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2014年7月 8日 (火)

ヴァロットン絵画は動画のワンシーン!

 このブログ(6/30付け)でご紹介した「ヴァロットン-冷たい炎の画家」展(三菱一号館美術館)の人気が、高まっているようです。

Cimg51661_2  このヴァロットン展記念のトークイベントも盛会の様子で、先日行われた3回目の会に参加しました。作家の島田雅彦氏が、「情事」をテーマに、モデレーターの集英社ハピプラアート・スーパーバイザー、鈴木芳雄氏と対談する、トークショーです。
 
 謎に満ちた作品の裏側が語られ、展覧会を二度、楽しませていただきました。
 
Cimg50731  とくに興味深かったのは、「貞節なシュザンヌ」(1922年) について。
  これは奇妙な三角関係を表しているといいます。怪しげな女性は、有閑マダムに見えますが、WEBサイトによれば、娼婦だそう。顔を赤らめ、悪役らしき双子のような二人の男性を誘惑している場面です。旧約聖書の「スザンナと長老たち」をパロディ化し、女性を冷めた目で見つめている画家の眼差しが感じられます。
 さあ、この後どうなっていくのでしょう。
 
 「赤い服を着た後姿の女性のいる室内」(1903年)も、見る者に、何かが起こりそうな不穏な想像を抱かせます。開いた扉から寝乱れたベッドを覗かせるシーンは、確かに後世のヒッチコックもよく使った手法ですね。
 
Scan0204  島田氏の「ヴァロットンの絵は静止画だが、動画とみるのが正しい」に納得です。ご指摘の通り、ヴァロットンの木版画に、アニメの要素を感じます。音もないのに、さざめく声が聞こえてくる、イマジネーションをかきたてられる図柄です。右は、今回の回顧展ポスターに使われている「お金―アンティミテ」(1898年)。
 当時は、映画が発明された時期でしたから、絵画もひと連なりの物語として楽しめるものをと、意識して描いたのでしょう。
 
Cimg50961  さらに神話を主題にした「竜を退治するペルセウス」(1910年)や、「引き裂かれるオルフェウス」(1914年)について。
 実は展覧会場でこれを観て、「何と残酷な!」と、正視できませんでした。女性を冷淡な目で見ている画家像が浮かび上がってきて、気分が悪くなったのですけれど、今回のトークで、ヴァロットンの屈折した心理を少し理解できた気がしました。
 
 それにしても、あの時代にこれほど先進的な作品を遺し、後代の芸術家たちに影響を与えた画家がいたとは! と、軽いショックとともに、楽しくなってきました。

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