M&O 9月展 「日本らしさ」を世界にアピール
この9月、パリで開催されたM&O、つまり「メゾン・エ・オブジェMaison et Object」展に行って、まず目に付いたのが、日本を代表する伝統工芸品の初出展でした。いずれも現代の「日本らしさ」を訴求していて、それが目新しくモダンに映りました。
まず佐賀県の有田焼です。創業400年を迎えるとあって、県の記念事業として、今回初めての出展です。ブランド再生と欧州への販路開拓が目標といいます。
モノトーンで統一されたブースには、気品のある器が美しく展示され、ARITAの新しい世界を伝えていました。
これをプロデュースしたのはKEN OKUYAMA DESIGN代表の奥山清行氏。華やかな色合いが多い有田のやきものを、逆に白黒で、「禅」をイメージさせる空間の中で見せる演出は、さすがに洗練されていると思いました。
出品した窯元・商社は8社で、以前訪れたことのある有田町の深川製磁の名前もあり、懐かしかったです。
次に京都・西陣の老舗帯メーカーの服部織物と、建築から家具の設計デザインまで幅広く行う「GENETO」のデザインユニット、「服部源ト」です。空間の宝石をイメージするモビールアートを真ん中に据えて展示。M&Oは初挑戦といいますが、画廊を中心に、意外に反応がいいとのことでした。
さらに中央6ホールの目立つコーナーで、巨大なブースを構えていたのが、東京・青山に伝統工芸青山スクエアを持つ、伝統的工芸品産業振興協会(伝産協会)です。
日本全国の伝統的工芸品を世界に発信しようと今回、16社を集めて、初出展したといいます。
たとえば熊野筆で名高い、瑞穂のすべすべの肌を実現する化粧筆「SUVE(スベ)」や、右写真の大島紬のアクセサリー。これは経糸も緯糸も絣糸使いで、伝統の泥染めです。ブランド名は「イツitu (奄美の言葉で糸の意)」。
さらに滋賀県の近江上布の風呂敷など、どれも究極の技と美を備えたものばかり。
「新しいとはいつまでも古くならないこと」といいますが、こういうもののことを言うのでしょう。
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