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2015年5月25日 (月)

きものの影響力に衝撃!

 「モードのジャポニスム」展を、京都国立近代美術館で見たときの感動は忘れられません。日本のきものが現代モードの扉を開いたとは!それはもう20年以上も前の、1994年のことでした。
Img_04051jpg  この展覧会のキュレーターを務めた服飾史家の深井晃子氏が、先週大妻女子大学で開催された服飾文化学会大会で、特別講演をされました。
 演題は「想像と創造 ―― きもの/ジャポニスム/ファッション」です。「きものは、欧米にどのような影響を、どう与えたのか」、お話を伺い、再びきもの影響力に衝撃!です。

 まず19世紀後半から20世紀初めに起こった日本文化への熱狂、ジャポニスムについてです。
 1851年のロンドン万博に始まる万博を通じて、日本の芸術に関心が寄せられ、絵画の中に日本的なもの、平面化や色彩の輝き、非対称の美などが採り入れられていきます。それは新しい創造の発想源となったといいます。これはモードも同じで、単に珍しいから真似たというものではなかったのですね。

 次にきものがバリ・モードに受容されていく過程を追います。
 きものの布としての興味から形への関心です。きものフォームやきものコート、きものスリーブなど、その構造原理や直線的な構成が注目されるようになります。ポワレやヴィオネ、キャロ姉妹、フォルチュニーといったモードデザイナーたちは、このきものスタイルで大成功を収めます。
 「KIMONO」という言葉が、欧米でドレッシングガウンの意味として根付いていったのもこの頃といいます。

 さらに現代のファッションで、きものが興味深い動きを見せていることに触れて、次の3つの現象を挙げられました。
 一つは、若者たちの間で、浴衣やきものの古着など、きものを自分らしく着用する傾向が広まっていること。
 二つ目は、きものが現代ファッションのデザインソースになっていること。今秋冬も、ランバンなど有力デザイナーたちの多くが、1920年代のアーカイブなどからジャポニスムをヒントにコレクションを発表しています。
 三つ目は、現代ファッションに生きるテキスタイルの伝統です。ヨージ・ヤマモトの絞りや、ジュンヤ・ワタナペの型染め、マトフの辻が花など、これもう枚挙にいとまがありません。

 最後に「きものの力は侮りがたい」と語られたのが、印象に残りました。きものは、これからも新しい未来を開くキーアイテムになっていくのでしょう。

 今回の講演は、昨年10月にニューヨークで行ったものをまとめたものだそうです。過去から現代までの流れを大変わかりやすく語られ、久しぶりに学び直した気持ちになりました。すばらしい講演会に感謝です。

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