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2015年1月22日 (木)

パスキン展  生誕130年 エコール・ド・パリの貴公子

Cimg00621  パリ狂騒の1920年代、時代の寵児となった画家がジュール・パスキン(1885-1930)です。当時パリに集った異邦人芸術家たちを代表するパリ派「エコール・ド・パリ」の貴公子と呼ばれる存在でした。
 このパスキンの生誕130年を記念する回顧展「パスキン展」が、17日からパナソニック汐留ミュージアムで始まっています。先日この内覧会に行ってきました。

 描かれているのは圧倒的に女性の姿ばかりです。その肌の色は白っぽい真珠母色といいます。背景に溶け込む、この微妙な色合いを照らしているのが、パナソニック独自のLED照明「美光色」で、パスキンの世界をより魅力的に見せています。この美術館ならではの20年代を彷彿させる演出も楽しめます。
Cimg00531jpg_3  
 内覧会では学芸員の方によるアートトークがあり、パスキンの人となりを表す様々なエピソードが語られました。仲間と飲んだり騒いだり、楽しいことが好きだったというこの画家ですが、何と45歳で自死してしまうのです! これを伺って軽いショックを受けました。何不自由のない裕福な暮らしの人気アーティストで、フジタやキスリングなど友人も多く、その上イケメンで、女性にはモテモテだったというのに、どうしてと思います。お酒の飲み過ぎで体調を悪くしたなどといわれているそうですが、本名が“ピンキス”でユダヤ人の出自を隠すため、アルファベットをもじって“パスキン”に改名したことぐらいしか、マイナスの要素はほとんど見当たりません。きっと相当に傷つきやすい、繊細なタイプだったのでしょうね。

 展覧会は4部構成になっています。(なお写真は、美術館より特別に撮影許可をいただきました。)

第1部 ミュンヘンからパリへ
Cimg00251  まず初期の作品から。
 ブルガリア生まれで、美術教育をウィーンで受け、素描力を評価されてミュンヘンへ赴き、まだ少年ながら風刺雑誌「ジンプリツィシムス」で才能を発揮した頃です。

第2部 パリ、モンパルナスとモンマルトル
Cimg00271_2  20歳でパリへ移住し、モンパルナスに身を落ち着け、カフェ「ドーム」に出入りし、ドイツ表現主義とともにマティスらフォーヴィズムとも出会って影響を受け、油彩の腕を挙げていく時代です。ラインがより優美になっています。
 右は、後に彼の妻となる「エルミーヌ・ダヴィッドの肖像」(1908年)。

第3部 アメリカ
Cimg00301pg  第一次世界大戦の戦禍を逃れるためニューヨークへ。
 彼は既にアメリカでも著名な画家となっています。冬期には、暖かい南部やキューバで過ごしたといいます。

 「キューバでの集い」(1915/17年)。

第4部 狂騒の時代

Cimg00381jpg  再びパリに戻り、モンマルトルにアトリエを構え、作品制作に取り組みます。アメリカでの体験で円熟の域に達していた画業は集大成へ向かいます。

 右写真の右は、ちらし掲載の「少女-幼い踊り子」(1925年)。
 左は「幼い女優」(1927年)。

<真珠母の時代>
Cimg00461_3  1920年代の後半以降、真珠母のような光沢を感じさせる色彩で描くようになります。

 右は「ダンス」(1925年)。

 震えるような描線も特徴で、晩年は線描と背景が溶け合う、境界線のない画風です。確かにこれは天国に行く人しか描けない絵かもしれません。

Cimg00121_2  「テーブルのリュシーの肖像」(1928年)。」  
 リュシーとは彼の最後の愛人だった女性です。自死の直前、「Adieu Lucie! 」の遺書を残していて、これを学芸員の方から見せていただきましたが、何ともはかなく切ない感じになりました。   

Cimg00481_2  「三人の情婦」(1930年)。

 展覧会は3月29日までの開催です。

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