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2015年9月

2015年9月30日 (水)

2017年春夏PVヤーン 洗練された透け感が主流

 プルミエールヴィジョン(PV)パリのPVヤーンは、糸とファイバーの見本市です。今期の出展社は、18ヶ国48社で、日本からは旭化成と東洋紡グループの日本エクスラン工業が出展しました。

 PVヤーンのトレンドフォーラムでは、早くも2017年春夏の糸のトレンドが発表されました。
Img_3382_1570x380
Thumbs_yarns_fd_332  総じて非常に洗練されていて透け感のあるものが主流です。透けるといっても、全体に透けるものは少なくて、不透明なものとかけ合わせたものが多くなっています。目の粗いメッシュやレース調、野趣のある質感の組み合わせなど、繊細な感覚にラフなテクスチャーを合わせたものが増えています。
 超軽量のふんわりとしたファイバーとナチュラルな植物繊維、滑らかなスパンと繊維質のフィラメントのハイブリッドも斬新です。オパールのような光沢のある表面感や動きを感じさせるクオリティ、空中を舞うエアリーな素材感も注目されます。

 トレンドとして次の4つテーマが提案されています。

1_2_2_5Indiscreet filters               
 (無造作なフィルター)
        
・見え隠れするシースルー      
・レイヤードボイル           
・オパール加工 
            

Scan00032_2_5Intermittent transparency
 (時折途切れるシースルー)

・植物繊維と化合繊の融合
・繊細なクラフトタッチのボイル
・ラスティックなオープンワーク


Scan00033_2_5  ○Airy solidity             
  (エアリーな構築)
           
・オープンストラクチャー・          
・デリケートなレース風ニット     
・ネットやメッシュワーク

 

Scan00034jpg_2_3Moving waves
  (動く波)

・ソフトなウェーブ
・動きのある光の反射      
・しなやかに揺れるフリュイド

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2015年9月29日 (火)

2016/17秋冬PVファブリックのトレンドテーマ

 2016/17秋冬プルミエールヴィジョン(PV) ファブリックで提案された、ファブリックのトレンドテーマは次のようです。そのポイントをご紹介します。

〇未来を先取り VISIONARY
11  未開拓の世界に足を踏み入れる。ノスタルジアや伝統から離れて、未来のナチュラルを展望するテーマ。アクティブスポーツやテクノロジーとナチュラルの融合。
<素材のハイライト>
 ・テクノロジーの合体
 ・現代的なフォークロア
 ・現代的デザインのラスティック

〇感性豊か  SENSITIVE
31 繊細な情緒のある調和に満ちた美しさを重視しつつ、 ダイナミックな活力を与える素材で現代性を追求するテーマ。
<素材のハイライト>
 ・ダークな揺らめき
 ・ベロアとビロードタッチ
 ・甘美な滑らかさ
 ・空気をはらんで温か

〇意欲的 STRONG MINDED
21  個人的主張のあるテーマ。厳密さと自由な発想、中途半端に終わらせない。対立するもの同士の組み合わせ、コラージュ。
<素材のハイライト>
 ・超濃密
 ・濃密なフエルトタッチ
 ・滑らかな光沢
 ・自己主張する柄

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2015年9月28日 (月)

2016/17秋冬PVファブリックのコンセプト&カラー 

1 
 2016/17秋冬プルミエールヴィジョン(PV)ファブリックで発表されたシーズンコンセプト。そのポイントは次のようです。
 “創造力を発揮し、様々な文化やジャンルとの出会いを推進し、美的センスを積極的に発信する。過去への郷愁を捨て、遠過ぎる未来を夢想しないで、今という現実に立脚して美を創造するシーズン。”

 PVトレンド委員長のパスカリーヌ・ヴィルヘルムさんは、「現在をエンベリッシュする―美しく飾る―シーズン。ボディも素材も、新しい機能にも美意識が求められる」と語っています。そのキーワードは「自然」、「テクノロジー」、「光」です。このトリオを駆使して、現状を打破し、美しいときめきを実現していくことが重要といいます。
 またもう一つ、ヴィジュアルにアクションペインティングのような、絵の具のブラッシュ・タッチが採り入れられていたのも、今季の特徴です。ジャクソン・ポロックなど、遊び心のあるモダンアートからの影響を強く感じさせます。

Scan03271  カラー傾向は、全体に微妙なニュアンスをともなう色調です。
 ビビッドが少ない一方、色数は多いパレットで、とくにダークに注目といいます。
 シリアス(真摯)とデリシャス(甘美)を調和させ、寒色と暖色、軽さと重々しさ、フェミニンとマスキュリンのバランスをとる、3つのカラーレンジが提案されています。

〇コントラストにスリップする微妙なニュアンス
Lasubtilitesinfiltredanslesontraste  大胆で洗練された対比を演出するグループ。静かな明色と自己主張する赤、質感のある暖色とペールカラー、燃えるような濃色と繊細な寒色のコントラストが見られます。

〇リアルな色が微妙なニュアンスの中に合流
La_realit_se_fond_en_nuances570x320  3色1組のレンジです。非現実的なナチュラルと深みのあるブライトのハーモニー、またニュートラルと寒色、光あふれる暖色を組み合わせて、アンチ・ノーマルを表現します。

〇闇の中に現れるカラー
Dans_l_ombre_la_couleur_se_revele57  モノクロームと思われる色調の中に不明瞭なカラーが走ります。きわめて暗い寒色と暖色、謹厳な濃色と磁力を持つような色の、矛盾した組み合わせが、新しい変化を生み出すレンジです。

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2015年9月27日 (日)

PVパリの新設アワード パブリック賞発表

 今期プルミエールヴィジョン(PV)パリで新しく設けられたのが、PVアワードのパブリック賞です。これは15〜22日、PVフェイスブックに掲載されたテキスタイルの中から、「いいね!」をもっとも多く獲得したファブリックとレザーに贈られます。

12002067_908147539278895_8026546094  先日のPVフェイスブックの発表によると、ファブリック部門は、フレッシュでカラフルな楽しい花柄プリントです。
 リバティプリントで知られる英国の「リバティ・アート・ファブリックスLiberty Art Fabrics」による、クラシックの伝統を破る装飾的デザインが評価されたといいます。

12011342_908147565945559_5554049517  レザー部門は、イタリアのアビップ・バイ・ルッソ・ディ・カサンドリアーノ Abip by Russo di Casandrinoのポニースタイルのカーフ(仔牛革)です。
 洗練されたアニマル柄がプリントされているとのことです。

 両者とも、このところファッションとして復活している、ヴィジュアル性の高いものが選ばれた、と思うのですが-----。写真判定なので、どうしてもそうなってしまうのでしょう。

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2015年9月26日 (土)

プルミエールヴィジョン・パリ9 月展ますます国際色豊かに

 2016/17秋冬のテキスタイルを発表するプルミエールヴィジョン・パリ(PVパリ)が、9 月15 日(火)~17 日(木)の3日間、パリ郊外のパーク・デゼクスポジション会場で開催されました。6つの見本市出展社総数は1,924社で、前年同期比15社で減微しましたが、全体としてみれば安定した数といえるでしょう。日本は総数48社で第7番目に多い国となっています。
 プルミエールヴィジョン・ファブリック(PVファブリック)には、34か国770社が出展。日本からは新規4社を含む37社が出展しています。
1  
 この結果速報が先日、事務局より届きました。これによると、今期の来場者数は昨年同期と比べ微減の61,664 名です。その74%はフランス以外の国々、132 カ国からの来場で、このパーセンテージは過去の会期を上回り、ますます国際色が豊かになったといいます。
 来場者数の第1 位はフランスで16,200 名以上が来場。第2 位はイタリアで7,000 名以上(全来場者の11%)と増加。これはイタリア経済復調の兆しか? とみられています。
 第3位はイギリスで全来場者数の約9%(前年同期比1.4%増)を占める約5,500 名が来場。続く第4 位はスペインで3,400 名以上、ドイツは第5 位で2,982 名(全来場者の5%)と定着、ヨーロッパ圏ではベルギー、オランダが後に続きます。
 アジア圏からの来場は全来場者の13%で、日本からは1,901 名に増加。また韓国も8%増の1,209 名。中国は2,891 名とさらに大きい数字となり、17%増加したといいます。これは中国の各ブランドが、よりクリエイティブなものを創り出そうという強い意志のあらわれと分析されています。
 トルコは3%増の2,350 名が来場し、これは来場者数で第8 位。
 北米圏からは2,800 名を超える人々が来場し、アメリカは第7 位で2,400 名が会場を訪れたといいます。
 一方、ロシアからは13%減となり、同国経済の厳しい影響を強く受けている模様です。

 世界最高峰のテキスタイル見本市といわれるPVパリ。その出展社数や来場者数からは、各国の政治経済状況が伺えるようです。

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2015年9月25日 (金)

PVスタッフのドレスはホールガーメントのコットンニット

Pvawards_023507x760  今期プルミエールヴィジョン・パリでは、女性スタッフのユニフォームに目をとめた来場者が多かったのではないでしょうか。ピンク味の赤いニットドレスで、アシンメトリック(左右非対称)なシルエットがモダンな女性らしさを強調していました。素材も心地よいコットン/ポリウレタンです。(写真はPVのHPより) 
 これは島精機のホールガーメント編機でつくられています。
 ホールガーメントは、一着まるごとシームレス(縫い目のなし)で、編機から直接立体的に編成されるため、ニット本来の手触りと軽さを演出し、ドレープ性に優れたニットウェアを生産する、20世紀の最も偉大な技術革命の一つです。

 同社は、今年もニットソリューション・エリアに出展していました。ブースで伺うと、このドレスをつくったのは、ホールガーメント機の4枚ベッドのMACH2Xで、マッハというように超高速で編み立て、異なるゲージのパターン、仕上げ、ステッチも自由自在。だからこのような複雑でクリエィティブなフレアーの演出も可能なのです。
 デザインは、フランスの若手ニットデザイナー、ザビエル・ブリスー Xavier Brisouxで、彼との共同制作といいます。

Img_47571  ブースでは、様々なデザインのニットドレスや、まるで織物のようにしっかりしたメンズジャケットも展示。  

 またかなり太糸のインターシャによる手織りホームスパンツィードのようなサンプル、さらに太糸入りキルティングも見せていただき、びっくり! 
 さらにファンシーなクッションの見本も。 ホールガーメント機は、どんなものも実現できる夢のマシーンになってきたようです。
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   ますます進化するホールガーメント。これにより業界構造は一変するのではと、改めて驚嘆しました。

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2015年9月24日 (木)

鎌倉「古我邸」秋の訪れを感じるテラスでランチ

 欧州出張からシルバーウィークの日本に帰国しました。秋晴れの一日、鎌倉の洋館レストラン「古我邸」でランチしました。
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 ここは、明治時代にジョサイア・コンドルの弟子が建てた三菱財閥の荘清次郎の別邸で、鎌倉の三大洋館の一つです。あの関東大震災も生き延び、要人の別荘として使われたといいます。

Img_51081  4月中旬にオープンして以来、ずっと行きたいと思っていたのですが、なかなか予約できませんでした。週末は常に満席で、1か月以上先でないととれない、大人気の店なのです。
 でもテラス席ならOKとのことで、邸宅裏にある池の前の席に案内していただきました。

1  池には真っ赤な赤トンボが、スイースイーっと飛び交っています。秋の訪れを感じながらのフレンチは格別で、まさに非日常のステキな体験でした。

 テラス席といえば表側と思っていましたので、「何故?」とお聞きしましたら、トンビに食べ物を襲われるからだそう。それだけ自然が豊かなのですね。
 裏側は、緑豊かな森に囲まれていて、今、森の小道を整備中とか。次はぜひそこを歩いてみたいものです。

 お料理もおいしくて、また来たいと思うすばらしいレストランでした。

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2015年9月23日 (水)

PVアパー・ジーンズウェア ジャパンデニム好発進

 プルミエールヴィジョン・パリの「アパー・ジーンズウェアUPPER JEANSWEAR」エリアには、日本企業の姿が目立ちました。
 ジャパンデニムは、世界的にクオリティの高さで定評があります。インディゴ染めの美しさやタッチの良さ、仕上げ加工など、有力ブランドから大きな関心を寄せられています。

 ブースはどこも活況で、笑顔がいっぱい。今シーズンも好発進していました。

ショーワ
Img_48251  このエリアに入ったことで、デニムを前面に出し、デニムに力を入れている様子でした。
 とくに人気を集めているのは、ニット風のデニムとのこと。ソフトでしなやか、ストレチッチ性もあるので、はき心地が良いのですね。
 またリサイクルデニムに意外なほど、引き合いが入っているといいます。当地は日本以上に環境意識が強い市場ということでしょう。
 デニム以外の素材もたくさん扱っているショーワです。シャツ向け薄地や先染めへの注目度は、ますます上がっているようです。

日本綿布
Img_48321  一日で100社が来訪するという好調ぶりです。全体に売れているそうで、ヨーロッパ市場もよいけれど、それ以上に大きく伸びているのが北米向けだそうです。
 大人気はストレッチやセルビッチのもので、とくに薄地が好評といいます。
 シャツ向けドビー織りなどにも、力が入っている様子でした。

クロキ
Img_48281  ストレッチものからジャカード、様々な加工ものまで、もう何でもいいとのことで、勢いがすばらしいです。
 トレンドフォーラムでも、クロキの顔料プリントデニムが目立っていました。

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2015年9月22日 (火)

PVアパー・ジーンズウェア 「ブルーをリライト!」

 今期、プルミエールヴィジョン・パリでは、クオリティの高いデニムメーカーを集めた「アパー・ジーンズウェアUPPER JEANSWEAR」エリアを開設しました。
 背景には、デニムがファッション市場で大きなシェアを占めるようになっていることが挙げられます。デニムはもうスポーツカジュアル分野だけのものではありません。メジャーなブランドや有力デザイナーも、コレクションでデニムを必要としているのです。

Scan0321_2  このエリアの中央に設けられていたのが「ブルーをリライト!」のコーナーです。
 ここではフランスの工房「ジャン・ピエール・オリエ Jean Pierre Ollier 」と、スペインのデニムメーカー「ロヨ Royo」のコラボレーションによる創作デニムの展示が見られました。テイラード/フリュイド、マスキュリン/フェミニン、ハンドクラフト/インダトスリーの正反対なもの同士を結びつける、デニムの不思議なパワーを感じさせるコレクションです。
 情緒豊かな刺繍やプリーツ、フリンジ、メタリックなどのクチュールテクニックを施したデニムに見入る人の姿が目立っていました。
Thumbs_rb_0355  
 デニムはエレガントなモードに欠かせない素材になった!と改めて思います。

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2015年9月21日 (月)

PVイエール・グランプリ受賞のアネリー・シューベルト展

  このほど開催されたプルミエールヴィジョン・パリでは、様々なイベントが行われました。
1 その一つが、第30回イエール国際モード&写真フェスティバルで、プルミエールヴィジョン(PV)グランプリを受賞したフランス系ドイツ人デザイナー、アネリー・シューベルトAnnelie Schubertさんのコレクション展です。
 アネリーさんは、アントワープのハイダー・アッカーマンでインターンシップしながら、ハンブルグ大学で理学士の学位を取得されたという28歳。気取らない、気さくそうな方でした。

 写真下は、PVマニュファクチュアリングでの展示風景です。
Thumbs_rb_0629  
Thumbs_rb_0639  シンプルで控えたデザインですが、カットは力強く大胆です。

 ウールやニット、ファー、それにネオプレンといった素材を生かした構築的なシルエットが、未来派ともいわれる由縁でしょう。
 カラーも、シックなミネラルカラーの組み合わせが中心です。
 その計算されたバランス感が美しく、知的な女性らしさを感じさせていました。

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2015年9月20日 (日)

プルミエールヴィジョン・パリ PVアワードはイタリア独占

 2016/17年秋冬プルミエールヴィジョン・パリが、15〜17日、パリのパーク・デ・ゼクスポジション見本市会場で開催されました。この一大イベントが、初日に行われたPVアワードでした。

 毎年9月展で実施されるこの恒例企画も第7回目を迎え、今回から次のように変更されています。それは従来のファブリック部門にレザー部門が加わったことです。それぞれの部門で、「審査員大賞」、「ハンドル賞」、「イマジネーション賞」の3賞が設けられることになりました。またPVパブリック賞が新設され、PVフェイスブックで「いいね!」をもっとも多く獲得したファブリックとレザーに、後からこの賞が贈られるといいます。
Thumbs_sk1_2746  
 発表は、ファブリック会場内のル・フォーラムで行われ、テキスタイル部門の3賞は、イタリア勢がまたしても独占しました。
 審査委員長を務めたのは、オートクチュールブランド「オノラ・トゥヴュON AURA TOUT VU」のデザイナー二人です。
 ファブリック部門では、79社94点がノミネートされたといいます。日本企業数社もノミネートされ、今回こそと期待されましたが、2年連続で受賞はかないませんでした。

 ファブリック部門で栄えあるPVアワードに輝いたのは、下記の出展社の商品です。

○審査員大賞
Img_48181  今シーズンを象徴するもっとも優れたテキスタイルに授与される審査員大賞は、ユーゼビオEUSEBIO(伊)の、フロッキー加工を施したメッシュニットです。
 ストレッチするナイロン混で、見る方向により、カラーが玉虫のように変化する美しいテキスタイルでした。

○ハンドル賞
Img_48101jpg  タッチや風合い、動きで最も新鮮な驚きのあるテキスタイルに与えられる賞で、受賞したのは、ファブリカ・テスッティ FABRICA TESSUTI(伊)の、しなやかで温かい感触の素材です。控えめな光沢を感じさせるビスコース/シルク混でした。

○イマジネーション賞
Img_48001_2  素材、技術、柄や装飾、仕上げ加工の面で最も大胆で独創的なテキスタイルに贈られる賞で、受賞したのは、フェデリコ・アスペジ FEDERICO ASPESI(伊)の、レース素材です。

 表面に再帰反射加工を施し、暗闇で光ることが評価されたようです。

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2015年9月19日 (土)

「テックスワールド・パリ」アバンテックス新設とCCI出展

 ロンドンからパリに到着して週末を過ごし、今週の月曜日、ル・ブルジェ見本市会場で17日まで開催されたテキスタイル見本市「テックスワールド・パリTEX WORLD PARIS」を訪れました。
 出展社は29ヵ国945社で、前シーズンにも増して巨大化しています。その内中国企業は552社と半数以上で、いつものことながら中国パワーに圧倒されました。

Img_46661  国際綿花評議会(COTTON COUNCIL INTERNATIONAL 略称CCI)も、前回同様COTTON USAライセンシーへのサービス活動を目的に、出展していました。

 ファッションを訴求する新ヴィジュアルを大きく打ち出していたのが、印象的でした。

Media_14440nocroppng  また今回、ハイテク機能素材群を集めたエリア「アバンテックス AVANTEX」の新設が話題となっていました。
 出展したのは30社で、目立つのは台湾系グローバル企業、たとえば多種多様な機能素材を揃えるエベレストテキスタイルやカマンギコーポーションなどです。
 ベルギー本拠のIMEC・CMSTが開発したソーラーパネルで充電可能なウェアも出品されていました。これはストレッチ性のある電子回路技術から生まれた、注目のウェアラブルと思われます。

1  通路には、スイスのフォースター・ローナー社によるELDで光る刺繍「E-ブロイダリー」のボイルのカーテンがかかっていて、これも興味深かったです。
 ファッションショーも行われ、テックスワールドが力を入れていることが伺えました。しかしここに日本企業の姿はまったくなく、残念でした。

 日本企業で出展したのは、「リリーレース(西村レース)」と、老舗のテキスタイルメーカー「八木」の2社のみです。両社とも来期はプルミエールヴィジョン・パリ進出を計画中といいます。
 テックスワールド・パリから日本が消えていくことになりそうです。

Img_46761  リリーレース(西村レース)は、レースに光沢加工やデニムレースの加工が目新しく、人気を集めているとのこと。ただし価格の問題がネックのようです。

Img_46911  八木は、丸編み中心の展開で、既に取引先企業との商談も整い、意欲満々といったところでした。

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2015年9月18日 (金)

ロンドンV&A博物館で「ラグジュアリーとは何か」展

の ロンドンのヴィクトリア&アルバート(V&A)博物館では、もう一つ「ラグジュアリーとは何か What is Luxury?」展が開催されていました。

 これは無料の小規模な企画展でしたが、最近よく聞かれる「ラグジュアリー=贅沢」の本質を突く、興味深い展覧会でした。
 今、ラグジュアリーブランドが大きく成長しています。その一方で、社会格差は拡大の一途をたどっています。こうした現実を踏まえて、ラグジュアリー論争が巻き起こっているといいます。 

 本展は2部構成で、「ラグジュアリーをクリエイトする」と「ラグジュアリーの未来」の二つのコーナーで、ラグジュアリーを分析、展示していました。
 まず「ラグジュアリーをクリエイトする」では、11のキーワード、Passion、Exclusivity、Innovation、Extraordinary、Non-Essential、Precision、Investment、Pleasure、Preciousness、Expertise、Opulenceを切り口に、様々な分野からピックアップしたオブジェを提案しています。Img_36071

 とくに服飾関連のものを二つ、ご紹介します。

○Exclusivity
Img_36301  右はフォーマルなディナーで着用されるミリタリーコスチュームです。

 サヴィル・ロウでも卓越した縫製技術を持つ、ディージ&スキナーの作品。ロイヤルワラントとしてロイヤルファミリー衛兵の制服を生産する1865年創業の老舗工房です。

○Non-Essential
Img_36281  左はイリス・ヴァン・ヘルペンによるコートです。
 伝統に革新的なテクノロジーを組み合わせた、実験的なオートクチュール作品です。
 建築家で彫刻家のフィリップ・ビーズリーとコラボレーションし、レーザーカット・メッシュ構造の3Dパターン技術でつくられているといいます。


 次に「ラグジュアリーの未来」コーナーです。
 Skill、Memory、Authenticity、Resource、Legacy、Journey、Privacy、Accessの8つのキーワードで、それぞれにITテクノロジーやプロダクツが展示されていました。

Img_36421_5  たとえばSkillは、次のようです。

 プラスティックは、現在のような量産ではなく、スキルのあるメーカーによりハンドクラフトでラグジュアリーなものに変身すると予想。石油資源の枯渇により、未来には稀な材料になるといいます。
 中国人作家による「プラスティック職人の人気急上昇」の作品が提案されていました。

 最後に、「ラグジュアリーとは個人的なもの。一人一人の心の中にある」というパネルが心に残りました。考えさせられる命題です。

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2015年9月17日 (木)

ロンドンV&A博物館で「靴:楽しみと苦痛」展

 ミラノからロンドンに飛び、ヴィクトリア&アルバート(V&A)博物館で開催されていた「靴:楽しみと苦痛」展を見てきました。
 靴とは、その人の地位を誇示し、ときに機能の逸脱による痛みを伴いながらも履かれ続けてきたものであることがわかる展覧会でした。

 古代のサンダルから3Dプリンター制作の近未来の靴まで、また世界中から集められた約250足もの靴が、テーマ別に展示されていて、靴というワンアイテムに絞った企画展としては、かなり大規模です。

Img_36731  混雑する会場で、まず目にしたのが、映画「シンデレラ」で見たガラスの靴。映画はディズニーのクラシックアニメを実写版にしたもので、この春公開の人気作品です。私は来るときの飛行機の機内で見たばかりでしたから、このスワロフスキー製の靴は、大変興味深かったです。
 同じケースには、映画「赤い靴」の赤いサテンのトゥシューズも展示されていました。

Img_36611_2  次に歴史靴のコーナーで面白いと思ったのが、15世紀に大流行した、つま先が細長いプーレーヌです。
 写真は、つま先が蛇の鎌首のように反り上がった、風変わりな形のプーレーヌです。

Img_36641_2  ルネサンス期、16世紀のヴェネツィアで流行したチョピンも出ていました。現在のハイヒールの元祖といわれる厚底靴です。
 潮の満ち引きによる冠水も流行った理由とされていますが、実際には実用性はほとんどなく、背を高く見せたいがために履かれたようです。

Img_36621  さらに日本の花魁の高下駄や、それをヒントに舘鼻則孝が創作したヒールレスハイヒールも出品されていました。

 

 

Img_36691_2  これはインドのシルバー製ウエディング・シューズです。
 花嫁から次の花嫁へ、代々受け継がれてきたものといわれ、本展のちらしに使われている靴でもあります。

 この他、フェラガモの工房でつくられた名品や、フィリッピンの元ファーストレディ、イメルダ夫人の靴など、有名人のコレクションも多数。写真で見たことのある実物も多く、一見の価値あるシューズ展と思いました。
 なお開催は来年1月末まで、ロングランです。

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2015年9月16日 (水)

ミラノの新施設「アルマーニ シーロス」を訪問

 ミラノに来て、噂の「アルマーニ  シーロス  Armani Silos」を訪問しました。
Img_33981  ここは「ジョルジオ・アルマーニ Giorgio Armani」が、設立40周年を祝し、ミラノ万博と同時期のこの5月にオープンさせた新文化複合施設です。「シーロス」とは「貯蔵庫」の意味だそうで、元々、穀物貯蔵庫があった建物を建て替えたといいます。打ちっ放しコンクリート構造の4階建てで、広さ4,500㎡と巨大です。アルマーニらしいシンプルさとシャープさで、ちょっと厳めしい感じもありました。

Img_33971_3  一般公開されていたのは、「ジョルジオ・アルマーニ 40周年記念展」です。
 1980年代から現在までのコレクション、約600ルックと200点のアクセサリーが、全館を使用して、展示されていました。

 グラウンドフロアーにはギフトショップがあり、エントランスでは、アルマーニ氏の肖像写真を全身にプリントしたドレスが出迎えてくれました。

Img_33721  階段を上った1階(日本では2階)は、「デイウェアDAYWEAR」です。テイラードスーツからアルマーニを一躍有名にした「アンコン」まで、ズラリと勢ぞろいしていました。
 アルマーニカラーのニュートラルカラーが格調の高さを感じさせます。

Img_33771_2  2階は「エキゾティシズムEXOTICISMS」です。異国情緒のあるフェミニンなドレスやアクセサリーが、美々しく厳かな雰囲気でディスプレーされていました。


Img_33901jpg  3階は「カラー・スキームCOLOUR SCHIMES」で、美しいカラーで彩られた、アートな感覚のドレスが並びます。赤も目立っていました。

 
 

Img_33961  4階は「ライトLIGHT」で、光輝くゴージャスなドレスの数々。

 その奥にはデジタル・スクリーンテーブルコーナーが設けられていました。

 さすがにミラノの帝王と呼ぶにふさわしい、ラグジュアリーな世界を、しばし堪能したひと時でした。

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2015年9月15日 (火)

ミラノウニカ 国際化へ向けて概ね満足のいく結果

   第21回ミラノウニカが10日、閉幕し、結果速報が届きました。
   これによりますと、今回は国際化へ向けて主催者、出展者とも概ね満足のいく結果であったといいます。

Tn_196_mu_2015_09_ph_by_erdna_2     来場者は3日間の開催で、6,322社。人数ではなく、企業数で発表されています。この数字を見ますと、ポテンシャルが下がったように思われますが、決してそうではないといいます。というのも、このエディションは、7月初旬にミラノウニカ・プリマのプレコレクションがあり、その2週間後にミラノウニカ・ニューヨークが行われ、10月には上海で、ミラノウニカ中国が続くからです。
   来場数は、イタリアが10%下落したとのことですが、これはプリマの706社の登録で補てんされるともいいます。
   国際レベルでは、ドイツ12%減、チェコ37%減、トルコ29 %減でしたが、英国6%増、韓国20%増と中国 2%増、フランス2%増。 米国も安定的ですし、ロシアも若干の増加となり、全体的には外国勢が増えています。

   シルヴィオ・アルビーニ会長は、「国際化へのアピールの重要性を再確認した会期だった」と述べ、リーダーシップをエルコレ・ポット・ポアーラ氏に引き渡すことを表明しました。
 国際派といわれるポアーラ氏の登場で、ミラノウニカは国際化へ向けて、さらなる変化が見られそうです。業界がまさに変動期であることを痛感します。

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2015年9月14日 (月)

ミラノウニカ 「ジャパン・オブザーバトリー」に手応え

 今回のミラノウニカで、第3回目となる日本パビリオン「ジャパン・オブザーバトリー」に参加したのは47社です。新規出展は16社で、各社ともテキスタイル輸出への意気込みが感じられます。それだけに熱のこもった商談風景が見られ、手応えを感じられたというメーカーが数多く見受けられました。

Cimg02371jpg  場内では、日本の職人技(尾州と第一織物、斎栄織物)を紹介するビデオ「タクミTAKUMI」も流され、興味深そうに見入る来場者の姿が散見されました。 

 またもう一つ、うれしかったことは、トレンドエリアで日本の生地も展示されるようになったことです。ウニカのトレンドを充実させるためには、EU以外の国のサンプルも必要ということでしょう。
 これを見て、ブースを訪れるバイヤーも多かったようです。

 総じて、メンズ系のバイヤーが多いことから、各社ともメンズ対応の素材を揃えていたのも印象に残ります。
 初出展したサンウェルも、黒やダークな無地を展示されていました。

Img_3573furihashi1  コットン関係では、今回秋冬展ということもあって、参加企業が少なく、少し寂しい様子でした。
 ともあれ、浜松産地の古橋織布(写真右)では、シャツ地が好調とのこと、それもウレタン加工のかなり硬いタッチのものです。

Img_35711  ウニテキスタイル(写真右)では、メッシュを中心に、穴あきのジオメトリカルな構成の後加工素材が好評だったといいます。しなやかに曲がる、やや硬質なタッチのものです。

 カラーは黒が多く、白/黒など、色味があまり感じられません。来秋冬は、どうやら再びモノトーンの世界が演出されるシーズンになりそうです。

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2015年9月13日 (日)

ミラノウニカ 「オンステージ」に日本の「サルバム」登場

 ミラノウニカのオープニングの夕べ、「オンステージ」が開催されました。場所はミラノでもっともプレステ―ジの高いモンテナポレオーネ通りです。
Img_30681jpg  この大舞台でファッションショーを披露したのは、世界各国の才能ある若手デザイナー、10人です。
 その一人として選ばれたのが、日本の藤田哲平さんです。自身のブランド「サルバムSULVAM」を手掛け、昨年「第1回TOKYO FASHION AWARD 2015」を受賞した新進気鋭のファッションデザイナーです。
 テイラードの基本を外さない、モードなメンズウェアを見せて、大きな拍手を浴びていました。
 さすがヨウジヤマモトでパタンナーの経験を積まれたデザイナーらしいコレクションでした。
Img_30911jpg  
 写真上はフィナーレでモデルとともにランウェーに登場した藤田さん。

 ところで「オンステージ」とは、ミラノウニカがウールマーク・カンパニーとのコラボレーションによって、2009年にスタートさせたファッションイベントです。ここからメジャーなブランドに上っていったデザイナーは数多く、英国の「メアリー・カトランズ」などたくさんあります。
 「サルバム」も、今回ミラノで世界へ一歩を踏み出しました。今後の活躍が楽しみですね。

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2015年9月12日 (土)

ミラノウニカ 新トレンドエリアにみる4つの宇宙

 今シーズン、ミラノウニカのトレンドエリアは場所が変わり、ファブリックス展示会場の中央に移っていました。それも約1,000㎡のというスペースです。このインパクトのあるコーナーを担当されたのが、ミラノウニカのアートディレクターのステーファノ・ファッダ氏です。
 2016/17秋冬に向けて発表された新しいコンセプトは、「4つの宇宙を巡る長い旅」。「いずれも独自の個性を備えているが、それぞれが他を必要としており、それらが組み合わさって、全体として一幅の絵となる、モダンアートの展覧会場のような雰囲気を演出している」といいます。

 そのポイントは次のようです。

Arctic Taleアークティック・テイル
Tn_001_mu_2015_09_qg6a2242_photo__2  極地の冬をイメージさせるテーマで、スーパーソフトなウール、ダウン、キルティングなど。柔らかさや明るい暖かな色調をベースに、光輝くホワイト、スーパーライトなカラーと対比するウォーターカラー、氷の鏡のようなグレー。

Folk Land フォーク・ランド
Tn_031_mu_2015_09_qg6a2244_photo__2  複雑な構成による素材の数々。様々なヤーンのミックス、フリンジ、リボンのインサート、目の粗い織物、そして特にジャカード。すべてがソフトな色合いと、大地を思わせる暖かなカラートーンが特色。


Graphic Waveグラフィック・ウエイブ

Tn_056_mu_2015_09_qg6a2249_photo_by  現代性と都会性をキーワードに、メッシュ、タータン、ヘリンボーン、チェック、ストライプの新解釈。しばしばダブルクロスやダブルフェイスなどの革新的ハイテク素材にも具現化される。


Play Roomプレイ・ルーム

Tn_089_mu_2015_09_qg6a2250_photo_by  きわめて鮮やかな色調を持つカラーブロックが絶え間なく続く。圧縮ウール、ソフトフエルト、ビニール素材、ダブルクロスの間のコントラストもポイント。

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2015年9月11日 (金)

ミラノウニカ 来期新会長でさらなる国際化へ

 この6日に日本を出発し、ミラノに来ました。欧州テキスタイル見本市視察旅行で、ミラノの後、ロンドン、パリを巡ります。

 ミラノではイタリアのテキスタイル見本市、ミラノウニカを取材しました。
 リリースによると、今回の出展社数は404社、その内訳はイタリア企業が333社、外国企業が71社です。この数字は前年同期と比較してほぼ変わらないといいます。増えたのは日本の出展社で、今回で第3回目となる「ジャパン・オブザーバトリー」に47社が参加。これは第1回目と比べ、62%増。これに初登場となる「コリア・オブザーバトリー」に参加する企業10社が加わりました。会場には韓国人の姿が目立っていました。

Tn_204_mu_2015_09_qg6a3183_photo_by  初日の8日、恒例のオープニングセレモニーが行われ、シルヴィオ・アルビーニ会長がいつものように挨拶され、概況を述べられました。

 そしてこのスピーチの締めくくりに劇的な展開がありました。それは次期会長となるエルコレ・ポット・ポアーラ氏の紹介です。
Tn_278_mu_2015_09_qg6a3623_photo_by  ポアーラ氏は、レダ社の代表取締役で、イデアビエッラ副会長を務められていた方です。2016年2月展から職務に当たられるといいます。

 写真は、アルビーニ氏が新会長に、額絵をプレゼントしているところです。これは、ミラノウニカで見られた多種多様な生地のコラージュ作品で、このような試みは初めてのことであるようです。
 アルビーニ氏には、会場から惜しみない感謝の拍手が贈られました。

 見本市も大きな変動期にあると思われます。このことを痛感させられたドラマティックなシーンでした。

 アルビーニ氏はスピーチの中で、ここ数年間、ミラノウニカがとってきた国際化戦略は正しかったと語られています。中国へ進出し、またアメリカ市場への足がかりとなる第1回ミラノウニカ・ニューヨークを今年7月に開催し、「プリマ」の実験的な試みをスタートさせました。その一方、アジア企業にも門戸を開き、昨年は日本、今年は韓国企業が出展を果たしています。

 ミラノウニカは来期に向けて、さらなる国際化を進めていく様子です。
 このことは、2015年上半期の輸出状況からも裏付けられます。データを国別に分析すると、EU諸国が4.9%減であったのに対し、EU域外諸国は0.9%の伸びを示し、アメリカや中国、香港への輸出が伸び、日本への輸出もまた1.8%の伸びを示し、韓国への輸出は24.9%の増加になったとのことです。
 今や企業の成長に、国際化は欠かせません。よりグローバルな見本市をと、目指し始めたミラノウニカに期待しています。

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2015年9月10日 (木)

泉州こだわりタオル 竹利タオルの「タオルの下着屋さん」

 大阪泉州産地は、国内タオル生産量の47%を占めるタオルの産地でもあります。この泉州タオルは、「泉州こだわりタオル」のブランド化を推進していて、今回のギフトショーにも、「泉州テキスタイルコンシェルジュ」の中核として出展していました。

Img_27691  この中で私が注目したのが、竹利タオルです。アウターとしても着用できる下着やパジャマのファクトリーブランド、「タオルの下着屋さん」を手がけています。
 超細番手糸の綿糸で、織り上げた二重織のガーゼタオルは、しなやかでやわらかい風合いが、何とも気持ちいい。微妙な透け感があって、ふんわりと軽くて薄い、タオルとは思われない織物に仕上がっていました。
 タオル屋さんはもう、タオルだけではありません。ファッション性のあるアパレル分野にも進化していることを、改めて感じます。

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2015年9月 9日 (水)

聞こえを助ける補聴耳カバー「私のミミ」

 ギフトショーというと、このところシニアに特価したコーナーがありましたのに、今回はなくなっていました。日本最大の生活雑貨の見本市ですので、シニア向け商品を探し出すのは大変です。

Img_27841  でも一つ、「私のミミ」という補聴耳カバーを発見しました。
 これは、中部デザイン研究所(名古屋市)が開発した、テレビ視聴や室内用のもので、発泡ウレタン製のカバーを耳に掛けるだけで、すぐに使用できるというもの。電池不要で、設定や調整も必要ありません。補聴器というと、電子式という流れに、あえて逆らうような商品です。
 原理は、耳を覆うことで生じる音の共鳴現象を利用していること。これにより聞こえを補助し、今ある聴力を活かして、聞き取り可能な、とくに高音域の音を強調する仕組みといいます。

 私もブースで試してみました。これを耳に掛けて、クラシック音楽を聴いてみたのです。確かに高音部がはっきり聴こえやすいように感じました。こんなに簡単なものなのに不思議ですね。

 価格は1,980円。お年寄りへのプレゼントにおすすめです。

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2015年9月 8日 (火)

社会貢献ブランド「リボンズプロジェクトトート」に注目

このほど開催されたギフトショーで、「おやっ」と思ったのが、「ピンクリボン」を使った帆布のトートバッグです。
Img_27931  これは、乳がん検診の早期受診を推進するシンボルマークをデザインしたもので、「アイソシアル
aisocial」という社会貢献ブランド「リボンズプロジェクトRIBBONSPROJECT」の新商品です。

プロジェクトデザイナーは佐藤利樹氏で、短いリボンを輪にして折り、ピンで留めたスタイルが、カワイイ!ですね。

この「アウェアネス・リボン」のバッグは、ピンクの他、ブラウンやブルー、レッド、グリーン、オレンジ、ネイビーがあります。購入により、それぞれのカラーに割り当てられた寄付先に、自動的にドネートされる仕組みになっていて、価格は一律3,000円です。

トートを手にすることで、社会に繋がっていると思えると、うれしい気持ちになります。こうした動き、今後ますます広がっていくことでしょう。

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2015年9月 7日 (月)

ギフト・ショー「ザ・ワンダー 500」で地方から世界へ

Img_27591jpg_2  「地方から世界を目指そう」という声が、日増しに大きくなっています。これを受けて経済産業省では、今年度新たに「ザ・ワンダー 500 (The Wonder 500)」プロジェクトを立ち上げました。
 これはクールジャパン政策の下、世界にまだ広く知られていない、日本が誇るべき優れた地方産品500点を発掘・選定し、国内外でのプロモーションを通して、海外に広く伝えていく事業です。

Img_27531  この9月2〜4日、東京ビッグサイトで開催された第80回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2015で、2,000点近い応募の中から選りすぐりの全500点が特別展示されました。

 同時にこれを記念するパネルディスカッションが行われました。

Img_27291  パネラーは、経済産業省経済産業政策局の諸永裕一氏と、二人の“目利き”プロデューサー、メソッド代表でバイヤーの山田 遊氏と、スペースマジックモン代表でクリエイティブディレクターの山下順三氏です。テーマは「海外市場で成功する地方産品とは?」で、海外進出を考えているメーカーにとって大変有意義な内容だったと思います。

 その主なポイントは次の通りです。
 まず認定基準では、商材の背景にある思いやこだわり、価値観を重視されたといいます。山田氏は、「インバウンド需要のあるものは、アウトバウンドでも売れる」と、国内で静かな人気を集めているブランドを選択。ファッション分野では、播州織作家 玉木新雌によるルーツ・ショールや岩見銀山のパレットドロップTシャツを選んだと語り、また山下氏は、伝統工芸の中で現代の生活に溶け込む商品開発をしているブランドを選出、京都・光章の手描き友禅のトートバッグや、ソウソウの地下足袋、大東寝具工業の京和晒綿紗を挙げていました。

 次に海外に向けての発信では、山下氏は、「日本にしかないもので、日本の強みをアピールすることが重要」と話し、「たとえば竹製品では、日本の竹は油分が良質で、中国など他の国にこのような竹はない。また和紙も日本独特で評価が高い。そうしたニーズを積み重ねていくことが大切」と強調。山田氏は、「中国で南部鉄器が売れているのは、お茶の味がまろやかになるからで、体験してもらえば違いがわかる」。さらに「商品のストーリーをどのように伝えるかが鍵」といいます。

 また今ある商品の価値を高めるための方法として、山田氏は、「いいものをつくっただけでは売れない」、「看板となるネーミングやパッケージデザインなどの総体の重要性を認識すべき」と断言。山下氏も、「売り込む背景や組み立てが大事。とくに和の伝統の“間”の空間など、日本ならではの表現を、海外にプッシュすることが必要」とアドバイス。

 最後に、諸永氏から「日本人よ、もっと自信を持とう」と励ましのメッセージが送られて終了しました。

 なお、このプロジェクトは今後、国内での交流イベントや海外でのPR、とくにパリ・デザインウィークへの出展やセレクトショップでの展示・販売、ストーリーブックの発行、ウエブサイトの日、英、仏、中の4か国語への翻訳など、活動が目白押しのようです。来年度以降、経済産業省の支援が絶たれた後も、引き続き、民間で運営し、ブランド数を増やしていく方向とのことです。

 地方発クールジャパンの推進による地方活性化の取り組み、ますます期待されます。

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2015年9月 6日 (日)

ソル・ルウィット展「ライン&カラー」

 先日、南青山の閑静なブティック街を散策し、「コスチューム ナショナル CoSTUME NATIONAL」に行ってみました。ここのギャラリーLABでは、よく展覧会が開かれているのです。

 開催されていたのは、コンセプチュアルアートの先駆者といわれるアメリカの現代美術家ソル・ルウィットの個展でした。ギャラリーの白い壁を飾っていたのは、1975年の作品「ライン&カラー」です。グリッド線と白、黒、赤、黄、青の大胆な色彩で構成された幾何学的な空間を表現しています。
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 以前、ニューヨークのMoMAで、絵画とも彫刻ともつかないルウィットのミニマルアートを見たことがあります。モチーフはTシャツにプリントされるなど、ファッションにも大きな影響を与えていますね。

 ギャラリーのミニマルな環境とアートの調和をしばし楽しんだことでした。

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2015年9月 5日 (土)

「蔡國強展:帰去来」その火薬ドローイングとは!

 今、美術界で話題のスーパースター、蔡國強展を見に横浜美術館へ行ってきました。
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 蔡國強は、1957年、文化大革命時の中国・福建省で生まれ、上海で舞台芸術を学んだ後、画家を志し、1986年から1995年まで日本で活動。その後ニューヨークに渡り、世界的アーティストの仲間入りをします。とくに火薬、といっても花火用のものを使い、紙やキャンバスに絵を描くことで知られるようになるのですね。

 そのコンセプトは、地元の人々とともに、その土地の歴史や文化、社会問題を映す象徴的なものを基に作品をつくっていくことといいます。

 今回、日本に帰国しての展覧会ということで、絵画の原点に返った新作を発表しています。タイトルは「帰去来」で、陶淵明の「帰去来の辞」に由来しているとのことです。

 エントランスホールの吹き抜けの空間で展示されていたのが、火薬ドローイングの大作「夜桜」です。これは横浜出身の日本画家、横山大観の「夜桜図屏風」をヒントに、高知和紙にスケッチし、切り抜いて火薬を蒔き、爆発させ、その破壊の跡を使った、何とも無常を感じさせるアートです。これを創るには、ホールをしっかり養生して、8日間にわたり、一日一回、炸裂させたといいます。瞬時の爆破の痕跡がありありと残っていて、さすがに凄い迫力です。
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 日本の桜花も、中国伝統の火薬も、ともにパッと散るはかない命の象徴です。それを上から見下ろしているふくろうも、蔡國強自身を表しているようです。人生のむなしさのようなものが表現されている、なかなか意味深な作品と思いました。

 もう一つ、感銘したのが、ポスターやちらしに掲載されている「壁衝き」です。広い会場をいっぱいに占拠しているのは、等身大の狼たちです。彼らは剥製ではなくで、毛が羊の毛であるなど、人工的につくったものだそうです。本物そっくりによくできていて、びっくり!します。
 この狼の群れが空中を飛んで、ガラスの壁を飛び越えようとしているのですが、決して飛び越えることはできません。再び列に戻って、同じことに挑戦するのです。狼の数は、99頭で、この99という数は、中国では「久久=永遠の連続性」を表しているともいいます。
 制作されたのは、2006年のベルリンでの初個展のときで、現在はドイツ銀行が所蔵しているとか。ガラスの壁は、かつての「ベルリンの壁」と同じ3mの高さで、狼は人間の寓意であり、当時の自由を求める人々を示唆しているようです。
 見える壁は壊れても、見えない壁を壊すのは難しい。これは見えない壁という、すべてに通底する問題提起でもあると思いました。集団で行動し、ブレーキが利かなくなる人間を戒めているようでもありますね。

 他に、春夏秋冬を題材にした火薬絵画やインスタレーションなど、スケールの大きい作品が揃っていました。

 日本と中国の融合や、人間と自然の循環を紡ぎ出す蔡國強の世界を堪能したひと時でした。
 なお、本展は10月18日までの開催です。

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2015年9月 4日 (金)

「クリスタル ユニバース」で光の中を宇宙散歩?

 今、銀座で人気を集めているイベントが、「クリスタル ユニバースWalk Through the Crystal Universe」です。光の中を宇宙散歩?しているような気分を味わえます。
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Img_27111  これはポーラミュージアム アネックスで、27日まで開催されている、ウルトラテクノロジスト集団、チームラボの個展です。宇宙空間の光の動きを表現した新作インスタレーションで、独自の「インタラクティブ4Dビジョン」を使い、6万個ものLEDが立体的な空間に配置されているといいます。
 内部はそれほど広くはありませんが、一周して、さざめく光の渦を体験できるようになっています。

Img_27151  会場はスマートフォンを手にした若者でいっぱい。場内に掲示されたQRコードでアプリをダウンロードし、表示された星をスワイプすると、星が作品に送られて、反映されるというのです。でもあまりにも星の数が多いので、どれが自分の星か、探し当てるのは難しそうです。

 外から眺めているだけでも美しいので、気分転換によさそうです。

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2015年9月 3日 (木)

2016年春夏「エコマコ」自然と共に生きる「グリーンライフ」

 自然に優しい優美なドレスのブランド「エコマコ ECOMACO」が、2016年春夏展を8月27〜29日、東京・大手町の「パソナ」で開催しました。手掛けるのは、同社代表でファッションデザイナーの岡 正子さんです。
 今シ―ズンは、“「Chance」~しあわせを運ぶ~”をテーマに、同ブランドのコンセプトである自然と共に生きる「グリーンライフ」の世界観が、すべての面に打ち出されていたのが印象的でした。

○スマイルプリント
Img_26191  みんなが笑顔になれる、明るいポップなプリントのコレクションです。今回から新しくデジタルプリント技術を取り入れ、また学生とコラボしてデザインを企画されたといいます。
 中でも爽やかでフレッシュに感じられたのが、ホームファッションの提案です。グリーンの植物柄の間には、ラッキーアムレットの白い猫など、カワイイ動物のモチーフがさりげなく入っているといいます。どこに隠れているのかしら、と探すのも楽しい、ちょっとワクワクさせられるプリントです。
Img_26211jpg  
○グリーン&エシカル・ウエディング
Img_26151jpg  ウエディングは人生最高の歓びです。これまで応援してくれた人、地球や自然に、どう感謝の気持ちを伝えるか、一着のドレスに「ありがとう」の心を伝えるドレスが提案されています。
 とくに今年スタートしたばかりの新しいプロジェクト「しあわせ信州ウエディング」は、長野出身の岡さんならではの取り組みです。
 これは、二人の思い出の場所での結婚式プランで、例えば菜の花畑でのウエディングや、古民家でのウエディングなど。パック結婚式にはない、心に残るウエディングになることでしょう。

Img_26161  またリメイクの発想で、式後は日常着として楽しめるドレスも展示されていました。
 染め直したり、ベビードレスや赤ちゃんのおくるみに再利用したり。
 写真右は、マタニティドレスにリメイクしたものです。横から見ると、お腹がふっくらしています。

○光のカケラプロジェクト
Img_26141  これは、子どもたちに物を大切にする心と色のワークを通じて、豊かな感性を育てていこうという、CSR活動です。残布を利用し「もったいない」の心と、モノづくりの楽しさを育くみます。
 2012年から始めたという「色育」ワークショップは、今や全国各地で開催されているといいます。親子ファッションショーも盛り上がっている様子です。

○モザイクキルティングシリーズ
Img_26081  「エコマコ」らしいアップサイクルの形を見せるもので、端切れだからこそできる世界にたった一つのデザインです。
 モザイクのようなパッチワークの手作りの布は、見とれるほど美しかったです。

Img_25951  会場となった「パソナ」は、都心にありながらも、植物にあふれるビルです。自然との共生をコンセプトに「アーバンファーム(都市型植物工場)」を展開しています。

 1階のエントランスでは黄金色の稲穂がまぶしい季節を迎えているところでした。

 自然と共に人と人とをつなぐ「グリーンライフ」を提唱する「エコマコ」の発表の場として、ここはまさしく最適な展示スペースと思い、感銘しました。

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2015年9月 2日 (水)

イリス・ヴァン・ヘルペン展 近未来を予感する異次元モード

Scan0318_2  イリス・ヴァン・ヘルペン Iris Van Herpen といえば、オランダ出身の前衛的デザイナーで、3Dプリンターで服をつくっていることで知られています。
 数年前から、パリのオートクチュールコレクションに進出し、ビヨークやレディー・ガガも愛用しているとあって、話題を集めています。

 この「イリス・ヴァン・ヘルペン展」が今、渋谷・西武百貨店でが開催されています。先日、コレクションへの興味もあり、見に行ってきました。

Img_26731  薄暗闇の中、サーチライトがドレスを照らし出しています。無機質なドレスはレーザー光線に打たれたかのように光りを放ち、稲妻模様を浮かび上がらせます。
 不思議な素材が使われているようで、何とも近未来を予感させるドレスです。
 空間デザインを担当したのは、ロボットデザイナーの松井龍哉氏で、この異次元モードの世界観を上手く表現しているな、と思いました。
Img_27081  
Img_26771jpg_2  中央のケースにおさめられていたのが、3Dプリンティングによるドレス(写真左)です。パーツをつくり、それをボディに合わせて構築しているようです。
 デザイナー自身が「私のファッションは-----観て、そして着られるアートです」と語っているように、これはまさに身に纏うアート作品と思いました。精巧な細部にも目をみはります。3Dプリンターならではの、これまでに誰も見たことのないデザインです。
 しかも想像以上にかっちりとした「よろい」のようなフォルム! 環境の激変が予想される近未来には、身体防御のためのサバイバルウェアとして好都合なのかもしれません。ただしどうにも動きにくそうです---。

Img_26751  その隣に展示されているのが、ヒールレスハイヒール(写真右)です。
 前衛的シューズデザイナー、舘鼻則孝が手掛ける「ノリタカ タテハナNORITAKA TATEHANA」とのコラボレーションで制作されたもので、透明クリスタルのヒール部に、3Dプリント技術が用いられています。2015-16年秋冬「HACKING INFINITY」のコレクションショーに登場して、センセーションを巻き起こしたものといいます。

 3Dプリンターによる造形デザインが、服のような大きなものにも、ついに現れ始めました。影のように忍び寄るハイテクノロジーが、未来のファッションシステムをどのように変えることになるのでしょう。今後に注目しています。

 なお、本展は6日までです。一見の価値ありですので、お見逃しなく。

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2015年9月 1日 (火)

徹子の部屋展 あの舞台衣裳をデジタルスクリーンで体感

Scan0317_2  今、「徹子の部屋展」が、東京・日本橋の高島屋で、9月7日まで開催されています。
 黒柳徹子の「徹子の部屋」も、放送開始から今年で40周年、1万回を迎えたそうです。司会者が同一で最多放送回数を記録した、ということで、「ギネス世界記録」にも認定されたといいます。

 展覧会では、ステージ衣装やアクセサリー、徹子の部屋のスタジオも再現されています。
2_2  とくに楽しいのが、デジタルスクリーンコーナーでしょう。鏡の前に立つと華やかな衣裳が現れます。また別の衣裳に着替えてみたり、トレードマークの“たまねぎヘア”を頭にのせてみたり、楽しそうに写真撮影しているグループが目立ちました。私もちょっとだけ徹子さんになった気分を体感しました。

 この魅惑的な舞台衣装は、その日のゲストや天候に合わせてご本人が選び、収録が済むと、もう二度と着用することはないといいます。というのもすべてオークションに出して、その収入を寄付しているからなのだそうです。

 82歳という年齢で、まだまだ意気軒昂、その夢を追いかける姿に魅せられます。

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