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2014年4月

2014年4月30日 (水)

ジャパンテキスタイルコンテスト リバーシブルにグランプリ

Cimg35251  2015春夏尾州産地素材展で、ジャパンテキスタイルコンテスト2013の優秀作品が発表されていました。
 グランプリを受賞したのは、モヘアのリバーシブル生地で、B.Tネット(愛知県一宮市)の五藤貴誠さんの作品です。
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 モヘアのループ糸で二重織りし、表地の黒に裏地の青がうっすらと浮き出て見えるのが特徴で、表地はループカット、裏地はシャギーで仕上げられ、軽い、ふんわりとした感触です。
 審査委員長の車純子さんによると「ボリューム感を感じられつつ、大変軽量でソフトであることと、単純な無地ではないビジュアル性が高いこと」を評価したといいます。
 おっしゃる通り、来シ―ズンの注目トレンドを見事に反映した生地ですね。

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2014年4月29日 (火)

2015春夏尾州産地素材展 「ヘルシー」をコンセプトに

 2015春夏向け素材を発表する尾州マテリアル・エキシビション(公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター主催)が、今回から会場を東京・北青山のテピアに移して、22-24日、開催されました。

Cimg35351  会場中央に、トレンドコーナーが設けられ、その周りを出展した15社のブースが取り囲むレイアウトです。これまでよりスペースが広くなり、見やすい構成になっていました。
 
 素材提案は、全体に清涼感のあるきれい目の自然素材やその複合が中心で、麻の台頭が目立っていますが、コットンも、この産地が世界有数の毛織物産地であることを忘れさせるほど、様々な生地に使われています。カラミ織りなどの透け感のある薄地であったり、逆に打ち込みのいいコンパクトなタイプで、ダブルフェイスであったり、またラフなツィード調だったり----。
 
 トレンドコーナーは、今シーズンもフランスのトレンドオフィス「ネリーロディ」社が担当。「ヘルシー」、つまり健康こそ理想の美とするコンセプトのもと、次の3つのテーマで、各社指折りの素材150点が分類、展示されました。
 
Cimg35081  スポーティ・シティ 
 SPORTY CITY 


 都会的なスポーツスタイル

 海岸やスポーツの領域からの影響を受けた色使い

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ソトージェイテック              中伝毛織
綿ストライプ ラッセル         極太の綿カラミ

Cimg34971  ソーバー・ハーモニー 
 SOBER HARMONY 


 大自然との穏やかな調和

 海の砂やミネラルの繊細なカラーバレット

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渡六毛織                 ファインテキスタイル
コットンスラブツィード          麻/キュプラ レーシーギンガム

Cimg34791  モダン・インディア
  MODERN INDIA 

 インドをキーにカルチャーミックス

 スパイスの効いたニュートラルカラーと、カラフルなカラーストーンの色調

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虫文毛織                 みづほ興業
高密度ジャカード            綿/ナイロン バスケット

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2014年4月28日 (月)

鎌倉の遺構 まんだら堂やぐら群を訪ねて

 新緑が美しい一日、鎌倉と逗子の間にある名越へハイキングして、まんだら堂やぐら群に行ってきました。
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 ここは、鎌倉時代につくられた「やぐら」という葬送の遺構がある場所です。「やぐら」とは、当時の身分の高い人々のお墓で、岩に横穴を掘って、そこに五輪塔などの供養塔などを安置した納骨施設です。横穴は150穴も確認されているそうで、これだけまとまった数のやぐらが見られるのは、鎌倉市内では珍しいといいます。
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Cimg35831  普段は閉鎖されているところなのですが、連休とあって、特別公開されていました。

 係りの方に伺うと、ここには火葬場の跡もあり、ときに人骨も発見されるのだそうです。
  
Cimg35621_2  そして実際にやぐらの中に納められていたという、石を積み上げた五輪塔を4つに分解して、石の下にあるお骨を入れた窪みを見せてくれました。
 というとおどろおどろしく、恐ろしげですけれど、緑に包まれた一帯は、明るく爽やかです。

  展望台からは小坪の海も見下ろせます。

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 諸葛菜とか、またハマダイコンとかいう、菫のような花が咲き誇っていました。

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2014年4月27日 (日)

シキボウ展示会「ここちいい」テーマにエアコン繊維新開発

 今季のシキボウ展示会、東京展が、この16-18日、ボーケン本部ビルで開催されました。テーマは「ここちいい」で、快適な着心地にこだわった高機能素材の展示が目立ちました。
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Cimg34131  中でも注目されたのが、「エアコン繊維」です。
 特殊セラミック加工により、暑い夏には、吸汗速乾・涼感・熱線遮蔽の機能で冷却効果を、寒い冬には、吸湿・発熱機能で保温効果を発揮する温度調節素材です。
 光を照射するなど実演(左の写真)もしていただき、この加工を施したものは、未加工に比べ、約1度、衣服内温度が下がることが確かめられました。

 元来、コットンは、夏涼しく、冬暖かい天然のエアコン繊維なのですが、これは、このセルロース繊維の働きをより強化したもので、もう一つの調温加工、アウトラストに比べ、汎用性が広く、画期的な素材と思いました。
 
Cimg34191_2  また右は、「デュアルアクション・クールDUAL ACTION COOL」の新商品「リアルドライREAL DRY」シリーズです。これは改質綿100%の吸汗速乾素材で、従来のものよりも2割早く乾くといいます。

 

Cimg34031  左は「アゼックAZEC」。これは正倉院の校倉造りにヒントを得て開発された立体構造の織物で、1999年にグッドデザイン賞を受賞した快適素材です。吸汗・速乾性などさらっとした着心地のよさをプラスした進化版が提案されています。

Cimg34221_3  さらに右は「テフニTEFUNI」です。同社独自の連続シルケット糸で、綿糸の光沢感は世界一といいます。
 この他、シキボウの技術を駆使した新しい素材が目白押し。

 今回から場所が変わり、少し遠くなりましたが、商談はなかなか活発の様子でした。

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2014年4月26日 (土)

2014秋冬プリスティン展示会 カモミールの花に誘われて

1  オーガニックコットン製品を製造販売しているプリスティンが、2014秋冬もの展示会を、16〜18日、東京・同社本社で開催しました。案内状はカモミールの花が描かれた栞になっています。その可憐なイラストに誘われて、見に行ってきました。

 
 テーマは「軽く、あたたかく、気持ちよい」です。ウェアからベッドまわりの新作が展示され、温もりのある冬の暮らしが提案されています。
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Cimg34361_2  会場の窓辺を飾っていたのが、栞にあったやさしいカモミールの花を裾にプリントしたシャツやドレスです。 
 オーガニック綿100%のボイルで、透ける素材ですが、裏には透けないキャミソールが付いていますから、安心して着られます。柄を生かしたシンプルなAラインで、上品でエレガントに着こなせそう。

Cimg34381_2  また、東北支援プロジェクトから生まれたアイテムもたくさん展示されていました。右は東北の“グランマ”たちによる手編みレースのフリンジをのせたシリーズです。

 
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 とくに今回、注目されたのが、ざっくりと織られたヤク混のストールやひざ掛け(左写真)。秋口から重宝しそうです。

 
 この他、ダブルガーゼやフエルトタッチのしなやかな起毛地のもの、冷え取り効果のあるシルク混の一連など---、素材開発にますます力を入れている様子がわかります。
 
 それにしても白と生成りだけで、こんなにも魅力的なオーガニックコットン・ワールドをつくり出しているとは! いつも思うことですが、本当にすばらしい、と改めて感銘しました。

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2014年4月25日 (金)

2014-15秋冬Nest+plus ambianceその3 注目の若手ブランド

 「ネストプラスアンビアンスNest+plus ambiance」展で出会った、勢いのあるフレッシュなブランドを3つ、ご紹介します。いずれも洗練された格調の高いデザインで、シルエットが美しい! 新しい感覚を備えたクチュリエ・ブランドです。仕立てや素材へのこだわりには並々ならぬものがあるように思いました。(写真はクリックで拡大)

ウエムロ ムネノリuemulo munenoli
  ブランドを手掛けるのは、デザイナーの上榁むねのりさん。テーマは「プリズム」です。
Cimg32941_3Cimg32961_3  全体にシャープなライン構成のスタイリングで、プリズムを通して表われたかのようなブライトカラーが、斜めの切込みに入っていたり、トリミングにあしらわれていたり、ちらりと覗く裏地に使われていたり、また襞になっていたりなど、様々なテクニックでデザインされています。
 その研ぎ澄まされたジオメトリーに、日本の禅の精神のようなものを感じて---、印象に残っています。

ケイ ムラカミKEI MURAKAMI
 すっきりとしたシルエットが美しい、テーラードアイテムを展示。
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 デザイナーの村上恵さんによると、中央のコート地は、かつての日本海軍の将校の制服に使われていたウール地を復刻したものだそう。かっちりとした厚手のメルトンで、風雨を通さず、これなら冬の厳しい寒波にも耐えられそう。 

○ SATOKO OZAWAサトコ オザワ
 デザイナーは小沢聡子さん。洗練されたロック調のテイストで、メンズ風な構築的なシルエットです。元々メンズウェアから入られたとか。ジャカードや光沢加工、パッチワークなど、素材も斬新!
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 このほどこれまでのDummyhead Depaysemenのブランド名を、SATOKO OZAWAに変更されたとか。海外進出を本格展開するためだそうで、ぜひ頑張ってください。

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2014年4月24日 (木)

2014-15秋冬Nest+plus ambiance その2                 デイウカ divka“ズレ”をテーマに

 「ネストプラスアンビアンスNest+plus ambiance」展に、以前このブログでご紹介した「ディウカ divka」が出展していました。
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 ブランドを手掛けるファッションデザイナーの田中崇順さんと松本志行氏によると、今シ―スンのテーマは「distance(ズレ)」。服を制作する過程で生じるズレに焦点を当て、その新しい可能性に挑戦したといいます。

Cimg32771_3  たとえば服を間違えて着てしまったときなどに出来るドレープの形が、デザインのヒントになるといい、またパターンに切れ込みを入れて独自のドレーピングを生み出したり、シルクスクリーンプリントの工程で生じた歪みを積極的に活用したり----。

 写真左は、布を肩でさり気なくねじってとめた、といった感じのドレス。


Cimg32801  写真右は、 水彩画のタッチと花の写真を組み合わせたシルクスクリーンプリント。

 写真下は、書を解体して、アブストラクトな筆致で、大胆に仕上げたインクジェットプリントのドレス。

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 服作りの視点をずらし、少し離れたところから発想したという、実験的ともいえるコレクションですが、素材も色使いも、洗練されていて、大人のエレガンスを感じさせます。
 軽やかで着心地もよさそう。次のシーズンも期待しています。

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2014年4月23日 (水)

2014-15秋冬Nest+plus ambiance その1                英国の郷愁を誘う IN-PROCESS BY HALL OHARA

 「ネストプラスアンビアンスNest+plus ambiance」の2014-15秋冬向け展示会が1〜3日、東京・代官山で開催されました。東京コレクションでもおなじみの、新進気鋭のファッションデザイナーブランド、36社による合同展で、周辺の4会場に分かれての出展でした。

 実は私はこの時期、大変忙しい日々を送っており、全部の会場を回りきれませんでした。そこでほんの一部だけになりますけれど、遅ればせながら、取材したブランドの今季コレクションをご紹介していきます。

 まずイン プロセス バイ ホール オーハラIN-PROCESS BY HALL OHARAから。
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 ランウェーショーのときには行けなかったのですが、今回、この展示会でデザイナーの大原由梨佳さん(写真上)にお会いすることができて、うれしかったです。

 コレクションのテーマは「BUBBLES」で、これは単なる「泡」のことと思いましたら、実は「夢と現実の狭間に漂う、泡のようにこわれそうな幻想空間」のことだそう。眠りに落ちる前に空想にふけることがよくありますが、今シーズンはその世界観を表現したといいます。
 
 これをよく表しているのがプリントです。現実に見る夕焼けや月明かり、森や花、落ち葉、水車小屋、そしてフクロウなどといった動物に、ジグザグや格子など抽象柄を組み合わせて、幻想的な世界を映し出したものが、目につきます。

 全体にどこか英国カントリーの情緒を感じさせる、心安らぐイメージです。色使いも秋らしい色調だったり、水彩画のようだったり。
 
Cimg32671_4 Cimg32661_6  写真左は、大きな丸い月の中に浮かぶ、妖精のような森の少女たちを描いたプリントのドレスです。
 英国唯美主義の絵画にでもありそうなヴイジュアルですね。
 
Cimg32691_2  またコラージュの手法によるものも。右はパッチワーク調のプリントのドレスです。
 
Cimg32721  シルエットは、ウエストを締めつけないカクーン調であったり、後見頃にドレープを出したり、ラグラン袖も多く、リラックスした、シンプルで着やすいユニバーサルなデザインです。
 
 小粋でカッコよくって、これならヤングからシニアまで、幅広い層に受け入れられそう。今後が楽しみなブランドです。

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2014年4月22日 (火)

「ここのがっこう」引越し祝い 夢いっぱいのCOCOAと共に

 「ここのがっこう coconogacco」は、“リトゥン・アフターワーズ”を手掛ける山縣良和さんが主宰するファッションデザイン学校です。このほどこの学校が、東京・内神田に移転することになり、19日、引っ越しパーティが、ワイワイがやがや、にぎやかに開かれました。

 目を見張ったのは、福岡の分校COCOA の学生たちによる夢のある作品展示です。デザイナーを志すパワフルな息吹がいっぱい! ファッションする楽しさを、思いのたけぶつけてくる、そのパワーに、圧倒されました。 

 そのいくつかの作品と作者をご紹介します。
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Cimg34511 1  上の写真は、「不思議の国のアリス」のよう。制作したのは、やながゆうこさん。
 元々織物づくりに興味があって、機織りを学びながら、服のデザインに取り組まれています。コツコツ織られたというカスリが、こんなにも楽しい作品に仕上がるとは! 若いってすばらしい。

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Cimg34561  妖精の森のようなセットをバックに、手編みのファンタジーを見せてくれたChie Arakawaさん(写真上の真ん中)。ドレスをまとう背の高いお友達二人に囲まれて。



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Cimg34741_3  身近にある材料を使ってリ・クチュールしているのは、弘中裕美子さん(写真上)。
 ご自身がデザインしたファンタジックな衣装を着けて、かわいいキャビンに座ってボーズしてくれました。かぶっている帽子は、プラスティックのカゴでできています。

 右は何と洗濯バサミをあしらったタンクトップ。

 デザイナーの卵たちに、ファッションの未来を感じた一夜でした。

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2014年4月21日 (月)

第2回綿織物産地素材展 帯の芯地を洋装に

 今回の織物産地素材展で、着物用帯の芯地をつくっているメーカーが、洋装のアウター用生地メーカーに脱皮しようとしているのに出会いました。それは三州織物産地の杉浦織布です。

 三州産地は愛知県知多半島の西尾市を中心とする地域です。この地の天竹神社には、約1200年前、天竺人が綿の種とともに漂着して、村人に綿の栽培を教えたという言い伝えがあって、私も以前、この神社の棉祖祭を訪れたことがあり、懐かしい思い出です。
 
 この産地は、ひと昔前までは綿織物、とくに白木綿地の一大産地でしたが、現在は細々と行われているだけになってしまいました。ただし、帯の芯地では全国の8割がここで生産されているといいますが--、しかしもう和装のみでは限界があるのでしょう。
 
Cimg33871_2  展示された織物は、芯地が基になっていることもあって、パンツ用としても、かなり硬いです。このごわつき感がとれればいいのですが---。また小幅であることも問題です。
 
 でもきっと解決の方法があると思います。バッグなど生活雑貨への用途も考えられますし---。和から洋へ、転換をはかるメーカーを、私も応援しています。ぜひ頑張ってください!

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2014年4月20日 (日)

第2回綿織物産地素材展 盛会裏に終了― その2

 日本が世界に誇るデニムの産地から、注目素材をご紹介します。

ショーワ(児島産地)
 同社でしかできない、非常に洗練されたエレガントな綿織物が見られます。とくに人気があるのは、薄くて軽い、高級感のあるスーピマ綿のデニムやダンガリー、また綿/麻ブッチャーの原反染めのものだそう。パンツ地はもとより、シャツ地やドレス地にも、幅広い用途で使いやすい素材が勢揃いしていました。
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スーピマ100双糸使い         綿40/麻60ブッチャー
インディゴデニム            バイオストーン加工

○カイハラ(福山産地)
Cimg33421  新開発素材として、伸縮度の高い超ストレッチデニムを提案。蛍光色のイエローと黒、ブルーの3色。





篠原テキスタイル(福山産地)
Cimg33441  ベーシックなインディゴデニムとともに、テンセル使いの薄くて軽いデニムを訴求。
 その美しい光沢感にびっくり!(写真左)

 またオリジナリティの高い、ファンシーな加工のデニムにも注目。
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裏パイルのスウェット風デニム     皮革のような型押し
織物なのにニットのよう          ワックスがけデニム。

      
クロキ(井原産地)
Cimg33591  パリのプルミエール・ヴィジョンで常連のデニムメーカー。
 しっかりした厚地のデニムが好調といいます。
 写真左のグローブで、黒い部分は同社のブラックデニム使い。これは岡山県野球チームの特製グローブだそう。 
 また目を惹くのが、ゴールドラメ使いのデニム。
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2014年4月19日 (土)

第2回綿織物産地素材展 盛会裏に終了― その1

 国産綿織物が一堂に会する綿織物産地素材展が、日本綿スフ織物工業組合連合会主催により、10?11日、東京・渋谷の文化ファッションインキュベーションで開催されました。昨年に続き第2回目となる本展には、綿’s倶楽部共同出展を含む19社が参加し、来場者も200人を超え、盛会裏に終了したといいます。

 メイド・イン・ジャパンを貫き続け、新しいモノづくりに挑戦している産地メーカーと、その新作素材のいくつかをご紹介していきます。

古橋織布(浜松産地)
Cimg33261_2 シャトル織機を使い、素材本来の持ち味を生かして織った織物を訴求。手織り感のある自然な風合いが人気です。高密度な綿/麻や、写真右のバンブー(竹繊維)/麻シャンプレーは、メンズウェアにも好評だそう。

和紙の布(泉州産地)
 目玉は、間伐材を利用した和紙による木糸使いの織物です。
 写真右下の織物は、経糸が綿で、横糸が木糸。耳の部分に、はみ出して見えるのが木糸。スタッフの方の名刺も、木目模様でした。
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近江織物(滋賀産地)
 XbyO(エックスバイオー)の新作を披露。これは同社がバンタンデザイン研究所の学生や若手クリエイタ-たちとコラボレーションし、素材開発から取り組んでいるファクトリーブランドです。今シーズンも、プリントやジャカードで、写真のような、個性的な作品を見せています。
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辰巳織布(泉州産地)
Cimg33391_2  同社の独自素材、「フィルコット」によるトリアセテート混素材を新たに発表。よりふくらみ感が増し、ドレープがしなやか。
 写真のコートは、表が綿、裏はトリアセテートで、一枚で両面の色違いが楽しめるダブルフェイスの織物です。




大城戸織布(西脇産地)
 綿などの天然繊維から合繊、金属糸や光るテグス、和紙など、様々な素材を駆使して、独創的な織物づくりに果敢に挑戦されている生地メーカーです。
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ステンレス使いの形態記憶素材     レノクロス風の透ける織物
                          カシミア40/綿60

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2014年4月18日 (金)

「消費者はコットンのクオリティを求めている」

Cimg33901  「消費者はコットンのクオリティを求めている」と、衣料品市場での綿繊維の重要性を指摘するセミナーが、11日、東京・渋谷区神宮前の子どもの城で開催されました。講師は、毎年この時期に来日される米国コットンインコーポレイテッド社のマネージャーでマーケット・アナリシス、CSPMのジャスティン・コーテス氏です。 
 コットンインコーポレイテッド社では、米国や中国、インド、日本など、世界12か国を、独自に調査しています。この情報をもとに、「米国と日本の衣料品マーケットと消費者動向」を解説された同氏のお話は、なかなか説得力がありました。その概略をまとめてみます。

 

 まず世界経済情勢から。ここ数年、主要国の経済成長は良い方向に向かい、GDPは2020年までに、とくに中国とインドで約60%成長すると予測。ちなみに米国は20%増、日本は8%増。
 人口については、伸び率の高い南米とインドで人口中央値が若いが、日本や中国、EUは高齢化し、マーケットの見直しを余儀なくされるという。
 インターネットの普及率は、中国で現在40%が2020年に63%に、インドでは26%になるとみられ、中国やインドで、ネット販売がさらに広がると予想。

 次にアパレル市場について。アバレル支出は、中国74%増、インド57%増と大きく伸びるが、日本は横バイ。2020年までに、中国は最大のアパレル市場となり、次が米国、インドと続く。
 とはいえ衣料品市場で、一つ気になることは、他市場との競争力が弱まっていること。消費者の関心が衣服以外のマーケットへ向き、中国でも通信や健康、住宅などにお金を使う傾向が強まっている。
 実店舗とE-コマースなど、顧客とのあらゆる接点を連携させて販売につなげるオムニチャンネル化がますます進む。

 新しいトピックとして、アスレティックウェアの街着化や、スマートファブリックがある。高機能なアパレルなら、高く支払ってもよいという消費者は、中国で74%、日本57%、イタリア52%、米国48%に上る。
 またサスティナブルなスタイルへの動きも顕著で、古着の再利用率は、イタリアで95%、ドイツ94%、米国85%、中国72%。ところが、日本は41%と低い。

 

 さらに商品の満足度について。10人中9人が、品質がもっとも重要と回答。とくに不満は、ピリングや伸縮性のリカバリー機能の喪失など、素材に関するもので、多くの消費者が支払った金額に見合う価値を得ていないとしている。この傾向は米国で顕著で、生地が薄い、耐久性が劣るなどの意見が出ている。
 また消費者の半数以上が、最近コットン100%の製品が少なくなっていることに気づいていて、綿の代用繊維が使われていることに不満と答えている。この傾向は、日本よりも、欧米や中国で高い。なおプレミアムコットンであれば、価格が高くても購入したいという消費者が増えている。
 不満の事例として、たとえばジーンズでは、男女で不満が異なることに注目したい。男性は縮みや色褪せ、傷を、また女性はストレッチが元に戻らなくなったという苦情が多い。さらに男女に共通するのが、臭気の問題で、嫌な臭いがとれないという。これは人の臭いを閉じ込める性質のある繊維によるもの。綿なら簡単に洗い流せることが実証されている。

 

 今後は消費者の品質への期待にどう応えていくかが大切。今回の調査で、コットンが費用対効果の高い素材であることが浮き彫りにされた。価格も現在、一時と比べると、下落傾向にあり、買いやすくなっている。コットンにもっと関心を寄せていただきたい、と締めくくった。

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2014年4月17日 (木)

2014秋冬「Bodcoボッコ」リラクシングウェア展示会

 今、ルームウェアのようなファッションが人気を集めています。パジャマやガウンなどをスポーティなデザインにアレンジしたものですが、川田剛さんが手掛ける「Bodcoボッコ」のコレクションは、ルームウェアというよりも、おしゃれなリラクシングウェアです。ここにはいつも着心地がよくて、街中でさらっとカジュアルに着こなせるアイテムが揃っています。 

 今シーズンで10シーズン目を迎えたボッコ。先週、東京・渋谷で展示会を開きました。
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Cimg33921_2  スマイルコットンの定番に加えて、ダブルニットのスウェットウェアが充実、インディゴ染めの新作(写真左)も発表しています。
 またジャージーに布帛のストライプシャツ地を組み合わせたデザインも目新しく映りました。さらに長短の丈を重ね着しているように見せかけたトロンプロイユも新鮮です。クロップトトップを上に着て、下のロング丈シャツの裾を出したり、カフスやバンツの裾からはみ出させたり。人気のコーデやディテールが随所に採り入れられています。

 
Cimg33931  カラーはネイビーとグレーが中心で、ブライトなオレンジを効かせたシリーズ(写真右)もあり、全体を明るく楽しいムードに盛り上げています。

 
 最近は通販カタログやWEBサイトでの販売も広がり、ビジネスは好調の様子。今後の展開、ますます期待しています。

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2014年4月16日 (水)

2014-15秋冬「アシードンクラウド」展“少年場”物語をもとに

 「アシードンクラウドASEEDONCLOUD」が、先週、東京・愛宕のキュレーターズ・キューブで、2014-15秋冬展示会を開催しました。

 ブランドを手掛けるのは玉井健太郎さん。そのコレクションはいつも架空の物語をもとにつくられています。ブランド名の「アシードンクラウド」も、玉井さんが子どものときに初めて創作した絵本の名前「くもにのったたね」に由来するといいます。
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 今シーズンの物語は“少年場shonenba”。
Cimg33051_2  「坑夫が穴を掘っていると、金ではなくタイムカプセルを掘り起こす。この中には少年たちの写真が入っていて、それを見たおばあさんたちが、その姿に憧れて、彼らの服を再現した」というストーリーです。
 右の写真は、落ち葉の上に納まったブリキのタイムカプセル。古いトランクもそれらしい雰囲気です。

 
Cimg33141  おばあさんたちが考えた、少し不思議な学生スタイルをイメージしてつくったという、新作コレクションには、どこか心安らぐ、やさしい手の温もり感があります。天然素材が中心で、軽いしなやかなウールやカシミア、コットン、麻など。一見シンプルですが、硬い制服調を打ち消すように、ふんわりしたパイルやレース、刺繍などがあしらわれ、細部にこだわったデザインになっています。
 カラーは、色彩のない鉱山を思わせる、白から黒にかけての色に、インディゴブルー。
  
 付かず離れずの、ゆとりのある着やすいシルエットですので、年齢や体型を問わず、幅広く着用でき、商品に様々な植物の種が添えられているのもうれしい。
 懐かしい夢を感じさせるブランドです。

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2014年4月15日 (火)

「アルベリカ ジュリア」初コレクションは妖しい黒づくし 

 イタリア人デザイナーの「アルベリカ ジュリアAlberica Giulia」が、4月10日、東京・港区のイタリア大使館で、初めてのプレタポルテコレクションを発表しました。

 ショーは、暗がりの中、モデル全員が黒いドレスを身に着けて登場。「MARLENE空間と静寂の歌」と題した、前衛的なダンス・パフォーマンスが繰り広げられるという、通常のランウェーではみられない、異色のプレゼンテーションでした。
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 大広間を舞い、重なり合い、ときに倒れ込むモデルたちは、黒髪をなびかせ、白い顔に真っ赤なリップと、何とも不気味な妖しい魅力を放っています。ロングヘアが顔半分をおおう姿は、まるでホラー映画「リング」の“貞子”のよう、と思ったりして---。
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 振り付けはエリー・ヘイElie Hay氏、ロックミュージシャンの灰野敬二氏がバックミュージックを担当。妖しげな黒づくしの演出に、すっかり目を奪われてしまいましたが、コレクションは、シンプルでピュア、クラシックにひねりをきかせた、むだのないデザイン。きちんとしたテーラードジャケットやプリーツスカートなど、さすがイタリア仕立てと思わせました。

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2014年4月14日 (月)

「ファッションワールド東京2014」業界トップ基調講演-(2)

N1x_03091   「ファッションワールド東京2014」の基調講演で、後半に登壇されたのが、ラフォーレ原宿社長の川崎俊夫氏。「ファッションとカルチャーを発信する街『原宿』今後の展望とラフォーレの戦略」と題し、人気のファッションビル、ラフォーレ原宿の過去・現在・未来を語られました。

  ラフォーレ原宿は、森ビルグループ初の商業施設として、1978年にオープン。アークヒルズ(赤坂)再開発のテストランとして、当初は飲食のみの展開だったそうですが、次第に独り立ちし、ファッションの街、原宿を象徴する存在となり、35年が過ぎたところといいます。

  まずはこれまでの歴史を振り返り、「街をつくり、人を育てる」の基本理念のもとに、街の活性化のため街と連携して行ってきた事例や、デザイナーにチャンスを提供するインキュベーション機能、それに多目的ホールでのカルチャー発信事業など、ラフォーレ原宿ならではの取り組みを紹介。

 一大商業エリアとなった原宿ですが、街やファッション活性化のために、今もっとも重要なことは絶えざる「発信」と「鮮度」と断言。とくに鮮度についてぱ、野菜や魚と同様に、賞味期限があると強調されていたのが、印象的です。

  常に新しいものが生まれ、それを発信する活力にあふれた街、原宿。そのランドマークとなったラフォーレ原宿が、今後向かう道について、一つは、原宿を国内外のファッション好きが集まる「ファッション観光地」にしていくこと。このために外国人観光客に対するファッションガイドツアーを実施したり、明治神宮と協力して「和」と最先端トレンドが調和する街づくり構想を打ち立てたり---。

 最後にもう一つ、興味深い話題が出ました、それはアジアに「リトル原宿」のような商業施設をつくること。昨年ロサンゼルスのメルローズストリートと世界初のシスターストリート協定を締結したことなどもあり、国際化へ向けて、動き急といったところです。

 

 それにしても、原宿TOWNの世界発信とは! いよいよアジアの街との共生が始まるのですね。お話を伺って、何かワクワクしてきました。

 なお、掲載した写真は、主催社のリード エグジビション ジャパンよりご提供していただいたものです。

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2014年4月13日 (日)

「ファッションワールド東京2014」業界トップ基調講演-(1)

 先般、開催された第1回「ファッションワールド東京2014」(主催:リード エグジビションジャパン)で、業界を代表する二人のトップが登壇する基調講演が行われました。

N1x_02221  二人とは、三越伊勢丹社長の大西洋氏とラフォーレ原宿社長の川崎俊夫氏です。展示会が開場する前に行われたこの講演会には、朝早くから人が押し掛け、大行列ができていて、びっくり! 訪れたのはおよそ1,000人といいます。場内に入りきらないので、サテライト会場を設けて中継したという、人気ぶりでした。

N1x_01341  まず三越伊勢丹大西社長が、「ファッションにおける今後の価値創造」をテーマに、30分という持ち時間で、大変中身の濃いお話をされました。最初にその内容を、概略します。 

 ①消費者の価値変化について。小売りの売上総額は135兆円だが、増加したのはEC業界のみで、コンビニは好調とはいえ、それは店舗数が増えただけのこと。百貨店は売り上げ5兆円と言われるが、宝飾や美術品などの高額品が売れているのであって、衣料品は厳しい状況にあり、全体に低調。
 消費動向では、商品のもっとも売れる価格帯、これをプライスラインと呼んでいるが、売り上げが伸びているのは、このプライスラインの商品に新しい付加価値をつけた、1割か2割増しの価格帯のもの。価値を見つけることが大切で、これは小売業の基本だとも。
 消費者心理としては、二極化というよりも、使い分けをする傾向で、高額所得者も、目的やその場に応じた使い方をしているという。

 ②.価値創造の方向性について。価値には相対的価値と絶対的価値があるが、重要なのは絶対的価値。三越伊勢丹では、他社と比較するのではなく、本質的にお客様の心を豊かにする唯一無二の価値を引き上げることを目標にしているとのこと。
 そして今後期待されるマーケットとして、団塊世代を中心とするシニア市場、外国人市場、女性活用に伴う市場を挙げ、これとともに注目される消費価値として、安心・安全、歴史的価値、自然、日本、独創性といったキーワードを挙げた。
 ファッションでは、ラグジュアリーブランドでも服が売れずに、雑貨のシェアが拡大していることが一番の問題と述べ、服作りを真摯に続けるブランドを大事にしていくと、アパレルにとっては大変心強い発言があった。

 ③価値創造のヒントについて。価値創造には「ものづくり」の価値を掛け合わせること、すなわち協業が鍵。日本の素材や技術力、感性を凝縮した、新しい発想のメイド・イン・ジャパン、「ジャパン・ラグジュアリー」を発信していくという。
 ベンチマークは「お客様」であり、見せ方、売り方を工夫し、質の高いサービスを心掛ける。このために働く環境を改善すると断言。会場から大きな拍手が沸き起こった。

 ④未来に向けたビジョン。将来の小売業の姿として、次の3つを挙げた。○未来をプロデュースして文化を創造する企業、○世界にライフスタイルを発信する企業、○地域・街・行政とともに歩み成長する企業。

 ご講演を終えて、さすが業界トップの言葉は重いと、感銘しました。日本のファッション業界の課題と今後の方向性が見えてきたように思う、すばらしい講演会でした。

 なお、ここに掲載した写真はすべて、主催社のリード エグジビション ジャパンよりご提供いただきました。

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2014年4月12日 (土)

第1回「ファッションワールド東京」―その②「すべらん肩」

 胸の開きが大きい下着をハンガーにかけると、ズレ落ちることがよくあります。こんな悩みを解決してくれるハンガー用滑り止め、「すべらん肩」を、「ファッションワールド東京」で見つけました。

Cimg32601  開発したのは、東京都千代田区の㈱サイマン(斎鏝)で、ハンガーの肩口部にこの「すべらん肩」をつけると、極端にハンガーを傾けても、また振っても、服は落ちてきません。厚さ1ミリの肉薄加工のカバーですので、凹凸が目立たず、すべての生地に対応できるというスグレもの。素材はよくあるウレタン樹脂ではなく、医療用のプラスティック系ゴムで、酸化防止剤をまったく使用していないので、丈夫でホコリをよせつけず、リサイクルも可能だそう。

 「肩が大きく開いたドレスが流行ったときに、アパレルのデザイナーから、ドレスが落ちないハンガーを依頼されて研究を始めた」といいます。

 第二弾としてスカート用の「グーバースカット」というハンガーも新開発。スカート用というと、クリップがついていますが、これはクリップを使わずに、スカートが下げられる、指の力がほとんどいらないハンガーです。スカートを掛けて、ボタンを押すと、その瞬間すべり止めの付いたバーが両サイドに出てきて、すべり止め効果が働き、振っても落ちません。
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 これがあればクローゼットの中で、服が落ちず、きれいにセットできます。大手アバレルではすでに多数が採用していて、「ファッション界にセッティング革命が起こるかも」と言われているそうです。
 市販も少しずつ進んでいる様子で、アイディア商品と、感心しました。

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2014年4月11日 (金)

第1回「ファッションワールド東京」―その①下町のプリント屋

 この4月2~4日、東京ビッグサイトで第一回「ファッションワールド 東京」(主催:リード エグジビションジャパン)が開催され、急ぎ足で回ってきました。これはシューズ、バッグ、アバレルの3つのEXPOで構成される、国際的なファッション総合展です。年2回の開催で、今回は260社が出展。次回の10月展では出展社の倍増を目指しているといいます。

 とくにアパレルEXPOで、目に留まったブースをご紹介します。

㈱岡三 下町のプリント屋
Cimg32491  プリント加工メーカーが、何と東京のど真ん中、墨田区向島にあるとは! ここではスクリーン印刷やインクジェット、スパンコール風シール加工や昇華転写、グリッター加工、オパール加工、フロッキー加工、ビンテージ加工、カラー分解捺染-----など、様々な染色加工を請け負われています。
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 ブースではスタッフ全員、お揃いの白いつなぎ姿で応対していました。つなぎには、ペンキがところどころ飛び散っていて、いかにも染め職人風です。今回の展示会のために特別に誂たユニフォームだそう。生きが良くて、なかなかかっこ良かったです。

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2014年4月10日 (木)

ファッション合同展「プラグイン」―その2

 ファッション合同展「プラグインPLUG IN」の注目ブランド、その続きをご紹介します。

HiROMITHiSTLE(ヒロミシスル)
Imgp80731  ミリタリー調のかっちりしたマウンテンパーカは、綿100%の高密度織物使い。縁取りに黒く光るビーズがあしらわれています。男っぽいハードなものに女らしいソフトなものを組み合わせる、今季のトレンドを上手にこなしたデザインです。

Motohiro Tanji(モトヒロ タンジ)
Cimg30841  トレンドのニットウェアで、こんなにも独創的なデザインを展開しているブランドがあったとは!編地をくねらせ、ひねり、まきつけ、一回限りしかできないような複雑な立体が、ドレスの上で表現されています。
 クチュール感覚のアートなニット、デザイナーは丹治基浩さん。素材や編地の幅が広がり、新境地に挑まれている様子です。

ONO+8186
Cimg31031 これは倉敷児島でパンツをつくり続けて60年という縫製メーカー、中重被服工業の初のオリジナルブランドです。この9月のデビューを目指して、この展示会に初出展されました。
サイクリング用のサイクルパンツなど、ジーンズとスラックスの中間をいくパンツスタイルが特徴。股上を深くとり、丈はやや短めのデザインで、ステッチやパイピング、セルヴイッチの裏を見せるディテールなど、その一つ一つがはきやすさと美しさにこだわっていることがわかるバンツです。

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2014年4月 9日 (水)

ファッション合同展「プラグイン」―その1

 ファッションの合同展示会「プラグインPLUG IN」が、この3月27?28日に渋谷ヒカリエホールで開催されました。主催する繊研新聞社によりますと、同展は第17回目で、出展社は146社、161ブランドに増え、その内、初出展社が66社とのことです。新規出展社がこれほどにも多くなったとは! 浮き沈みの激しいこの業界ですが、リスクを投じる新たな若い活力が続々誕生しています。殻を打ち破り、前に前にと前進しようという、フレッシュな意欲を感じた空間でした。

○CHAOLU lab(カオルラボ)
Cimg30671 Cimg30661_2  作り手の気持ちが香りを通して伝わってくるようなブランドです。カオルラボのカオルは「香り」のことだったのですね。
 自然素材中心のさりげないシンプルなデザインですが、素材の組み合わせやディテールの扱いが洗練されていて、とにかく巧みなつくりです。よく見ると裏の裏まで細部にこだわっているのがわかります。

Ventriloquist(ヴェントリロクィスト)
 今シーズンも、まろやかでやさしげな商品が並んでいます。
Cimg30701テーマは「二面性」で、  新作は、レースとやわらかいベビーアルパカのニードルパンチ素材でつくられたストールやコート。“腹話術師”という意味の言葉をブランド名にしているように、素材にも二面性を持たせているようです。

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 またこのブランドの定番バッグ、ガマ口型のバッグは、昭和レトロなテイストが人気。今季は、皮革テープをカゴ状に編み組みしたものをお披露目されていました。


○Modern Times (モダンタイムズ)
 スエットが人気を集める中で、注目したのが、このブランドが打ち出していたスエットウェア。
Imgp80781  希少な吊り編み機による裏毛で、ふんわりと軽いボリューム感が着心地よさそう。
 コンセプトは「スローライフ」で、ブランド名は、チャプリンの映画のタイトルから名付けたといいます。

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2014年4月 8日 (火)

「大江戸と洛中 ~アジアの中の都市景観~」展

 江戸東京博物館の20周年記念を祝う最後の企画展が、「大江戸と洛中 ~アジアの中の都市景観~」展です。先日、この内覧会があり、行ってきました。
 近世の江戸と京都をアジアの広がりの中で見つめ、都市の構造を比較するという、歴史好きには注目の展覧会です。 

Imgp80871  会場を入ると巨大な屏風絵がずらりと展示されています。まず正面に洛中洛外図、続いて近世の世界地図が並んでいます。
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 写真上の「十二都市図世界図屏風」は、17世紀初頭に制作されたというもので、信長もこうした地図を眺めていたのでしょう。中韓には、このような地図は遺っていないそうです。 

 そしてもっとも味深かったのが、紅葉山東照宮を飾った遺物の「御簾」です。上部の装飾には、古代中国で瑞獣とされた龍や天馬、麒麟、獅子といった瑞獣のモチーフが見られます。
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 これは同館の調査で新発見されたという貴重な品で、本展の目玉となっています。

 ところで紅葉山というのは、皇居の本丸と西の丸の間にある小丘で、現在は皇室の御養蚕所になっているところ。ここに家康の廟所、東照宮があったのです。明治維新ですっかり破壊されてしまったのですが、これは、江戸城内に祀られた神殿で、アジアの都市づくりの伝統を意識した空間だといいます。

 中国をはじめとするアジアの都市は都城制をもとにつくられ、堅固な城壁や堀に囲まれた中核に宮殿を建て、その内部に祭祀を行う宗廟が置いていたのですが、江戸城はこの様式にならっていたことが、紅葉山東照宮の存在でわかります
 一方、洛中、京都は、碁盤目状の都市計画で、都城制を模しているのですが、霊廟はありません。 

 日本人は、アジアとのつながりの中で、その是非を見分けながら採り入れてきたのですね。両都市が当時、アジアでどのような位置づけにあったのか、改めて見直してきました 

Imgp81171  また江戸時代の文化や風俗を知る着物などもたくさん出品されています。

 写真の鎧は、同館設立以来収集してこられたもので、すべて将軍、あるいは大名のものだそう。

 展示室内の写真は、主催者の許可を得て撮影しました。
 本展は5月11日までの開催です。

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2014年4月 7日 (月)

「Tシャツ・プリント・デザイン・コンテスト2014」グランプリ決定

Scan0174 今年も、Tシャツのプリント・デザインを競うコンテストが行われ、この3月19日の最終審査会で、山岸シュンスケさんの「ふわふわリゾート」と名付けられた作品(右の写真)に、グランプリが贈られることになりました。

 これは、CCI国際綿花評議会、コットン インコーポレイテッド、一般社団法人日本テキスタイルデザイン協会、日本紡績協会、一般財団法人日本綿業振興会の5団体の主催で、Tシャツを白いキャンバスに見立て、コットンのイメージにふさわしいプリント・デザインを募集し、コットン製品の需要増進につなげる特別企画です。

 16回目を迎えた今年の応募総数は、昨年よりも300点以上多い1,423点で、最終審査に残ったのは、その内の30点。最終審査会には、私も審査員の一人として参加し、いずれ劣らぬ力作揃いで、大変悩みましたが、すばらしい作品に賞が贈られることになって、大変うれしく思っています。
 受賞された山岸さんは、「コットンの心地良さ→ふわふわ→雲のリゾート!という具合にイメージを膨らませて、みんな一緒になって愉快に楽しんでいる光景を表現した」といいます。神奈川県産業能率大学4年生、21歳。卒業後は、プロのイラストレーターを目指されるとか。これからが楽しみですね。

 詳細は日本綿業振興会のHPに掲載されていますので、どうぞご覧ください。

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2014年4月 6日 (日)

「こだわりの布」2015展示商談会

 今季も、国内10府県を代表する、匠の技を持つ企業によるテキスタイル合同展、「こだわりの布」2015展示商談会が、この3月27-28日、東京・南青山で開催されました。
 日本の風土に合った新しい生地が次々と提案される中、今回とくに気になったものをご紹介します。

○高橋織物(滋賀県)
 綿100%だけでなく、テンセル混にも力を入れるなど、「高島ちぢみ」を進化させています。とくに美しいのが、繊細なコードを表現したエンボス加工によるファインな超強撚織物。その抜群の伸縮性に驚かされます。
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島田製織(兵庫県)
 綿糸の超細番手使いによるシルキーな先染めが、新鮮です。
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光沢のある綿シャンブレーに       カスリ糸を走らせて微妙な
キャッチワッシャー加工で         変化をつけたチェック
つまんだようなシワ感を出したもの

○カナーレ(愛知県)
シャネル調やフリンジ使い、ラメ入りなど、工夫を凝らしたファンシーツイードが楽しい。中でも今季の人気は、かご編みのようなバスケット織だそう。
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ナイロンでラフィア風の織物         見た目も伸縮する感触も
光沢加工を施し、まるで皮革のよう    ニットのようなリネンツィード

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2014年4月 5日 (土)

テキスタイルネット2014-15秋冬素材展

 テキスタイルネットの2014-15秋冬素材展が、「日本の素材と技術を発見!」のキーワードで、3月26-27日、東京・原宿ラフォーレで開催されました。
 出展した20社の中で、注目した3社の新作生地をご紹介します。

 
桑村繊維
 ギンガムチェックやストライプなど、「糸・染・加工」にこだわったカジュアル商品を展開。
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Cimg31201_3  とくにエジプト綿のギザ88という最高品種の原綿を使った100番手という超細番手糸使いの先染めが魅力。
 また理想の温度帯を保持するという、アウトラスト加工のシャツ地(左の写真)も訴求している。

ダックテキスタイル
 綿厚地織物に特化したジーンズテキスタイル専門商社で、今シーズンは表面感のある小柄ジャカードデニムが人気という。
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中商事
 南仏プロバンスプリントの老舗ブランド、ヴァルドロームValdromeを販売している。これはソレイアード、レゾリヴァードに並ぶプロバンス三大ブランドの一つ。
 下記は同社が60番手綿ローンに別注プリントしたものだそう。ふんわりと軽く、透け感がある。ラミネート加工やキルト加工のものも好評の様子。
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2014年4月 4日 (金)

2014-15秋冬コレクション「アンリアレイジ」気温調節する服

 アンリアレイジが、先月29日、2014-15年秋冬コレクションを東京・六本木で開催しました。ブランドを手掛ける森永邦彦さんは、「不可能を可能にする服」に挑戦するファッションデザイナーです。今シーズンも、きっとこれまで見たこともないような服が出てくるのではないかと、高鳴る胸を抑えて---、見に行きました。

 手渡されたちらしによると、テーマは「SEASON」です。確かに最近は季節の境目が曖昧になっています。厳寒のはずの冬でも薄着で過ごせる日があったり、猛暑の夏なのに温かい羽織モノを必要と感じたり。森永デザイナーはそんな季節感に注目し、今回、温度調節のできる服を提案されました。

 使用生地はすべて"アウトラスト"とのことです。これは、「暑い寒いを、ちょうどいいに」のコピーのように、暑くても寒くても、人間の肌にもっとも快適とされる温度(31℃〜33℃)を保持しようと働きかける温度調節素材で、NASAのために開発された最先端技術です。

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Imgp82001  ショーでは、冒頭、人工雪を降らせる演出で、ブルーのアウターが登場。氷のようなスタッズがあしらわれています。

 続いてイエロー、グリーン、オレンジ、レッドへ、季節が移り変わるように、変化していくカラーは、いずれもブライトで、サーモグラフィーに見るようなカラーです。サーモグラフィーのグラフィックは、柄にも使われていました。

 そして最後に現れたのが、実験的な服です。温かそうな毛足の赤いコートを着用したモデルに、天井から下ろした照明を照射すると、コートは形を変えて、穴がゆっくりと開いていきます。

 コートには、あらかじめ切れ込みが入っていて、熱で開く仕掛けが施されていたのです。これは切れ目とともに、熱により変形する形状記憶ワイヤーの働きを利用した服でした。
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 写真は左が照射前、右が照射後。後ろから撮ったものなのですが、違いがはっきりわかります。

  
 このような服でしたら、季節に左右されずに、いつでも快適に過ごせそうです。デザインも奇をてらわず、シンプルで着やすい---。
 「こんな服があったらいいな」と思う服を、実現させてしまうアンリアレイジ、本当にすばらしい!と、またしても感銘させられました。

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2014年4月 3日 (木)

2014-15秋冬トクコ プルミエヴォル“ネイティブアメリカン”

 レナウン傘下の「トクコ プルミエヴォル Tokuko 1er Vol」が、“USA ネイティブアメリカン”をテーマに東京・恵比寿ガーデンホールで、2014-15年秋冬コレクションを発表しました。
 
 「トクコ プルミエヴォル」は、フランス語で「トクコからの第一便」の意味です。トクコは、パリを拠点に活躍するファッションデザイナーの前田徳子さんのこと。いつも着る人を元気にさせてくれる、楽しい服をデザインされています。

Imgp80381  デザインのヒントはデザイナーご本人が世界各地を旅行して得たインスピレーションが源で、今シーズンはアメリカを旅し、米国先住民の文明が色濃く残るニューメキシコ州アルバカーキに惹かれ、“ネイティブアメリカン”のイメージを中心にまとめたといいます。

Imgp80551 Imgp80631_2  ショーは、星条旗のプリントからスタート。バンダナや羽根の模様、トーテム風の幾何柄や動物柄など、先住民特有のモチーフが彩り豊かに登場しました。インパクトのある大きいパネル柄、レースや透ける素材、ニットの重ねもふんだんに見られ、ラップトップにロングスカートやレギンス、スリムパンツなど、目の覚めるような美しいコーディネイトが並びました。
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   ファンタジックな大人の可愛さいっぱいのコレクションでした。

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2014年4月 2日 (水)

2014-15年秋冬「ネ・ネット」楽しいビジュアル“キラキラ”

 ヤングに人気の「ネ・ネットNe-net」が、2014-15年秋冬コレクションをMBFWTで発表しました。ブランドを手掛けるのは、ファッションデザイナーの高島一精さんです。

 テーマは、“キラキラtwinkle twinkle”で、ショーは、キラキラ輝く大きな“目”がスクリーンに映し出されてスタート。現れたモデルが、全員頭部から顔全体を覆う仮面をつけていたことにも、ぎょっ?とさせられました。
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 服自体は、誰もが着て楽しくなる、リラックスした日常着です。キラキラは、ラメジャカードなど光る素材で表現されていました。
 プリントモチーフにはポップな漫画がふんだんに使われています。少女漫画界の大御所、いがらしゆみこさんやタナカカツキさんのイラストで、ユニセックスなデザインも多く、カップルで楽しめそう。
 
 楽しさいっぱいのファンシーなコレクションでした。

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2014年4月 1日 (火)

2014-15秋冬「ヤストシ・エズミ」テーマは“イームズハウス”

 2014-15年秋冬に向けて「ヤストシ・エズミYasutoshi Ezumi)」が見せたのは、ロサンゼルスにある“イームズハウス”に着想したコレクション。“イームズハウス”とは、イームズ夫妻の自邸で、既製のパーツを組み合わせて、1949年に建造されたアメリカン・モダニズムを代表する建物です。

  ブランドを手掛けるファッションデザイナーの江角泰俊さんは、“計画を記号に表す”デザインの語源“Designare”をヒントに、イームズハウスの建築デザインに着目し、これをテーマに服に置き換え、コレクションを発表したといいます。

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 ランウェーには、イームズハウスを連想させる巨大な格子のフレームを設置。その中を歩くモデルたちの服にも、格子状の切り替えや、バネルの嵌めこみ、チェック柄使いなど、この発想が見られます。

 江角さんらしい独創的な知性を感じさせるデザイン満載のコレクションでした。

Cimg30331  ショーの後、第6回目となるDHLデザイナーアワード受賞式が行われました。受賞したのは、まさにこの江角泰俊さん。今回のコレクションといい、このところ進境著しいものがあります。

 記念の盾と総額50万円相当の海外発送の副賞を手にして、「この悦びをスタッフら皆とシェアしたい」と一言。ますますの世界進出を期待しています。

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