みんなにうれしいカタチ展 ヘルメットになる椅子に注目
今、東京の印刷博物館で「みんなにうれしいカタチ展」が開催されています。副題は「日本発ユニバーサルデザイン2015」で、同館のスタッフが、WEBサイトをはじめ様々なところから蒐集されたという最新のユニバーサルデザイン(UD)製品が展示されています。
UDといっても、普通の暮らしですぐに役立ちそうな身近なものが、たくさん並んでいます。落としても割れないコップ(シュプア SHUPUA)とか、形状記憶ポリマー製で、手の状態に合わせて自由に変形できるスプーンとフォーク(ウィル・ワン、ウィル・スリー)など----。
その中で、とくに目を惹きつけられたのが、ヘルメットになる椅子「マモリス」です。これを開発されたポップライフ 社の川井氏のお話しを伺うことができ、ますます興味を持ちました。
「守る」という名前の響きもいいですね。以前、テレビ東京のWBS「トレタマ」で紹介されたのを思い出しました。
一見、何の変哲もない白い椅子ですが、シートの下に防災ヘルメットが付いていて、これが背もたれと一体化しているのです。座面にある小さなボタンのつまみを回すと、背もたれが外れて、ヘルメットが現れる仕組みになっています。
私もかぶってみました。少し重い感じはしましたが、災害時には頭から、首、背中をカバーしてくれて、これなら何かがぶつかってきても大丈夫。避難するのに、それほど前かがみにならなくてすみそうです。
川井氏によると、開発のきっかけとなったのは、あの東日本大震災だったそうです。テレビで大勢の人々が、頭に手やカバンなどをのせて建物から逃げ出す姿を見て、手に届く範囲にヘルメットがあったらいいのにと思い、ヘルメットを椅子と結び付けるアイディアが浮かんだといいます。ヘルメットは置いてあったとしても、たいてい、ロッカーなどにしまわれています。ですから、とっさの事態にすぐに使えません。でも椅子でしたら、日常的にいつもそばにあります。
椅子が簡単にヘルメットに早変わりする「マモリス」、まさに一石二鳥ですね。
制作にあたっては、椅子としての強度と、薄さと軽さの両立に苦心されたとのこと。しかもできる限り防災用品らしからぬデザインを目指したといいます。
価格は、一脚35,000円でまもなく発売されるとのこと。あったらいいなと思う椅子です。
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