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2015年6月19日 (金)

喜之助紺屋展 「木綿と藍染めと日本人の暮らし」を語る

 「喜之助紺屋展」が25日まで、東京・墨田区の久米繊維ファクトリーショップで開催されています。「喜之助紺屋」とは、埼玉県羽生市にある野川染織工業の創業時の屋号です。現在でも天然発酵建の藍で糸を染める、日本で数少ない紺屋といわれています。
Img_07641  同社は、この屋号をブランド化し、久米繊維工業、日東タオル、ツバメタオルとコラボレーションして、オリジナルTシャツやタオルを展示販売しています。

 先月末、このキックオフイベントで、「木綿と藍染めと日本人の暮らし」と題するトークショーが行われました。
 スピーカーは、野川染織工業社長 野川雅敏氏、日本オーガニックコットン協会理事長 森和彦氏、久米繊維会長 久米信行氏、そしてモデレーターを務めたのは、シナジープランニング代表の坂口昌章です。行ってみて、同氏らが、藍染めの作務衣を着けていらっしゃるのにびっくり! もちろん喜之助紺屋のものです。
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 お話はまず、野川染織工業の紹介からスタートしました。同社は、昨年創業100年を迎えたという老舗です。
Img_07501jpg_2  壁面にはかつての写真資料を展示。本拠地となっている埼玉県北部の利根川流域は、江戸時代より綿織物と藍染めの産地だったといいます。
 当時は農民が8割で、そのほとんどが藍染めの衣をまとっていたようです。おっしゃる通り、日本人はまさに藍に染まっていた、のですね。「ジャパンブルー」の発祥、ここにありです。

 次に伝統の藍染めの工程をビデオで上映していただきました。徳島で栽培された藍草で、藍を建て、糸染めし、製品染めをしていく職人の気骨の技を拝見しました。若い卵たちも着実に育っている様子です。さらに織布、縫製まで、同社は一社で貫徹されています。すべて一貫して手掛けることを生業としている、このような企業が、東京近郊にあったとは! またしても驚嘆しました。

 色合いについても、藍は様々です。一番薄い「カメのぞき」から濃い「勝色」まで、多様な藍の色を見せていただいた後、藍の効用に関する話になりました。

 昔から虫よけや蛇よけになることが知られている藍ですが、抗菌効果、抗酸化作用といった薬効もあり、汗疹やかぶれも治るといいます。道理で、手甲や脚絆など、忍者が愛用したはずです。難燃性も増すので、火消し装束にも用いられていたとか。吸水速乾性を高める働きもあるといいます。こうしてみると藍染めは、アウトドアスポーツウェアにもってこいの素材といえそうですね。

 最後に、難点とされている藍染めの色落ち問題も取り上げられました。とはいえ色が落ちてどうして悪いのか、落ちてもいいのではないかとのご意見で、私も大賛成です。今の日本で施行されている品質管理法は合繊が基準となっていますから、草木染めなど自然をよしとする新しい流れに合っていないのです。
 話題は合成洗剤使用の罪に及び、藍染めなら単に水洗いするだけでよいので、排水処理が要らず、人にも環境にもよいことづくめであることがわかりました。
 藍のことは、かなり知っているつもりになっていた私でしたが、目からウロコのお話ばかりで、大変勉強になったトークショーでした。

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