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2014年9月

2014年9月30日 (火)

PV9月展 東レ ウルトラマイクロファイバーのアートな造形

 今期プルミエールヴィジョン(Premiere Vision 略してPV)で、東レは「プライド・オブ・ゴーセン」を掲げてウルトラマイクロファイバーを訴求。ブルーと白、黒で統一したブースは、いつも以上にすっきりとして美しい。
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Cimg7825toray1  とくに目をくぎ付けにされたのが「BODY SCAPE」と題したアートなドレスです。       
 TOMOHIRO TOKITA×ARAKI SHIRO×東レにより制作された彫刻のような造形的フォルムで、ドレスの袖カフス部はレーザーカットにより繊細なレースのような仕上がり。
 トップスは超高密度厚地のストレッチサテンで、デザインを手がけたのはファッションデザイナーの時田智弘さん、ボトムはプリーツ加工の透けるボイルで、オブジェなどを手掛けるのが得意というコスチュームデザイナーの荒木志郎さん。この二人の新進気鋭のデザイナーが合作し、このような造形的作品ができあがったといいます。

Cimg8112toray1  新素材としては、写真のデニム風二重織が人気で、インディゴ部分ナイロン、濃紺部分ポリエステルだそう。

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2014年9月29日 (月)

パリ・ガリエラ宮モード美術館「1950年代」展

 1950年代は、パリ・オートクチュールの黄金時代です。この時代の粋を集めたモード展「1950年代 フランスのモード 1947~1957」が、パリのガリエラ宮モード美術館で開催されていて、当地に滞在中、立ち寄る機会がありました。

 館内は、クリスチャン・ディオールからクリストバル・バレンシアガ、ユベール・ド・ジバンシー、ピエール・バルマン、ジャック・ファト、シャネルなど、オートクチュール華やかなりし頃の作品、約120点が、スーツ、アフタヌーンドレス、カジュアルドレス、カクテルドレス、イブニングドレスなどのカテゴリー別に展示されています。 

1  注目は、やはり1947年にクリスチャン・ディオールが発表したバーBarスーツ。当時の著名ホテルのバーへのお出かけ用スーツで、ニュールックと呼ばれて世界中に大ヒットしました。肩幅は狭く、バストはきっちりフィットしていて、ウエストは細く、スカートは大きくふくらんだ丈長のシルエットです。

 またシャネルのオートクチュール復帰後のスーツや、クリスチャン・ディオール亡き後、メゾンを引き継いだいイヴ・サンローランのトラペーズラインのドレスも出品されていました。

 さらにこの時代をリードしたシネモード、グレース・ケリーやオードリー・ヘップバーン、ブリジット・バルドーの衣裳も見られ、興味深いです。

 今秋冬、ファッションは、この時代をヒントにデザインされたものが多くなっていますから、どれも今すぐにでも着られそうな服ばかり。モードのアーカイブにはファッションの芽が詰まっている、と改めて思う展覧会でした。

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2014年9月28日 (日)

「ドリス・ヴァン・ノッテン」の創造の世界を覗く回顧展

 パリ装飾美術館で、「ドリス・ヴァン・ノッテン」の回顧展が開催されています。
Cimg7618dris_van_noten1  ドリス・ヴァン・ノッテンといえば、パリコレでも繊細な美的感覚で知られるファッションデザイナーで、アントワープモードの貴公子といわれる存在です。以前から見たいと思っていた展覧会で、会期が当初の8月末から、大好評につき11月2日まで延長され、今回幸運にも、見に行くことができました。

 本展のキーワードは「インスピレーション」です。400点あまりものアーカイブが、歴史順ではなく、創造性やそのプロセスを切り口にして展示されていました。たとえばフランシス・ベーコンにヒントをとった2009年秋冬コレクション、また2011年秋冬のジャン・コクトーやヴィスコンティからのイマジネーションなど、様々な着想源が紹介され、観る者に創造の秘密を垣間見させてくれます。さらに東洋にインスパイアされたきらびやかなゴールドの一連、インド影響という華麗な刺繍作品の数々にも、うっとりさせられました。

Cimg76221_3  中でも圧巻は「ガーデン」のコーナーでしょう。
 日本人フラワーアーティストの東 信氏がヴィジュアル制作に参加した神秘的な花園は、目が覚めるような美しさでした。そして最後を締め括ったのも、百花繚乱な2014春夏コレクション。 
 ドリス・ヴァン・ノッテンの創造の世界を覗く、幻想的な展覧会でした。

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2014年9月27日 (土)

パリのル・ボン・マルシェ 「左岸の日本」展

 パリでの先々週末、パリ左岸のおしゃれデパート、ル・ボン・マルシェで開催されている日仏交流90周年記念展「Le Japon Rive Gaucheル・ジャポン・リヴ・ゴーシュ 左岸の日本」に行ってきました。

 場所は3階(フランスでは2階と呼ぶ)の元インテリア売場です。
Cimg76741jpg  案内表示が少なくて、ちょっと戸惑ってたどり着いたのが、安藤忠雄氏による直島のインスタレーション会場でした。音と映像による瀬戸内海のアートサイト、美しい直島の風景はなかなか壮観で、これで直島を目指すフランス人観光客がますます増えると思いました。日本へ来たら、「まず直島へ行きたい」というフランス人に、日本人は「えっ、なぜ」と驚かされるのではないでしょうか。

Cimg76821_2  ここを出ますと、「左岸の日本」展入り口です。

Cimg76781  中は買い物客がいっぱいで、にぎわっていました。まずはビームスから桃太郎ジーンズが目に飛び込んできます。巨大な日の丸を摸した球形の売場には、東京コレクションで活躍しているデザイナーブランドのビューティフル・ピープルやカラーなどのファッション商品や、ビューティー、エピスリー、カルチャー雑貨などがディスプレーされています。東急ハンズや、何とプリクラまでありました。

Cimg76891  こけしや弁当箱を手に取って嬉しそうにしている人の姿も目にしました。何か一つはお土産に買っていかなくちゃ、という人の声も耳にして、好評に売れていることを実感しました。

 日本というと、とかく桜に芸者、富士山のイメージになりがちですが、これは現代日本の姿を素直に映したメイド・イン・ジャパンのイベントでした。「日本らしくない、期待外れだった」と批判するフランス人もいましたけれど、パリの友人の一人は「東京の今がわかるセレクトで、とてもよかった」と言っていました。

 こういう催しは、日本では見られませんし、日本にいても気づかれないものもたくさん出ています。10月18日までの開催で、パリへいらっしゃる方は一見の価値ありでしょう。

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2014年9月26日 (金)

MU出展 SHINDO ストレッチパワーメッシュに注目

Cimg7483shindo1_2  MUの日本パビリオン「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ」で、SHINDOの発光するストレッチパワーメッシュにびっくり!

 右写真のコートのウエスト部分には、穴あきのメッシユテープが貼られているのですが、このテープの間にところどころに小さなLED電球を入れたLEDライトテープも貼られていて、それが光るのです。電球はジャケット裏に付いている小さな電池とつながっていて、光を発する仕組みになっています。

Cimg7489shindo1_2  再帰反射よりも機能的で、どのようにも取り付けられますので、デザイン効果も生み出せます。
 左写真は背筋とパンツの太もも部分に付:いています。

Cimg7486shindo1_2  メッシュテープなのにストレッチのパワーは強力で、伸びると中に入れたものを浮かび上がらせます。その3Dインパクトが楽しくて面白い、しかも安全にもつながる近未来の服と思いました。

 同社は、2年ほど前に新道繊維工業からこの社名に変更し、グローバル展開している日本有数の服飾副資材メーカーです。世界に類を見ない新しい商品開発に挑む姿勢はさすが世界のSHINDOですね。

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2014年9月25日 (木)

MU日本パビリオン 綿織物産地企業も盛況

 今回のミラノウニカ(MILANO UNICA略してMU) の日本パビリオン「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ」の総来場者数は4,026名と発表されています。綿織物産地からは出展企業が化合繊に比べ少なかったのですが、各社とも初日から顧客対応に追われ、盛況でした。

Cimg6775kagetama1  播州産地のカゲヤマは、得意の先染め織物を展示。全般に好調とのことでしたが、今回初出展して気づかれたことは、色揃えの多いサンプルほどピックアップされる確率が高い、ということだったとか。カラーコーディネイションに重きを置く欧米では、日本と違って素材よりもカラーを基にデザインが発想されるからでしょう。
 また日本では不評だったものが、こちらでは好評ということが多く、日本とは異なった動きがあることも、出展してよかったと思うところ、と述べられていたのが印象的でした。

 天竜社の福田織物は、服向けだけではなく、バッグや雑貨を含む用途開発にも乗り出しています。これにより綿素材により大きな広がりをもたせたいというわけです。今回は、コーデュロイを中心に、薄地のしなやかなものから、ファンシーな格子柄や幾何柄カットのもの、光沢感のあるもの、カシミアタッチのもの、ダブルフェイス、厚地のシリコンコーティングによるかなり硬いものまで、同社の幅広い提案力を披露、人気を集めていました。
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Cimg6766furuhashi1jpg_3 遠州産地の古橋織布は、秋冬物ということもあり、中肉から厚地が中心。とくに起毛に樹脂加工をのせて反発性やハリ感を持たせた綿複合シルク/アンゴラ/ナイロンで、強撚糸使いによるナチュラルストレッチのものが人気といいます。また綿/ウールの高密度織物も好評で、伝統のシャトル織機による特徴のある風合いが高評価された模様です。

Cimg6788maeda1  富士吉田産地の前田源商店は、シルク織機で織る、高級感のあるオーガニックコットン生地を見せていました。オーガニックコットンは、日本オーガニックコットン流通機構認定のものだそう。スーピマ綿の90番手単糸使いのガーゼや、経に綿糸、横にウール糸の織物が好評とのこと。

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2014年9月24日 (水)

MU出展エイガールズ 重衣料にも使える裏毛で新規開拓

 日本有数のジャージー生地メーカー、エイガールズ(A Girls)がミラノウニカ(MILAMO UNICA 略してMU)の日本パビリオン「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ」に出展し、連日多数の顧客が訪れ盛況でした。何とその7割が新規客だったそう。

Cimg6758agirls1  注目されたのは、同社が力を入れているハイゲージ裏毛です。とくにスエード皮そっくりに仕上げた特殊起毛のしなやかさには、驚かされます。キッドモヘア入りやカシミア、ウールから綿100のものまで、上質感や高級感を打ち出しています。しっかりとしたボリューム感のある裏毛は、ジャケットやコートといった重衣料からパンツにも使えると、新しいマーケット開拓に向けて力が入っている様子でした。

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2014年9月23日 (火)

ミラノウニカ結果速報 日本人来場が44%と大幅増

 第19回ミラノウニカ(MILANO UNICA略してMU)が閉幕して既に一週間以上が過ぎましたが、広報担当から届いたプレスコミュニケで、今回は日本人の来場が前年比44%増と大幅に伸びたことがわかりました。
Exhibition_0921  やはり「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ The Japan Observatory」の新設で、日本の生地メーカーが初出展したことがあったのでしょう。

 来場者総数は前年比微増の21,800人と発表され、イタリアは0.5%減で微減しましたが、イタリア以外は1%増だったとのこと。その内訳を見ますと、日本に続いて多かったのがインドで38%増、トルコ28%増、オランダ7.5%増、米国6.55%増、スペイン6.%増、この他は横バイ。逆に減少したのが、ここ数年増えていた中国で4%減、また韓国41%減、ロシア21%減、香港18%減。

 このデータは、2014年上半期のイタリア輸出動向をラフに反映しているといいます。そしてこのデータを踏まえて、シルヴィオ・アルビーニ会長は、MUの基本的な概念として、次の二つ、一つはMUの未来は世界で競争力を持つイタリアとヨーロッパのテキスタイルメーカーにかかっていること、もう一つは、ヨーロッパを国内市場として考える必要があることを強調。また今回初の試みだった「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ」や「デニム・イタリアーノ」展が高く評価され、レザー見本市の「リニアペルLineapelle」とも相乗効果を発揮することができたと総括。
 さらに2016年春までにイタリア政府が業界に200万ユーロの支援を決定したことを受け、さらなる技術革新と提案力を強化していくといいます。

 次は、10月20-23-日に上海で開催されるMU中国です。127社が参加して行われるこのイベント、ハイクオリティを自負するメイド・イン・イタリーの成果が期待されています。

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2014年9月22日 (月)

PVプリュリエル エールフランスのストで来場者横バイ

 プルミエールヴィジョンPremiere Vision( PV)プリュリエルが、18日閉幕し、早くも結果速報が届きました。

Fd2_4162_1_image_lecteur_video  これによると、6つの見本市全体で62,431名の来場者があったとのことです。この数字は前年同期比0.8%減で、ほんのわずかですが、珍しく落ち込みました。またPVとエクスポフィルだけでみると53,065名で、前年同期比2%増です。その内訳は74%がフランス以外の国々から来場者で、英国(9.5%)、イタリア(9%)、ドイツ(5%)、スペイン(5.5%)を筆頭に日本、韓国、中国などのアジア勢(9%)、アメリカ勢(5.5%)主にはアメリカ合衆国(5%)、それにトルコ(3%)。

 全体をならしてみれば、来場者数はわずかの減少で、まずは横バイといっていいでしょう。それにしても伸びるはずの数字が伸び悩んだのには、訳がありました。それはエールフランス航空のパイロットによるストライキの影響です。何しろ発着便の60%がキャンセルされたのです。列車に乗り換えたり、数百キロも車を駆ったりして、たどり着いたバイヤーも多かったと聞きました。
 長距離便は大丈夫と言われていたのですが、結局、私もこのトラブルに遭い、一日遅れてスイス航空で帰国しました。超高給取のパイロットのストライキは、批判されながらも、今日も続いている様子で、まったく困ったものです。

 フランスの景気は、低迷状態といいます。大統領支持率は今や14%しかないそうで、政治も経済も不安定なようです。こうした中で行われた航空ストでしたが、PVでは、影饗はあったものの、より重大な結末には至らなかったと述べています。

 今期初めて、PVというひとつの主催者によって完全に統合され、運営されたPVプリュリエル。これまで以上に、変わらぬリーダーシップを余す所なく見せつけた会期だったといっていいでしょう。来期からは名称が「PVパリ」に変わります。統一したコンセプトを持つイベントとして、新たな広がりを期待しています。

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2014年9月21日 (日)

PVアワードはイタリア勢が独占

Cimg80884_2  今期プルミエール・ヴィジョン(PV)のハイライトは、第6回目を迎えたPVアワードです。最終日18日正午に発表があり、イタリアのテキスタイルメーカーが、4賞のすべてを独占。毎回何かしらの賞を獲得していた日本でしたが、今回は受賞がなりませんでした。

 とはいえ、ノミネートされたメーカーを見ますと、日本は10社もあり、ジャパンクオリティが依然、高評価されていることに変わりはありません。ちなみにその10社とは、瀧定大阪C.O.T.O、デビス、広撚、Kライン、小松精練、三星毛糸、東レ、坪由織物、ミナミ、ショーワです。

 審査委員長を務めたのは、「レオナール」のクリエイティブディレクターで、中国出身のイーキン・イン氏、また審査員の一人に昨日のブログで紹介した松重健太さんも入っています。

 注目のアワード、その受賞テキスタイルは次の通りです。

Cimg8100gdm1  2014年審査員大賞は、今シーズンを象徴する優れたテキスタイルに与えられる賞で、イタリアのコモのメーカー、GdA のプリント生地に贈られました。シルク100%で、マロン色の部分は上品で光沢のしなやかなサテン、黒い部分は透けるオーガンジーになっています。異なる織組織で、靄のような影のある墨絵調の柄が繊細なテクニックで染め分けられている美しいものでした。

Cimg8103luxry_jersey1  ハンドル賞は、タッチや風合い、動きで最も新鮮な驚きのあるテキスタイルに授与されます。今回は、Luxury Jerseyのビスコース100%のボリューム感のある3重編ミラノ風ジャージーが受賞。弾力性のあるしっかりとしなやかな風合いは、今季を代表するトレンドでもあり、そのクオリティの良さが審査員の心をつかんだようです。

Cimg8104faisa1  イマジネーション賞を受賞したのは、Lanificio Faisaのデニムツィードです。ブークレウールとモヘアにインディゴ染めデニム糸をからませた平織で、コットン59/ウール25/モヘア6/ポリエステル8/ナイロン2。デニムとツィードという意外な組み合わせが、素材、技術、柄や装飾、加工の面で最も大胆な意表を突くテキスタイルと、高く評価された様子です。

Cimg8106ala_campolmi1  イノベーション賞は、最も革新的、先進的、クリエイティブとされるテキスタイルに贈られます。今年はAla Campolmi Industrie Tessileのカシミア100%のレーザープリントが賞を獲得。やや厚みのあるしっかりしたフラノ風の表面に、エンボス加工のようなレーザープリントで、微妙なニュアンスの模様を浮かび上がらせた素材です。

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2014年9月20日 (土)

PVでイエール最優秀賞の松重健太コレクション展

   パリのテキスタイル見本市、プルミエールヴィジョン(PV)で、このブログの5月3日付けでご紹介した、第29回イエール国際モード&写真フェスティバルのレディス部門でPV最優秀賞を受賞した新星、松重健太さんのコレクションが展示され、17日夕、PVプレスルームで交流パーティが開かれました。

Cimg8038matsushige1  松重さんはスラリとした長身の謙虚なイケメンです。お話によると、コレクションのコンセプトは、日本の「鄙美(ヒナビ)」といいます。これはきらびやかな「雅(ミヤビ)」に対する言葉で、「侘び寂び」に通じる自然を愛でる美意識です。ウールメルトンとコットンポプリンの自然素材を使い、カラーは陽光や水に晒されたような白っぽいニュートラルで統一されています。
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 シルエットは、シンプルかつ構築的です。緻密に計算された幾何学的で非対称なカットは、きっちりとモダンで美しい。クチュールで培った立体裁断の技と、細部にまでこだわった仕上げのテクニックは、完成度が高く、さすがイエールの審査員たちは見る目が高い、と感動しました。

 デザインのインスピレーション源を問うと、即座に「直島」と答え、安藤忠雄の建築で有名な地中美術館や、ウォルター・デ・マリア、またリ・ウ・ファンらの作品を挙げました。彫刻的で無駄のないシャープなボリュームは、そこから来ているのかと、納得しました。

 高校生の頃、マルタン・マルジェラのドレスを見て感動し、ファッションデザインを志したという松重さん。大阪エスモードに入学し、ベルギーのアントワープ系デザイナーに憧れて創作した作品で、神戸ファッションコンテスト特選を受賞、パリのサンディカ(クチュール組合の学校)に奨学金留学した輝かしい経歴の持ち主です。尊敬するデザイナーは、アレクサンダー・マッククィーンやジョン・ガリア―ノだそう。エレガントを学ぶ雰囲気はやはりパリといいます。

 パリ在住6年でつかんだPV最優秀賞の栄冠。これを胸に、洋洋たる前途が期待されます。パリのコレットやニューヨークのバーニーズ、ロンドンのドーバーストリートマーケットなど、有名セレクトショップとの関係もできつつある様子で、今後の活躍が大変楽しみです。

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2014年9月19日 (金)

パリの「ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト」

 PV初日の16日夜は、パリの「ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウトVogue Fashion Night Out (略してFNO)」で、パリモードの目抜き通り、サントノーレ界隈はものすごい人出で、大賑わいでした。 
 昨年と違って今年はお天気もよかったせいもあるのでしょう。ブティックはどこも招待状を手にした着飾った女性たちで行列ができていました。この招待状は、フランス版ヴォーグ誌を購入すると付いてくるのだそうです。

 パリのセレクトショップ、コレットも写真のように、ごった返すような人の波。中で冷たい飲み物が配られていました。
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 エステや美容で著名なカリタCARITAの宣伝でしょうか。美女たちの大行進にもびっくり! 皆、カリタの風船を持ち、ゴージャスなドレスに身を包んでいました。
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2014年9月18日 (木)

プルミエールヴィジョン・プリュリエル開幕 2月展名称変更

 2015-16年秋冬向けパリのプルミエールヴィジョン (Premiere Vision略してPV) プリュリエルが、16日開幕しました。
 PVプリュリエルは、糸へんに関わる6つの見本市から成る巨大な見本市です。出展企業は総数1939社で、世界最高峰の服地展といわれるプルミエールヴィジョンは、780社(その内、ニットウェアが51社)。日本からは33社が出展しています。
 
Cimg78691 初日午前、フィリップ・バスケ会長による記者会見が行われ、今期概要を説明された後、またしてもあっと驚かされる発表がありました。それはこの見本市そのものの改称です。来年2月展からは、プリュリエルの名称がなくなり、「プルミエールヴィジョン・パリ」とするというものでした。なおニューヨークは「プルミエールヴィジョン・ニューヨーク」、イスタンブールは「プルミエールヴィジョン・イスタンブール」です。
 
 プリュリエルの中の見本市も、糸の「エクスポフィル」は「PVファイバー」に、服地の「プルミエールヴィジョン」は「PVファプリック」に、デザインスタジオの「インディゴ」は「PVデザイン」に、服飾資材の「モーダモン」は「PVアクセサリー」に、皮革の「キュイール・ア・パリ」は「PVレザー」に、「ズム」は「PVマニファマチュアリング」にそれぞれ変更されるといいます。
 
 半年前の2月展で、最後に残っていた「キュイール・ア・パリ」を買収したと公表したPVです。この統合により名称を変えて、名実ともにPV連合体になったということでしょう。来場者には、これまでよりもよりわかりやすくなりますし、より一層の相乗効果が期待されます。
 長年、おなじみだった言葉が消えることに、一抹の寂しさはありますか、未来へ向けてまた一つ新しい展望が拓けた思いがします。
 

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2014年9月17日 (水)

「テックスワールド・パリ」COTTON USAマークの新ロゴ登場

 パリで開催中の「テックスワールド・パリ」に、今シーズンもCCI国際綿花評議会が出展しています。Cimg77961jpg

Cimg7778twinsetjpg1 ブースはCOTTON USAマークの新ロゴがいっぱい。「LOVE」の文字と合わせて、ふんわりとやさしく愛らしいコットンのイメージをアピールしていました。

 
 CCIインターナショナル・マーケティング・マネージャーの.ステファニー・ティエール・ラドクリフさんによれば、COTTON USAマークのライセンシーは、前回よりも増えたとのこと。今回のテックスワールド出展企業では、中国8社、香港2社、トルコ7社など、28社の企業名を挙げてソーシング・サービスをされていました。
 ちなみに、日本のライセンシーは、出展されてはいないのですが、クラボウと大正紡、タツボウの3社です。    

 初日、好調なすべり出しを見せていました。
 
 

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2014年9月16日 (火)

「テックスワールド・パリ」開幕 日本絹人繊織物も出展

 昨日、国際ファッション素材見本市「テックスワールド・パリTEXWORLD PARIS」が開幕し、世界28か国から、2015-16年秋冬の服地がパリのル・ブルジェ見本市会場に一堂に会して、18日まで開催されています。
 出展企業は881社で、国別では中国が最も多い458社、次いでトルコが96社、韓国94社、インド62社の順。ここでも中国人の多いことに圧倒されます。
 
 日本からは、毎回お馴染みの帝人フロンティアとリリーレース(西村レース)、それに前回はなかった日本絹人繊織物組合連合会の3社が参加。同連合会は、パリ展には秋冬シーズンのみの出展だそう。春夏シーズン向けはニューヨーク展の方に出ているといいます。

 今季、この日本絹人繊織物組合連合会のブースに共同出展されたのが、桐生織物組合と、福島県の川俣シルク「フェアリー・フェザー」で有名な斎栄織物、米沢産地の羽生田織物、石川県の前多。いずれも日本有数の絹人繊織物メーカーで、得意のジャカードや超高密度織物、ラメ入りのファンシーものなど、高級感たっぷりなシルクやシルキー素材を披露されていました。
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 勝負の初日でしたが、出足は好調の様子でした。

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2014年9月15日 (月)

ミラノ・ウニカ シーズン・コンセプトは「違いを際立たせる

 今季も、ミラノ・ウニカのトレンド・エリアでは、2015-16年秋冬のテキスタイルと服飾付属品のコレクション・トレンドが発表されました。

Area_trend_034 シーズンのコンセプトは、「違いを際立たせる」です。  

 他との差異感や個性をより強く打ち出そうという思惑もあってのことでしょう、展示点数は、前回の1700点からその約半分の800点に絞りこまれていました。
 選び抜かれた素材は、グラフィックな創造力と多次元的なファンタジー、先進的テクノロジーにより、新しいボリューム感と細緻につくり込まれたものばかり。

 それらが、「マスキュリン・オーラMasculine Aura」と、「グランド・ヴィジョンGrand Vision」の二つの領域に区分けされ、各々5つのストーリーに分類されて展示されました。 
 
 下記にタイトルだけですが、ご紹介します。

「マスキュリン・オーラ」         「グランド・ヴィジョン」
クール、ミニマル、シック         大胆、モア・スパークリング
☆ニュー・ファイナンス         ☆スペクタクルな自然
☆活気ある街並み           ☆東洋の神秘
☆ボヘミアン・シック           ☆幾千ものきらめき
☆シールド・プロテクション       ☆ユア・ハイネス
☆フル・リラックス            ☆スペース・アドベンチャー
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2014年9月14日 (日)

ミラノウニカ「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ 」大盛況

 今回のミラノウニカでもう一つ大きな話題となったのが、日本企業が初出展した「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ The Japan Observatory」です。
 初日から有名ブランドが多数来訪し、出展した29社は、各社とも当初の予想以上の反響に、うれしい悲鳴をあげていました。中には来場を制限したブースもあり、訳をきくと想定外の人出に通訳が対応できなくなったからとか。

 大手合繊メーカーのハイテクの力と、我が国伝統のクラフトの力、その双方の魅力がバイヤーを引き寄せた模様です。
 黒に赤をアクセントにした重厚なつくりのブース構成も、日本的な美意識で高級感を盛り上げていました。
 
 この日本人の感性を、下記の二つのテーマでまとめたトレンドの打ち出しも好評でした。
 
 Meditative Verse           Chic-Kawaii Essence
 クール&ポエティック         ホット& “渋カワイイ”
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 あとは実際の注文がどれくらい来るのか、ですが、小規模企業もフォロー体制はしっかりできている様子で、ブースでは「来てよかった」の声が飛び交っていました。
 

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2014年9月13日 (土)

ミラノウニカ 華やかな美と食のオープニングイベント

 ミラノウニカでは、今回大変華やかな美と食のオープニング・ナイトイベントが催されました。それはこれまでにもっとも注目を集めたイベントの「オン・ステージ」と、続いて開催された「イータリーEataly」で行われたディナー・パーティです。

 「オン・ステージ」は、10コルソコモのギャラリーでの展示会で、これまで5回実施されたこのプロジェクトに参加したデザイナー、50名の中から選抜された8名のデザイナーの代表作品が展示されました。
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Cimg68501 写真右は、その8名です。日本人デザイナーがいないのが少し残念でした。

 
 「イータリー」のミラノ店は、巨大でモダンな食品スーパーマーケットで、この春開店したばかり。一階から三階まで、ワインやチーズ、生ハムやサラミ、パスタなど、イタリアの食材が美しくディスプレーされています。
 店名は、英語の「イートeat」と、「イタリアitalia」から造語したとか。トリノを拠点にローマなどイタリア各地からニューヨークや東京にもお店があります。
 
 パーティは、ここを会場に店内カウンターなど、自由に飲食するというもので、イタリアの食を満喫しました。
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 それにしてもこんな風にお店を開放するスーパーがあるとは、本当にびっくり!
 すてきな一夕でした。

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2014年9月12日 (金)

ミラノ・ウニカ 新機軸で積極的スタート

 今、ロンドンに来ています。昨日まではミラノで、2015-16年秋冬のテキスタイルと服飾付属品のコレクションを発表するイタリアのテキスタイル見本市、第19回ミラノ・ウニカを取材していました。

056_qg6a45261_mu  初日、8日に恒例のオープニングセレモニーが行われました。いつもと少し様子が違っていると感じたのは、日本人の出席が多かったことです。それは今回、初めて日本のテキスタイルメーカーが出展する「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ The Japan Observatory」が設営され、来賓の一人に、日本ファッションウィーク推進機構の三宅正彦理事長が登壇されていたからでしょう。

 まずミラノ・ウニカ会長シルヴィオ・アルビーニ氏が、概要を説明されました。

 出展社数は410社、そのうちイタリア以外のヨーロッパ諸国からの参加は74社。新機軸として、上記「オッセルヴァトーリオ・ジャポーネ」、新しい展示イベント「デニム・イタリアーノ(イタリアン・デニム・メーカーズ)」、久々に戻ってきたリネアペッレとの共同企画、「オン・ステージ」における催しなどを紹介、世界がますます興味を持つ見本市となるように、積極的に注力していくと挨拶。
 イタリアの景気動向も、好転の兆しが見られ、とくにテキスタイル産業については、今年上半期、製織部門(ニット生地を除く)の生産高は7.6%増、輸出も1-4月のデータで4.2%増加したといい、下半期に向けて明るい見通しの様子。
 またイタリア製テキスタイルが文句なしの競争的優位を保つためのキーワードを挙げ、第一に「革新(イノベーション)」を強調。過去30年間、エンドユーザーからこれほど革新的な製品やサービス、ビジネスモデルへの期待が高まったことはないとも。第二は「持続可能性(サスティナビリティ)」です。利益と地球環境の尊重、そして人間との調和のとれた関係を目指すことが消費者の要望に応えることにつながるといい、第三は「人間中心(フォーカス・オン・ピープル)」。多様な人間の能力が求められているといいます。この3点は、日本の業界にも通じる内容で、印象深かったです。

 三宅理事長は、6年がかりの交渉でウニカ出展が叶った喜びと感謝の意を伝え、今後の健全な発展を望んでいると締めくくられました。

 イノベーション、ポジティブ、オプティミズムといった言葉に鼓舞されて、大いに盛り上がった開幕式でした。

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2014年9月11日 (木)

 肌に触れずに簡単に測れる「エジソンの体温計」

 この8月BS NHKで、肌に触れずに、たった1秒で体温が測れる体温計が紹介されました。それが「エジソンの体温計」です。今回開催された2014秋ギフトショーの「女性のハートをキャッチするギフトグッズコンテスト」で準大賞に選ばれました。

 早速ブースに行き、お話を伺いました。

Cimg6588jpg1_3  体温計には水銀体温計と電子体温計、それに赤外線体温計があり、赤外線体温計の中に、皮膚に接触せずに測れるものがあるそうです。この赤外線体温計は元々医療機器として使用されていたものですが、昨秋、一般にも使いやすいように設計変更し、「エジソンの体温計」として新発売したところ、大きな反響があり、様々なメディアで取り上げられ、今年は家電全体で5位の売れ行き、ビッグカメラでは人気ランキングコーナーで1位に輝いたそうです。

 検温は、こめかみから2〜3cm離した辺りでボタンを押すだけ。一瞬で測れます。こめかみは、静脈の血流をチェックしやすい場所なのだそう。
 携帯電話型で90gと携帯よりも軽くて持ちやすい。私も測ってみましたら、平温以下の36度にも達していなくて、低体温気味なことがわかりました。

 価格は12,500円+税とのこと。体温計もこうした一工夫あるものがヒット商品となっているようです。

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2014年9月10日 (水)

女性のハートをつかむコンテスト大賞に「スキンタッチ」

 今回の2014秋のギフトショーでは様々なコンテストが行われました。その中で私がもっとも関心をもってみていたのが「女性のハートをキャッチするギフトグッズコンテスト」です。

 大賞に選ばれたのは、「スキンタッチSkin Touch」と呼ばれる美容家電でした。スマホと連動して肌診断をするというもので、エステ向け美容機器メーカーの「素数」が、これまで業務用として使われていたものを、この秋から、一般向けに発売する商品です。
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 イアホンジャックに挿し、宝石の玉のような形のセンサーを“肌に3秒間あてるだけ!”で、肌の水分量や油分量をチェックできるといいます。私も試しにやっていただきましたら、水分量は17で、相当乾燥した状態でした。それが保湿クリームを塗った後は43に跳ね上がって良好な数値になりました。

 こうしたお肌のチェックは、化粧品売場などでサービスとしてよくやっています。でもこの道具があればいつでもどこでも簡単に自分でできますし、肌の水分と油分バランスを数字で管理できるというのも魅力ですね。

 スマホは今のところアイフォンしか使えないそうですが、現在アンドロイド用のアプリを開発中で、もうすぐ登場するとのことでした。

 自分の肌の状態を知り、最適なスキンケアをすることは美肌を保つ秘訣といわれますから、きっとヒット商品になるのでは。価格は2,980円+税。

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2014年9月 9日 (火)

アクティブ・シニアの食のイベント「オイシニア」

 2014秋の東京インターナショナル・ギフト・ショーが、東京ビッグサイトで3〜5日、開催され、今回も“アクティブ・シニア展示イベント”が行われました。毎回反響が大きくなるこのイベント、今回のテーマは「食」にスポットを当てた「アクティブ・シニア×食=オイシニア」でした。

Cimg6603jpg1  会場スペースで、前面に打ち出されていたのが、実際に料理をつくり展示するフードスタイリングの展示です。“キンフォークKinfolk”風のオーガニックライフをイメージさせるテーブルセッティングで、最近はこうしたライフスタイルがトレンドなのでしょう。

 壁側の展示コーナーでは、“食べる楽しみ”と“料理する喜び” を支える食品やキッチンウェア&テーブルウェアなど31点が出品されていました。この中で、とくに興味深いと思った商品を二点、ご紹介します。

○灯菜 あかりなAkarina 野菜を育むインテリア
  照明器具のオリンピア照明が開発した「灯菜」は、LEDライトで日光の代わりにお部屋で野菜づくりが楽しめるというもの。「灯りでグリーンを育み、ライフスタイルにプラスアルファのよろこびを」をキャッチフレーズに、2年前から発売されているそうですが、「水耕栽培のためか、なかなか認知されない」とのことで、「この機会を利用して広めたい」と話されていました。
 種子を蒔いて3週間で、写真のように育つそう。ハーブを食卓でつまんだり、草花をリビングで愛でたり、ベッドサイドでは間接照明とグリーンでリラックスしたりと、いろいろに使えるとのことで、「これはいいな」と思いました。
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 モックmock天然木を使用した、      テラタterrata
 カントリー調のデザイン。
 17,800円

○デジタル健康塩分計 ひとめで簡単チェック
 ドリテック社の塩分計は、3色のLEDで7段階表示し、塩分濃度が簡単にわかるというもの。
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 ブースへ行き、実験していただきました。上の写真で、右は真水で左は塩分入りです。塩分計の赤い部分は塩分が濃い、緑は中くらい、青は薄いを表します。左側にこの塩分計を入れると、緑のLED が点灯し、塩分濃度は0.9%であることを示しました。
 価格は1,980円で、11月から大手GMSなどで新販売されるそう。塩分を管理して、健康な体づくりをしたい方にぴったりですね。

 なお次回“アクティブ・シニア展示イベント”は「ヘルシニア」。シニアの健康をサポートするモノとコトが集結するとのことで、楽しみです。

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2014年9月 8日 (月)

「中村吉右衛門写真展-SONORAMENTE」の圧倒的迫力

 人間国宝で歌舞伎役者、中村吉右衛門の芸の神髄に迫る写真展が、15日までグッチ銀座で開催されています。

 エレベーターを降りると真っ暗闇、でも次第に等身大を超える大きさの写真が浮かび上がってきます。フォトグラファーの鍋島徳恭氏が、歌舞伎のドラマティックな名場面を演じる中村吉右衛門を撮影したもので、珍しい舞台裏での写真もあります。
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Cimg65571  さらに右のような舞台衣装の展示や、江戸時代から続く伝統的絹織物、仙台平の「バンブーバッグ」も販売されています。この売上げ金は全額、東日本大震災からの産業復興のために寄付されるとのこと。

 歌舞伎には疎い私ですが、あのテレビでおなじみの吉右衛門さんのお姿がずらりと並ぶ会場はまさに壮観!そのもの。タイトルにソノラメンテSONORAMENTEとあるように、朗々たる響きが聞こえてくるような大迫力で、すっかり圧倒されてしまいました。

 伝統のすばらしさを未来に伝えていきたいという、中村吉右衛門とグッチの共通の思いから実現された写真展。歌舞伎ファンには必見でしょう。見ごたえのある展覧会でした。

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2014年9月 7日 (日)

“ドレスキャンプ×ベルばら”ポップアップショップ華やかに

 華麗な装飾性で若い女性から大人まで熱烈な人気を集めるドレスキャンプDRESSCAMPが、このほど40年ぶりに新刊が発売された名作漫画“ベルサイユのばら”とコラボレーションして、伊勢丹新宿店TOKYO解放区で9日まで、ポップアップショップ(期間限定店)を開いています。  

Cimg6627jpg1  テーマは“ゴージャスgorgeous”で、笑いを表す“W(ダブリュー)”をつけたロゴを入れて、遊び心を演出したといいます。ショップの名前も「gorgeous W by DRESSCAMP」です。

 写真右は、胸にこのロゴを刺繍したゴールドラメのプルオーヴァーを着用していらっしゃった方をパチリ。

 

Cimg6624jpg1  チューリップ柄を重ねた鮮やかな色彩のプリントのスカートに、袖の部分をフリルやギャザーで立体的にデザインしたブラウスや段ボールニットのカットソー、またレースや刺繍、ファーなどをあしらったものなど、コラボアイテム以外にもファンタジックなドレスキャンプの秋冬コレクションが満載。

 ブランドを手掛けるデザイナーの岩谷俊和さんと元宝塚歌劇団雪組トップスターの水 夏希さんとのトークショーも開かれ、満員の盛況でした。

  “ベルばら”は宝塚歌劇団最大のヒット作で、今年6月、ついに通算観客動員数500万人を突破したといいます。その華やかでロマンティックなイメージが、ファッションに戻ってきているようです。
 “ベルばら”ファンならずとも、見逃せないイベントでは、と思います。

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2014年9月 6日 (土)

“MT×MINTDESIGNS”銀座G8で“紙の服”展示

 東京デザイナーコレクションで人気のファッションブランド、ミントデザインズMINTDESIGNSが、カモ井加工紙の和紙でつくられるマスキングテープMTとコラボレーションして、東京・銀座のG8ギャラリーで11日まで、“MT × MINTDESIGNS”期間限定ショップをオープンし、 “紙の服”を展示しています。 
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 “紙の服”は、一見普通のシャツやスカート、ワンピース、コートに見えますが、よく見ると透け感のあるトレーシングペーパーにマスキングテープを貼り合わせて製作されています。柄はすべてマスキングテープで表現されていて、シンプルで美しい。

 それにしても、マスキングテープで服をつくるとは、思いもよりませんでした。服は日常生活を豊かにするプロダクトデザインの一つと考えてデザインする、このブランドらしい試みですね。
 紙はパリッとかたいですけれど、簡単に切ったり貼ったりできる材料です。ファッションの可能性がまた一つ、広がりました。

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2014年9月 5日 (金)

循環型社会形成推進功労者賞 繊維3R推進の功績に

 日本ファイバーリサイクル推進協会理事長の木田 豊氏が、環境生活文化機構の平成26年度循環型社会形成推進功労者賞を受賞され、3日、東京・南青山 のホテルフロラシオン青山で開催された「2014環境フォーラム」で表彰式が行われました。
 日頃、同氏の活動を尊敬している私も、早速お祝いに駆けつけました。

 受賞者は、同氏の他、タキゲン製造㈱と、ナカノ㈱です。

Cimg6568jpg1  木田 豊氏は、長年にわたる衣服3Rの研究・啓発や環境へ配慮するデザイナー育成の「リクチュール塾」など繊維リサイクル推進への功績から、またタキゲン製造㈱は、グリーンマーク拡充やユニフォームリサイクルシステムの活用で、さらにナカノは古着等の繊維リサイクル企業として、同機構会長の広中和歌子氏より、各々表彰状が贈呈されました。
 (写真左は木田氏、右は広中氏)

 この後の受賞者謝辞で、木田氏は、「会社勤務の頃は服を供給することばかり考えていたが、リタイア後は、逆にそれを回収する立場となり、当時は捨てた服の9%しか再利用されていなかったのが、現在は20%になった。少しはお役に立てたのでは。また衣服はファッションと切り離せないものなので、ファッションを楽しみながら環境に役立つことをしたい」と、抱負を述べられました。
 簡潔な心に残るお話で、感銘しました。

 受賞、本当におめでとうございます!

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2014年9月 4日 (木)

ヨコハマ・パラトリエンナーレにデザイナーブランドも参加

 今回初めて、ヨコハマ・パラトリエンナーレが、横浜港・象の華テラスで、ヨコハマトリエンナーレ2014と同時開催されています。これは「“障害者”と“多様な分野のプロフェッショナル”の協働から生まれる現代アートの国際展」で、「ファースト・コンタクト」をテーマに、日本の有力デザイナーブランドの「アンリアレイジ」と「ミナ・ペルホネン」の皆川 明さんも参加し、新しいアート表現を目指した展示やパフォーマンス、ワークショップなどを行っています。

Cimg6516jpg1_3  先日、会場となっている、象の華テラスに行ってきました。「カトリーヌ・マジ サーカスワークショップ」のダンスの練習風景に出会わせ、しばし見入ってしまいました。カトリーヌ・マジ先生がフランス語で話すのを通訳が子どもたちに言い聞かせるのですが、子どもたちは、けっこう自分で振り付けしたりして楽しそうにやっていました。微笑ましかったです。

 「アンリアレイジ」は特別展示で出品。巨大なシャネル風のジャケットを見せていました。それは「聞く服」です。「服は見るものというだけではない、ファッションは目に映るものだけではない、目を閉じて耳を澄ませば新しいファッションの可能性が聞こえてくる」という視覚を超えた服です。
 音を奏でる特殊な糸使いのツイード地で仕立てられていて、電源を入れると確かに音が聞こえてきました。それに合わせて服が揺れ動き、ターンします。これまで見たことがない夢のような発想の服を実現させたアンリアレイジに、またしても驚嘆! しました。
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 「ミナ・ペルホネン」を手掛ける皆川明さんは、雑貨ブランド「スローレーベル」と協働しています。生地を提供して市内の福祉施設のメンバーがその生地に自由に刺繍した作品を出展したり、ワークショップを開いたり。
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 つくって、おしゃれして、つながる、ユニバーサル社会を目指す活動は緒についたばかり。このつながりの輪をもっともっと大きく広げていきたいですね。

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2014年9月 3日 (水)

ヨコハマトリエンナーレ2014 「忘却の海」の世界を浮彫りに

 横浜発、現代アートの国際展、ヨコハマトリエンナーレ2014を見に、横浜美術館と新港ピアの二つの会場に行ってきました。

 メインテーマは「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」で、読書が禁じられた架空社会を描いたレイ・ブラッドペリの名作「華氏451」と現代社会を重ね合わせて、アートで「忘却の海」に沈んだ世界を浮彫りにしようという構成です。本展で、私たちはなにか大切な忘れ物をしてはいないだろうかと、問いかけられます。人生で忘れ去ってきたものや、時代の流れの中で見捨ててきたもの、進化とともに失ってきたものなど、様々な角度からそうした忘れ物が照らし出される仕掛けに満ちていて、現代に警鐘を鳴らしているかのようです。その奥深い表現にアートの持つ力を考えさせられました。

20140817103904imgp0002jpg1  横浜美術館では会場前の広場に、序章として、赤さびた骨組だけの「低床トレーラー」が置かれています。トレーラーなのにゴシックの廃墟のよう。ヴィム・デルボアの作品です。

 

Cimg6234jpg1  館内正面に見えるのが、マイケル・ランディの「アード・ビン」。これはガラス張りの巨大な「アートのゴミ箱」です。はしごで上り、上方から不要品を落とします。

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 下にたまったゴミの山の中に、今回アーティスティック・ディレクターを務めた森村泰昌氏の作品も捨てられていました。

 注目されたのは、第一話の「沈黙とささやきに耳をかたむける」。
 表現を極限まで抑制して単純化し、何が描かれているのか、観るものに想像させる逆説的作品が展示されています。たとえば白一色の空白の絵画は、キャンバスを石膏で固めただけですが、1年かけて作られたといい、また村上友晴の黒の油彩キャンバスは、木炭の粉を混ぜてナイフで削るなどして、数年がかりで仕上げられたものだそう。それにしても、シンブルにそぎ落とすのに、これほどに時間がかかっているとは、驚きでした。ここは写真が撮れなくて残念でした。

Cimg6248jpg1  次に第2話「漂流する芸術にであう」です。

 釜ヶ崎芸術大学による、多くの問題を抱えた釜ヶ崎の表現。ここはどこかホッとする空間でした。

 

 また展覧会の本命とされる展示がされているのが、第3話「華氏451はいかにして芸術にあらわれたか」の部屋です。
Cimg6259jpg1Cimg6261jpg1_2   積み重なった本の山。           「MOE NAI HON燃えない本」
 でもアルファベットはすべて逆さま。

Cimg6258jpg1  古いテレビなど、大切な“忘れ物”などが展示されています。




 とくに興味深かったのは、第4話「たった独りで世界と格闘する重労働」のコーナーです。
Cimg6269jpg1_3  左は福岡道雄の「何もすることがない」の言葉だけを、FRPの板にただただ彫刻刀で彫り込んだ細かい作品、何と大変な重労働とびっくり。1日に10行ずつ彫り進んだそうです。他に「何もしたくない草花」の“つぶやき”もあります。

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 第5話は「非人称の漂流」。テニスコートから監獄へ。監獄から法廷へ。変容するプロセスをプラモデル化したもの。作者不詳とあります。



 さらに第6話「おそるべき子どもたちの独り芝居」のアリーナ・シャポシニコフの作品。とくに写真がユニークで、何と噛んだガムの変形した形をカメラにおさめたもの。子どもの頃のガムの記憶がよみがえります。

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20140817141746imgp0093jpg1_3  新港ピア会場では、「忘却の海に漂う」がテーマ。

   入り口でお出迎えしてくれたのは、色鮮やかなステージ・トレーラー、やなぎみわの作品です。新作演劇「日輪の翼」(原作:中上健次)のための移動舞台車の一部とのこと。

 
  

 大竹伸朗の「網膜屋/記憶濾過小屋」と名付けられた作品。内部には古い写真がびっしり。
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Cimg6374jpg1_4  なお、ポスターに使われた作品は、ギムホンソックの黒いごみ袋でつくったクマのぬいぐるみ。

 みなとみらい駅の改札ロビーに展示されていましたが、ちょっとしょぼくれた感じで、かわいそうな感じでした。

 開催は11月3日までです。

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2014年9月 2日 (火)

ズッカで百世の作品展「一樹之陰」

Cimg6541jpg1_2  先日、ズッカCABANE de ZUCCaの南青山店へ行きましたら、亡きバンドマン忌野清志郎の長女で、イラストレーター・ゴムハンコ作家として活躍している百世の作品展「一樹之陰chiju no kage」が開催されていました。

 丸みのある、ちょっとお茶目なキャラクターが詰まった作品は、ゴム版だからでしょうか。どこかふわりと温かいぬくもりを感じさせます。「一樹之陰」というように、見知らぬもの同士がつながり合う、そんなイメージを表現しているようです。よく見るとズッカのロゴも入っている、何とも不思議な絵です。

Cimg6544jpg1  店頭では、その最新作をプリントしたテキスタイルで、Tシャツやドレスなどの販売も行われています。百世にとっては初のファッションブランドとのコラボレーションとか。
 なお、この展示販売は4日から丸の内店に移り、16日までとのこと。

 最近とみにファッションブランドがアーティストと協働する例が多くなっています。しかもその店にしかない限定版なので希少価値があり、アーティストとつながった気分にもなれます。そこが個性を重んじるファッション好きにはたまらない魅力なのでしょうね。

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2014年9月 1日 (月)

「Heart in HaaT」テキスタイル展 ファッションは素材から

Scan0212  イッセイ・ミヤケのテキスタイルデザイナー、皆川魔鬼子さんがディレクションする「ハートHaaT」は、素材からの発想で生まれたファッションブランドで、今年で早くも15年目を迎えます。これを記念して今、東京・南青山で、集大成ともいえる「Heart in HaaT」テキスタイル展が開催されています。

 私は1980年代、この前身だった手づくりのインド製ブランドが登場したことを覚えていますが、その後、2000年に創設されたのがHaaTです。これは皆川さんの国産にこだわった天然素材中心のテキスタイルを使用した服をつくりたいという、強い思いから生まれたブランドだそう。機械織りでも技術と加工の工夫次第で、手の温もりが感じられるテキスタイルができるのではと、産地メーカーとともに開発し、様々な技法を新しく、楽しく、現代服に活かしてきたといいます。 
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Cimg6536jpg1  会場には、15年にわたるアーカイブの中から、厳選された服地や小物、76点が、絞り、色、織スカート、丸編、加工、ウール縮絨、横編、ストール、ジャカード織、先染、アレンジワインダー、刺繍、アクセサリーのグループ別に展示され、一部に継続されているインドのものも見られます。ミシン絞りとホタル絞りのベストや、水彩画を思わせる涼しげなプリントのパネルスカート、ギンガムチェックにのせたジャカード柄の縮絨で、立体感をつけたシンプルなドレス、提灯のように立体的なフォルムのジャカード織ストールなど、注目素材が目白押し。
 
 ファッションの創造は、美しくて心地よいテキスタイルから始まることがわかる企画展です。開催は8日まで。お見逃しなく。

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