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2014年6月

2014年6月30日 (月)

「ヴァロットン―冷たい炎の画家」展

 日本で初めてのヴァロットンの回顧展「ヴァロットン―冷たい炎の画家」が今、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催されています。先日、その特別内覧会に行ってきました。
 同展は、オルセー美術館とフェリックス・ヴァロットン財団監修による国際巡回展です。ヴァロットンはヨーロッパでは人気の画家ですが、日本ではほとんど知られていません。でもだからこそ、リスクを負って展覧会を開く意味があると、館長の高橋氏は強調します。
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    入り口には、同美術館が所蔵するヴァロットンの木版画150点の一つが、ポスターで展示されています。

 ヴァロットンはスイスのローザンヌに生まれ、16歳でパリに出奔し、ボナールらが属するナビ派に入るものの、独自の道を歩みます。その独特の視点で描かれた名作数点を、学芸員の杉山 菜穂子氏が解説してくれました。

Cimg50741_2  まず「ボール」(1889年)という作品です。前景に女の子、背景には大人が描かれていて、明るい陽光の中の少女は、影のような大人の世界から逃げようとしているかのようにも見えます。無垢な女の子は俯瞰的に、暗い森の中の大人は横からの視点で、描き分けられている、奇妙な感覚の絵です。

Cimg50711_2  次に「夕食、ランプの光」(1889年)。裕福な画商の娘と結婚したヴァロットンが、家族と食卓を囲んでいる風景です。一見和やかな団らんなのに、陰鬱な気分が感じられます。前景の大きな黒い影は、画家自身で、この絵には家族との不和が表現されているといいます。こうした手法はヒッチコック映画でも用いられていて、当時としてはかなり現代的な表現だった、と思われます。
 
Cimg50731  さらに「貞節なシュザンヌ」(1922年)。男性2人が女性に言い寄っているのか、逆に女性が男性を誘惑しているのか、これも奇妙で斬新な作品です。ピンク色の椅子は劇場のボックス席で、フランス語で「ベニョワールbaignoir(浴槽)」ともいうので、神話「水浴のスザンナ」とのダブルミーニングを表しているのでは、といいます。
 ヴァロットンには、このような神話の主題を新しく解釈してパロディ化した作品が数多く、本展でも、たくさん展示されています。
 
 現実を冷たく見つめる視線の先に、炎のような情熱を燻らす、“冷たい炎の画家” ヴァロットン。彼の重層的な視点は、シュールで、現代性を感じます。
 なお、展覧会は9月23日までの開催です。
(写真は、いわゆる一点撮りでなければよいということで、許可を得て撮影しています。)

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2014年6月29日 (日)

梅雨空に似合うアジサイブルー

 今、あちらこちらで咲いているのがアジサイの花。ここ鎌倉のアジサイの名所は、人でいっぱいの様子です。
 梅雨空には、やはりアジサイのブルーが清々しい!
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 我が家の庭でも、手まりのような大輪の花が、緑の中からポコポコと浮かんでいます。色もすっかり濃くなってきました。移ろいゆく季節の色を楽しみたいと思います。

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2014年6月28日 (土)

コットンインコーポレイテッド2015/16秋冬トレンド予測

Cimg44381  アメリカのコットンインコーポレイテッド社による2015/16秋冬向けファッションのトレンド予測プレゼンテーションが、先月末、東京・青山で行われました
 講師は、ニューヨーク支部トレンドアナリストのローレン・ウイリアムズさんです。トレンドテーマは下記の通り5つあります。詳細は、日本綿業振興会発行の「コットンプロモーション2014夏」にカラー写真で掲載されますので、ここでは各テーマのポイントをざっとご紹介します。
 
(1) Quintessencカンテサンス(本質)
 発想源として、二つあり、一つは、17世紀のオランダ絵画で、たとえばフェルメールの「真珠の首飾りの少女」に見られるイメージ。もう一つは、自然を新しい領域からとらえる視点で、たとえば昨年21_21 DESIGN SIGHTで開催された企画展「カラーハンティング― 色からはじめるデザイン」などを挙げている。
 カラー:濃暗色と明るい色の対比で、陰翳を演出。
 
(2) Everyday radical エブリデー・ラジカル (刺激的日常)
 ときに過激で極端なものを求めるファッション性向をヒントにしたテーマ。ランウェーショーの演出も刺激的なデジタルプロジェクションを登場させたり、自分自身のボディをキャンバスにするファインアート表現が出てきたり、食の世界でも、ある種の虫から抽出したタンパク質による食品が開発されたり---。
 カラー:陰影のある強い色調で、ドラマ性を感じさせるパレット。
 
(3) Disguised ディスガイズド(見え隠れ)
 現代の日常風景や都市空間 の中に、カムフラージュ効果を組み込むアイディア。コスプレもヒント、また映画「スターウォーズ」風の影響も見られる。ユーモアのあるストリートアートイメージも。
 カラー:今どきのカムフラージュカラー。赤を中心にしたエキサイティングな色調に、抑えたカーキやこげ茶をプラスしたレンジ。
 
(4) Tres gentille トレ・ジャンティ(あふれる優しさ)
 人とのつながりが大事という価値観を背景にしたテーマ。家族や友人との集い、サプライズ的なイベントの開催など。
 とくに注目は、「ペンディング・コーヒーpending coffee(保留コーヒーsuspended coffeeともいう)」。これは、飲物や食べ物を必要としている誰かのために、事前に料金を支払う、助け合いのシステムで、イタリアから今、世界に広まりつつあり、あのスターバックスも検討中という。また思いやりの心をテクノロジーの力で表現する事例として、小児病棟の壁面をLEDパネルでお伽の国の森のイメージにデザインし、病気の子どもたちを楽しませている病院など、人に良いことをしたい、貢献したいという様々な動きを紹介。
 カラー:やさしさの中にシンが通っている、心和むカラーバレット。

 (5) Tectonic テクトニック(重層するテクノロジー)
 テクノロジーの進化で、新しい領域が次々に広がっている。ソーシャルメディアの進展も著しい。誰もがアクセスできる、透明化する情報社会。そうした複雑化する世界に注目するテーマ。
 カラー:どのような市場にも幅広く受け入れられる、活用しやすいカラーレンジ。

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2014年6月27日 (金)

「リラ・ヴォーグ」夏の新作展でニットドレスが人気

 本格的シニアファッションを手掛ける「リラ・ヴォーグ」の夏もの新作展が、20日、東京・錦糸町で開催され、久しぶりの展示会とあって、にぎわっていました。

 目新しく映るのは、カットソーのニットウェアです。ニットは以前から要望が多かったそうで、今季からスようやくスタートできたといいます。

Cimg49891  左は今回もっとも人気だったというニットドレスです。縦横のストライプを組み合わせたグラフィカルなプリントで、綿100%のダブルジャージー。
 価格は10,000円で、共布のスヌード付きで11,000.円。

Cimg49881  右は、落ち着いたシックなボーダー柄のカットソー。パンツに組み合わせるとおしゃれです。麻混で、スヌード付きが11,000.円。

 二ットは、Tシャツでも、袖付けが一般に細めです。でもこのブランドでは、アームホールや背幅がやや広めにとられていて、袖が楽に入れられます。肩が落ちるなどという心配もありません。
 シニアの身体の変化を十分に研究した設計になっているのです。

 その上、セミオーダーですので、お直しもしていただけます。素材は天然素材が中心で、お値段もリーズナブル。

 本当にこれでやっていけるのかしらと思うほど。ファッション性と着やすさが、みごとにかみ合ったシニアにやさしいブランドです。

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2014年6月26日 (木)

「北高」今秋冬服地展でニットが好評

 “デザイン服地で心豊かなくらし”を追求するテキスタイル・コンバーターの北高が、18-19日、東京・千駄ヶ谷でレディス服地展を開催しました。
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  今秋冬は、これまで以上に付加価値性を重視する市場に合わせて、表面感のある加工を充実させているといいます。インクジェットプリントやレース、カットアウト、ジャカードなどの柄ものが目立つ展開です。
 とくに力を入れているのがニットで、中でも段ボールニットやキルティングジャカード・ニットなど、ふくらみ感のある二ットが好評といいます。

 またストレッチコーデュロイや、裏毛、ボアなどに、クラシカルな花やエスニックなジオメトリック、ヴィンテージチェック、メンズでも人気のカムフラージュ柄などをプリントし、両面で使えるようにリバーシブルで表現したタイプも多くなっています。

Cimg49831  2015春夏への提案もあり、4つのトレンドテーマ「ノスタルジック・ガーデン/ 華やかなロマンティシズム」、「ビーチ・ドリーム/ モダンなスポーツカジュアル」、「スピリチュアル・ワールド/ アートとファンシーの融合」、「フューチャー・ライフ/ テクノロジーからのインスパイア」で、透け感、凹凸、光りなど、個性豊かな服地を紹介。

 次のプルミエールヴィジョン9月展では、またしても出展するとのことで、楽しみです。

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2014年6月25日 (水)

虎ノ門ヒルズの新キャラ“ぼく、トラのもん”

Cimg50351   “トラのもん”っていったい何?と、オープンしたばかりの虎ノ門ヒルズに行ってきました。

 虎ノ門ヒルズは、“新虎道路”と新しく名付けられたマッカーサー道路の真上に建つ超高層ビルです。ビルの下を道路が貫通している、驚くべき構造になっていますので、それだけでも話題は尽きません。

Cimg51091  昼過ぎのビルは、新しもの見たさの人で混雑していました。
 件の“トラのもん”の周りには人垣ができています。あのアニメキャラにそっくりですが、色は白くて耳があります。一緒に記念撮影する家族連れが多く、やはり人気者ですね。

Cimg51121  モダンアートもいくつか展示されていて、一見の価値ありです。写真右は、昔の虎ノ門をイメージしてデザインされたガラス壁面。
 韓国のサン・クァクの作品。

 

Cimg51131  お店は飲食店ばかりですが、ちょっとおもしろいかも、と思ったのは、3階にある複合ショップ“ザ・サード”です。
 その一つ“スタイルマ―ケット”では、旅をテーマにした書籍や雑貨をとり揃えていました。このテーマは3か月ごとに変えていくとのことで、次は何なのか、興味深いです。

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2014年6月24日 (火)

「掃く」ことが楽しくなるスウィープ

 玄関周りやベランダなどには、木の葉や砂など、雑多なごみが散らかりやすく、用具を出し入れするのも面倒で、つい清掃が億劫になってしまいます。しまわずにコーナーなどに置いて、オブジェとしても楽しめる掃除用具でしたら、「掃く」ことが楽しくなります。

 そんなホーキとチリトリのセットを、インテリアライフスタイル展のプレミアムゾーンに出展していたアッシュコンセプトで見つけました。それがテラモトの新作「スウィープSweep」です。
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 試しに使わせていただきました。腰をかがめないで、スッスッとごみを掃き集められます。見るとブラシの先の形状が斜めのカットになっています。それで角の掃きにくい場所も、キレイに掃けるのですね。チリトリを傾けなくてもごみを掃き取れます。
 ホーキは左右どちらの手で持っても、そのままの姿勢でチリトリにセットできるので、左利きの人も使いやすい。

 佇まいも美しく、「掃く」ことが楽しくなるユニバーサルなデザインです。

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2014年6月23日 (月)

西陣ソフトカーボン製のシックなバッグ

 京都西陣から、最先端材料を採り入れた新商品が提案されています。それは伝統の西陣織、京袋物の技術にカーボン(炭素)繊維のテクノロジーを融合させた、西陣ソフトカーボン繊維製品です。

 先般の「インテリアライフスタイル2014」のジャパンスタイル・ゾーンに出展のスターライト工業のブースでは、バッグやカバン、財布といった小物から時計まで、様々な商品が紹介されていました。

 バッグは持つと確かに軽く、しっかりと丈夫そうです。よく見ると西陣織の織柄が浮き出ていて、シックな趣があります。
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 赤と黒の配色も洗練されていて、ファッション性と機能性を兼ね備えたデザインです。

 炭素繊維は元来、軽量で引っ張り強度は強いけれど、摩耗に弱く毛羽が出やすい繊維です。西陣では特殊な樹脂加工を施すことで、耐摩耗性を向上させることに成功したといいます。

 伝統と先端技術の融合による高付加価値なものづくり。これはその成功例の一つといえるでしょう。

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2014年6月22日 (日)

「花百様」華やぎのある上質なくらしで“おもてなし”

 先般の「インテリアライフスタイル2014」では、洗練された和モダンで、新しい“おもてなし”を発信する動きが目立っていました。

 中でも注目されたのが、川島織物セルコンの「花百様」です。華やぎのある上質なくらしを提案しています。
 テーマは、「花百様」というように、川島織物文化館所蔵の名品「百花百鳥図」に登場する百の花で、その中から毎年1つを選んで、商品化しているといいます。
 今年は芍薬の花で、「立てば芍薬、座れば牡丹----」と、美人に形容される花のモチーフは、“はんなり”と艶やか。プリント、あるいはジャカードなどで表現されて、テーブルウェアなどホームテキスタイルからバッグ、風呂敷、タオルなど、様々なアイテムで展開されています。
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 上品なパープルピンクとターコイズブルーで彩られた、情緒豊かな花模様の空間は、凛とした日本女性の“おもてなし”の心を感じさせるに十分な演出でした。

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2014年6月21日 (土)

濡れると柄が浮き出るタオル「おぼろ」

 ルルルワークス(lll WORKS)のタオルシリーズ第2弾「OBOROおぼろ」が、「インテリアライフスタイル2014」で発表されました。ちなみに第1弾「フタエ ガーゼ&パイル」は、このブログ6/25付けでご紹介しています。
 これは、タオル販売の日繊商工と三重県の老舗タオルメーカー、おぼろタオルが協業して開発した新企画です。パイルの地の部分のみを染め、ループ部分は染めない特殊な染色法で、ぼんやりとした柄が、お湯につけると、鮮やかに浮かびあがります。
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 ブースでは、水をはって、色が濃くなる様子を実演していました。
 
 一見懐かしい風情のタオルですが、濡れるとどんな模様が表れるのでしょう。お風呂がまた楽しくなりますね。

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2014年6月20日 (金)

地方の価値再発見“日本の土産ものを元気にする!”

 先般開催された「インテリアライフタイル2014」展で、バイヤーの行列ができたブースが「大日本市」です。
Cimg47921  ここは、日本各地の伝統工芸メーカーが集まった”市”のようなショップです。
 手掛けるのは、再来年で創業100年という奈良の中川政七商店で、社長の中川淳氏は、今年1月放映のカンブリア宮殿にも出演されるなど、今話題の人物です。このブログでも昨年7/6付けで取り上げています。
 
 今回もエイトブランディングデザインの西澤明洋氏と対談形式で講演され、「土産ものと地方のものづくり」をテーマに、地方の持つ価値を再発見し、“日本の土産ものを元気にする!”と力強く語られました。
 
 まずは日経MJ(3/17付け)の記事を引き合いに、観光地で購入する土産ものの市場規模3兆円、その内、8割が食品で、非食品は2割に過ぎないと述べられます。20年前にはこの割合は半々だったのですが、工芸品の漸減により、地産地消のものばかりになってしまったのです。

 「大日本市」を立ち上げたのは、「土産ものとはその土地に因んだ進物なのに、これでよいのか」との思いからだったそうです。扱う商品は、高価な芸術作品のようなものから靴下や布巾といった日用品まで、様々。それらをブランド展開するなかで、地方の土産物店のプロデュースを請け負うプロジェクトを始めます。
 その土地らしいモチーフを採り入れたものづくりが好評で、たとえば大宰府天満宮では、梅の花にさりげなく今年の干支の馬の蹄柄を入れたプリント小物、出雲大社ではうさぎのカップルの刺繍、博多はめんたいこ、奈良は鹿といった具合です。次は郷土玩具に取り組みたいとも。収益は地元メーカーの開発経費に充てているといいます。

 また田舎では当たり前と思われていることに、実は価値があるという発言も、納得です。お土産に価値があるのは、地元でつくるものだからなので、出来上がるまでの作業の過程を正直に見せることが、変にデザインしたり、安易にタレントやゆるキャラに頼ったりするよりも、大事といいます。同社では、店頭に靴下編み機を置いて靴下が編みあがる様子や、ミシンを踏む姿を見せたりもしているとか。
 
 今、地方の時代といわれ、土産ものが注目されています。どの土地にもある何気ない価値、それを見つけて、ものづくりに生かし、適切に伝えていく。このためにどうしたよいのか、まさに目からウロコのようなお話でした。

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2014年6月19日 (木)

「美しいファンシーエッグ~ロマンティックな卵たち~」展

 アクセサリーミュージアムでは今、昨日のブログでご紹介した常設展に加えて、企画展「美しいファンシーエッグ~ロマンティックな卵たち~」が、7月30日まで開催されています。
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Cimg46531  コレクションは、日本でのエッグアートのパイオニア、わたべ和美氏の作品です。夢見るように繊細で高貴な小世界が広がっています。ウェディングシーンのものもあり、ため息が出る美しさでした。


 ヨーロッパに行くと、復活祭を祝うイースターエッグを見かけることがあります。卵は古来より生命と豊穣のシンボルだったのですね。
 美しく彩られた卵に、活き活きとした春の訪れを感じたことを思い出します。

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2014年6月18日 (水)

アクセサリーミュージアム コスチュームジュエリーの世界

Cimg45871  アクセサリーミュージアムは、東京・目黒区にある日本初のファッションジュエリーとグッズの専門美術館。近代から現代まで約150年間にわたる収蔵品は約5万点に上ります。アクセサリーに特化した私立美術館としては日本最大規模を誇ります。
 
 開館したのは2010年春で、その頃館長の田中元子さんに館内をご案内していただきました。アクセサリー教室にも時折参加したりしていたご縁もあり、先日、日本ファッション協会うらら会のためにスペシャル・ナイトツァーを実施していただきました。
 
 ところでアクセサリーとは、日本ではふつう、装身具の意味で使われていますが、本来、衣服に付加した付属品のことで、バッグや帽子、靴などを含めた言葉です。欧米では装身具はすべてジュエリーと呼ばれ、貴金属や天然宝石に限定したファインジュエリーと材料価値よりもファッション性を重んじるコスチュームジュエリー、これをファッションジュエリーとも呼んでいるのですが、この二つを指します。
 ファインジュエリーは代々受け継がれていくのに対し、コスチュームジュエリーは、ファッションとともに隆盛しながらも失われやすく、作り方や職人の技術なども継承されにくい。職人の技法や繊細な手仕事、素材などは、時の流れとともに消え去って行ってしまうことが多いのです。
 このことに危機感を覚えて、ミュージアム創設を思い立ったのが現館長の田中さんです。コレクションを始めたのは、初めて渡欧した1968年にエミール・ガレの作品を手に入れたときからだったといいます。以来、コスチュームジュエリーを中心にアンティークやインテリア、調度品、ファッショングッズなどを世界中から収集。そこには伝説化した遺産ともいうべき職人たちの高い美意識から生まれた知恵と工夫が詰まっているといいます。
 詳細は、昨年田中さんが出版された著書「コスチュームジュエリーの世界―田中元子アクセサリーコレクション」(このブログの昨年4月20日付けにも掲載)をご覧下さい。
 
 展示室は時代別に次のように分かれています。アールデコの時代(1920-30年代)、アールヌーボーの時代(1880-1910年代)、ヴィクトリアンの時代(1850-1900年代)、オートクチュールの時代(1940-1960年代)、プレタポルテとアヴァンギャルドの時代(1970-1980年代)。調度品や当時の代表的な服装の展示もあり、各時代の雰囲気をトータルで感じとることができます。
 
 写真を撮らせていただきましたので、館内の様子をほんの一部ですが、ご紹介します。

○アールデコの時代(1920-30年代)
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 アールデコは簡潔さと合理性を目指したフランス発祥の芸術革新運動で、幾何学的な意匠が特徴。
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Cimg46061     シャネル           ベークライトのブレスレット

○アールヌーボーの時代(1880-1910年代)
 ヨーロッパを中心に隆盛した新芸術運動で、 曲線と自然物を組み合わせた女性らしいデザイン。
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本物の玉虫、スカラベ使用のブローチ  エミールガレのランプシェード

○ヴィクトリアンの時代(1850-1900年代)
 英国、ヴィクトリア女王統治の時代に花開いた文化様式。
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 モーニング(服喪)ジュエリー       カメオ

○オートクチュールの時代 ― 40年代のアクセサリー
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 ヴァンドーム社製ラインストーンのチョーカーネックレス。すべてのパーツが一つずつロウ付け細工でつけられている。

 館長じきじきのエピソードを交えながらの解説で、一同、コスチュームジュエリーの世界への関心が一気に深まった様子でした。改めて、心よりお礼申し上げます。

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2014年6月17日 (火)

イデアトーカイ展 快適・清潔・安心・安全・節電をテーマに

 東海染工の開発チーム「TEAM-J」と連携企業による加工技術の合同展、第36回「イデアトーカイ IDEA TOKAI」が、この4-5日、東京・表参道で開催されました。
 テーマは「快適・清潔・安心・安全・節電」で、綿や化合繊を中心に新しく開発した加工素材を一堂に展示。来場者も多く、盛会裏に終了した模様です。
 
 とくに風合い加工でマークされるのが、高橋織物や辰巳織布とのコラボレーションによるマーセライズシリーズです。マーセライズを駆使し、ハリ・コシのあるふくらみや、ソフトな反発感、オーガンジー風、合繊ライクな綿など、表面感やタッチの違いを表現したワンランク上の圧縮素材で、機能的にもシワになりにくい、洗濯後のケバ立ちも少ないなどのメリットがあり、注目されます。

Cimg46861_2 またもう一つ興味深いのが、食べても安全な食品、たとえば水飴などを繊維に取り入れた、H加工です。これはしっとり感にも優れ、撥水・速乾・UVカット効果もあるという画期的な素材です。

 
Cimg46791_2 綿100%の再帰反射素材「ひかるんII」は、右写真のように暗箱を設けて、光る実演をしていました。カラーバリエーションも増えています。



 
Cimg46721_4 最後に驚嘆させられたのが、3Dデジタルプリントです。
 左写真の虎は、眼鏡をかけて見ると、前方に飛び出してきて、怖い! 迫力満点のプリントです。

 
Cimg46771 特別な眼鏡などなくても、油絵の立体的なタッチなどを、実物そっくりに再現する、そのみごとな出来栄えに感動しました。
 技術の進歩はすごいです。

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2014年6月16日 (月)

天然素材への回帰ムードへ 進化する綿改質加工

 蝶理×オーミケンシのコラボ素材「ソルプレsolpre」の進化版が、この5-6日、東京・原宿クエストホールで開催された蝶理の2015年春夏素材展示会で発表されました。

 ソルプレは、この12月11日ブログでも書きましたが、綿の改質加工により、しなやかで発色性に富んだ風合いの、綿100%ナチュラルストレッチ素材です。英語のsolution(問題解決)のソル、premium(付加価値)のプレを合わせた造語だそう。

Cimg48081  今シーズンは、深みのある染色性や風合いが、何度洗濯しても変わらないことをアピールするために、深みのある赤と黒で染めたサンプルを用意し、洗濯する前と洗濯30回後のサンプルを比較展示していました。見た目、触感とも変化がなく、素晴らしい技術と思われます。

 定番の綿素材に加え、素材・価格帯のバリエーションを増やしていくとのことで、天然素材への回帰ムードへの高まりを感じさせます。

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2014年6月15日 (日)

“今が旬”蓼科の高山植物

20140614154810imgp01441_3    蓼科高原で北八ヶ岳ロープウェイに乗り、一気に亜高山帯の溶岩台地、坪庭を散策してきました。縞枯れ現象による不思議なボーダー模様の縞枯山をバックに、彩りを添えているのが、今を旬とばかりに咲いている高山植物です。 

20140614153058imgp01161_2  岩場のそこかしこに見られるのが、ピンクの小さな花をつけたイワカガミ。花びらの先端が細かく裂けて小刻みに震えているのが、何とも可憐で愛らしく見えます。
 葉に光沢があって、手鏡の形に似ていることから、この名が付けられたとか。

20140614154004imgp01321_2  地面を這って広がるのは、草ではなく木です。ミネズオウというツヅジ科の植物で、もの寂びた感じの白い花が、一面をおおうように咲いているのが印象的です。

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2014年6月14日 (土)

オールドローズ香る「バラクライングリッシュガーデン」

Cimg48141    今まさに、バラの花の季節です。蓼科高原にある日本初の本格的な英国式庭園、「バラクライングリッシュガーデン」では、17日まで、フラワーショーが開催されています。バラクラはファッションブランド「バラ色の暮らし」の略語で、このブランドを手掛けるファッションデザイナーで、この庭園のオーナー、英国園芸研究家でもあるケイ山田さんのお招きで、久しぶりに行ってきました。
 久しぶりにといっても、もう20年も前のことで、創園間もない頃でしたから、ひっそりとしていました。それが今では観光バスでツアー客が続々訪れる観光名所になっています。このすばらしい変貌にただただ驚嘆です!この日も楽しげな人でいっぱい、にぎわっていました。
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20140614124648imgp00831    緑あふれる約1万㎡の敷地には、バラの花をはじめ様々な花々が咲き誇っています。バラ園というと、バラばかりが何万本も植えられている場所かと思いますが、ここは、バラに多種多様な植物たちが組み合わさって、大自然の美しいハーモニーを奏でている庭園です。

 代表の山田裕人氏のご案内で、お庭を回りました。植栽されているバラは、すべてオールドローズで、原種や野生種に近いものばかり約200種。冬の寒さに耐え強健で、香りが強く、1年に1度しか咲かず、一斉に咲くということもない。普通店頭で見かけるバラや四季咲きの現代バラとは、異なる種類なのだそう。

20140614123842imgp00641  左は、「ミセス・ヤマダ」の名で親しまれている品種。2003年にオールドローズのスペシャリストのピーター・ビールス氏が、この庭で発見した変種のバラで、赤と白が反転した花が咲くのが特徴。お母様の名前に因んで名付けたといいます。 

20140614124736imgp00851  右は原種バラのロサ・モエジー。一重咲きの美しい赤いバラ。優雅な樹形で、大きなひょうたん型の実をつけるとか。実でジャムをつくったりすることもできるそう。

 またちょっとしたガーデニングのコツも教えていただきました。パラを植えるには、深さ60cm以上、土を掘ること、鉢もこのくらいの深さがあるものが良いそうです。寿命は18年くらいとのことですが、剪定など手入れをすれば、もっと長生きさせられるといいます。

 レクチャールームでは、ケイ山田さんによる「バラを使った寄植え」講座もあり、オールドローズとコンパニオンプランツの寄植えアートを披露していただきました。このように他の植物と合わせて、表情を楽しめるのが、オールドローズの魅力だそう。
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 さらに「不思議の国のアリスの庭」もオープン! これはこの5月の「国際バラとガーデニングショウ」で展示されて好評を博したもので、大人も子どもに返って、しばし空想の世界に浸れる、そんなメルヘンの花園でした。
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 途中、ケルティック・ハープや、バグパイプの演奏もあり、まるでイギリスに来たかのような雰囲気。大変楽しい一日でした。

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2014年6月13日 (金)

「ミナ・ペルホネン」経年変化を楽しむ生地“ドップ”発表

 東京ビッグサイトで、この4-6日、開催された「インテリアライフスタイル2014」展で、人気を集めていたブースの一つが、「ミナ・ペルホネン」です。このほど新しく開発した経年変化を楽しめるテキスタイル、“ドップDop”を発表。初出展ながら、インテリア雑誌「エル・デコ」から「メディアアワード」を受賞するなど、注目されました。

 ところで「ミナ・ペルホネン」は、ファッションデザイナー、皆川 明さんが手掛けるファッションブランドです。
 産地とのオリジナルテキスタイルによる服作りが特徴ですが、近年はデンマークの「クヴァドラ」など、インテリアやステーショナリーといった、ファッションの領域を超えたデザインプロダクツも制作し、発売もされています。
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 “ドップ”は、イタリア語でダブルという意味。生地は、表と裏が異なる色で織られた両面モールスキンです。5万回以上摩擦すると、表側の糸が擦り切れ、裏の新しい色が表れてきます。使い込む込むことで、これまで見えなかった下の色が出てくる、そんな変化していく生地の様子を楽しむデザインです。綿35/ポリエステル65で、独特のなめらかなしなやかさも心地よく、クオリティのよさを感じさせます。浜松産地で生産されているとのことですが、製法は秘密とか。

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 同展では「経年とデザイン〜変わる喜び〜」と題し、皆川さんが北欧家具・雑貨を扱う「ハルタ」代表の徳武陸裕さんと対談するセミナーも行われました。年月とともに新しい表情を見せる“ドップ”に込められた視点が語られ、大変興味深かったです。

 輸入家具を扱う祖父母の影響で 北欧のヴィンテージに惹かれるようになったという皆川さん。ヴィンテージは劣化してもいいと思えるのは何故なのかと問いかけます。擦れたり、綻びたりしたら困るというデメリットを、逆にうれしいと思う、そんな長く使えるデザインを、ファッションでも提案していきたいといいます。

 今、ファストファッションに疑問を投げかける人が増えています。皆川さんのこうした考えに共鳴する人は、ますます多くなってくることでしょう。

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2014年6月12日 (木)

2015春夏「京都スコープ」展“太陽がいっぱい”の夏

Cimg46951  2015春夏の婦人服地を発表する京都織物卸商業組合主催「京都スコープ」展が、この6月4―6日、東京・北青山テピアで開催されました。今回で75回目を迎えるとのことで、過ぎし日々、地元の京都で行われていたこの展示会を見に、東京から京都へ大挙して繰り出したことが偲ばれました。

 出展社は前回同様5社で、会場入り口に、各社のインデックスコーナーが設けられています。黄色いハートのモチーフがあしらわれ、“太陽がいっぱい”の夏らしい明るく楽しいムードが満開でした。

大松
 ベーシックにモード感のある表面変化や透け感などをプラスした「モア・ザン・ベーシック」と、都会的で解放的な雰囲気をポジティブな色と柄で提案する「アーバン・ボタニカル」がテーマ。
 注目は、綿の超強撚ハイゲージカットソー「クリアーナ」シリーズ(写真左)や、綿100の80/2リバーシブルジャカード(写真右)。
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京都吉忠ロマン
 テーマは、タウン向けとリゾート向けの二つ。タウンは、化合繊で意匠性の高いクラフト感覚な素材に機能性を加えた服地を、またリゾートには、やさしい素朴なイメージになりがちな天然素材を楽しい色彩で軽快に、ポップに仕上げた服地を提案。
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協友
 今季も引き続き柄物ニットが好調で、プリントやジャカードを中心に新作コレクションを発表。

 プリントは、グラフィカルなモード柄(写真左下)を提案。斬新な感覚です。
 またヨーロッパの風景やオランダ彫刻を一枚のキャンバスに描いたような水彩画のようなパネル柄(写真右下)も清新な趣で、印象的です。 
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Cimg47181  ジャカード(両面選糸)は、軽やかなシャリ感のある綿や麻使い。グラフィックなボーダー柄が人気です(写真右)。


伊吹
 楽しさあふれるリゾートの雰囲気を、二つのテーマで展開しています。
 一つは“メディタレイニアン(地中海)リゾート”で、パームツリーやリーフ柄プリントなどを、イエロー、ブルーなどのカラフルな色使いのもの。もう一つは“クラシック・マリン”で、ブルーと白の配色のギンガムやボーダー、ドット柄の裏毛や布帛など。
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外村
Cimg47351  エレガントな「プリティ」と、エスニックカルチャーを採り入れた「エネルギー」をテーマに、さわやかでクールなイメージの素材、アートピケやジャカード、メッシュやレースなどが目立つ展開です。

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2014年6月11日 (水)

子どもに地下足袋が大人気

 地下足袋といえば、日本の職人さんたちがよく履いている、あの足の形をした黒っぽい布製ゴム底の履物です。これが楽しいポップな色柄になって生まれ変わり、今、幼い子どもたちに大人気なのだそう。
Cimg43811_2  名付けて「キッズタビ」です。先般、東京・原宿で開催されたクリスマスをテーマにした合同展「場と間」で見つけました。端切れをリユースして制作しているサニーアワーズ“パッチワークプロジェクト”の商品です。
 
 これなら素足の感覚で大地を踏むことができて、気持ちよさそうです。実際、親指が開いていますから踏ん張りがきき、親指が刺激されることによって脳が活性化、バランス感覚が養われ、外反母趾やO脚防止など様々な効果が期待できるといいます。1_2
 足裏への刺激効果は、脳のネットワークが未熟な子どもほど大きい、との医学的指摘もあり、裸足教育が推奨されている昨今、「キッズタビ」を採用する保育園や幼稚園が増えているそうなのです。

 写真右はエバーグリーンのキッズタビ。カワイイ裏地を、ペロッとめくって履くのも楽しい。14cm〜19 cm。5,400円。

 子どもたちの発育に、地下足袋は大事なアイテムの一つだった!のですね。 もちろん大人も、スポーツのトレーニングに、ルームシューズにと、愛好家が増えているそうです。とくにヨーロッパでは、これがおしゃれアイテムとして履かれているとか。そういえばバリのブティックで販売されているのを、見たことがあったと思い出しました。

 日本に昔からあった実用品が再発見され、見直されて暮しをより豊かなものしてくれる、そんな時代になりました。

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2014年6月10日 (火)

2015春夏「ショーワ」織物展“奇跡の藍染め”が人気

 世界最高水準の先染めコットン系織物を生産している「ショーワ」が、この5月26-28非、東京・青山小原流会館で、2015春夏のテキスタイル展示会を開催しました。

Cimg44391_2  今季は、従来の“奇跡の藍染め”シリーズに、さらに細番手を遣ったテキスタイルを提案。
 しなやかな光沢のあるスーピマを経糸に、緯糸に極細番手のポリエステルを使ったシイブリッド素材が人気を集めています。

 とくにこのプログ3/5付けでも掲載した、パリのプルミエール・ヴィジョンで発表した清涼感のあるストライプのプリーツ加工(写真のシャツ地)や、プリントによるリバーシブルデニムが新たに打ち出され、注目されました。

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ダルメシアンプリント       オーロラ柄プリントのデニム

 この他、特殊な洗いをかけてドライタッチに仕上げたナチュラル感のあるデニムや、シルク使いの最上級デニムなど、洗練された高感度なテキスタイルが揃っています。
 来季は、ディープ・エンボス加工やシリコン加工を制作中とのことで、また楽しみです。

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2014年6月 9日 (月)

草月展「みどりの瞬間(とき) ―次世代へのメッセージ」

 今、草月流いけばな展が、「みどりの瞬間(とき)―次世代へのメッセージ」をテーマに、東京・新宿髙島屋で、5?10日、開催されています。衣服造形家の真田岳彦氏が本展のアートディレクションを担当され、オープニングトークにも出演されるとのことで、行ってきました。

 さすが「型」にとらわれない、草月流いけばなです。花をいけるという概念がくつがえされます。そんな現代的なアート作品が約250点、ずらりと並んでいます。
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Cimg47681  会場は、「生」と「楽」、「激」、「静」、「優」のセクションで構成され、空間を纏っているのは、白い布です。真田氏によると、これは「みどりを育む“光”の象徴」で、「セクションごとに照明を変えてある」といいます。確かに青みの白から赤み、ピンクみ、黄みへ微妙に変化しているようです。「植物のみどり、すなわち命は、目に見えない光と空気に育まれている。目には見えないけれど存在する“ゆらぎ”の感覚を表現したかった」そうで、インスタレーションの生命力が素直に伝わってくる演出でした。

Cimg47441_2  左写真は、第4代家元の勅使河原茜氏の作品です。みどりの植物だけでいけてあり、瑞々しく清々しい。植物本来の美を感じさせてくれます。

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2014年6月 8日 (日)

2015春夏PTJ 綿の高機能加工で新たな強み

 アウタースポーツ人気もあって、高機能加工素材が百花繚乱の様相を呈しています。2015春夏PTJ、プレミアムテキスタイルジャパンでは、綿アウターやデニム、シャツ地などで、様々な高機能素材を開発、これを新たな強みとしているメーカーが目に付きました。
 高感度なデニムや綿厚地織物で、すぐれた開発力を発揮している企業ですが、今回は視点を変えて、透湿防風コーティング加工「シールドコート」など、高機能加工素材を打ち出しています。
 
 中でも注目されるのがデニムの撥水加工です。
 デニムは後加工があり、生地時点で撥水加工すると、後加工の時点で撥水効果が薄れてしまいがち。そこで製品加工時に撥水を行うことにより、製品完成後の撥水効果を高めたといいます。撥水効果は半永久的とのこと。
 ブースでは、同素材の撥水加工のありとなしを比較展示していました。
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 デニムは、水に濡れると重くなり乾きにくいことから、これまでアウトドアスポーツ用途では、敬遠されてきましたけれど、これならもう大丈夫ですね。
 
Cimg42961  様々な機能加工のシャツ地、たとえば接触霊感のキシリトール加工や、部屋干し対応のクイック・クイック・ドライ、椿油配合の椿加工、アウトラスト、また右写真のニットのような布帛生地、ナチュラルストレッチのメッシャクロスなどを提案。
Cimg42951  とくに今回、新たに発表したのが、フレッシュ加工です。これは洗濯により生地に付く洗剤や柔軟剤の香りを、そのまま持続させる加工で、洗濯するたびに、洗い立ての良い香りが布に蓄えられていくといいます。
 汗臭い夏を快適に過ごす、うれしい加工になりそうです。

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2014年6月 7日 (土)

2015春夏PTJ ニットはジャカードやレースに注目

 ニット生地は、第二の皮膚を思わせる超繊細ハイゲージなものから、手編みのようなローゲージまで、またしっかりとした布帛タイプのものなど、様々なものが追求されています。2015春夏PTJ、プレミアムテキスタイルジャパンでは、とくにファンシーなジャカード編みやレース編みが目立っていました。

宮田毛織工業
Cimg43161_2  今シーズンは春夏らしい、さらっとしたタッチの丸編みニットを豊富に提案されています。

 目を惹くのが、明るいビタミンカラーの幾何柄ジャカードや、白いレースニット。またジャケットやパンツ向けに、かっちりとした編地のダンボールニットやポンチローマ。

 写真はいずれも綿100のニットです。


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双葉レース
 落下板装置のあるラッセル編み機など、ラッセルレースで、綿素材のものを多く生産している福井産地のメーカーです。
Cimg43221  今季はとくに、左写真のような、編みレースでも織物に刺繍した感覚で、しかも凹凸感のあるものを提案しています。綿57.5/ナイロン42.5。
 
Cimg43251  右は、モダンなグラフィック感覚のレース。レースのクラシックなイメージを変えるデザインが新鮮です。


ティーエムテキスタイル

Cimg42711  織物、ニットを問わず、幅広くオリジナル服地を開発しているメーカーで、今季はカラフルなコットンジャカードニットをたくさん見せています。
 写真は、爽やかなウエーブ状のボーダーニット。綿100です。

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2014年6月 6日 (金)

2015春夏PTJ プリントや後加工は色と光が焦点

 2015春夏PTJ、プレミアムテキスタイルジャパンで、目を惹くのが多彩なプリントや後加工へのアプローチです。焦点は色や光の効果で表面変化をつけた素材。カラーでは抑えたモノトーン調や、ソフトなやさしい色調が目立ち、加工ではとくにメタリックが増えています。

イマダ
 今季、プリント柄は、あっさりした単色系のグラフィックが売れ筋といいます。素材は綿フライスなど、丸編みが中心で、ジャカードへのプリントも増えているようです。
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ティーエムテキスタイル
 ボタニカル調の花柄や動物柄など、プリント服地を幅広く展開。目立っていたのは、大きなパネル柄やボーダーの打ち出しです。
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斎栄織物
Cimg42351_2  世界一薄い絹織物、「フェアリーフェザー」ブランドを持つ、川俣シルクで著名なメーカーです。
 今回は妖精の羽のようなストールを大きくとり上げていました。ふんわりと柔らかい、透けるシルクシフォンのプリントです。

久山染工
Cimg42371  染料と顔料(樹脂)、それに特殊薬剤(オパールなど)を同時にプリントする技術が見せる、高次加工は、どこも真似できないのでは。今シーズンもますます冴えわたっているといった感じです。
 左はオーガンジーに出雲の和紙を貼り付けた加工。

Cimg42381_2  右はシルバーの全面箔加工、その上に縮絨、シワ寄せ加工を施したもの。

 ボンディングオパールや塩縮加工、部分的に縮絨させて、染料と組み合わせるなど、様々な表情で立体的な効果を演出するテキスタイルの数々。

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ミナミ
 裏毛のループ面にのみ箔プリントし、オパール加工で柄を表現するなど、カジュアルな綿タイプのカットソー生地にあしらわれた特殊加工が独創的で非常に面白い。パリのプルミエールヴィジョンに出展し、高く評価されている人気企業でもあります。
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2014年6月 5日 (木)

2015春夏PTJ 技ありジャカードの開発力

 テキスタイル傾向として、ジャカード織りが復活しています。中でも技ありの開発力で定評のあるのが、米沢産地のオカテックスです。今シーズン、PTJ(プレミアムテキスタイルジャパン)では、新しくリバーシブルジャカードを発表し、話題を集めています。
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Cimg42061 CADを駆使して、創作されたリピートの大きいジャカードは、そのままスカートとして着用でき、その上色や柄がリバーシブルになっているので、裏も表も楽しめます。素材は、アセテートなど長繊維が主体ですが、今季は季節柄、綿混のものもかなり多くみられます。



 
 オカテックスのジャカードボーダーは、様々な種類があって、しかも独創的。それが両面ダブルになっているというのですから、まさに驚きの匠の技! すっかり驚嘆させられました。
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Cimg42511_2 またもう一つ注目のメーカーがクロスジャパン
 今シーズンは、とくに凹凸感のある、フリンジのカットジャカードが人気といいます。白/黒やグレーの綿100%素材のものです。

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2014年6月 4日 (水)

2015春夏プレミアムテキスタイルジャパン国産素材一堂に

 プレミアムテキスタイルジャパン、略してPTJが、2015春夏の国産素材を一堂に集めて、5月21-22日、東京国際フォーラムで開催され、成功裏に終了しました。出展したのは74社で過去最大、来場者数も昨年同期比10%増といいます。
 会期中にはミラノ・ウニカ会長のシルヴィオ・アルビーニ氏も訪れ、ミラノ・ウニカ9月展で初めて開設される「The Japan Observatory(日本を俯瞰する)」at Milano Unica 2015AW(JFW/ジェトロ運営)に、PTJ関連から29社が参加するとのこと。これは日本のテキスタイルが世界的に高く評価されていることのあらわれでもあり、今後ますますの海外販路拡大が期待されます。

 今季トレンドテーマは、「追求と変革」。未来に向けて、さらにハイレベルに進化した付加価値素材が勢揃いしています。
 各社独自の新開発素材の競演となったPTJ。その一端をご紹介します。

先染めグループ
 薄く軽く、また立体感のある先染め表現が増えています。

桑村繊維
Cimg41901  先染めに加えて、一押しはタイプライタークロスで、とくに起毛機により柄出ししたもの。綿100%のしなやかな風合いも魅力です。
 左写真はペーズリー柄を浮き出したもの。 

Cimg41911  また右は、綿/テンセルのシャーリングチェック。カラーを一新し、やや大きめサイズのウインドーチェックで、ワッシャーソフト加工の、心地よい肌触り。

杉岡織布
Cimg41771  今回PTJは初参加で、高島産地からは唯一の出展社です。
 8色の緯糸を入れられる八丁杼織機を導入し、この織機で織ったボーダー楊柳を提案しています。
 その爽やかな風合いと微妙な色調が人気を呼んでいました。


オザワ繊維
 超高級綿「マスターシード」など、高級感のあるタイプライタークロスや先染めが中心。とくにスーツ地やジャケット地にふさわしい高密度アートピケが注目されます。

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80/2綿100%                  50/1綿100%
グレンチェックアートピケ                 アートピケチェック

丸萬
Cimg42841  細番手の綿先染め織物を得意とする播州織産地の産元。
 今シーズンは、桐生や北陸など異質な先染め織物産地とコラボし、新しい触感の織物を開発しています。

Cimg42901  一番人気のイルカモチーフ入り先染めジャカードのシャツ地、(写真上)。

 またリバーシブルバーバリー、撥水加工、綿100 (写真右)。

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  サッカーラメ             ふくらみジャカード 綿100
 綿80/ナイロン20        特殊加工で自然なふくらみ感を表現 

イチメン
 シャツやアウター向けに、打ち込みのいいタイプライタークロスで、洗い加工の綿100のもの(左)や、リネン100や綿使いの大柄チェック(右)が好評とのこと。
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2014年6月 3日 (火)

2015春夏栃尾繊維産地展「オリナス」の都会的な高級感

 2015春夏向け栃尾産地のテキスタイル展「オリナス」(栃尾織物工業協同組合主催)が、表参道・新潟館ネスパスで、5月21-22日開催されました。出展したのは。織物メーカー9社、ニットメーカー2社、染色メーカー1社です。旭化成せんいとトスコに加えて、新たに三菱レイヨンテキスタイルも協賛し、この産地が得意とする複合素材に新しい風を呼び起こしています。

 先染め中心にプリントも打ち出され、トレンド感のある凹凸を意識した表面効果が多くなり、総じて明るい都会的な高級イメージです。
 とくに注目した素材をご紹介します。

○スペック染め
Cimg43401  スペック染めは、雪深い新潟産地ならではの、かすれた斑染めで、洗い加工を思わせる自然感覚に染め上げる染色法。写真はいずみ染工のもので、一枚の絵のようなぼかし効果が美しい。トリアセテート70/綿30のスラブ織り。

○先染め
 凹凸感や透け感のあるもの、明るい色。とくに白使いのものが、増えています。左はロザーヌテキスタイル、右はYSKのもの。
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○プリント
Cimg43591  プリントが栃尾のテキスタイルに新しい魅力を添えています。写真は、表情のある地組織へのプリントで、渡健のもの。

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2014年6月 2日 (月)

“KOTOBUKI-寿-byプリスティン”

 「ジューンブライドは幸せになれる」という言い伝えがある6月の結婚式に向けて、オーガニックコットンのブランド「プリスティン」が今、“KOTOBUKI-寿-byプリスティン”イベントを、伊勢丹新宿店本館5階センターパークで、10日まで開催しています。

 ファッションデザイナーのスズキタカユキ、シャンデリアアーティストのキムソンヘ、水墨画アーティストの土屋秋恆、ジュエリーブランドのラヴィネット、アクセサリーブランドのフィリフヨンカと、それぞれコラボレーションしての展開です。

Cimg44931_2 「リサイクルクリエーションのアート化」をテーマに、オーガニックコットンの小さな裁ち落とし生地を使った一点ものウエディングドレスとコサージュ。Ikkuna/ suzuki takayukのアイテムで、35万円。

Cimg45001 キムソンヘKim Songheデザインのシャンデリア。オーガニックコットンの端切れ使いで、この春オープンした吉祥寺店でも、同じ商品が展示されるといいます。


 
Cimg45061 日本の水墨画家、現代美術家、ステインアーティストの土屋秋恆(ツチヤ シュウコウ)による大判ショール。生地は超細番手糸オーガニックコットン使いで、軽やかで繊細。まるでシルクのような感触です。

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 東京・中目黒にあるハンドメイドジュエリーのラヴィネットLovignette。ヴィンテージな雰囲気が魅力です。

 生成りと白だけのオーガニックコットンの生地が、こんなにも優美に華やいで見えるとは! ブランドの素材開発力に加えて、プレゼンテーションの力も、いよいよ冴えている、と感銘しました。

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2014年6月 1日 (日)

授乳服と女性の生き方を提案する「モーハウス」         青山ショップ移転新装オープン

 “いつでもどこでも快適に授乳できること”を基本理念に掲げる授乳服ブランド「モーハウス  Mo-House」が、10年来親しまれてきた東京・青山ショップを、旧店舗から少し渋谷寄りに移転、新装オープンさせました。

 そのプレイベントが、5月29日、開催され、代表の光畑由佳さんより、これまでの経緯と新ロゴのお披露目、リフォームを担当されたプランナーで家事塾代表の辰巳渚さんから、新店舗のコンセプトが発表されました。(写真はテープカットしているところ)
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Cimg44841  これによると、新店舗は、単に服を購入するだけではなく、女性の心が安らぐ場所でもあるように、保健室のようなイメージで設計したといいます。
 細長いエントランスを抜けると、奥にはベッドが二台と、ベビーベッドが置かれていて、ゆったりとくつろげる環境です。育児に疲れた女性の気持ちも、ここでしたら、きっとほぐれて楽になのでは、と思いました。

 それにしても「モーハウス」の活動はすばらしい。授乳服により、母乳育児をしている女性たちが、自由に外出したり仕事をしたりすることができるようになりましたから。2010年にはグッドデザイン賞も受賞しています。
 以前は、外に出るときには、母乳を与えることはあきらめて、哺乳瓶を持ち歩いたものでした。多くの女性たちが、そのようなことをするぐらいなら、家にいる方がいいと、我慢して過ごしたものです。

 とはいえ、未だにいきづらさや、閉塞感を感じている女性は多いようです。女性に対する制約は、かなりの部分、解決されてきているはずなのに、自分自身でその心を縛ってしまうケースが後を絶たないと、光畑さんは指摘します。

 母になっても、社会と関わり続けられる選択肢はいろいろあるという考え方をもっと広めたい、授乳服はそのためのメディアという「モーハウス」。子連れで授乳し、働く女性がもっともっと増える社会を目指して、頑張って!のエールを送ります。

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