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2015年7月23日 (木)

色彩と文様展 染織祭衣装にみる昭和初期の職人の技

Img_19981_2  「染織の都」京都では、昭和初期、「染織祭」と呼ばれる女性時代衣装行列が行われていたといいます。この「京都染織祭・復元時代衣装にみる 色彩と文様展」(京都染織文化協会と文化学園大学共催)が、東京・新宿の文化クイントサロンで25日まで開催され、先日見に行ってきました。

  会場では、染織祭で使用された女性装束を復元した時代衣装が、古墳時代から江戸時代まで時代順に、展示されています。衣装を保全している京都染織文化協会によると、143領の全ての修復が完了し、今回その内の34領を厳選して公開しているとのことです。歴史を彩る衣装はいずれも華麗で美しく、中でも江戸時代のものはきらびやかで豪華絢爛です。
 それにしてもかつての未曽有の大戦をよくぞ生き延びたものと、改めて感動させられます。
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 龍谷大学京都産業学センターの北野裕子先生によると、染織祭とは、京都の基幹産業である染織業の振興を図るため、昭和6年に創始されたお祭りだそうです。昭和8年に、8つの時代(上古・奈良・平安・鎌倉・室町・桃山・江戸前・江戸後)の豪華な衣装が完成し、時代衣装行列が加わって、京都の三大祭りといわれる葵祭・祇園祭・時代祭に匹敵する盛大な祭りであったとか。しかし日中戦争の開戦によって昭和13年に行列は中止され、その後は祭祀のみとなって昭和26年まで続いたといいます。

Img_19741jpg  衣装がつくられた昭和初期は、日本の染織技術が最高潮に達した時期で、西陣・友禅・丹後などの職人たちが精緻な技を競い合ったといいます。しかしそれらの技の多くは、今ではもう再現できないそうです。
 江戸時代の京友禅の繊細な文様、その細かな筆さばきや微妙なぼかしの技法、室町時代の精細な絞り染めや、安土桃山時代の金箔の細密な表現---など、当時の匠の技のすばらしさに圧倒されますが、いずれも現代では不可能な技術となっているといいます。
 文様は花や葉など、植物模様が中心ですが、鎌倉時代の小袖にはクモの巣や蛾などをモチーフにしたものも見られ、日本人の自然観察眼の鋭さにも驚嘆させられます。
 色彩はもちろん全てが草木染めです。それがまた何とも色艶やかで、美しく映りました。

   まず圧巻と思ったのが、正面中央に置かれた江戸時代の振袖で、「藤花水車文様」のものです。
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Img_19851_3  淡紅色と淡藍色の曙染めを施し、肩から背にしだれた藤の花、裾には水車が波間に浮かぶように配されています。
 友禅染めの極地ともいうべき精密な職人技に驚かされます。

 

Img_19771  次に安土桃山時代の「垣に桜紫陽花文様小袖」です。これは紋綸子地全体を文様で詰めた衣装で、染織技術の粋を集めた豪奢なものです。
 地文様と上文様を分化したデザインは、何とも斬新で、金箔で表現した細かな筋目模様の繊細さにも魅せられました。 

Img_19441_3  また室町時代の「源氏香図文様小袖」(右)と「肩裾紅葉水玉文様小袖」(左)も印象的でした。源氏香の符号と水滴が飛び散る様が絞り染めで表現されています。今はもう、このような絞り染めは再現不可能だそうです。  

Img_19921jpg  左は古墳時代の衣装、「葦絹鴇色に蔦文様衣」です。
 版木で摺りあげた蔦の葉は、まさに自然そのままの風情を醸し出しています。

 昭和初期の職人の精緻な技にすっかり感銘させられた展覧会でした。

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