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2015年12月20日 (日)

インテリアライフスタイルリビング ハイムテキスタイル2016

 この11月末に東京ビッグサイトで開催された「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」展で、“布のトレンドがみるみる分かる! 南村 弾のファブリックマジック 20”と題するトークショーが行われました。DAN PROJECT 主宰の南村 弾氏は、世界最大のホームテキスタイル見本市「ハイムテキスタイル Heimtextile」のトレンドセッターにヨーロッパ外から初めて選出され、国際的に活躍されているクリエイターのお一人です。昨年代官山にインテリアタキスタイルに焦点を当てたショップ「ieno textile」もオープンされました。
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 トークショーは、この「ハイムテキスタイル」のトレンドについて、ライター&エディターの本間美紀氏が同氏にインタビューする形で進められました。

 まず今年1月の見本市では、トレンド発信エリアが「テーマパーク」の名で刷新され、規模も従来の3-4倍に拡大。世界のマーケットが何に興味を持っているのかを楽しみながら触れ合える場になったといいます。一つ一つが屋台的なレイアウトになり、紙を貼る代わりにプロジェクションマッピングで見せる構成が増え、平面表現の考え方が変化。また3Dプリンターにより、しなやかな樹脂でテキスタイルをつくる時代に入ったこと。さらに医療用テキスタイルの進化で、その発展形がホームテキスタイルに登場。例えば布の振動といった低刺激によりボケ防止の役割をするものなど---。トークを伺いながら、いわゆる布のトレンドではないものがトレンドになる第4次産業革命への突入が、かなり早い速度で進行しつつあることに驚かされました。
 とはいえこのお話の最後に、その基本は人の心を動かす“エモーショナル”なアイディアやコミュニケーションにあると述べられ、人工知能よりも人間らしさがポイントと聞いて少し安心しました。

 次に「ハイムテキスタイル2016」のトレンドについて、そのプレビューが紹介されました。
 メインテーマは「ウエル ビーイング」です。健康に心地よく、心穏やかに過ごせる空間を基調にした4つのテーマを、南村氏が開発したテキスタイルを見ながら解説していただきました。
〇プロテクト Protect
 何を守るのかというと、心の静寂です。あえてネット社会から離れて、遮断することで解毒され見えてくるものがある。デザインや考え方を見つめ直し、五感を解放してみては、というテーマで、透けるものやミラーカーテンなどを提案。
○ナリッシュ Nourish
 「育てる」といった意味の言葉で、地球環境に配慮する考え方。手仕事やクラフトワークをテーマに、土くさいものや生っぽい感じとテクノロジーの組み合わせや、布や糸のアップサイクル、時を経た家具のアップサイクルなど。 
○エンリッチ Enrich
  クラシカルなテーマで、時間とともに美しく劣化していったものにフォーカス。成熟という以上の爛熟した文化に光を当てるテーマで、剥げ落ちたゴールド箔プリントのレザーや、マットにリッチな光の効果を採り入れたボーダーなど。
○エナジャイズ Energise
  パッと見て感覚的に面白いと思わせるテーマ。赤など毒々しい色も元気をつける色になったり、ギョッとするような組み合わせが見られたり。超大柄の多色使いとか、表裏使えるジャカード織りなどを提案。

 「ハイムテキスタイル2016」は、来年1月12日から15日まで、ドイツのフランクフルトで開催され、会場では、日本人バイヤー向けにこのお二人によるセミナーが行われるそうです。一足早く見本市の模様がわかって、大変参考になったトークショーでした。

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