレディスバッグへの関心が高いといいます。また革靴は極東地域で最大の輸出国で、日本は相変わらず重要なパートナーと位置付けられています。
 来場者はモーダイタリア展が2,144名、シューズ・フロム・イタリー展が1,465名で、両展とも増加したとのこと。さらなる輸出拡大が期待されています。

 Img_23461また靴についての興味深いトレンドがWGSNのシニアコンサルタント、グリア・ヒューズ氏から紹介されました。
 全体テーマは「ノー・ミドル」で、男女差がないジェンダーレスなど、従来のスタイル分類にあてはまらない、新しい中庸をいくスタイルミックスが焦点になるといいます。
 同社の2016/17秋冬のマクロトレンド、「アルティザン―クラフトマンシップへのアプローチ」、「リマスター―アジアやアフリカン・インフルエンス」、「エレメンタル―実用的、機能的でソフトな建築性」、「オフビート―ストリートのエネルギーにあふれる遊び心」に沿って靴の傾向が解説され、その後キーポイントとして、レディスシューズでは、チェルシーブーツやクロップト・パンツに合うハイ・アンクルブーツ、ストラップシューズ、ポインテッド・トゥのハイバンプ・パンプス、レースアップ・シューズ、レースレス・スニーカーなど。またメンズシューズでは、ローファー、チェルシーブーツ、ワークブーツ、ランニングシューズなどが挙げられました。
 とくにスニーカーについて、今やファッションアイテムとして定着し、スポーツやストリートの域を超えたものがたくさん登場しているといいます。展示会では、カラーブロック使いや素材組み合わせのものなど、楽しいデザインのものが印象的でした。
 なお次回は7月5日〜7日、場所を改めベルサール渋谷ガーデンでの開催となるそうです。

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2016年2月 5日 (金)

インラクティブマネキン―人と交感するマネキンとは!

 先日の第8回文化ファッション大学院大学ファッションウィークで、話に聞いていたインラクティブマネキン―人と交感するマネキンが展示されていました。

Img_23601  これは早稲田大学メディアデザイン研究所と七彩のコラボレーションにより開発された「IMPインラクティブマネキン」です。
 頭部がモニター画面になっているタイプのもので、人間と情報を共有するマネキンのようです。衣服の保温性など、着心地や快適性を伝えたり、ささやいたり、ガイドしたり。また変身するタイプも開発されているようです。私たちの顔を写し取ったマネキンがアバター(分身)となって、衣服やヘアスタイルを変えることで、似合うスタイルを探してくれるといいます。
 マネキンもいよいよ人により近い感覚的な表現が行えるように進化しているのですね。
 この商品、価格はなかったのですが、商品化はもうすぐのようです。導入されれば、売場の活性化につながりそう。おもしろくなってきましたね。

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2016年2月 4日 (木)

"THE NEXT DECADE" ― 変容するファッションビジネス

 この季節、文化ファッション大学院大学ファッションウィークでは、毎年示唆に富んだイベントが行われます。今年は、「"THE NEXT DECADE" ― 変容するファッションビジネス―」をメインテーマに、一昨日、シンポジウムが開催されました。10年先の業界やファッションのあり様が議論され、大変興味深かったです。

Img_23551  パネリストは、ファッション業界から、宮前義之氏(ISSEY MIYAKEデザイナー)、佐藤正樹氏(佐藤繊維株式会社代表取締役社長 糸作家/デザイナー)、荒川信雄氏(株式会社ラフォーレ原宿 代表取締役社長)、同大学から馬場園晶司准教授、加藤登志子准教授、首藤眞一准教授が登壇。モデレーターは同大学の井上和則教授です。

 進行は業界のゲストパネリストに対して、同大学の先生方が質問する形式で進められました。

 まずファッションとテクノロジーについて、宮前氏は何よりもチームワークを重視していると述べます。進化するテクノロジーをデザインにどう生かしていくか、いつもチームで考えるのだそうです。佐藤氏は製造業について問われて、独自のモノづくりに特化し、そのストーリーをマーケットにわかりやすく伝えることが重要と説きます。荒川氏はマーケットについて、若者が部屋にこもっていないでもっと街に出るように「ホコ天(ホコ展)」復活や、ラフォーレ発インキュベーションショップ「コンテナ」のような相互刺激の場や、外国人観光客との文化交流など、街づくりや店づくりへの意欲的な取り組みを語られました。10年後には、ロリータやコスプレだけではない新しいファッションが生まれていることでしょう。
 次に激化するグローバル化に関して、佐藤氏が「日本で通用しないものを海外に持っていってもうまくいかない。そこには魂が必要。その基本ができていて初めて世界に挑戦できる」の発言が印象に残りました。学生たちの心にも響いたのではないでしょうか。
 最後に佐藤氏が地元の山形県寒河江市にオープンしたセレクトショップ「GEA(ギア)」の映像を紹介。「だから田舎に行ってみたくなる」、そこにはそんな新しいビジネスの姿がありましたね。10年たったら産業の未来は地方に、ということになるのかもしれません。

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2016年2月 3日 (水)

村上隆のスーパーフラット・コレクション                   ―蕭白、魯山人からキーファーまで―

 「村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―」展が、横浜美術館で1月30日、開幕しました。
Scan0400_2  先般、東京・六本木で行われている「村上 隆の五百羅漢図展」(このブログ2016.1.6参照)で、村上隆が「日本での個展はこれが最後」と言っていたことを思い出し、早速行ってきました。
 ここではコレクターとしての村上隆が紹介されています。スーパーフラット・コレクションの「スーパーフラット」とは村上作品にみられる概念です。時代やジャンル、既存のヒエラルキーから解放された活動を示すものといいます。モダンアートやポップアート、アニメメーション関連の立体作品があるのは当然と思っていましたが、日本やアジアの伝統的な美術作品もたくさん収集されていて驚嘆しました。一連のコレクションを見て、この希代の現代美術家の美意識の源泉を垣間見た思いがしました。

 
Img_22771  右は「村上隆の脳内世界」というインスタレーションです。
 ここにはありとあらゆるものが等価に混在し、カオスをつくっています。陶芸品から仏像、古着、巨大な彫刻、グラフィティ---など、まさに玉石混交の空間世界で、村上隆の脳内を覗くかのような不思議さです。

Img_23441  人体デッサン教室です。
 これはデイヴィッド・シュリグリーのインスタレーションで、訪れた人は誰でも自由に、中央に立っているモデル彫刻を描けるようになっています。 

 メインフロアは、現代アートがいっぱい。
Img_22861  とくに日本の現代アートを牽引するもう一人の主役、奈良美智の作品が多いのが目を引きます。
 中央ステージに立つのは奈良美智の「ハートに火をつけて」(2001)です。コミカルなセラミック作品もたくさん展示されていました。

Img_22921  その奥のフロアも、一風変わったモダンアートが揃っています。
 右中央はフリードリッヒ・クナスの「スターライト・ウォーカー(星明りの散歩)」(2011)。バナナ人間が今にも動き出しそうです。 

Img_23091 会場左手には、日本やアジア、ヨーロッパの骨董コレクションがズラリ。
 とくに北大路魯山人の陶器が豊富なことにびっくり! 曽我蕭白の「定家・寂蓮・西行図屏風」、白隠禅師の「いつ見ても達磨」も出品されています。

 他にも篠山紀信撮影の「三島由紀夫1968東京」など注目作品がたくさん見られ、さすがの村上隆コレクションでした。

 入口正面には、アンゼルム・キーファーのワイルドな「メルカバ」(2010) がドーンとケースに収められていました。このような巨大作品の展示もいくつかあり、見応えがあります。
Img_23271  写真がOKなのもうれしかったです。なお本展開催は4月3日までです。

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2016年2月 2日 (火)

KEIKO KUROISHI スカーフとテキスタイル展

 「タナバタTANABATA」スカーフ(このブログ2015.1.18付け参照)を手がけるデザイナー黒石恵子さんの「スカーフとテキスタイル展」が、先月末、東京・銀座松屋のマロニエ館で開催され、行ってきました。
 広い会場にはタナバタカットがあふれていました。
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Img_22211  新作は、「レ・ビュル・エ・レ・ヴァーグ(泡と波)」のシルクスカーフです。プチサイズのものもあり人気とか。
 また星柄にカットしたランプシェードも新しく提案されていました。銀河を思わせるオルゴールを流して、天空から星を鑑賞しているような雰囲気を演出していたのが印象的です。

Img_22231  ワークショップでは、スカーフの巻き方を伝授していただきました。リングやゴムなどを使用すると、複雑そうにみえても簡単に巻けて、変化をつけられます。立体感を出せるのも、このスカーフの魅力と思いました。
 私もコットンローンの繭柄のタナバタスカーフを購入してしまいました。春に向けて気分が高まります。

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2016年2月 1日 (月)

「祝いのよそほい」展 江戸の晴れ姿にみる美意識

 今、東京・銀座のポーラミュージアム アネックスで、21日まで、「祝いのよそほい」展が開催されています。
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 ポーラ文化研究所の創設 40周年記念展とのこと。お正月らしい華やかな企画展です。
 現代とは異なる江戸の晴れ姿にみる美意識を垣間見てきました。 

 会場には江戸時代の化粧文化がわかる浮世絵がたくさん展示されています。
 Img_22281その一つがチラシにも使われている「三定例之内 婚礼之図」一勇斎国芳(嘉永元年)です 。
 白無垢の花嫁の世話をする御殿女中らしい女性たちは、眉を剃り、お歯黒をしています。

Img_22311_2  お歯黒の道具です。明治以前の日本では、既婚女性のお化粧にお歯黒は欠かせないものだったといいます。歯を黒くするとは、今では考えられない風習ですけれど、これは古墳時代からずっと続いた美の標準だったのですね。

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 豪華な打掛には、松竹梅や牡丹、菊、鶴亀、扇面など、吉祥文様が満載でした。

Img_22451 ケースの中の美しい道具は何かと思いましたら、白粉化粧用のものでした。当時の白粉は鉛からつくられる鉛白粉と、軽粉といわれる水銀白粉で有毒です。身体によくないと感じながらも、「色の白いは七難隠す」といわれて、白粉をたっぷりと塗って色白に見せたのでしょう。
 紅花からつくられる紅の展示もありました。希少で高価だった紅は、唇に少し差して口もとを小さく見せたり、白粉と混ぜて肌にほのかな赤みをつけたり、また目尻にも---、「効き色」として用いられたようです。
 
Img_22481  日本髪も見られました。左が、既婚女性の髪型とされていた「丸髷」、右が、「雄おしどり髷」で、婚約を終えたばかりの娘が結ったといいます。島田髷の変形だそうです。 

 この他、調度品や手鏡など様々。

 現代とは美の意識がまったく違うので、異次元の世界に来たような感覚におそわれました。でもほんの100年までは、これが当たり前の生活だったのですね。
 美のイメージは変わっても、見目麗しくありたい女性の感性は連綿と受け継がれています。そんなことを改めて思う展覧会でした。

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