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2015年4月

2015年4月30日 (木)

「丸山敬太が描くファッション業界の未来地図」

 今月初め、東京ビッグサイトで開催された第3回ファッションワールド東京で、業界活性化や若手支援のためのセミナーが連日行われました。
Cimg20531jpg  その初日、基調講演されたのが「ケイタ・マルヤマ」を手掛けるファッションデザイナーの丸山敬太さんでした。さすが人気デザイナーとあって、大会場は満席の盛況でした。 
 テーマは、「丸山敬太が描くファッション業界の未来地図」です。今やパリコレの常連となった丸山さんが、これまでの軌跡をたどりながら、日本のファッション業界が進むべき道について語られました。

 まずは、先般、東京コレクションで発表された、ご自身の今秋冬コレクションからスタートです。(このブログ2015..3.20付けで掲載)ビデオが上映され、華やかな舞台の様子が伝わってきます。テーマは「夜の香り」で、今回は20周年記念ということもあり、エンタメ性やショーアップにこだわったといいます。
 元々ショーが好きで、学生時代、テレビで高田賢三のパリコレを見て、電撃的ショックを受けたとか。あのようなショーを自分もやってみたいと思うようになり、それが高じてファッションデザイナーになられたそうです。
 やりたいことがあり、それを周りに伝えて、支えてもらえたことで、今の自分があるという丸山さん。夢を抱き、情熱をもってそれを発信することが大切と、話されます。

 ここからは質問形式になり、服づくりについて、「ドラマティックで楽しいものをやりたい。それを着たら、人生が変わるようなデザインを創りたい」といいます。
 日本製品への思い入れは強く、中でも日本の素材は世界に誇れると強調。「すばらしいものが日本でつくられていることを、世界に自慢しに、パリへ行っている、と思うぐらい」とも。
 また日本のファッション業界に必要なこととして、「インターネットで新しい世界が広がっているのに、いまだ皆が、同じ方向を向いている。縦ではなく横で、テイストやクリエイティビティといった要素で繋がる社会への転換が求められている。業界を横ぐしで刺していくことが重要」と断言。
 さらに若い人たちへ、「考えるよりも一歩足を踏み出すことが大事、すべては行動から始まる」のメッセージ。
 最後に、「日本の売場を見ていると、マニュアル化し過ぎ。もっとパーソナルであって欲しい。その方が楽しくなれる」とも。

 本当にそうだなと思うことを、デザイナーご本人の体験を基に、わかりやすく表現されていました。これからの未来を担う若者たちの琴線に響いたことでしょう。そんな心に残るセミナーでした。

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2015年4月29日 (水)

15/16秋冬ネスト+プラスアンビアンス 個性的ブランド集結

 エッジの効いた個性的なファッションブランドの合同展「ネスト+プラスアンビアンスNest +plus ambiance」が、先月末、開催されました。参加したのは、40社の実力派ファッションブランドです。東京・代官山の4会場に分かれて、今秋冬ものコレクションを発表していました。
 今を時めくブランドが集結する展示会でしたが、何しろ数が多くて、時間がなくなり、ほんの一部しか回れませんでした。
 その中で注目したブランドを3つ、ご紹介します。

ディウカ divka
 ディウカは、デザイナー田中崇順さんとパタンナー松本志行さんが2011年に立ち上げたブランドです。パリのファッション展などにも出展されて好評を博するなど、若手では一番の成長株とみられています。
 特徴は、ドレープを生かした非対称なカッテイングのハーモニーと、独自のプリントデザインです。エッジ―なのに、洗練されたエレガントな雰囲気があり、いつも魅了されているブランドです。
Cimg21061jpg  
 今シーズンは「face(面)」がテーマで、独特のズレやひねりを加えたシルエットで変化を見せていました。ねじりの入ったパンツのラインも目新しく映りました。

ミドラ MIDOLA
 ミドラは、元「lesstHan」の安藤大春さんが、昨秋スタートさせたばかりのレディースブランドです。
 シンプルでスポーティブなスタイリングで、移り変わる「東京の日常」を表現しています。
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Cimg21021jpg  一見何気ない普通の服なのですが、背中を見ると大きく割られていたり、スカートのボックスプリーツの内側に別布が当てられていたり-----。
 トラッドな形を少しだけ崩したデザインが新鮮です。

 とくにニットのストールで、袖を通すとセーターを着用しているように見えるアイテムが、大人気の様子でした。



パピエ・ティグル・パリ・東京 PAPIER TIGRE PARIS TOKYO
 「パピエ・ティグル」は、パリを拠点に活躍するペーパープロダクトのブランドで、そのオリジナルなグラフィックのステーショナリーは、パリの人気セレクトショップ「メルシー」でも販売されていて、好評といいます。

Cimg21131  このパピエ・ティグルのウェアラインが、「パピエ・ティグル・パリ・東京」です。スタートして4シーズン目になるそうで、レディスもメンズも手掛けるユニセックス展開です。

 服と同じ柄の表紙のノートブックを合わせたディプレーで、オヤッと思わせます。
Cimg21161jpg  
 大胆な構図のペーパーデザインを生かしたシンブルな服は、他にないユニークな個性を放っていました。
 紙はリサイクルペーパーを使用しているそうです。

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2015年4月28日 (火)

防災ツール「プレファブコート ライス神戸」

 この3月半ば、大阪に出張した折り、神戸ファッション美術館に立ち寄り、「プレファブコート ライス神戸 Prefab Coat Rice Kobe」を見てきました。
 これを手掛けたのは、衣服造形家の眞田岳彦氏です。同氏が主宰するデザイン事務所「サナダスタジオ」からのお知らせで、「関西へ行ったら、ぜひ見たい」と思っていた展覧会でした。
 今年は阪神・淡路大震災から20年目です。同美術館ではこれに因んで、災害時に何ができるかを考える特別展示「衣服にできること」を開催していました。そしてこの中で同氏が取り組む防災ツール「プレファブコート ライス神戸」が、インスタレーションされていました。
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 「プレファブコート」は、2005年に新潟県中越地震が起きたとき、人々の心傷を緩和したいとの思いで制作されたといいます。この新作が、「プレファブコート ライス神戸」です。神戸の人々の声を参考に、新しくデザインされました。
Cimg19941  コートというように着衣ですが、ファスナーを全開し広げますと、一枚の長方形のシートになってしまいます。これを繋ぐとパーティションやテント、敷物になります。長さ1.5 m、幅0.9mの袋にもなるので、寝袋に使えます。またシートを多数連結すれば、簡易シェルターとしても利用できます。といったように、普段はコートなのに、災害時には多用途で活躍するツールになるのです。
 中でも今回、とくにこだわられたのが、コートをカーテンにすることだったといいます。神戸でのアンケートで、もっとも多かったのが、「避難所ではプライバシーを確保できる仕切りが欲しい」の回答だっそうで、このためシート上下に穴を開けてあるのです。
 素材は、単なるポリエチレンのビニールに見えます。でもそこにはライス、つまりお米やもみ殻などが20%含まれていて、稲のほのかな香りが伝わってくるようでした。色も稲穂のようなやさしい色で、「紅紅梅」という縁起がよいとされる花模様がプリントされています。心が和む、そんな温かい気持ちにさせられます。

 今、ネパールでは大地震で、国が持つかどうかの大変な事態になっているようです。災害は忘れた頃にやってきます。「プレファブコート ライス神戸」のようなものがあったら、どんなにか心強いことでしょう。

 サバイバルして生きるために、お互いの心をつなぐデザインが求められる昨今です。このようなコートの普及が、もっともっと図られるべきでしょう。その可能性を強く念じながら、美術館を後にしたことでした。

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2015年4月27日 (月)

「ルオーとフォーヴの陶磁器」展

Iqmqc_2  「ルオーとフォーヴの陶磁器」展が、4月11日から6月21日まで、パナソニック汐留ミュージアムで開催されています。先日この内覧会に行ってきました。
 実は陶磁器と伺い、それほど関心がなかったのです。でもルオーやフォーヴの巨匠たちによる日本初の作品展です。きっと何かあると期待していました。やっぱりその通りで、本展は絵画を見るような陶芸展でした。

 フォーヴとは、野獣派と訳されます。野獣とは何とワイルドな呼称でしょう。けれども20世紀初め、フランス画壇に登場した画家たちの作品は、強烈な色彩と個性にあふれ、刺激的だったのですね。そう表現したくなるような新時代への息吹があったということでしょう。

 豊かな色使いで芸術革新を導いたフォーヴの画家たち、ルオーやマティス、ヴラマンク、ドランらが、陶芸にも没頭したというのは、わかる気がします。色が釉薬で溶けて美しく輝く不思議な芸術が陶磁器なのですから。もしかしたら陶芸がヒントになって、彼らの名画が生まれたのかもしれません。

 でもこの陶磁器は、それまでアートとみなされていなかったといいます。無名の職人の世界のものだったのですね。
 これを芸術の領域に高めたのが、アンドレ・メテという陶芸家でした。日本ではほとんど知られていない人物で、私もここに来て初めて知りました。
 フォーヴの画家たちは、パリ近郊にあったという、このメテの工房に通い、彼が用意した皿や壺に絵付けを施したのです。
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 展覧会では、陶磁器作品とともに、デッサンや下絵もたくさん展示されていて、大変興味深かったです。

 3章構成で、第1章が青の部屋、第2章が白の部屋、第3章が金の部屋となっています。
 

F10000051_2  第1章は序章で、メテのオリジナル作品が紹介されています。

右写真の中央の肖像画がメテ、その人です。
 (なお写真は、第1章のみ撮影が可能ということで、美術館より特別に許可をいただきました。)

F10000111  メテは、陶磁器を実用品ではなく、あくまでも美しい装飾品として制作したといいます。

 ここには色彩やモチーフに、独自の技法を確立していった、メテの作家性を感じさせる作品が勢揃いしていました。

F10000091jpg  表面がつるつるしていなくて、レリーフのような凹凸があったり、ひび焼きされていたり---、デザインに彫刻的な要素があるのも特徴のようです。

 右写真の上に、メテのよき理解者であったという、奥方の写真がかかっていました。テーブルにはティーセット一式が置かれています。

 第2章は、マティス、ヴラマンク、ドランといったフォーヴの画家たちが絵付けした陶磁器が展示されています。写真が無くて残念ですが、白地のファイアンスにのせた鮮やかな色調と抽象的なタッチが印象的でした。

 第3章は、すべてルオーの作品スペースです。チラシ写真にも掲載されているように、ルオーのそれは、余白がなく、びっしりと色彩が埋めこまれているようです。絵画とはまた違う一面を垣間見た気がします。

 みんなでメテの工房に集まって、ワイワイ騒ぎながら制作に精を出したのではないでしょうか。ルオーとメテは年齢も同じで、マティスとは同級生だったそうです。そんな仲間同士の楽しい雰囲気が、どことなく伝わってくる展覧会でした。

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2015年4月25日 (土)

15/16年秋冬「コハクション」二着仕立てのアウターウェア

 2015/16年秋冬もの合同展「PRO1トレードショー」が、この3月下旬、東京・恵比寿で開催されました。これは東京コレクションで活躍している若手デザイナーブランドが多数、集結している展示会です。
Imgp00551  そこで目にしたのが「コハクション ko haction」の二着仕立てのアウターです。一見普通のコートやジャケットですが、内部にもう一つ、服が組み込まれています。ですから一枚で二着分の着方ができるのです。でもこれはよくあるリバーシブル、つまり裏返しても使える両面仕立てではありません。
 これをデザインしているのは、ファッションデザイナーの小池俊介さんです。小池さんは、コートの裏側のファスナーを開けて、中からもう一枚を引き出して見せてくれました。(「コハクション」のホームページにあるビデオ参照)
 このような構造の服を見たのは初めてで、その独創的なアイディアに感嘆させられました。

 それにしても「コハクション」とは、何と変わった名前でしょう。これは「小さなくしゃみ」と「アクションを起こす」を掛け合わせた造語だそうです。服を着る行為が、くしゃみのように伝染して、新しい生活の創造につながるように、との思いが込められているといいます。

 英国セントラルセントマーチンズ大学を首席で卒業された小池俊介さん。2013年に東京新人デザイナー大賞優秀賞を受賞し、昨年ブランドを立ち上げた逸材です。
 ロボットのような組み立て機能のある服をはじめ、バッグに変形する持ち運び可能な服、三通りの着こなしができる服、そして今季の二着仕立ての服など、他にない実験的な作品を世に送り出しています。この次はどんな服が出てくるのでしょう。今後に期待が高まります。

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2015年4月24日 (金)

“タイ王国の「心身健美」な恵みたち”を日本のシニアに

  “シニア大国、日本へ。タイ王国が歩み続ける、「心身健美」な恵みたち”をコンセプトにした展示会(タイ国大使館商務参事官事務所主催)が、先月末、東京・目黒にあるタイ王国大使館ホールで開催されました。

Imgp00021  これはタイ王国伝統のモノづくりを現代に生かした商材を、日本のシニア層に向けて発信する第一歩と位置づけられています。参加したのは約50社で、ファッション雑貨、健康・美容、食品の3つの分野からの、選りすぐりの企業といいます。会場には、心身にやさしい、多彩な商品が、所狭しに展示されていました。
 いずれも私たち日本人にはどこか懐かしい、自然と手の温もりを感じさせる品々です。失われつつある日本のそれを惜しむシニアの心を、くすぐりそうです。

 ファッション雑貨エリアでは、有名なタイシルクを始め、様々なものが出ていました。中でも私が注目したのは、タイナム・チョーク・テキスタイル (THAI NUM CHOKE TEXTILE)と、ディーサワット (DEESAWAT)のブースでした。

Imgp00051  タイナム・チョーク・テキスタイル (THAI NUM CHOKE TEXTILE)は、昨年行われた「JFWジャパン・クリエーション」に出展されていたこともあり、見知っていました。
 今回も、得意とする自然素材と天然染料で染めたテキスタイルで、ドレスを中心に、帽子、手袋やソックスなどの小物を提案し、好評の様子でした。

 素材は麻やシルク、コットンの他、タイ原産の農作物のカポックやハス、バナナ、パイナップル、月桃など、日本ではあまり知られていない天然繊維や、天然色素のお茶や天然藍、アーモンドなどの見本も展示されていて、大変興味深かったです。
Imgp00131jpg Imgp00071  
 豊かな自然に恵まれ、それを大切にしているタイの人々の想いが伝わってくるようでした。

 ディーサワット (DEESAWAT)は、グッドデザイン賞など数々の賞を受賞している、アジア有数の木工家具メーカーです。
 今回、展示されていたのは、同社のウエルネスコレクションから、高級チーク材の二つの家具でした。
Imgp00121jpg_2  その一つがスツール(BRACE STOOL)です。片側にアーム、もう一方の側にバーがついています。私も座ってみて、このバーが、体を支える柱のようになって、立ち上がりやすいことを実感しました。玄関に置いておきたいと思う、優れものです。昨年ウエルネスデザイン賞を受賞したというのもうなずけます。

Imgp00101jpg  もう一つはベンチです。
 背もたれに点字で「どうぞお座りください」と書かれています。目の不自由な方も、他の方にシートをおすすめできるようになっているのです。まさにユニバーサルデザインですね。

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 ここには微笑みの国らしい、人と環境にやさしいプロダクツがいっぱい。タイ王国って、もしかしたら日本よりも進んでいるかも----と、思ってみたりもしました。

 最後に、本展には、私も属しているSUDI湘南くらしのUD商品研究室のメンバーが協力したことを付け加えておきます。

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2015年4月23日 (木)

AW15/16「アンリアレイジ」展 鮮烈な「光」の模様

 「アンリアレイジ(ANREALAGE)」といえば、最新テクノロジーを駆使した実験的な服づくりで、世界中を騒がせている人気ブランドです。
 
 先月末、この2015/16秋冬もの展が、東京・青山スタジオで開催されました。これは先般のパリコレで発表されたコレクションです。私はこのビデオも拝見していますが、展示会では、その実物を間近に見せていただけます。

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 今シーズンのテーマは「LIGHT 光」とか。前シーズンの「SHADOW 影」とは裏腹な関係です。どのようなものなのかと、興味を持っていました。
Cimg20612jpg_2  会場に着くと、ブランドを手がけるファッションデザイナーの森永邦彦さんにお目にかかることができました。このことを伺うと、森永さんはすぐに懐中電灯のようなもの持ってこられ、服を照らしたのです。光が当たった部分から、パッと鮮烈な色彩の模様が浮き出てきました。鮮やかなブルーや赤、ピンクといった色調の、カラフルな花や水玉模様、千鳥格子、ギンガムチェックといった柄が、暗闇の中から湧き上がってくる、そんな感じです。それはまるで魔法のようでした!
 この光は“ブラックライト”というものだそうです。調べましたら、紫外線を放射するライトでした。それにしてもこのような視覚効果をデザインする、デザイナーの卓抜した表現力に圧倒されます。

Cimg20681jpg_2  シルエットは、構築的なラウンドシェイプが中心です。そのシンプルな造形をつくるテキスタイルにも魅了させられました。ジャカードのグラデーションやニードルパンチ、ニットなど、実に凝っています。このモノトーンの複雑な構造の奥に、発光するカラーの秘密が隠されているのです。

 さて、この次はどんなサプライズを見せてくれるのでしょう。いつも楽しみに見ているブランドです。

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2015年4月22日 (水)

リラクシングウェア「ボッコ」の縫い代がないカットソー

 縫製された服の裏には縫い代があります。縫い代は突起です。ゴツゴツしていて肌触りが悪い。そこでなめらかな表を裏にして着るという人もいます。縫い代がなかったら、下着などのウェアは、どんなに着心地がよくなることでしょう-----。と思っていたところ、この夢のような技術が既に実現していたのです。
  それが「ソフトシーム」です。そしてこのカットソー製品を今春ものから提案しているのが、リラクシングウェアの「ボッコ Bodco」(このブログ2014..4.17付け参照)」です。私も先日、同ブランドの2015年秋冬もの展を訪れ、これを目にして感嘆させられました。

Cimg21891  縫い代がないので、縫い目はフラットです。
 その上、縫い糸に、身の生地と同じ糸が使われていますので、縫い目が本体の生地に同化して、セーターのように見えます。
 (左写真は袖口の部分)
Cimg21721  従来のように縫い目のところで、ジャージーの伸縮性が止められてしまうこともありません。
 (右の写真のように目いっぱい伸縮します。) 
 ですから全体が一体となって伸び縮みするウェアになります。

 「ボッコ」社長の川田 剛さんからお話を伺い、これは一種の“突き合わせ縫い”のようなものかと思いました。重ねた二枚の布を、特殊に改造したロックミシンで縫い合わせ、その合わせ目を手作業で広げて、スチームでセットするという技法です。開発したのはプロベストの技術者の方で、昨春、特許を出願されたといいます。
 しかしこうした技術がこれまでまったくなかったというわけではありません。
 織物では、織りながら継ぎぎ合わせて立体成型したり、横編みでは、無縫製ニットがあったりします----。が、コットンジャージーのようなカットソー製品では、初めてです。というより世界初といってもいいでしょう。伸び縮みするジャージー本来の性質を損なうことなく製品化でき、縫い代がない分、軽く仕上がります。 
 布同士を貼り合わせたり接着したりして、服に仕立てることも行われていますが、主に合繊が主体です。ところがこの「ソフトシーム」なら、どんな素材にも対応します。今、流行っているパッチワークのデザインにも使えますね。
Cimg21701  
 まさに画期的な「ソフトシーム」。肌の弱い方や、寝たきりの方の床ずれ防止にも役立ちそうです。川田社長は、こうしたことも見据えて、究極の着心地のよさを目指すといいます。

 今回の展示会も、そんな快適で、しかもセンスのいいワードローブが並びました。いずれもユニセックスで、カップルでシェアできます。ウールのダブルジャージーのジャケットは、裏がコットンパイルで、冬も温かく気持ちよく過ごせそう。チェック地と組み合わせた杢調のジャージーのシャツも、洗練された感覚で、どこにでも着て行けそうです。
 カラーはグレーやネイビーが中心で、ポイント色がイエローの、明るさいっぱいのコレクションでした。

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2015年4月21日 (火)

「プラグイン」3月展 リラクシングウェアに注目

 ファッションに今、エフォートレスなムードが広がっています。そこで注目されているのが、リラックスタイムにふさわしいリラクシングウェアです。この3月半ば、渋谷ヒカリエで開催されたファッション・雑貨・ライフスタイルの展示会「プラグイン」(繊研新聞社主催)でも、そんなリラクシングウェアのブランドが目立っていました。

Cimg19461jpg_3  とくに話題を集めたのが、今回プラグインでグランプリを受賞した「cohanコハン」です。
 繊維の老舗、豊島が、この3月に立ち上げたばかりのブランドで、コンセプトは「しずかな服 cohan」。文字通り「湖畔」の意味で、湖のほとりの家で静かに心地良く過ごすシーンをイメージしたといいます。

Cimg19471_2  素材はほぼすべて綿100%で、綿花の選定から縫製まで、コットンを知り尽くした日本の職人たちの知恵と技術の結晶とか。柔らかい肌触りや軽さにこだわり、60年以上前の古い編機で編み立てた、ピマスムースやエア、ダブルパイル、ループ、ミニループの5種類の編地を、心地良いリラクシングウェアに仕上げていました。
 カラーも、木立や立ちこめる霧、湖面など、湖畔の風景を思わせる色調で、シックな大人にふさわしい、上質感が漂うコレクションです。

 今治タオルの「オリムORIM」も、リラクシングウェアを提案しています。タオルメーカーらしく、入浴前のしなやかなドレープのルームウェア、入浴後のロープに分けて、展示されていました。 
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Cimg19361_2  もう一つ、今シーズン人気アイテムとなっているのがデニムです。「kuro クロ」も、この流れに乗って、ブランドの原点というデニムのコレクションを見せていました。すべて日本製で、ヴィンテージ加工やインディゴ染めなど、細部にまでこだわりをもってつくられています。

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2015年4月20日 (月)

カンタンにできる洋服のリフォーム

 洋服のお直しって、とにかく面倒くさいものです。でもこの2月末、有楽町のオヤノコト.ステーションで、「カンタンにできる洋服のリフォーム」セミナーがあり、行ってきました。講師は、シニアファッションを手掛ける「リラ・ヴォーグ」代表 渡辺聰子さんです。このブログでも2013.3.12付けなど、何度かご紹介しています。

Cimg18611  体型が変わって、着られなくなってしまった服も、リフォームすればまた蘇ります。そのちょっとしたコツを、伝授していただきました。実際の服の見本もたくさん見せていただき、わかりやすかったです。

 中でも興味深かったのは、ポロシャツのリフォームでした。Tシャツやポロシャツは、伸縮性があるので着やすいように思えますが、上肢に何らかの異常があると袖通しが困難になります。
 私も以前、腕の痛みで、困ったことがあります。楽に袖が入れられるようにするには、袖下から脇を開いて、一続きのマチ布を縫い付けます。そうすると袖付けの自由度が増すのです。マチ布は、シャツの裾を8cmくらいカットしたものを使うといいます。
 またパンツも、体が不自由ですと、ウエストがゴムのものしかはけなくなってしまいます。でも普通の前開きのものも、ウエストベルトの内側に幅広いゴムを取り付ければ、着脱が容易になります。こうすることで、ジーンズも片手ではけるようになるのですね。
 この他、はめやすいボタン付けなど、様々な工夫を教わり、なるほどと納得しました。
 「お裁縫は苦手」と人任せにしないで、これからは自分でやってみようと思ったことでした。

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2015年4月19日 (日)

“着る” 生活支援ロボット「クララ curara®」

 最近「ウェアラブル」という言葉を、よく耳にします。衣服の分野でも、ウェアラブルなロボット、“ロボティックウェア”が登場しています。その最先端をいくのが、“着る”生活支援ロボット「クララ curara®」です。 
 これは、信州大学繊維学部橋本研究室が開発したもので、これにより高齢者や障がい者など運動機能の低下した方々に、体を動かす喜びを広げていただきたいといいます。名前の由来は、「アルプスの少女ハイジ」に出てくる、足の不自由な女の子「クララ」で、車イスなしで歩けるように、との思いを込めて名づけたそうです。

 先般2月、東京都立産業技術研究センターで開催されセミナー(主催:国際ユニヴァーサルデザイン協議会IAUD 及びユニバーサルファッション協会 UNIFA)で、同研究室を率いる橋本稔教授が登壇され、「“着る” ロボットcurara®の開発と展望」をテーマに講演されました。

 お話を伺い、このロボットが、リハビリの場だけではない、広く日常生活で使えるユニバーサルデザインの考え方に基づいてつくられていることがわかり、すばらしいと思いました。“付ける”というよりも、“着る”という意識でつくられている、まさに衣服のようなロボットで、これでしたら周囲の目をあまり気にせずにすみそうです。

 今、“パワーアシストスーツ”と呼ばれる装着型ロボットの実用化が進んでいますが、その多くは外骨格型だそうです。ロボット骨格全体の動きを人体骨格に伝達する仕組みなので、重くて堅く、動きにくい。装着もしにくいのが実情です。
 しかしこれは、ロボットの骨格がない非外骨格型です。人体骨格系を利用して関節の動きを補助するというものなので、動きやすい。関節に固定するだけでよいので、装置の着脱も容易。しかも樹脂製フレームでしなやか。重さも下肢で約4キロと軽量です。筋電電極の貼付けも不要で、人体への負担が少ないといいます。

Cimg16121jpg  これなら足腰が弱っても、思い通りに自然に歩けそうです。

 橋本教授も、自らこれを装着されて、実演してくださいました。

 「クララ curara®」は、2013年の第40回国際福祉機器展で1号機の改良版が初めて発表され、大盛況だったといいます。その後手直しを重ねて、現在、上肢、下肢ともに、より小型軽量化させた3号機を制作中で、この秋にはお目見えするそうです。
 またPVCゲルの人工筋肉の開発も進められていて、これが実現しますと、布のように薄く軽くすることができるようになり、着るだけで身体機能をアシストできるロボットが完成するといいます。まさに繊維の未来を感じさせる、画期的な研究です。

  ますます進化する「クララ curara®」、期待をもって見つめています。

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2015年4月18日 (土)

「ルームス30」展―(2) 若い息吹がいっぱい

 ファッションとデザインの合同展「ルームス」は、いつも若い息吹がいっぱいの、刺激的な展示会です。このイベントも今回「rooms 30」というように、30回目を迎えるとあって、記念パーティが催されるなど、盛況でした。
 迷路のような会場では、思いがけない若いブランドに出会ったりして、なかなか楽しかったです。そのいくつかをご紹介しましょう。

vm ヴーム
 フィンランド国旗のようなロゴマークに誘われて入ってみました。聞けばブランド名もフィンランドに因んだもので、「v」は、フィンランド語の「服」の頭文字、「m」は「心を打つ」の意味だそうです。
Cimg15761jpg_2  
Cimg15801  フィンランドは森と湖の国といわれますが、ここはそんな清新なアウトドアの風を感じるブースでした。シンプルなシャツを中心にコートやパーカ、パンツなど、スポーティで着やすいアイテムがラインナップしています。商品タグが、織りネームではなく小さなサンダルになっているのもユニークで、遊び心を感じさせます。

○SIMONE LIST シモーネリスト
 デフィが展開するブランドで、モノトーンをベースにしたワードローブが、シックです。
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 パリ風なムードが漂うおしゃれなブースで、テーブルウェアにも目が惹かれました。

 ○SOLIDWARP ソリッドワープ
Cimg15861_3  メンズシャツで定評のあるスキャッティオークがプロデュースしている、シャツのブランドです。幾何学柄のボーダーをあしらうなど、基本のシャツをクールにアップデートしていて、今後の展開が期待されます。

nogu ノグ
Cimg15921  シンプルなデザインと、美しいブルーのコットンや麻素材に惹かれました。このブルーは、デザイナーの弘重宣子さんが、ご自分で染めたとか。テキスタイルデザインを自らこなし、そのオリジナル生地を使って、オーダーで服をつくっているといいます。
 元はインテリアのテキスタイルデザインをされていて、子育てをきっかけに服づくりの仕事をスタートしたそうです。
 一見、何気ない水玉も、よく見ると小さなパンダが隠れていたり、雨粒型が散りばめられていたり----、一味違う表情をしています。そんな素材を生かした服からは、弘重さんのあたたかい手の温もりが伝わってくるようです。

Cotton House Aya コットンハウス・アヤ
Cimg15981jpg  東京都三鷹市を本拠地とするアパレルで、日本製にこだわり、小ロットで日本の工場でモノづくりをしているといいます。素材は木綿を中心に、麻や天竺など、日本各地の機屋と組んでつくっているそうです。
 今シーズンは「レース」と「植物のある風景」をテーマに、オリジナルプリントを英国の古い植物画をヒントにつくったり、ストライプにヘリンボンを組み込んだり---。ヴィンテージ感を演出した素材で、落ち着いた品格を感じさせるブラウスやドレスのコレクションを提案しています。
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2015年4月17日 (金)

「ルームス30」展―(1) エシカル・エリアが充実

 去る2月中旬、ファッションとデザインの合同展示会「ルームス rooms 30」が、国立代々木競技場第一体育館で開催されました。遅ればせながら、このときの模様をお伝えします。

  まず驚いたのは、エシカル・エリアが充実した展開を見せていたことです。人々の意識がいよいよ人や地球にやさしい社会をつくる方向に変わり始めたことを感じさせられました。出展社数も50社ほどに増えて、活況がありました。
Cimg15741  
1  写真は、英国ロンドン発のエシカルブランド「IN HEELS インヒールズ」のトートバッグです。「Who said ETHICAL is not SEXY(エシカルがセクシーでないなんて、誰が言ったの?)」とスペルが書かれています。
 エコやエシカルがファッション商品づくりの〝国際標準”になりつつあることを示唆しているようで、考えさせられます。

 このエリアには、アパレルからアクセサリー雑貨、ビューティやフードまで出ていましたが、ここではアパレルを中心に、気になったブランドをご紹介します。

PEACE BY PEACE COTTON PROJECT FELISSIMOピース バイ ピース コットン プロジェクト フエリシモ
Cimg15411pg  PEACE BY PEACE COTTON PROJECTは、インドでのオーガニックコットンの栽培を支援している団体で、綿花から縫製まで、すべてがインド生産という服や雑貨、寝装品など、様々なアイテムを提案していました。
 綿花の実物も展示し、インパクトがありました。

LEE リー
Cimg15551  「リー・ソーシャル・アクティビティ」を掲げ、オーガニックコットンやフェアトレードを推進しているリー・ジーンズでは、環境に配慮したデニムを訴求。漂白剤を使わない、ぶとう糖脱色による「エコ・ブリーチ」や、「エアー・ウオッシュ」というオゾンによる脱色、また天然染色、さらにレーザー加工などを提案、注目を集めていました。

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KAPUWA カプワ             ○ECO MACOエコマコ
インド職人の手作りによる木版プリント。   シルキーなポリ乳酸繊維。
手の温もりが感じられるハウスドレス。    明るい色使いが上品です。

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○SAKURA堂             ○MEKONG BLUEメコンブルー 
オーガニックコットン使いの          カンボジアの手織りシルクの
ウェディングドレスの工房。        ストール。光沢が美しい。

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2015年4月16日 (木)

「綿織物産地素材展」 各社得意素材を提案

 日本綿スフ織物工業組合連合会では、第3回目となる「綿織物産地素材展」を、この9、10日、渋谷の文化ファッションインキュベーションで開催しました。今回は、全国9産地から12社が参加し、各社の得意素材が披露されました。
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ショーワ(岡山産地)
Cimg21401  欧米への輸出が好調で、とくに16春夏に向けて好評のデニムを中心に提案されていました。とくにカテゴリー別に、「ファーム」「スタンダード」「プレミアム」に分類されていたのが印象的です。
 「ファーム」は、綿麻中心にナチュラルで素朴な感じのする素材群で、カジュアルな装いにマッチするもの、「スタンダード」は、同社がつくり続けている定番で、ちょっとおしゃれな素材群、「プレミアム」は、他社には真似できない、きれい目の素材群で、スーツにして仕立て映えがするものです。そしてさらにもう一つ、この上のランクとして「ブリリアント」があるそうです。これはカシミヤやシルクなど、こだわりの原料を多用したものといいます。
 今回の一押しを伺いましたら、ストレッチ性のあるニット風のデニムとのことでした。デニムも少しだけボリューム感をつけた、ニットのようなしなやかなタッチのものが人気のようです。

古橋織布(遠州産地)
Cimg21531_2  木綿のやさしさを謳う同社のモノづくりは、ますます充実した展開を見せているようです。スラブなど経糸を工夫した変化のあるものや、バンブー使いなどで微妙な表面感を演出しているもの、防シワ加工を施したシャツ地などをラインナップし、注目を集めていました。

福田織物(遠州産地)
Cimg21381jpg  得意の超細番手ファインな綿織物に加え、限定在庫を展示。これはもう糸がつくれなくなったとか、加工ができなくなったという希少な生地です。こうした機屋の小ロット販売への動き、ますます広がっていきそうです。

遠孫織布(播州産地)
Cimg21451  この産地としてはユニークなジャカード織りを得意とする同社は、発想が大胆で、いつも見ていて楽しくなります。
 今季は、「咲き初め(さきぞめ)模様」のネーミングにふさわしい、春らしい明るい色調のファンシーな薄地を見せていました。
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2015年4月15日 (水)

「コダワリノヌノ展」和紙をテーマに匠の技を披露

 今シーズンもこだわりの匠の技を紹介するテキスタイル商談会「コダワリノヌノ展」が、3月半ば、東京・南青山で開催されました。参加したのは10府県から12社で、今回は和紙をテーマにしたテキスタイルが披露されました。

Cimg19501pg  和紙といっても原料はマニラ麻です。マニラ麻は、強靭で耐水性が高く、これを原料としてつくられるペーパーヤーンは、麻に似た清涼感があって、軽い。しかも環境にやさしいとあって、近年とみに人気を集めています。

 会場のインデックスコーナーには、そんな和紙を使った各社の新作がずらりと展示されていました。シャツ地、スーツ地からデニムやパイルまで、匠の技ならではの複合技術を活かしたものが多く見られました。たとえば打ち込みがよくて、ハリがあってもやわらかく着心地がよい質感の素材です。下記はそのいくつかです。

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高橋織物 (滋賀県)             島田製織(兵庫県) 
4者混ストライプ               和紙66/コットン34
和紙29/モダール38/テンセル23/コットン10 

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カナーレ(愛知県)           井脇織物(和歌山県) 和紙パイル和紙10/コットン50/アクリル28          和紙41/コットン59
/ポリエステル5/ナイロン5/ホリウレタン2      

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2015年4月14日 (火)

2015桐生テキスタイルプロモーションショー

Cimg19021  桐生織物産地の2016年春夏素材を発表する「2015桐生テキスタイルプロモーションショー」(桐生地域地場産業振興センター主催)が、去る3月11、12日、東京都港区のテピアで開催されました。出展したのは、和装部門6社、洋装部門の企業・団体27社合わせて33社です。

 総合コンセプトは「Point Line & Surface」で、Point(点)、 Line (線) 、 Surface (面)を指します。今シーズンは、各社ともこの基本的な考え方を基に、独自技術を活かした新作を開発しています。

 洋装部門では、この産地が得意とするジャカードやドビーで、糸使いや表面感に変化をつけた明るめの色合いのものが目立っていました。
 とくに注目したブースを4社ご紹介しましょう。

イヅハラ産業
 同社のスカート織り技術に驚嘆させられました。写真はスカート織りのドレスです。
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Cimg19311  スカート織りは、織物の段階でスカートなどの形状を形成できるジャガード織物ですが、今回は特許技術である「フリル織り(フリティFRITY)」のコレクションを披露。
 これは織りの工程でつくられるフリルです。従来のものに比べ、工程が短縮化され、安定した製品化が可能になり、デザインは無限に広がるといいます。

下島
 ドビー織物専門の機屋で、この技術を駆使し、チェックやボーダー柄などに様々な表情を演出するのが得手といいます。
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 バラエティに富んだ先染めコレクションの中から、正面に展示されていたのが、写真のトレスです。大胆な格子柄で、綿100%。パステルカラーのトリコロール風配色が爽やかな印象です。

松井ニット技研
Cimg19201jpg  ラッセル編のマフラーが人気の同社。
 今シーズンは、春夏らしいシルク/綿使いの、ふんわりとエアリーなジグザグ編みのものを提案されています。

Cimg19231_2  また写真のように、企業スポーツの制服にも取り入れられているとのことで、ビジネスの幅がまた一つ広がったようです。





Cimg19061_2 ○津久弘織物工場
 天然素材、とくに春夏らしいファインなコットンを多く採り入れたジャカードやカットジャカードが提案されています。その洗練されたエレガントな表情に魅せられました。

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68/Pe20/N12




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2015年4月13日 (月)

ビワタカシマ展 暮らしに寄り添うテキスタイルをテーマに

 高島産地の2016年春夏素材を発表する第29回「ビワタカシマ展」が、2月中旬、東京・ふくい南青山291で開催されました。
 出展したのは、高島織物工業協同組合傘下の10社です。
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 テーマは「暮らしに寄り添うテキスタイル」で、テキスタイルやカラーの傾向も発表されました。これに沿って開発された各社の新作コレクションは好評で、盛会裏に終了した模様です。全体にファッション素材への関心が高まっていることを感じさせる展示会でした。

Cimg16761_2  高橋織物では、モダール使いのプリント服地が、人気ナンバーワンといいます。
 またバンブーも、スキッとした竹の表情感が好感されているとか。
 さらに綿にエンボス加工を施したものも、その楊柳調の効果に引き合いが多く、ジャケット地としても好まれるなど、用途が広がっているといいます。

 駒田織布は、この産地には珍しい帆布のメーカーです。高島帆布には古い歴史があるといい、「帆」を「馬偏に風」と書く「布」の表記で、プレミアムな厚地織物素材を提案されていました。
 耳部の形状もすっきりとしていて、フレアにならず、清涼感があります。ビワブルーをテーマカラーに、トートバッグやジャケットなどの製品も展示されていました。
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Cimg16821jpg_3  杉岡織布は、先染めグラデーションボーダーのちぢみ生地をラインナップしています。何と8色使いだそうです。その彩りの豊かさに魅せられました。

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2015年4月12日 (日)

「遠州織物コレクション」充実の商談会

 この2月半ば、第4回「遠州織物コレクション」(静岡県繊維協会主催が、渋谷の文化ファッションインキュベーションで開かれました。
 遠州といえば、静岡県西部地域にある日本有数の綿織物の産地です。東京ではなかなかお会いすることができないメーカーが多く、この機会にと思い、行ってきました。出展していたのは、3組合10社です。それぞれ得意の新作を発表されていて、なかなか見ごたえのある充実した商談会でした。

Cimg16341  「滝本織布(黒猫工房ゴロさんのお店)」は、お祭り用品や作務衣が中心です。

 ポリエステルの絽に両面プリントを施した法被(左)が目新しく映りました。

 

Cimg16591  遠州綿紬の「ぬくもり工房」は、生地幅40cmの小幅の機屋さん。

 1mの小量からでも発注可能だそうです。



 

Cimg16641pg_5  「辻村染織」は、刺し子やドビーなど、様々な藍染めのバリエーションを豊富に提案。

 染色から織物まで自社工場で生産されているといいます。


Cimg16541_2  綿しじら織の榛地織物も、右のような刺し子織を見せています。




 

Cimg16471jpg_2  ジャカード織物では、増田産業の墨染めや柿渋染めのものが目に付きました。
 オンリーワンの手染めだそうです。

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2015年4月11日 (土)

鎌倉山・扇湖山荘の一般公開で桜と海の絶景を眺めて

 今月初旬、鎌倉市にある「扇湖(せんこ)山荘」の一般公開が行われました。
 私はこの山荘のある鎌倉山の近くに住んでいます。このあたりを散策していて、道の奥に古びた山門を発見し、そこが「鎌倉園」という料亭だったことを知りました。そしてここが元々は「扇湖山荘」と呼ばれていたことを、鎌倉市の広報紙を読んで気づいたのです。
 いつも門が閉ざされていて、うっそうとした森が広がっている不思議な場所でした。ところが数年前に鎌倉市に寄贈されて、昨年から時折、一般に公開されるようになったのです。そこで今回初めて、興味津々、見学してきました。

 扇湖山荘は、製薬会社で財を築いた長尾欽彌という人物の別邸として、昭和9年に飛騨高山の民家を移築・改築したものだそうです。窓からは由比ガ浜が一望でき、その海が扇の形をしているというので、「扇湖」と名付けられたといいます。

Imgp49431  敷地は広大で、何と35万坪もあるとか。中に入ると、洋風庭園があり、その先のちょっとした山道を登っていくと、「伏見邸」という茶室に出ます。

 桜の季節で、満開の桜花の間から、由比ガ浜の海が垣間見えました。

20150404104824imgp00731jpg_2  さらに進むと陸橋があり、その向こうに竹林が広がっています。

 

 ここを抜けると本館が現れました。

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20150404105616imgp00951_2  本館1階には、西から「金の間」、「銀の間」という二間続きの和室があります。東側には囲炉裏のある居間、その奥が台所になっていました。

 料亭として繁盛した頃の様子が、偲ばれました。

 本館のテラスから望む海は、まさに扇形で、巨大な庭園にふさわしい湖のようです。
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 咲き誇るしだれ桜と海の絶景は、息をのむような美しさでした。
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 このような景色を堪能できるところがあったとは! 鎌倉はまだまだ奥が深いです。

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2015年4月10日 (金)

AW15/16「トクコ プルミエヴォル」クロアチアにスポット

 レナウンの「TOKUKO 1er VOL(トクコ・プルミエヴォル)」が、2015/16年秋冬コレクションショーを、3月末、東京・恵比寿で開催しました。
 ブランドを手がけるファッションデザイナーの前田徳子さんは、毎シーズン、旅の思い出を基に、コレクションを展開されています。

Imgp00321  今シーズン、スポットを当てた旅は、クロアチアでした。
 クロアチアは、1990年代に独立し、平和を取り戻した国です。この国を旅して、ゆったりとした空気をいっぱい吸い込んでこられたそうです。
 中でも前田さんがもっとも心を惹かれたのが、赤いハート形で、街中に可愛いハートのグッズがあふれていたとか。

 ランウェイには、そんなクロアチアをイメージさせる、フォークロアやハート装飾をあしらったトレスがたくさん登場しました。
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 黒に赤やピンク、イエローなど、コントラストを効かせたブライトカラーの配色が美しく、まばゆかったです。
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 うっとりとした気分にすっかり酔わせられてしまった、すてきなコレクションでした。

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2015年4月 9日 (木)

AW15/16「リトゥンアフターワーズ」地球と社会のために

 MBFETの最終日、デザイナーの山縣良和さんが手掛ける「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」が、久々にショーを開催し、見る者すべてを感動の渦に巻き込みました。

Imgp00091  最初に登場したのは、丸い大きな地球です。ニードルパンチの技術でつくられているといいます。マイケル・ジャクソンの「ヒール・ザ・ワールド」の曲にのって、それがころころと転がり真ん中に止まると、両サイドから陽気なファッションをまとったモデルが現れました。スペースシャトルや地峡などをモチーフにした心地よいニットが中心です。途中、宇宙人や空飛ぶ人形を乗せた歩く地球も出てきて、ユーモアもいっぱい。
 モデルの国籍は様々で、子どもたちも一緒にウォーキングして楽しそうでした。
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 そして最後を締めくくったのは、「ヒール・ザ・ワールド」の大合唱。あらかじめ歌詞が配られていましたから、口ずさんでいた人も多かったです。
 ファッションで、地球と社会のためにできることがある。そんなことを改めて見つめ直したコレクションでした。

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2015年4月 8日 (水)

AW15/16ユキトリイインターナショナル 小粋なパリジェンヌ

 「YUKI TORII INTERNATIONAL(ユキ トリイ インターナショナル)」が、MBFWTで、2015/16年秋冬コレクションを発表しました。ブランドを手がけるファッションデザイナーの鳥居ユキさんが、昨年出版されたスタイルフォトブック「YUKI TORII STYLE BOOK」は大好評で、早くも5刷りとなり、この春、電子版も登場するとのことです。

 そんな注目ブランドのコレクションには、有名女優も多数詰めかけ、華やいだ雰囲気がいっぱいにあふれていました。

 ランウェイは、いつものようにブティックのあるパリのギャラリー・ヴィヴィエンヌを背景につくられています。そのカフェのようなストリートを、パリジェンヌらしい小粋なファッションに身を包んだモデルたちが闊歩しました。
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 登場したのは、ツィードのコートやチェックのセットアップ、プリントのドレス、パッチワーク、ゆったりとしたパンツなど。エレガントな女性らしさの中に、上質カジュアルを落とし込んだルックが並びます。エフォートレスなニットドレスも多くなっています。

 カラーは上品なパステルカラーが目立っていましたが、ウインターホワイトの白一色のシーンも見られました。
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 軽快で、心楽しい気分のコレクションで、人気はますますヒートアップしそうです。

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2015年4月 7日 (火)

AW15/16ハナエモリ デザインバイ ユウアマツ“ハイライン

 ファッションデザイナーの天津 憂さんによる「HANAE MORI Desingned by Yu Amatsu(ハナエモリ デザイン バイ ユウ アマツ)」が、MBFWTで、2シーズン目となる今秋冬コレクションを発表しました。

 今シーズンは、ニューヨークにある“ハイライン”パークをテーマに、モダンな大人のエレガンスを表現しています。
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 シルエットに動きを与える丸いカットやスリットなど、巧みなカッティングも特徴で、従来のハナエモリにない、新しいフォルムの女性美を提案。もちろんブランドのアイコン、蝶のモチーフも健在で、スーツやドレスにあしらわれていました。
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 カラーは、シックなグレーや落ち着いたパステルカラーの組み合わせです。
 ラグジュアリーブランドらしい、品格のあるモード感が漂うコレクションでした。

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2015年4月 6日 (月)

AW15/16「ヨハンクー ゴールドラベル」"ポンヌフの恋人"

 MBFWT東京コレクションで、新作を発表した「Johan Ku Gold Label(ヨハンクーゴールドラベル)」。
 テーマはフランス映画“ポンヌフの恋人”です。この恋愛映画をインスピレーションソースに、コレクションを展開したといいます。

191  この映画では、花火の場面が印象的でしたが、今回の舞台でも、このシーンを思わせる演出が見られました。バックでスモークが焚かれたり、カラーライトが雰囲気を盛り上げていたり。
 冒頭のニットドレスの一連は、首にボリュームを持たせて、花火が上がる様子を映し出しているかのようでした。
 中盤に登場したストールやケープ、ニットなどに見られた文字は、何とこの映画のセリフといいます。
 最後を締めくくったドレスの素材は、ジャカード織りの、立体的なもの。刺繍も施されています。メタリックの錆びたような光沢も美しい。
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 一本の映画が生んだすばらしいクリエーション。映画とファッションの関係を改めて思います。

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2015年4月 5日 (日)

AW15/16「サポートサーフェス」品格と無邪気さをテーマに

 ファッションデザイナーの研壁宣夫さんが手掛ける「サポート サーフェス(support surface)」が、六本木のザ・リッツ・カールトン東京で、2015/16秋冬コレクションを発表しました。
 テーマは「noble innocence (品格と無邪気さ)」です。奇をてらわない、ミニマルなカッティングで、、さりげなく美しい、格調高いワードローブが提案されました。
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 かっちりと構築的でも、重苦しくなく、軽やかで女らしい。量感たっぷりなワイドパンツが目新しく映りました。
 大人のための上質なエレガンスにあふれるコレクションでした。
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2015年4月 4日 (土)

AW15/16「ハウス オブ ホランド」大都会のタフな女性像

 ロンドンのヘンリ・ホランドが手掛ける「House of Holland(ハウス オブ ホランド)が、昨季に続き、MBFWT東京コレクションで、2015-16年秋冬の新作を発表しました。

 今シーズンは、映画「フィフス・エレメント」と「ブレードランナー」を発想源に、大都会に生きるタフな女性像をイメージしたといいます。
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 ウエストマークのロング&リーンなシルエットに、チェック柄の組み合わせが目立ち、またストライプの大胆なグラフィックも目に付きます。ブライトなピンクやオレンジ、パープル、ブルーといった美しい色使いも特徴でしょう。襟元を飾るスカーフもアクセントになっていました。
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2015年4月 3日 (金)

AW15/16「エース クリエーション」 クチュール・デヒュー

  MBFWT東京コレクションの最中に、正統派クチュールブランドがデヒューしました。ファッションデザイナーの澤柳直志さんと、糀 泰佑さんが手掛ける「ACE CREATION(エース クリエーション)」です。

Imgp01611pg  会場はブルガリ銀座タワーのレストランで、ドレスコードはブラックタイでした。フォーマルなドレスや着物姿の女性たちがさざめいています。そうとは知らずに入ってしまった私は、すっかり面喰ってしまいました。
 (写真はブランドのお披露目をするお二人です。)

 華やかな雰囲気に包まれる中、ショーは静かに始まりました。

 モダンなクラシックイメージで、ドレスを中心に、トレンチコートやカーディガンジャケット、膝下丈スカートなど。光沢のあるジャカードやサテン、ツィード、ファーなど、高級感のあるリッチな素材も際立っています。気品のあるエレガントなムードあふれるコレクションでした。
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 日本にもいよいよ大人の女性のための注文服ブランドが、新進気鋭の若手デザイナーにより登場したかと思うと、感無量です。

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2015年4月 2日 (木)

AW15/16「ユマ コシノ」 “メトロポリタン・ノマド”

 ファッションデザイナーの小篠ゆまさんが手掛ける「YUMA KOSHINO(ユマ コシノ)」が、MBFWT東京コレクションで、2015/16秋冬の新作を発表しました。

Imgp00921jpg_2  今シーズンのテーマは“メトロポリタン・ノマド”。つまり“大都会に生きる遊牧民” です。
 ランウェイには、1970年代を喚起させるフォークロアやバンク調を採り入れたモデルが並びました。
 このブランドの原点というデニム、それに花や植物模様、アメリカインディアンのチェロキー族にみる幾何学柄、カムフラージュといったモチーフを散りばめ、エレガントに昇華。フィナーレはラグジュアリーなノマドスタイルで締めくくりました。

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 スピートが求められる現代をパワフルに生きる、自由奔放な女性像が眩しく映ったコレクションでした。

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2015年4月 1日 (水)

AW15/16インプロセス バイ ホールオーハラ“装飾”テーマ

 MBFWT東京コレクションで、プリントのクリエーションが美しい「インプロセス バイ ホールオーハラ(IN-PROCESS BY HALL OHARA)」。ファッションデザイナーのデュオ、スティーブン・ホールさんと大原由梨佳さんが手掛けるブランドです。今シーズンも、ランウェイで新作を発表されました。

Imgp00861  テーマは、柄物を得意とするこのブランドらしい“dekor”。ドイツ語で“装飾”を意味する言葉です。着想したのは、1970年代のアートといいます。当時を思わせるジオメトリックやエスニック、花柄などのグラフィックが、モダンにアレンジされて、シンプルで洗練されたワードローブを引き立てています。とくに注目は、大胆なパネルプリントの一連でしょう。シーズンヴィジュアルにもなっているドレスは、一枚の現代絵画を見ているかのようです。

Imgp00771_2 Imgp00811jpg Imgp00871  懐かしさとダイナミックな現代が渦巻く、エネルギーのようなものを感じたコレクションでした。

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