パリで「クリムトの時代 ウィーン分離派」展
パリへ行くと、必ずチェックするのが地下鉄のポスターです。この2月に行ったときには、「クリムトの時代 ウィーン分離派」展が大々的に掲げられていました。
帰国直前でしたが、初日に間に合い、会場のピナコテークに行ってみました。やはり行列ができていましたけれど、今では毎日、もっと長い列になっている様子です。(写真は入口付近) クリムトは、さすがに人気絶大です。
本展の目玉は、ポスターにもなっているグスタフ・クリムトの「ユディトJudith」(1901)もそうですが、それ以上に驚嘆させられたのが、巨大な壁画の展示でした。「ベートーヴェン・フリーズReconstitution de la Frise Beethoven」(1902)と名付けられ、あの作曲家ベートーヴェンの交響曲第9番へのオマージュであるとのことです。世紀末らしい退廃的で官能的なムードが漂っていて、どこがベートーヴェンなのかと思ってしまったのですが----。金箔がたっぷり使われている、華やかなところでしょうか。
これはフランス初公開だそうで、皆、見入っていました。
他に、グスタフの弟のエルンスト・クリムトや、フランツ・フォン・シュトゥックの幻想的な絵画などに惹かれました。エゴン・シーレも奇妙な絵が2点、出ていました。
19世紀末から20世紀初頭は、アールヌーボー様式が登場する、テキスタイルデザインの源流のような時代です。パリやミラノの来春夏向け服地見本市でも、この年代に因んだ図柄のプリントをたくさん目にしました。
テキスタイル関係者には、必見の展覧会ではと思われますが、いかがでしょう。6月21日までの開催です。
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