デジタルプリントで変わる壁紙の世界
今、アパレルで進展中のデジタルプリントがインテリア分野で革命的ともいえる変化を起こしています。このことを目の当たりにしたのが、先般、10月12-14日に東京ビッグサイトで開催されたインテリアトレンドショー第33回JAPANTEX 2014です。
とくに大きな話題となったのが壁紙で、デジタルプリントとともにフリース壁紙の台頭が注目されました。
フリースとは不織布です。壁紙素材には紙とビニール、それにフリースがありますが、フリースは紙やビニールよりも丈夫で、水に濡れても伸びにくく、また縮みにくい、また貼りやすく、剥がしやすいといった様々な特長があり、デジタルプリントと相性がいい。
壁紙の世界は、今まさにデジタルプリント革命で大きく変わろうとしています。
インテリア文化研究所代表の本田榮治氏のお話によると、今や世界の60%がフリース壁紙で、ドイツでは何と90%の普及率だそう。とくにフリースは、5年前頃から登場してきたインクジェットプリンターによるデジタルプリントとともに、シェアを拡大しているといいます。翻って日本は、世界第3位の壁紙大国であるにも関わらず、規制などもあって、いまだにほぼゼロ状態とか。
しかし最近、ようやくフリース壁紙への動きが出てきたといいます。今回JAPANTEXで行われたパネルディスカッションでは、デジタルプリントによるフリース壁紙の草分け的存在であるリンテックサインシステムの小島社長が登壇し、同社が手掛ける「プリンテリア」を紹介。オリジナル表現が可能で、安全性にすぐれ、またデザインライブラリーには約300点のアートコレクションが所蔵されていることなどをアピール。
さらにブースでは写真のような施工デモンストレーションも披露し、多くの来場者の目を集めていました。
トレンドとして壁紙でも自然素材使いが増えていることや、デジタルブリントのメリットを生かしたリピートなしの巨大な柄が挙げられていました。日本には障壁画の伝統もありますし、今後ますます期待できそうですね。
部屋の雰囲気に合わせて、自由自在に貼り替えを楽しめるフリース壁紙の出現、一生活者として大変うれしいことと思います。
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