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2016年1月21日 (木)

第3回全国アパレルものづくりサミット

 第3回全国アパレルものづくりサミット(「日本発ものづくり提言プロジェクト」実行委員会主催)が、昨年12月12日、東京・渋谷区の文化学園で開催されました。
 メインテーマは「世界が求めるメード・イン・ジャパンのこれから ― 挑戦する『日本製』。国内需要と輸出の創造・拡大へ」です。
 企画趣旨にもありましたが、海外からの観光客はもとより日本の消費者にも、「メード・イン・ジャパン」志向が強まっています。にもかかわらず衣料品分野で日本製はなかなか見つからない。日本のアパレル産業の構造や考え方に問題がありそうです。
 この内需と輸出の創造と拡大のために、求められているのが繊維・テキスタイル・アパレルの力を生かした垂直統合型のビジネス戦略なのです。今回のサミットでは、従来の産業の枠組みを超えた新しいアパレル産業づくりに焦点が当てられました。

Img_70602_2  パネルディスカッションに先立つ基調講演で、経済産業省製造産業局の寺村英信繊維課長が登壇。「MADE IN JAPAN再生へ。日本政府の政策と現実、今後の課題」をテーマに講演されました。 

 まずは「繊維アパレル産業について感じること」と題して、業界を一刀両断。胸のすくような思いで聞かれた方は多かったのではないでしょうか。たとえば他産業と比較して繊維アパレル産業は、①合理的でない―産地では付加価値の高いものをつくろうと工程に手間をかけても、工賃に反映されない仕組みがある。プロパーで売れない製品をつくり、バーゲンを前倒しするのも不可解。またオーバーストア化させておいて赤字というのは不合理。②フェアでない―委託販売や返品制がスタンダードとなっている現状は他ではほとんど見られない。手形取引がまだ40%もあるが、これは国際的に通用しない。③バリューチェーン全体を見ていない―全体像を俯瞰して見ている人が少ない。④差別化していない―アッパーミドルがいいといえば皆が同じ市場を向き同質化している。⑤国際的視野がない―海外市場に目を向ける人が少ない。⑥ビジョンがないなど。
 次にアパレル産業をとりまく環境変化を、歴史を追って分析。繊維製造業は2013年、事業所数で4万件、全製造業の約1割を占めています。しかし出荷額は2.9兆円で1.3%と、出荷額が小さいのが特徴。従業員数のピークは1970年、事業所数のピークは1980年、出荷額のピークは1990年で、90年代以降、生産拠点が海外移転し、事業所数は現在、ピーク時の4分の1に減少してしまったといいます。
 目を移して国内衣料品市場の方を見ると、リーマンショックで縮小したものの、その後継続して拡大しています。消費者の衣料消費は増加しているのです。ところがこれまで海外生産の中心地だった中国で製造コストが上昇。この輸入単価アップで、2014年頃から国内生産への回帰が言われるようになりました。しかしこれがなかなか表にあらわれてきません。同氏は日本への追い風が吹いている今こそ、これを活かして、サプライチェーンの再構築を考えるときが来ているのではないか、といいます。とくに自社工場を持つザラの仕組みを推奨されていたのが印象的でした。
 さらに昨年スタートした日本の技術と美意識の証とされるJ∞Qualityについても言及。昨年末までの認証企業件数は405社と予想以上。しかし認証商品は172品番で見込み数に届かなったと述べ、今後は素材・縫製などと連携し、新ラインをつくって欲しいと要望。
 最後に日本のアパレル輸出が極端に少ないことに触れ、業界全体で意識を変えていく必要があると期待を込めて、締めくくられました。

 辛口なお話もありましたが、これを激励の言葉と受けとめて、「日本発ものづくり」のさらなる推進を願っています。

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