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2014年12月17日 (水)

「JBKS 2014」Made in Japanのものづくりセミナー

Cimg94501jpg  先般、開催された「ジャパン・ベストニット・セレクションJBKS 2014」展では、本展の実行委員長である、佐藤繊維(株) 代表取締役 佐藤正樹社長によるセミナーが行われました。
 テーマは「Made in Japanのものづくり」です。世界一細いモヘア糸を開発して注目を集め、世界を舞台に活躍されている同氏の講演とあって、会場は満席状態でした。

 今やニット製品の国産シェアは0.8%しかありません。99%以上が海外でつくられています。消滅の危機にある日本のニット業界で、どのようなものづくりをしていけばいいのでしょうか。ご自身のビジネス体験を盛り込みながら、日本のニット製品製造への道を、熱弁をふるって語られ、あっという間に時間は超過、参加者たちは皆、引き込まれたかのように聴き入っていました。

 まずは前半、ものづくり開発から。
 山形県寒河江市で祖父が創業した紡績業を受け継ぎ、婦人ニットウェア製造に乗り出した頃のお話から始まりました。コンピュータ制御による新作を次々に生み出していくのですが、すぐに類似品が出回り、悩んでいだ時期があったそうです。そうした折り、百貨店ですばらしいイタリア製セーターに出会い、その糸を輸入するようになります。この糸のメーカーから工場見学の誘いがあって、初めてイタリアへ赴き、糸作りのノーハウを学ぶとともにトレンドの重要性にも気づかされたといいます。
 しかしイタリアのものづくりを真似していては永遠にイタリア製品に勝てない、と試行錯誤を重ねます。そして4年くらいかけてようやく、自分なりのものづくりを確立していったそうです。これには、技術よりも発想力が何よりも大切と強調されていたことが印象的です。

 次に後半、商品PRについて。
 良いものをつくれば売れるというのは、日本の製造業の落とし穴で、商品をいかに人に伝えていくか、その背景やストーリーを物語るPRが重要と指摘します。
 大手と違いPR費もなかった当時、奥さまと二人三脚で歩いた苦労話の数々を披露され、身につまされた方も多かったのではないでしょうか。15年前に、ジャパンクリエーション展に初めて手作りのブースを出し、それが好評で、次いでニューヨークの展示会にM.. &KYOKOブランドで出展します。これが日本でも話題になり、他がやろうとしてもできないものをつくろうと、世界一細いモヘア糸を創出。これをもって世界最高峰の糸の見本糸、フィレンツェのピッティ・フィラティ・イマジネに初出展、ラグジュアリーブランドのバイヤーが押し寄せたといいます。これが佐藤繊維というネームがビッグブランドとなった始まりだったのですね。

 最後に、ものづくりで大事なこととして、ヴィジョンを描き、自分のものづくりに向けて着実に一歩を進めていくこと。それには、どれほどものをつくることが好きかにかかっているといいます。
 最近の地産地消の意識にも触れ、日本のものづくりを何としても守りたい、と力説して締めくくられました。感動のセミナーでした。

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