ミラノ・ウニカ 新機軸で積極的スタート
今、ロンドンに来ています。昨日まではミラノで、2015-16年秋冬のテキスタイルと服飾付属品のコレクションを発表するイタリアのテキスタイル見本市、第19回ミラノ・ウニカを取材していました。
初日、8日に恒例のオープニングセレモニーが行われました。いつもと少し様子が違っていると感じたのは、日本人の出席が多かったことです。それは今回、初めて日本のテキスタイルメーカーが出展する「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ The Japan Observatory」が設営され、来賓の一人に、日本ファッションウィーク推進機構の三宅正彦理事長が登壇されていたからでしょう。
まずミラノ・ウニカ会長シルヴィオ・アルビーニ氏が、概要を説明されました。
出展社数は410社、そのうちイタリア以外のヨーロッパ諸国からの参加は74社。新機軸として、上記「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ」、新しい展示イベント「デニム・イタリアーノ(イタリアン・デニム・メーカーズ)」、久々に戻ってきたリネアペッレとの共同企画、「オン・ステージ」における催しなどを紹介、世界がますます興味を持つ見本市となるように、積極的に注力していくと挨拶。
イタリアの景気動向も、好転の兆しが見られ、とくにテキスタイル産業については、今年上半期、製織部門(ニット生地を除く)の生産高は7.6%増、輸出も1-4月のデータで4.2%増加したといい、下半期に向けて明るい見通しの様子。
またイタリア製テキスタイルが文句なしの競争的優位を保つためのキーワードを挙げ、第一に「革新(イノベーション)」を強調。過去30年間、エンドユーザーからこれほど革新的な製品やサービス、ビジネスモデルへの期待が高まったことはないとも。第二は「持続可能性(サスティナビリティ)」です。利益と地球環境の尊重、そして人間との調和のとれた関係を目指すことが消費者の要望に応えることにつながるといい、第三は「人間中心(フォーカス・オン・ピープル)」。多様な人間の能力が求められているといいます。この3点は、日本の業界にも通じる内容で、印象深かったです。
三宅理事長は、6年がかりの交渉でウニカ出展が叶った喜びと感謝の意を伝え、今後の健全な発展を望んでいると締めくくられました。
イノベーション、ポジティブ、オプティミズムといった言葉に鼓舞されて、大いに盛り上がった開幕式でした。
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