ベストドレッサー賞の又吉直樹氏は大の古着好き
今年も恒例のベストドレッサー賞(日本メンズファッション協会主催)の発表・授賞式が、先月25日、都内ホテルで行われました。
第44回となる今回、注目は学術・文化部門で受賞したお笑い芸人のピース・又吉直樹氏でした。何しろ小説「火花」で芥川賞作家となり、239万部の売り上げを突破、来年は映画化もされるという話題の人物です。2015年ヒット商品番付にも挙げられるなど、この賞もまた又吉氏かと思いました。でもドレッサー賞にふさわしいファッションセンスのある方と拝見しました。
この日は何とワイン色のジャケットにシャツの裾出しスタイルで現れたのです。シャツの裾をはみ出させる着方というと、普通はだらしなくなりがちですが、きれいに着こなされていて、さすがと思いました。
「ムチャクチャ光栄です」と述べた後、服装について問われて「大の古着好き」とコメントされ、びっくり!です。でも古着はそのまま着るのではなく、お直しを依頼するのだそうです。好きなプリントを縫い合わせるとか、縫い糸のような細部にまでこだわってつくってもらうので、出来上がるまでに2か月以上かかることもあるといいます。
ジャケットのワイン色は「阪急電車の色と同じ」とユーモアを振りまいて、会見を締めくくられました。
受賞者でもう一人、面白い!と思ったのが、芸能部門の俳優、松坂桃李氏です。所属事務所の社長から「私服をなんとかしろといつも言われている自分がベストドレッサー賞とは、事務所始まって以来の七不思議」と揶揄されたといいます。「これからはスーツの似合う男になる」と語られましたが、普段は、「着やすい」、「脱ぎやすい」、「目にやさしい(目が疲れない)」を信条に、体に負担のかからない服装をされているそうです。
紳士服のTVCMに出ているので、てっきりスーツ党かと思っていましたら、実はカジュアル派だったのですね。
メンズファッションがスーツ離れしていることを、改めて認識させられたエピソードでした。
芸能部門では他にもう一人、俳優の吉田 羊氏も受賞。ウールマーク賞と合わせてのダブル受賞に、「今年は羊年で、羊年生まれ、羊を名前に持つ自分以外に誰がウールマーク賞をとるの?」と思っていたので、ホッとしましたとの弁。来年のNHK大河ドラマに出演されるそうで、楽しみです。
なお政治部門からは夕張市長の鈴木直道氏、経済部門からはエイチ・アイ・エスグループ社長の澤田秀雄氏、インターナショナル部門からはシャーロット・ケイト・フォックス氏がそれぞれ受賞されました。シャーロット・ケイト・フォックス氏は健康不安のため、授賞式は欠席で、少し残念でした。
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