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2015年6月 7日 (日)

「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」展

 今、東京・渋谷のBUNKAMURAザ・ミュージアムで開催されている「ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美」展に行ってきました。副題が、「Money and Beauty」となっているように、これはボッティチェリの美に代表されるフィレンツェ・ルネサンスの文化遺産に焦点を当てた展覧会でした。

 本展では、冒頭からその富の源泉となったフィオリーナ金貨が展示されていて、ちょっとびっくりします。メディチ家など銀行家の支援を受けて、芸術家たちが数々の傑作を生み出していったのですね。
Mainvisual_3  このことをよく物語っているのが、チラシにも掲載されているボッティチェリの「ケルビムを伴う聖母子」の絵でしょう。額縁にはびっしり金貨が描かれていて、確かにユニークです。両替商の注文で、描かれたといわれているそうで、金融業で栄えたフィレンツェの富を暗示しているように思いました。
 この絵の近くに置かれていた「高利貸」という作品も忘れられません。人物の顔が、いかにもそれらしい狡猾そうな表情を浮かべているのです。

 圧巻は、やはり「受胎告知」のフレスコ画では、と思います。 中央の広い空間に大きく置かれていて存在感がありました。
1_2  この絵からは、フィレンツェの大邸宅の様子がうかがえます。とくに左手の大天使ガブリエルが美しく、この時代、天使といえば男性の姿で描かれたことがわかります。翼にマリアの象徴とされる純白の百合の花が描かれているのも、印象的でした。

 このボッティチェリも、晩年になると、絵が少しかたくなってくるようです。メディチ家の庇護が失われてしまうからでしょうか。落魄の身となって、亡くなったといわれています。

 以前、フィレンツェのウフィッツィ美術館で、ボッティチェリの名画「ヴィーナスの誕生」と「春」見たことがあります。本当にすばらしかったのを覚えています。あれらの絵は、15世紀に花の都と謳われたフィレンツェの最盛期に、描かれたものだったのですね。

 一人の画家の栄光と悲哀を感じた展覧会でした。会期は今月28日までです。

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