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2014年5月14日 (水)

「バルテュス展」ドラマチックな猫と少女たち

 「バルテュス Balthus 展」が、上野の東京都美術館で開催されています。「これは本当にスキャンダラスなのか?この核心は観た者にしか迫れない」というセンセーショナルなコピーに、女性でもドキッとするポーズの少女像、バルチュスってどんな画家という好奇心から、先日、見に行ってきました。

 やはり目を惹かれたのは、ほっそりとした美しい少女と画家の分身ともいわれる猫が描かれている絵です。ドラマチックな情念の炎のようなものを感じさせます。

2014_balthus  ちらしに使われている少女像(写真左)のタイトルは、「夢見るテレーズ」です。目を閉じたテレーズは何を夢想しているのでしょう。猫は床で一心にミルクを飲んでいます。「バルチュスの神秘」というにふさわしい画で、画家が誤解されたとしても無理はないのかも、と思ったりして----。
 

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 もう一つのちらしの絵(写真右)、「美しい日々」も、手鏡を見る屈託のない少女と、少女には無関心を装いながら薪をくべる男性が描かれています。ここにもどこかあやしげなドラマ性があります。
 
 中でももっとも面白いなと思ったのは、「地中海の猫」。これはパリの高級海鮮フランス料理店「メディタラネ(地中海)」の店内で長年、飾られていた絵だそうです。この店には昔、行ったことがありましたが、そんな名画があったとは気づきませんでした。
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 画の中の美しい虹は、しだいに魚になって、料理されてお皿にのり、それを猫がまさに食べようとしている図です。でもそう見えて、実は猫がお客様を迎えているところともいいます。傍らには大きな伊勢エビも置かれていて、左下に描かれた少女は船に乗って手を振っています。魚はこの少女が釣ったのでしょうか。ストーリーが想像できて、ユーモラスです。
 
 バルチュスは、1967年に美貌の日本女性、節子夫人と結婚します。その後の作品には、がぜん東洋のイメージが盛り込まれるようになり、夫人がモデルという浮世絵のような作品も見られて、興味深いです。
 
 会場には、スイスのグラン・シャレにある画家のアトリエも再現されていました。解説ビデオによれば、何よりも自然の光を大切にし、アトリエには、人を誰も寄せ付けなかったとか。気性は相当気難しかったのではないでしょうか。
 「称賛と誤解だらけの、20世紀最後の巨匠」バルチュス。その人となりが迸り出てくるような展覧会でした。開催は6月22日まで。

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