« 全国アパレルものづくりサミット 国産の誇りを未来へ | トップページ | 「オヤノコト.ステーション」を訪ねて »

2015年1月14日 (水)

アパレルものづくりサミット 現場と力を合せて未来を拓く

 昨日のブログに続いて、第2回全国アパレルものづくりサミットの第二部をレポートします。 

 第二部は、パネルディカッションで、テーマは「アパレル製造業が本音で語る現実と課題」です。司会進行は「日本発ものづくり提言プロジェクト」実行委員会発起人の一人で、久米繊維工業会長の久米信行氏、縫製工場4社の経営者と若手が、それぞれ二人ずつ登壇され、自社サンプルを披露しながら、アパレル製造業の課題を語り合いました。
Cimg96371jpg  
Cimg96401  まず、リオ・ビアンコの斉藤武夫社長と縫製主任の吉田仁子さんからスタート。同社は、創業25年という福島県白河市の縫製工場で、このサミット第一部で基調講演された「メーカーズシャツ鎌倉」のシャツをつくっています。創業時からのベテラン、吉田主任が、得意とするドレスシャツの縫製について、針目の細かさや襟の返し、カフスの丸みなど、細部まで手を抜かずによいものをつくるために、惜しまぬ努力を積み重ねてこられたことを伺い、頭が下がりました。

Cimg96431  次は、辻洋装店です。辻 吉樹専務と田尻正子アトリエ縫製部主任から発表がありました。東京・中野区の住宅地に本拠を構える同社は、婦人服高級プレタポルテメーカーです。以前、都心にもすばらしい技術を持つ縫製工場があると聞いたことがありましたが、それがどうやらこの会社のようです。田尻主任によると「パターンが同じでもつくる人によって表情が変わる」そうで、シンプルなテーラードジャケットほど難しいとか。人を育てていくことが重要と強調されていました。

Cimg96441  3番目は、シェリール(島崎)というランジェリーのメーカーで、嶋崎博之社長と菅野千秋縫製課課長が、同社のキャミソールを手に自己紹介。工場は岩手県陸前高田市にあるとのことで、大震災で被災されたのでは、と心配しましたが、高台だったため幸運にも大きな被害はなかったそう。
 肌にじかに着ける製品だけに、縫い目が肌に当たらないように、またやわらかい繊細な素材使いにも苦心しながら、手のかかる縫製をされているとのことでした。

Cimg96531  最後はブティック創の池田修二郎社長と松本 篤生産部課長です。岡山県倉敷市でスーツやコート、スラックスなどを製造し、ダブルフェイスなど多様な素材を手掛けているといいます。縫製で一番に考えていることは、立体的なフォルムをどう作るかで、とくに肩周りのふくらみ感にこだわっているそうです。

 デザインが複雑になり、扱いにくい素材が増えている昨今です。技術の修得には、石の上にも.3年といいますが、実はもっと長い5年は必要といいます。それなのに縫製現場では、せっかく入社しても短期間でやめてしまう若者が多いとか。賃金相場が低くおさえられていて、人が集まりにくいという悩みもあります。

 とはいえ、インターンシップ制度の導入などで、ものづくりに関心のある人が増えていることは確かです。付加価値の高い「Made in Japan」で、先進国向けにアパレル製品を輸出するメーカーも 徐々に出てきていますし、行政からの後押しも始まっています。
 国内生産は無理という頭を切り変えて、リセットして欲しい、という声に耳を傾け、現場と力を合わせて難局にあたれば、必ずや明るい未来が拓けてくるのではないでしょうか。

 どこか希望がわいてくる、そんな感覚におそわれたサミットでした。

|

« 全国アパレルものづくりサミット 国産の誇りを未来へ | トップページ | 「オヤノコト.ステーション」を訪ねて »

ファッションビジネス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/588192/60978816

この記事へのトラックバック一覧です: アパレルものづくりサミット 現場と力を合せて未来を拓く:

« 全国アパレルものづくりサミット 国産の誇りを未来へ | トップページ | 「オヤノコト.ステーション」を訪ねて »