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2014年4月13日 (日)

「ファッションワールド東京2014」業界トップ基調講演-(1)

 先般、開催された第1回「ファッションワールド東京2014」(主催:リード エグジビションジャパン)で、業界を代表する二人のトップが登壇する基調講演が行われました。

N1x_02221  二人とは、三越伊勢丹社長の大西洋氏とラフォーレ原宿社長の川崎俊夫氏です。展示会が開場する前に行われたこの講演会には、朝早くから人が押し掛け、大行列ができていて、びっくり! 訪れたのはおよそ1,000人といいます。場内に入りきらないので、サテライト会場を設けて中継したという、人気ぶりでした。

N1x_01341  まず三越伊勢丹大西社長が、「ファッションにおける今後の価値創造」をテーマに、30分という持ち時間で、大変中身の濃いお話をされました。最初にその内容を、概略します。 

 ①消費者の価値変化について。小売りの売上総額は135兆円だが、増加したのはEC業界のみで、コンビニは好調とはいえ、それは店舗数が増えただけのこと。百貨店は売り上げ5兆円と言われるが、宝飾や美術品などの高額品が売れているのであって、衣料品は厳しい状況にあり、全体に低調。
 消費動向では、商品のもっとも売れる価格帯、これをプライスラインと呼んでいるが、売り上げが伸びているのは、このプライスラインの商品に新しい付加価値をつけた、1割か2割増しの価格帯のもの。価値を見つけることが大切で、これは小売業の基本だとも。
 消費者心理としては、二極化というよりも、使い分けをする傾向で、高額所得者も、目的やその場に応じた使い方をしているという。

 ②.価値創造の方向性について。価値には相対的価値と絶対的価値があるが、重要なのは絶対的価値。三越伊勢丹では、他社と比較するのではなく、本質的にお客様の心を豊かにする唯一無二の価値を引き上げることを目標にしているとのこと。
 そして今後期待されるマーケットとして、団塊世代を中心とするシニア市場、外国人市場、女性活用に伴う市場を挙げ、これとともに注目される消費価値として、安心・安全、歴史的価値、自然、日本、独創性といったキーワードを挙げた。
 ファッションでは、ラグジュアリーブランドでも服が売れずに、雑貨のシェアが拡大していることが一番の問題と述べ、服作りを真摯に続けるブランドを大事にしていくと、アパレルにとっては大変心強い発言があった。

 ③価値創造のヒントについて。価値創造には「ものづくり」の価値を掛け合わせること、すなわち協業が鍵。日本の素材や技術力、感性を凝縮した、新しい発想のメイド・イン・ジャパン、「ジャパン・ラグジュアリー」を発信していくという。
 ベンチマークは「お客様」であり、見せ方、売り方を工夫し、質の高いサービスを心掛ける。このために働く環境を改善すると断言。会場から大きな拍手が沸き起こった。

 ④未来に向けたビジョン。将来の小売業の姿として、次の3つを挙げた。○未来をプロデュースして文化を創造する企業、○世界にライフスタイルを発信する企業、○地域・街・行政とともに歩み成長する企業。

 ご講演を終えて、さすが業界トップの言葉は重いと、感銘しました。日本のファッション業界の課題と今後の方向性が見えてきたように思う、すばらしい講演会でした。

 なお、ここに掲載した写真はすべて、主催社のリード エグジビション ジャパンよりご提供いただきました。

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