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2015年1月24日 (土)

変容するファッションビジネス-小売に革命が起きている

Cimg98101jpg_2  昨日、このブログに記事を掲載した明治大学商学部創設110周年特別企画「国際シンポジウム」で、昨年女性のキャリア開発を支援する一般社団法人「ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション」(WEF)を立ち上げた尾原蓉子さん(日本FIT会会長)が登壇されました。同氏はIFIビジネススクール元学長でもあり、長年、日本のファッションビジネスの世界を牽引してきた業界の第一人者です。今回の演題は「変容するファッションビジネス-小売に革命が起きている」で、「変革のときだからこそビッグチャンスがある」と、励ましの言葉を投げかけられ、女性の活躍に期待を寄せられました。

 示唆に富むお話が盛りだくさん、まさに業界の指針となるご講演でした。概略をまとめてみましょう。

 まず現代は“リアル”の感動を“デジタル”が支える新ビジネスの時代といいます。その上で、ファッションビジネスは売り手の論理が通用した20世紀から、21世紀は買い手の論理へ移行しているとし、この変容を加速する4大潮流として、①消費者の価値観と行動の変化、②ICT(情報テクノロジー)の発達、③ビジネスのグローバル化、④企業の社会的責任を挙げられました。この中で印象的だったのが、ファッションビジネス史のキーワードです。70年代は「流行」、80年代は「ブランド台頭」、90年代は「SPAや価格破壊」、2000年代は「ネットによる利便性」。そして2010年代は「社会意識や一人一人の個客が感動する価値創造が評価される」との時代認識を提示、なるほどと思いました。

 次にこうした個客への対応について、ICTテクノロジーが大きな可能性を拓くといいます。デジタルとリアルの融合がますます進展し、「小売に革命が起きている」と、米国の先端事例をスライドで紹介されました。
 たとえばEコマースの急成長で、モバイル主導からスマートグラスなどウェアラブル端末を装備した個客へのリスポンス、またオムニチャネルは、シームレス化によりチャネルが消滅、ビジネスがパーソナル化して客が値段を決める価格ネゴモデルが登場していること。さらにショーウインドーのタッチパネル化、3D技術による臨場感のあるリアル感覚なショッピング、バーチャル試着室、無人機による配送やスマホレジなど。
 未来の小売業の姿をとらえた映像が次々に飛び出し、驚きの連続でした。

 最後に、「未来はすでにここにある。ただ、平等には分配されていない」の言葉で締めくくられました。これはSF作家ウィリアム・ギプソン(2003年)のメッセージで、ICTから取り残される人をなくすことは喫緊の課題との警告です。
 今、進化するロボットや人工知能などを見ていますと、SFの世界が間近に迫っていることを感じます。もう私などついていけない、と思ってしまいますが----、これも深く考えさせられる問題ですね。

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