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2014年12月 3日 (水)

「活動のデザイン展」社会におけるデザインの可能性

Top_poster_2  今、開催されている「活動のデザイン展」は、デザインと社会との関係を改めて考え直す、21_21 DESIGN SIGHTならでは企画展です。
 社会が抱える諸問題に目を向け、それらを解決しようという意志や活動に着目し、社会におけるデザインの可能性を追求する画期的な展覧会と思いました。
 単なる最先端のトレンドを提示するものではないところもみそですね。

 小さいけれど大切なことや、こういうことがあるから社会は変っていくといったことなどが取り上げられ、それらがアートとなって10ヶ国以上24組のクリエーターにより提案されています。
 ひとつ一つに意味がある、興味深い作品が並ぶ中、そのいくつかをピックアップしてご紹介します。

Cimg88051  手仕事の価値を探る活動として、コロンビアのアルヴァロ・カタラン・デ・オコンによる「ペット・ランプ」。
 どこにでもあるペットボトルを切り、茶筅(ちゃせん)構造にして、横に布や竹のようなしなやかな木々を編み込んだランプシェードです。このような伝統的な手仕事製品が、現地ではわずかな収入源になっているのです。

Cimg87161jpg_2  複雑に関係しあう世界を描きだす活動として、「ア・ミリオン・タイムズ」と題されたスウェーデンのヒューマンズ シンス 1982による作品。
 実体のない世界を実体感のある世界にしようと挑んだもので、アナログとデジタルが共生する現代社会の複雑性をとらえたものといいます。時間を表示する数字が消えてはまた幾何学模様の中から現れる、不思議な時計です。

Cimg87181jpg  時代のリアリティを言葉でとらえる活動で、ダグラス・クープランドの「21世紀初頭のスローガン」。
 ダグラス・クープランドは1991年、「ジェネレーションX」を著わしたベストセラー作家です。ネット社会になる以前と以後を痛烈に皮肉る言葉を綴ったボードが並べられていて、これを読むと、今という時代の感覚が何となくわかってきます。

Cimg87471pg  アノニマスな行為をたたえ、記録する活動として、「ローズさんのセーター」。
 オランダのロッテルダムで行われているプロジェクトで、現在80歳になるおばあさんが、1955年から自由気ままに編み続けたセーターが600枚以上にもなり、町中の人々がこのセーターを着て楽しむイベントだそうです。
 これは本展のちらしにも使われていて、セーターも販売されています。

Cimg87581jpg  この巨大で不思議な球体は、マスード・ハッサーニ による「マイン・カフォン」。
 これは地雷を撤去する道具を球形にしたもので、風で転がって地雷を爆破させるといいます。地雷撤去への意識を高めようと制作され、デザインの意義を人道的な解決策に応用する活動として注目されます。

Cimg87741jpg  人間の根源的な価値観を探る活動として、タクラム・デザイン・エンジニアリング 「百年後の水筒」という作品も興味深いです。
 近未来、水がないという時代になったときに、人類はどうなるのでしょうか。これは水なしでも生き残れるように、人体内に取り付けた水筒のアイディアです。こんな風にテクノロジーを駆使して、サバイバルしていくのでしょうね。目が点になりました。

Cimg87861pg  近未来をクリティカルに問いかける活動、スーパーフラックス 「ドローンの巣」。
 無人飛行機です。2020年には、このような超小型無人機が、街の広告塔になったり、交通を取り締まったり、衆人監視したり、街の中を飛び回ることになるのでしょうか。ドローンという名前からして不気味で、未来がそら恐ろしくなってきます。

 ものづくりという枠組みを超えて、これからの社会におけるデザインの役割に多くの気づきを与えてくれる展覧会でした。来年2月1日までの開催です。

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