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2014年7月 4日 (金)

ファストファッション時代の価値と課題を語る

 「ファッションビジネスの大転換期なのに実態がつかめていない」、との認識から、去る5月下旬、「ファストファッション時代の読み方;その価値と課題」と題する特別講演会(東日本ファッションビジネス学会主催)が開催されました。

Cimg44361  講師は、ファッション流通コンサルタントでディマンドワークス代表の斎藤孝浩氏。綿密な資料に基づく現状分析は、流通に疎い素人にもわかりやすく、ポスト・ファストファッション時代のビジネスの方向性を示唆する内容でした。

 あれから少し日数が経ってしまいましたが、その概略は次のようです。

 まず日本のファッション小売業を取り巻く情勢から。衣料品の市場規模は、2003年と2012年のデータで比較すると、この10年で3%縮小。また百貨店と総合スーパーの売上も、ともに約35%減少した。その一方で、専門店は26%増となり、通販関連は倍増した。
 次にこの10年間で売上を伸ばした専門店として、ユニクロとしまむら、それに外資系アパレル専門店のザラやH&M、GAP、フォエバー21などを挙げ、2000年代後半以降、デザインのスピードアップが加速。トレンドファッションの低価格化を実現したファストファッションによる第4次流通革新が起きた。
 このファストファッションのスピードを支えているのが、製販直結企業の店頭での週次サプライチェーンマネジメントや、デザイン機能の内製化など。これにより発注から店頭までの期間は、一般のアパレル製造では90日以上かかるのに対し、自社工場を持つザラは約15日、自社管理の外注工場によるH&Mは約45日、フォエバー21は約30日で、シーズン中の市場変化に機敏に対応できる体制を整えている。
 またグローバルSPAといっても、違いがあり、ユニクロやGAPは、少品種大量生産でファッションベーシックに強く、多品種小量から中量生産では、H&Mとフォエバー21はマーケットトレンドに、ザラはコレクショントレンドに強いなど、特徴があることも指摘。
 さらに、ファストファッション時代到来の背景には、マーケットの成熟による、コーディネートパーツ需要の高まりが大きい、という。しかし課題も多く、使い捨てられる商品の行き場をどうするか、リサイクルインフラの必要性や、生産現場に無理をさせていないかなど、企業の社会的責任が問われる時代になっているとも。
 最後に、ポスト・ファストファッション時代の流通革新について。商品そのものだけではなく、商品提供方法の革新が求められるとし、進化する顧客の購買行動を補完するオムニチャネルリテイリングが重要という。その例として、ネットで情報検索し店舗で現物を確認して、店舗で購入する、あるいは後でネットで購入する顧客に対し、ウエブストアでの店舗在庫情報の開示や、店頭ITを駆使して在庫を探し出すシステムなどを紹介。また手持ちの服に買い足しを促進するコーディネートレシピアプリ「WEAR」にも触れ、このアプリの誘導によるショッピングサイト「ZOZOTOWN」の購買頻度や買い上げ率が高まっていることなど、既存流通がカバーし切れない消費心理・消費行動を補足するITデジタルの重要性を語られて、締めくくった。

 ポスト・ファストファッション時代については、もっとお聞きしたかったのですが、時間切れとなってしまいました。次回が、楽しみです。

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