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2014年3月15日 (土)

"唯、美しく"「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」展 

 今、東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」展の内覧会に行ってきました。
 
 高橋館長のお話によりますと、本展は、2011年夏にロンドンのヴィクトリア&アルバートミュージアムで行われた「カルト・オブ・ビューテイ」展が原型で、これを東京でぜひ実現したいと、同館のために改めて構成し直した、手作りに近い企画展だそう。同館の建物も1894年の建築で、当時の英国美術のDNAが浮遊している、日本初公開にふさわしい環境と、述べていらっしゃいました。 

Cimg25241  この後、学芸員の加藤明子氏が、「唯美主義とは、エステシズムaestheticismを原語とする、視覚的、触覚的な悦びをもっとも重視する感性至上主義で、ヴィクトリア朝時代の英国で大流行した芸術運動」と解説。

 出品作には、絵画だけではなく家具・調度品から日用品なども含まれていて、この動きが当時の生活全般に影響を与えていたことがわかる展示になっていました。

Cimg24901

 写真上はバーン・ジョーンズの「ヘスペリデスの園」(1882年)。金と白金の箔を貼った、装飾的で華麗な作品。
  
 興味深かったのは、美しい花があちらこちらにあしらわれていることで、とくに目立っていたのが、ひまわり。これは男性性の象徴であったといいます。

Cimg2515  写真左は、ひまわりのモチーフを好んで使った金属細工のデザイナー、トマス・ジェキルの1876年の作品。アールヌーボーを代表するウィリアム・モリスのデザインにも、ひまわりがたくさん使われています。

 さらに同館の壁面にも、赤レンガとともにひまわりの花がみられるとのことです。
 
 また百合の花は女性性を、クジャクは美のシンボルとされて、頻りと装飾に用いられたといいます。

Cimg25421 Cimg25231 フレデリック・レイトン「母と子」   フレデリック・レイトン「パヴォニア」 
背後に白い百合の花        頭の後ろにクジャクの羽根を装飾

 リアルに写実するよりも、物語性の強い、見てわかりやすく楽しめる絵画が好まれた時代で、「唯、美しくあれば、それでいい」という、そんな背景のもと、広がっていったようです。

 ところがこの唯美主義は、次第に退廃へ走るようになっていきます。世紀末、オスカー・ワイルドらのスキャンダルもあり、火が消えていくのですね。

Cimg25761  写真右は、その頃のビアズリーの版画を集めたコーナーです。

 
 服飾では、古代ギリシャやローマへの憧れから女神のようなドレーバリーをまとう女性像や、また扇子がやたらと目に付きました。これはやはりジャポニズムの反映と受けとめられているようです。
Cimg25041  
 展示の最後を飾っていたのは、ちらしにも掲載されたアルバート・ムーアの「真夏」(1887年)でした。写真上です。

 なお、展覧会は5月6日までの開催です。

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