植物タンニンなめし革に見るイタリアスタイル
「トスカーナ産イタリア植物タンニンなめし革協会」が、毎年開いているイベントが先般、イタリア文化協会アニェッリホールで開催されました。職人技を大切に培ってきたイタリアスタイルの真髄が披露され、改めてそのすばらしさに感動しました。
植物タンニンなめし革とは、牛皮を植物の抽出物であるタンニンを用いてなめした革のことです。動物の皮はそのままでは腐敗してしまいますので、タンニンエキスで真皮を耐久性のある革に変化させるのですね。
この植物なめしは先史時代にまでさかのぼることができる、極めて古い加工法です。イタリアではこの技術が古代より代々、伝承されてきましたが、今ではフィレンツェを中心とするトスカーナ地方にしか残っていないといいます。もちろんこの技法自体は世界の他の地域でも行われていますが、現在もっとも高品質な植物タンニンなめし革を製造しているのは、トスカーナ産のものだけだそうです。
この希少な文化遺産を保護・向上させるために、設立されたのが「トスカーナ産イタリア植物タンニンなめし革協会」で、23のタンナーが構成員になっているといいます。2012年には品質保証の表示マーク(写真右)もつくられ、マークは今、全世界で120-130万枚発行され、その半数以上が日本向けとのことです。日本は彼らにとって最大のマーケットになっているのですね。
なお、今年は協会創設20周年とあって、これを記念するバッグ「AIIINONE」(左写真)が発表されました。同協会のブランドを冠する初めての商品で、使い手のニーズに応じてパーツを組み合わせるなど、カスタマイズできるといいます。2015年1月よりネットで販売されるそうです。
ロビーでは、パリPV 9月展のアクセサリー (モッダモン) 見本市での「クラフト・ザ・レザー」の展示や、職人による実演もあり、それらを楽しみながら、華やかなカクテルパーティが行われました。
すてきなひとときを過ごさせていただき、感謝です。
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