石内 都展 ―幼き衣へ―と「背守り 子どもの魔除け」展
写真家の石内 都さんが、背守りのある古い子どもの着物を撮影した写真展―幼き衣へ―と、実物の背守りを展示した「背守り 子どもの魔除け」展が、東京・京橋のLIXILギャラリーで、23日まで、開催されています。
「背守り」とは、昔、母親が子供の成長を願い、着物の背中に施した飾り縫いです。背に縫い目のない子どもの着物は、背後から魔が忍び込むとされ、魔除けとして付けられたのですね。
子を思うやさしい手仕事の数々は、本当に美しくカラフルで、驚きに満ちていました。
派手な着物に負けじと 襟下に縫い留められた藍染めの
付けられた大きな柿の背守り 絞りの歯切れ。着物は紅花染め
背守りの刺繍は熨斗目 短い2本の紐を下げた背守り
着物は木綿の藍染め 木綿の着物に背守りは毛織モスリン
「百徳着物」というのも、初めて目にしました。子どもが生まれると、近所の人たちが布切れを持ち寄り、それを継ぎ接ぎしてつくった着物です。布切れ一枚一枚に徳が宿っているというので、百徳というそう。
表は鮮やかな色合いの接ぎ縫い、 250枚もの歯切れで
裏は白一色の木綿。そこに経文や パッチワーク
子の名前、出生日時が記されている 背守りは籠目刺繍
明治から昭和初期のものが多かったようですが、今でもこのような風習が残っているのでしょうか。すばらしい日本の文化と思いました。
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