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2016年1月 6日 (水)

「村上 隆の五百羅漢図展」 可笑しみ深い超巨大絵画 

 今、六本木の森美術館で開催されている「村上 隆の五百羅漢図展」を見てきました。
20151117_1890564  現代美術家 村上 隆の14年ぶりの個展です。今年53歳になられたとか。
 本展の目玉は、タイトルの通り“五百羅漢図”で、東西南北をつかさどる四神「白虎」「青龍」「朱雀」「玄武」の4面で構成されています。その一枚一枚が、超巨大で長さ100m、高さ30mもあります。2012年にカタールの首都ドーハで初めて行われた展覧会では、あまりにも巨大なため、これを展示するための美術館が建築されたといいます。
 そこに描かれている羅漢たちの形相は様々。大きな口を開けて欠けた歯を見せていたり、ギョロ目で怒ったようににらんでいたり、ボーッと気が抜けたような感じだったり-----。でも皆、どこか深い可笑しみのある表情をしていておもしろい。いずれもシルクスクリーン技法を多用し、色鮮やかな極彩色に彩られています。

 ところで村上 隆の絵といえば、かつての主題は楽しげな“花”でした。以前パリ郊外のヴェルサイユ宮殿で見た企画展では、明るいユーモラスな花、花、花----。しかしここでは打って変わったように“髑髏(どくろ)”のモチーフがいっぱいです。“死” のイメージがつきまとっているように見えます。

 その象徴的な彫刻が「宇宙の産声」という、巨大な金色の物体(下の写真)です。これは大きくなり過ぎた資本主義の現社会を反映しているものだとか。いつ倒れてもおかしくないといいます。
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 学芸員の方のお話によれば、画伯がこれらの作品を制作するきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災だったそうです。とくに“五百羅漢図”にはそうした鎮魂の思いが込められているようです。

Img_67741  「白虎」では、虎が明瞭に描かれています。悪夢を食べるバクもいます。

 
 
 

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 「青龍」では、伊藤若冲風なクジラや、お腹を開いてお釈迦様の像を見せている羅漢がいたりします。

 

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 「朱雀」では、手塚治虫の“火の鳥” がイメージされているといいます。

 
 
 

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 「玄武」では、宮崎駿アニメの“もののけ姫”に出てくる“シシ神様”とか、赤鬼や青鬼などが見られたりします。

 輪廻思想といった暗く重いテーマも、村上 隆にかかるとこんな風に軽くて楽しいものになってしまう、アートの不思議にまたしても感動させられました。
 なお展覧会は3月6日までの開催です。

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