「ファッション・ミックス展」パリモードを先導した外国人
パリモードをリードしたのはフランス人デザイナーだけではありません。パリがモードの都として、世界に君臨することに貢献したのは、むしろ外国人デザイナーたちでした。パリのモード界は、いつも外国人を受け入れてきましたし、彼らとともに生長し続けてきたのです。そうしたことがわかる展覧会、「ファッション・ミックス展」が今、パリで開催されています。
私も、早速会場となっている移民博物館へ行ってきました。この辺りを訪れたのは初めてでしたが、動物園などもあって、東京でいえば、上野のようなところと思いました。
重厚なつくりの玄関を入り、二階に上がると、展覧会場です。ざっと概観してみましょう。
最初に目に飛び込んでくるのが、オートクチュールの始祖といわれるチャールズ・フレデリック・ワースのコスチュームです。ワース(フランス語読みすると、ウォルト)は、19世紀後半に活躍したイギリス人デザイナーですが、ここは「英国派」のコーナーで、ヴィヴィアン・ウエストウッドらのドレスも展示されています。
次に「素材の研究」というタイトルが付いたグループです。ここでは美しい柄ものとともに、マリアーノ・フォーチュニーのドレスが注目されます。あの有名なシルクのプリーツドレスが、ガラス箱の中に納められていて、その隣に、イッセイ・ミヤケのフプリーツ・プリーズ作品が置いてあり、比較して見ることができるようになっています。
また次に進むと、エルザ・スキャパレリに代表される「イタリア派」デザイナーの作品コーナーがあらわれます。ここで初めてスキャパレリのハイヒール帽子の実物を目にしました。奇抜な形ですが、とてもエレガントに見えて、不思議な感じがします。
さらにバレンシアガを中心とする「スペイン派」、続いて50年代パリのオートクチュール黄金時代に大きな足跡を残したオランダ人デザイナー、ロベール・ピゲのコーナーに出ます。
そしてその向こうにあるのが、「日本人デザイナー」のグループです。イッセイ・ミヤケやコム・デ・ギャメソン、ジュンヤ・タナベ、それにヨージ・ヤマモトの作品がディスプレーされています。中でもひときわ目立つのが、ポスターにも使われているヨージ・ヤマモトの大胆なプリントドレスです。近くで見ますと、迫力があります。
その先は、「ベルギー派」で、マルタン・マルジェラなど、アントワープ出身デザイナーによる作品群です。
最後を飾っていたのは、まさに今をときめく、アメリカ人デザイナー、マーク・ジェイコブスの巨大な頭飾をつけたイブニングドレスでした。
現代作品は、シルエットはクラシックですが、他にない素材の独創性が光っていると思われます。そのクラフトワークを駆使した見事なクリエーションに、感銘させられました。
展覧会は5月31日までの開催で、ロングランです。パリ市のはずれですが、パリにいらっしゃっる機会があれば、立ち寄ってみられてはいかがでしょう。
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